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H.N さんのレビュー一覧 

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     2022/05/24

    星の評価ならびに以下のレビューは、全く個人的なものです。それを加味して読んで頂きたいのですが……。まず、「20世紀前半の演奏様式」というものがあり得たとして、それをステレオ時代にも展開したような演奏だなと感じます。例えば、現代の指揮者ならばもっと縦の線をきっちり揃えることを要求するであろうところが、このバルビローリの一連の演奏においては、程度の差こそあれ、緩くなっています。それはひとえにオーケストラの技術の問題のような気もしますが、かと言ってバルビローリがそこまで難儀しているという様子も感じられません。そんなところから推し量ると、彼はレコーディングには充分満足していたのではないでしょうか。それになんと言っても、そもそも音楽というものは縦の線が揃っていれば良いというものではなく、単に技術的に上であればリスナーを感動させられるというものでもありません(まあ、リスナーとして「感心」はするでしょうが……)。そして、バルビローリがこの演奏を信じていたのかも知れないと考える時、「ああ、なるほど。これが『彼の』マーラーなのだな」と思います。個人的には感覚的に合わないところが多々あったので星での評価は3つどまりとさせて頂きますが、音楽に向かう一貫した真摯な姿勢は、現代においても、或いは現代においてこそ必要なものだと思います。

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     2022/05/09

    生で聴いていたら、きっと感動したでしょう。しかしこのCDでは、ドロップアウトやら歪みやら、挙句の果てには楽章間のインターバルのカットなどに苦しめられて、残念ながら演奏に浸ることは出来ませんでした。確かに演奏そのものは素晴らしかったのかも知れませんが、CDとしての出来を鑑みれば、少なくとも個人的には、あくまでも「一時代の記録」という位置にとどめざるを得ないようです。個人の嗜好によるのは当然ですが、現代であれば素晴らしいブルックナーを演奏できる奏者は、チェリビダッケ存命中の頃以上に多くいるような気がします。従って、敢えてこのリスボン盤にこだわる必要はないように思えてなりません。……以上、少数意見かも知れませんが、このような感想を抱く人間もいるということでご理解頂ければ幸いです。

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     2021/07/23

    カーター流のmetric modulationが大いに楽しめる一枚。ジュリアード盤では個人的にはややぎこちないと感じられた第3番なども、このパシフィカ四重奏団による演奏で聴くと、スコアに書き込まれた圧倒的な情報量に改めて驚くとともに、それらを生きた音楽として見事に再生してみせる演奏者の手腕に脱帽するしかない。カーターの場合、この弦楽四重奏曲第3番の時期以降の作品は、色々なジャンルにおいて少しずつシンプルな作風になっていく。ここに収録されている第4番と、別盤に収録の第5番を順に辿って聴いていけば、例えばハイドンの場合のように、彼の円熟への変遷を窺い知ることができる。適度に残響を伴った音も聴きやすく、お奨めの一枚だ。

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     2021/07/22

    カラヤンがベルリンフィルを指揮して臨んだ『ドン・ジョヴァンニ』は、結果的に最高の演奏になったと思う。このオペラはもちろん今でも人気のある演目ではあるけれども、実際に演奏するにあたっては細心の注意を要する作品でもある。グルーヴ感に頼るだけでは必ず上滑りを起こす。深刻さを醸そうとしてテンポを落とせばあっという間に鈍重になり、次の場面との、ひいてはこのオペラ全体との整合性がギクシャクする危険がある。表面的な響きのみに拘泥すると人間の内実に迫ったこのオペラの劇性を損ない、四角四面の勧善懲悪を基軸に据えれば全体に張り巡らされたユーモアがたちどころに失われる、等々……。個人的には、これらの障壁を極めて高いレベルで乗り越えているのが、このカラヤン盤であると考えている。上っ面ではない気品がこの演奏の隅々に行き渡っているのが感じられるし、それを味わうにあたっては録音の良さも一役買っている(ちなみに、私が所有しているのは”MADE IN WEST GERMANY”という表記のある盤)。繰り返し耳を傾けるに値する最高のモーツァルトだと思う。なお、このオペラについて「デモーニッシュ」云々というのはあくまでも昔からよくある一面的且つ部分的な評価(誤解)に過ぎず、それだけで全てを語ってよいものでは断じてない。個人的嗜好をこじらせた「音楽の真実」なんて、私はまっぴらゴメンだ。

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     2021/07/21

    ベームが指揮したモーツァルトの映像作品はいずれも大変素晴らしいものばかりだが、このレクイエムもまた然り。しかも、昔からベームの全仕事の中でもトップクラスに挙げる人も多い超名演となっている。当然(?)昔ながらの旧スタイルでの演奏であり、現在主流のピリオド(流儀を加味した)スタイルの演奏を至上のものとする人にはお奨めしない。しかし、全く個人的に思うところを書かせてもらえば、モーツァルトのレクイエムにおいてこの演奏を無視するのはあまりにも勿体ないと感じてしまう。ウィーン響もベストフォームといってよいパフォーマンスを披露しているし、ソリストの組み合わせもこれ以上は望めないレベルであり、実際にここでの歌唱は、ソリスト同士のバランスも含めて、極めて充実したものとなっていることは明らかである。現代においてはもはや実演で聴くことのできない大きな響きのレクイエムに包まれる体験も、悪くないのではないか。

