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Seiru さんのレビュー一覧 

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     2016/05/16

    演奏についてはもう言わずもがな、しかし何よりマルチチャンネルの素晴らしさに驚きました。SACD2ch層も十分に素晴らしいのですが(金管が暴れてた印象が強かったけれども)、マルチチャンネルを聴くと印象が全く変わってしまうほど素晴らしい音楽を堪能できます。近年シングルレイヤー等でヴァントの演奏が発掘されていますが、やはりそれとは一線を画す出来。マルチをお持ちの方は是非お手にとって見てください、間違いなく決定盤になると思われます。

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     2016/05/13

    この曲のBPOとの録音が自分の「惑星」との出会いでしたが、旧録については正直感心しない部分が多すぎます(SACDで初入手ということで非常に期待させられたぶんもあるかもしれない)。縦の線があまりにも合っていなく、乱れるという以前にVPOが身勝手すぎるのです。火星、水星、木星とアインザッツが重要な曲では聞くに堪えない状態。カラヤンでもこんなダメなことってあるんだなあ……。同じアンサンブルの乱れでも、ボールト新録のそれはテンポの揺れによる若干のもので、ましてやそれにすら味があるのに。録音が良いのも正直それが気になって仕方ないという悪い方向に向かってしまう録音です。ところでBPOの方はSACD化しないのでしょうか?シベリウスの84年録音やツァラトゥストラ新録など、デジタル録音と思われるものがSACD化されているので、そちらにも期待したいのですが……。
    録音がよく惑星らしい魅力を認識したい方は、同じSACDでもハンドリーやボールトをおすすめします。ハンドリーは廃盤なので、運よく中古で見つけた方しか入手できないと思われますが。

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     2016/04/15

    5分にも満たない「Pie Jesu」が凄い。最早これはこの世の音楽ではありません。感極まっても涙すら出ない程の衝撃。この絶筆の曲、死の香りはマーラーやチャイコフスキー、ブルックナーなどの比ではない。個人的にはペッテションをも凌駕する。知らない人は是非この盤でお聴きになって下さい。

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     2016/04/13

    テューバパートの追加、エラーの修正、第四章の作者の意図したハープでの演奏を実現した、など、学術的にも非常に重要な演奏。すぐ後に山田和樹指揮横浜シンフォニエッタによる同年の演奏も発売されますが、声楽面では間違いなくこちらに軍配が上がるでしょう。日本を代表するソリスト(教授だが)、そしてそのソリストの卵達多数!ときたら期待せざるをえないけれども、この録音の響きはその期待を遥かに超えるものでした。第五章でしっかり少年合唱団が子供の声で、童唄のような効果をあげているのも嬉しい、しかもこちらも上手い。オーケストラは弦を中心にもっとダイナミクスがほしい場面もあったけれども、目立った粗もなく木管がよく歌ってくれて好印象。録音もNAXOSのSACDらしく本当に自然な響きが収められています。高水準かつ資料としても貴重、この楽曲の明らかな転換点となる記念碑的な演奏です。

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     2016/03/18

    第一楽章は言わずもがな、しかし特に第三楽章が素晴らしいです。DSD化で解像度が一気に上がったことでこの楽章・演奏の真の意味が理解できた気がします。ノイマン晩年やアバド/VPOのそれぞれ天国的な演奏(この演奏も含め、全て違ったベクトル)も素晴らしく甲乙つけがたい出来ですが、ここの鳴らし方はクーベリックが最高です。各楽器のディテールを鮮明にし、時折現れる調整の曖昧な和声が自然に強調されるさまは、この交響曲が人間を歌ったものではないという事実を我々に突きつけてくるのです。ポストホルンが採用されない演奏も多い中、ポストホルンが自然に音場に馴染んで響き渡るところも非常に美しい。録音そのものはトーンマイスター・ヘルマンスの担当した諸録音(例えば、同様にDSD化されているカラヤンの1960年ドイツ・レクイエム等。レコーディングプロデューサーは同じハンス・ウェーバー)と比べると幾分平坦ですが、それでも十分最新録音と張り合える解像度です。

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     2016/03/08

    名演です。同内容のSACD(SACD2-2231)はすでに廃盤、非常に勿体無い。オルガン付きですが、比較的中庸なテンポで着実に音楽を構築していくタイプの演奏。第二楽章二部、マエストーゾからはテンポが上がり溌剌なフィナーレとなります。カナダも仏語圏であり、同じ都市にはデュトワの名盤を生み出したモントリオール響も存在しますが、本場やスイス仏語圏指揮者・オケの録音にあるようなやや客観的な視点で色彩感を鮮やかに描き出すタイプの演奏とは一線を画しています。
    しかしドイツの指揮者など(エッシェンバッハetc)のような鈍重さには決してならないバランス感覚が素晴らしい。アプローチとしてはデ・ワールトに通ずるものが感じられます。それもそのはず、ネゼ=セガンはジュリーニに影響を受けると同時に短期間師事しており、その薫りが仄かに感じられるのです。オケも上手く、録音も楽器のニュアンス一つ一つまで細密に捉えられており優秀。特に低弦の響きは、教会というウェットな環境としては最高級のものではないでしょうか。
    併録のオルガン曲も見事です。

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     2016/03/08

    言わずと知れた名盤ですが従来盤は持っておらず、SHM-SACDとしてこの盤のリマスタリング盤を所持しています。演奏については諸氏の仰る通り、非常に情熱的でドラマティック、合掌も一切隙がなく、ハチャトゥリアンの自作自演以来の本気のウィーン・フィルを聴くことが出来、もうこれ以上言うことはないでしょう。しかしひとつ問題があります。それは第一楽章のみだと思われますが、頻繁に音場が切り替わり、例えば18小節のOb&Eng.Hornの旋律が始まった瞬間にそれまで右に自然に定位していた低弦が引っ込み木管にフォーカスが当たるものになり、41小節目のtuttiで再び冒頭のような音場に戻る……という不可解な編集がこの楽章の至る所で行われているという問題です。アナログの時代であり、マスターテープ由来で取りかえせなかったから、という制約もありますが、これがこの演奏の価値に大きな傷をつけていると思うのは私だけではないはずです。以前フルトヴェングラー作、アルブレヒト指揮の交響曲全集(廃盤)でも同様のことがあり否定的にレビューしましたが、もうDSD録音の時代に発生しようがないにせよ、このようなテープを切り貼りした痕跡がはっきりした演奏が現れないようにと切に願う次第です。しかしそれさえ我慢できれば、私の好きな小澤/SKOやテンシュテット1989Liveをも凌駕する、驚異的な音楽であることに変わりはありません。

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     2016/02/09

    演奏は勢いもコシもある一級品、録音もrpoらしい太さで一級品…かと思いきや、なんとSACD2chの左右チャンネルが反転している。廉価とはいえSACDでこれは非常にもったいない。CDは通常通りである。もう廃盤寸前の状態であろうが、この事実だけは買い求める人に伝えねばならない。初期不良なだけならよいのだが…

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     2015/01/31

    非常に癖の強い、そして味付けもそれぞれ異なっているために全集として買うと「出来不出来が激しい」という第一印象を抱かざるを得ない。そして録音も初期録音を中心に8番を除き極めてドライであり、EXTONを始めとした日本人好みのウェットかつ芳醇な音に聞き慣れているとスカスカのような印象をまず抱く。しかし一度この全集に飽きて様々なディスクを聴き回したあと、再び戻ってくるとこの全集が如何に面白いか分かる…6番4番のようなもともと出来のいい万人向けの?演奏を除いてバラで買ったぶんを聴いていて飽きてしまい売り払ったのですが、圧縮音源で取っておいた7番を聴いて再びこの全集に目覚めてしまいました。デッドでスカスカな音響もボリュームのつまみを大きく上げてみると決して情報量不足ではなく、逆にデッド故に楽器そのものの響きが堪能できて面白く感じます(音楽制作をするとデッド音響が好きになったりもするせいもあるのでしょうが)。ダイナミックレンジの広い録音・演奏揃いなので、SACDレイヤーかつボリュームをがんと上げられない環境の人にはお勧めできない。しかしそれが出来る人には間違いなくハマる何かがある不思議な全集でしょう。それだけに8番だけ音響上浮いているのが個人的には惜しく感じます。

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     2014/09/26

    エレメントごとに見るとぎこちなく感じる?否、これほどまでに奏者全てが確信を持ってすべての音を鳴らしている演奏などないのではないかと思わせる演奏。各声部のバランスも、縦の線も、そして何より旋律の歌わせ方も、ここまであらゆる点において経験、民族性を感じられる共感に満ちた演奏は他に感じられません。
    一聴してすぐその魅力が分かるものでもないし、聞き流すなど以ての外。聴きこめば聴きこむほど、その歌い方に大真面目に耳を傾ければ傾けるほど、この演奏がどんなに他とは一線を画した情緒を帯びているかが分かってくるのです。ある意味においてはマーラーの第八番に通じるような芸術となって迫ってくるのです。素晴らしい。