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     2021/07/20

    大変優れた音質。ブラームスについては元々の録音があまり良くないので仕方ないが、その他は万全と言って良い出来。スペルミスが気になって集中できないという人を別にして、この復刻を受け入れられない人がいるとすれば、それは針音を頭の中で除去できずに楽音のみに集中できない人ということになるのかも知れない。逆に言えば、盛大な針音が気になる人はこの復刻盤を求めるべきでない。実に勿体ない限りだが……。オーパス蔵からはヌヴーの盤が他にも出されているが、いずれもレベルの高い復刻だと思う。

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     2021/07/17

    クレンペラーが指揮した永遠の名盤がシングルレイヤーSACD化された(ハイブリッド盤ではない)。この録音では全ての台詞がカットされているので異を唱える人もいるし、確かにその気持ちもよく分かる。しかし、ここで聴かれる演奏が魅力的であることについて、否定する気はさらさら起きない。2016年リマスターの通常CDでも充分に素晴らしいと感じたが、SACD化によって更に一段と豊かな音響に恵まれたと言って良いと思う。ただし、広く奨めるには価格が高いこと、その割には通常のプラケース収納であり高級感がないこと、解説書にも大したことは書いていないこと等を考慮し、星4つとした。

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     2021/07/17

    個人的には、ノイヴィルトの『Lost Highway』やフラーの『Begehren』、あるいはカーターの『What Next?』等と共に、現代オペラの傑作として挙げられて然るべき作品だと思う。演奏も非常に優れており、興味のある方には広くお奨めできる一組。所謂クラシック音楽調のアリア等は出てこないが、全く別の地平(あるいは感性)から新たな音響が獲得されており、その音楽は私を感動させてくれる。ラッヘンマンの用いる特殊奏法や展開には、どこまでもきちんとした意味がある。そこに付き合えるかどうかが、恐らくこの作品に対する評価の分かれ目になるだろう。繰り返すが、個人的には大のお奨めである。

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     2021/07/17

    初版輸入盤からの付き合いだが、未だに飽きないし、むしろ聴く度に新たな満足感が得られる演奏。ブルックナー自身が「対位法的傑作」と呼んだこの構築物に対して、ヴァントの理知的且つ情熱的アプローチがビシッと決まっている。手兵たる北ドイツ放送響との演奏の方が精密さという点で上回っている箇所は確かにあるけれども、やはりベルリンフィルというパワフルなオーケストラの響きで奏でられるこの演奏は、実に魅力的だ。音質も良い。

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     2021/07/17

    今まで様々な演奏家でこの楽劇を聴いてきたけれども、オーケストラの雄弁さという点において、このカラヤン盤に並び立つものを思い返すことは難しい。ワーグナーの書いた音符たちが水を得た魚のように生き生きとしている様(必ずしもフレッシュという意味ではなく、神話性や官能性などにおけるそれであるが)は、文字通り、筆舌に尽くしがたいものだ。ヴィッカースの配役は昔から賛否両論あるが、個人的には嫌いではない。彼に対するよくある酷評には、少なからず違和感を覚える。ただし「トリスタンとオテロ、一体どちらの役の方が相応しいか?」と問われたら、私ならオテロと答えるだろう。なお、フィルハーモニア管を指揮したフルトヴェングラー盤も勿論素晴らしいとは思うが、やはりモノラル録音という当時の限界によって音の広がりはスポイルされてしまっている感は否めず、良好なステレオ録音のカラヤン盤と比べると些か聴き劣りすると言わざるを得ない。尤も、この楽劇に興味のある音楽ファンには、是非とも両方持つことを奨めたい。なお、当カラヤン盤において、これまでにリリースされた盤ごとの音質の違いについては、装置の違いや好みの問題に帰することのできる範囲内だと個人的には思う。

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     2021/07/13

    トスカニーニの指揮による有名な演奏の復刻盤。RCA盤と比べると合唱はやや濁りがちだけれども、管弦楽の響きには厚みがあり、特に低域などは豊かである。RCA盤よりもピッチが低く、そのことによって緊張感が殺がれているようにも思えるが、そもそもこれだけ響き方が違うと、必ずしもピッチのせいだけではないのかも知れない。とはいえ、バスドラムの強烈な一撃はこれまでに流布されているどの盤よりもリアルに響くし、別の箇所ではRCA盤とは編集上の明らかな違いもあるので、当演奏のファンには一聴をお奨めしたい。ただし、オーディオ的に言うところの所謂「音の分離」を求める方にはお奨めできない。

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     2020/09/22

    奇をてらうことなく、これら名曲の本質を突いた名演。純器楽的とも、あるいは(場合によっては都合の良い逃げ口上にもなり得る)純精神論的とも違う音楽的な何かが、この指揮者の手によって見事に表現されています。スタジオ録音の全集盤も素晴らしいですが、こちらのライブ盤ではより豊かな広がりを感じます。単なるコマーシャル且つ軽薄な巨匠風味とは明らかに一線を画す、どこまでも気品に満ちた一途な音楽だと思います。

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     2020/09/17

    SACD盤への評価です。演奏と音質は星5つ。しかし、編集に対しては個人的には星1つです。楽章間のポーズをごっそり削ったことによって、流れがぶつ切りになってしまっています。CD盤ではこのポーズはきちんと残っているので、新マスタリングの際に無造作にカットされたようです。ご参考までに。

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     2012/01/23

    商品説明欄に「SACD Hybrid」とありますので、通常のCDプレーヤーでも再生できるはずです。ただし「SACDの音」ではなくて「普通のCDの音」しか聴けませんが・・・。このような名演中の名演は、ぜひSACDで聴きたいところですね。もちろん、マスタリング如何にもよりますが。いずれにしても、期待をこめて星5つ。

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