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     2014/08/11

    以前絶賛した「ダフニスとクロエ」に続きこちらも名盤。それにしてもゲルギエフは面白い指揮者ですね。キーロフとの悲愴で豪胆に爆発したと思えばウィーン・フィルとはその豪胆さを音として出せず酷評され、ここ最近ではピアノ協奏曲を近い間に二回も録音していながらマツーエフとの演奏の評判は芳しくない。…ところが近代フランス音楽の演奏ではどうだ、ここまでスコアに書かれた音の一つ一つを手中に収め繊細なニュアンスの変化まで表現しつつ完璧に鳴らしきる指揮者もそうそういないのではないか…!「ダフニスとクロエ」を買った時は正直怖いもの見たさ半分だったのですがあまりに大当たりで驚き、そしてこのドビュッシーでも牧神のトリスタン和音からもう完全に管弦楽と和声の官能的な海に飲み込まれていってしまう。バービカンのデッドな音響もプラスに働いているのは言うまでもありませんが、それにしてもゲルギエフのフランス音楽への適正、コレはすごいぞ…レパートリーの更なる拡張に大いに期待したいです。是非ペレアスとメリザンドの初DSD録音を成し遂げて欲しいと思います…!

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     2014/08/11

    ヒコックスの一連のヴォーン・ウィリアムズの録音の中でも最も録音状態の良さが出たディスクであると思います。原典版録音ですが、1楽章にはあまり違いはありませんが、改訂版では2楽章以後が非常に大きくカットされており、ヴォーン・ウィリアムズが削ったパッセージの中には土臭すぎてコレを入れれば確かに冗長になるなーといった類のものやこんなに美しいのに切らなければならなかったのか、といったものまで様々なものがあり、まさにヴォーン・ウィリアムズ節を隅々まで楽しむことが出来ます。(個人的には、第2楽章が非常に美しいと感じます)
    このチクルスでは田園交響曲や第5番では残響が強く出ておりオーケストラからはやや遠い位置にいるような録音ですが、このロンドン交響曲では恐らく冗長だろうと言われるこの原典版をビシッと聞き飽きなく堅固にまとめており、録音面でも各パートの妙技を存分に味わる良録音。改訂版の演奏でSACDとして世に出ているのはシーマン/ロチェスターフィルですが、あちらはバービカンホールもびっくりの非常にデッドな音響ですので色々と聴き比べてみても面白いかもしれません。

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     2014/08/11

    元の盤を所持していない若造のレビューで申し訳ないですが、なかなか面白い録音です。率直な感想を言えば「超高音質の、しかし昔ながらのハリウッド映画然としたアナログライクな音」が眼前に広がります。
    解像度は非常に良好ですが非常にデッドかつニアーな録音であるためこのような感想になりますし、奥行きのある実演のような音響を求める方には向かないかと思われます。しかしグランドキャニオン組曲にはこの超デッドな音響がプラスに働いているようで、実際に屋外…グランドキャニオンで演奏したらこう響くんじゃないのかとさえ思えます。日の出におけるフルートの歌い方なんてまるでピクニックに来たかのよう。
    アメリカンな、ハリウッドライクな、まさに本場物のグローフェを、しかも本人の指揮で楽しめる。万人受けする録音とは口が裂けても言えませんが、こういうのもありなんだな、と思った盤でした。

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     2014/08/11

    この3曲をカップリングしたCDにはマッジーニ四重奏団の他に、Nimbusから出ているメディチ四重奏団(残念ながらhmvでは取り扱いなし)、イギリス四重奏団(廃盤)の二種類がありますが、このうちメディチ四重奏団の録音は作曲者未亡人アーシュラ・ウッドや四重奏曲第二番の被献呈者であるジーン・スチュアートの監修を受けたメディチ四重奏団のものが、解釈・演奏・技術・録音ともに群を抜いています。恐らくメディチ四重奏団は現在流通しているぶんで在庫が終了すると思われますので、それが手に入るうちはそちらを買い求めるのをお勧めします。
    曲に関しては幻想五重奏曲、弦楽四重奏曲第一番はラヴェル師事から間もない作品であり、そこから学び取った語法とヴォーン・ウィリアムズらしい旋法性に溢れた(懐かしくもあり土臭い)旋律美に浸ることが出来ます。作曲技術的にも特に四重奏曲一番の終楽章などにその妙技を垣間見ることが出来、スコアを片手に分析するのも面白い作品です。
    弦楽四重奏曲第二番は晩年の作であり、交響曲第九番と作風の類似が見られます。「暗く謎に満ちた」作品ですが、表題である「ジーンの誕生日に」を噛み締めて聴いてみてください。いずれその真価がわかることでしょう…

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     2014/08/11

    ウェンロック・エッジのために購入。
    曲の素晴らしさは言うまでもなく、それにしてもティルブロックのピアノとギルクリストの奥行きのある声がほんとうに素晴らしい…田園交響曲のような深遠で清澄な響きの海に沈むことが出来ます。やはり白眉はブリードンの丘。
    ヴォーン・ウィリアムズにハマっている方は是非とも備えていただきたいCDです。LINNの持ち味である解像度良好かつ素朴な響きの録音はこの盤でも健在でSACDとしても良質。

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