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ヒマシテラ さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/02/28

    各曲とも、引き締まったフレージング、弦を主体とした重厚な響き、やや遅めの堂々たるインテンポによる演奏であり、古楽器ブームの弊害により滅多に聴かれなくなってしまった正統派の名演である。無用のリピートがないのも良い。このブラームスのほか、モーツァルト、ベートーベン、シューベルトでも見事な演奏を残しており、エリシュカがチェコのみならずドイツ・オーストリアの伝統も受け継ぐ名匠であったことを証明している。惜しむらくは、ブラームスの交響曲全集に付き物の両序曲、ハイドン変奏曲がないことだ。事実上引退してしまった今となっては、録音することはほぼ不可能だろうが、一分の望みを持ちつつこの録音を味わいたい。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/10/06

    手持ちのCDの音に大きな不満があったわけではないが、マイヤー氏の手腕を信頼して購入。
    オーケストラの音に関しては、既存のCDでも比較的良好な音質であったため、ベートーベンやブラームスほどの劇的な変化はない。一方で、カサドシュのピアノの音は改善が著しい。
    手持ちのCDでは、オーケストラの美しい響きを土台にし、別マイクで収録したピアノの音をその響きに乗せる感じで、明快ではあるもののやや不自然なバランスで、ピアノの残響がカットされた潤いの乏しい録音との印象が強かった。
    今回のリマスターによって、ピアノとオーケストラの音が適度な残響に包まれて自然なバランスで溶け合い、解像度も向上したことで、ピアノ、弦、木管の会話が一層美しく浮かび上がってくる。特にリフシェイ、マック両名手のオーボエは絶品である。
    それにしてもカサドシュのピアノの音は本当に美しい。これほどまでに磨きに磨かれた純度の高い透明な音色だとは思っていなかった。今回のリマスターも成功。マイヤー氏に感謝したい。
    今後も、パサついた音の協奏交響曲や窮屈なブルックナーの3番など録音で大いに損をしている名盤の改善をお願いします。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/06/29

    すばらしい音質に変わった。これまでポール・マイヤースのプロデュース=寸詰まりの音だったが、響きが伸びやかに放射され、強靭な輝きで満たされている。セルのブラームスは「精妙だがこじんまりしている」と言う評価が多かったように思うが、このCDを聴けば改めることになるだろう。懸案の2番は根本から改善され、また、前回のベートーベンと異なり序曲もすばらしい音質だ。ポールさんに謝りたい。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/11/06

    全米で最も美しいホールの一つといわれているセベランスホール、お馴染みのムジークフェラインでのライブ演奏で映像、音質は申し分ない。メストは出だしは今一つだが(恥しがり屋なのか、嫌々始めているような雰囲気を受ける)、演奏が進むにつれて熱を帯びてきて、それに合わせてオーケストラもセル時代を彷彿させるような引き締まった力強い音に変貌する。いずれの演奏も極めて水準が高いが、第一の聴き物はユリア・フィッシャーとのバイオリン協奏曲だ。フィッシャーの美しくも凛とした演奏は、セルが惚れ込んだバイオリニストのモリー二を思い出させる。メストとクリーヴランドの伴奏もしなやかで力強く、特筆すべき名演となった。また、ウィーンで演奏した交響曲第二番も白熱の名演だ。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/07/19

    聞いた瞬間、いかにも放送を録音したという音質で、正直言って興を削いだ。
    ダイレクト音声で聞かないと、低音がやたらと膨らみ、木管群が比較的明瞭とはいえ、セルらしい細やかなニュアンスが埋没しがちである。
    演奏は、セルのライブらしく多少細かいところは目をつぶり、活き活きとした表現を前面に押し出した演奏だが、ぎりぎりのところでフォームを崩さないのがセルらしい。セルファンにとっては本盤も貴重な記録だが、今度はぜひ、ソビエトでのブラームスの3番と、当日のアンコールだと思うが、ドヴォルザークのスラブ舞曲4
    番を正規にリリースしていただきたい。(海外のサイトで比較的良好な音質で聞くことができるのだが、すごい演奏で、かつての海賊版でも聞いていない方は思わず「ブラボー」と叫びたくなるような演奏だ。アンコールの舞曲も終結部はまるで「狂乱の舞」だが、堂々と締めくくるところは、さすがにセル/クリーヴランドだ。)

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/18

     ブラームスとストラヴィンスキーはCDR盤を持っていますが、音質が多少なりとも改善しているようですし、「クリーヴランドのための音楽」とカサドシュとのモーツァルト目当てに購入しました。
     音質ですが、個人が放送を録音したテープが音源のようで、ブラームス、ストラヴィンスキーともオケの音がやや厚みを増していますが、やはりオリジナルからの復刻を望みたいところです。
     演奏では、ブラームスが圧倒的に素晴らしく、激烈な表現を交えながら古典的フォルムは崩れません。カサドシュとのモーツァルトもいいですが、クリーヴランドとのステレオ録音が最高の名演として鎮座しているため、当盤は音質で不利です。「クリーヴランドのための音楽」は、当然ですが、セルとクリーヴランドにぴったりの楽想で、このコンビで聞いてみたかった。ストラヴィンスキーの「花火」も小気味よい仕上がりです。以上ととおり、演奏はすばらしいのですが音質を考えるとマニア向けです。その点を考慮すると星は4つですが、今のところケルンとの唯一の録音ですから、やっぱり5つです。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/09

     皆さんが言われているとおり、全体的に程よい残響を伴ったクリアな仕上がりです。以前から持っていた8番は、音の片寄りが気になっていました(旧録音の「グレート」も同様です。)が、本全集では見事に改善され、ワイドでクリアになっており、最高の名演をストレスなく味わえるようになりました。 2番はマスター段階で問題があったのだろうと思いますが、大分改善され聞きやすくなりました。また、9番ですが、以前は残響が多すぎ、弦と共に史上最高の木管群が埋もれてしまい、クリーヴランドらしいバランスで聞くことができませんでしたが、相当程度改善され、かなり木管を味わえるようになりました。ただ、この9番に関しては、韓国SONYの「ジョージ・セルエディション」に収められている9番に軍配を上げざるを得ません。当初買うつもりはなかったのですが、セルファンサイトの管理人さんが、音の良さを絶賛されていましたし、買い換えようと思っといたピアノ四重奏曲なども入っていたので思い切って買ったのですが、正解でした。ここに収められている9番は、本全集の音からさらに残響を減らし、オーケストラを少し引き寄せた感じの仕上がりになっていて、強力な木管群が鮮やかに蘇り、聞き慣れたクリーヴランドらしいバランスで聞けるようになりました。もちろん、ベートーベン全集としての総合評価は本全集に軍配が上がると思います。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/10/05

     ブラームスの1番は、クリーヴランドのような細やかな配慮を省略した劇場型演奏。「水上の音楽」などを聞いてもわかるように、セルは、一定の精度を保ちつつも、やろうと思えば何でもできる天才指揮者である。冒頭から重厚かつ雄渾、最終楽章は猛烈なテンポでの進撃を挟みつつ、実演ならではの迫力に富む演奏を繰り広げ、壮大に締めくくる。オーケストラがセルの指揮に必死の形相で食らいついている様が目に浮かぶ。録音もモノラルながら優秀。
     一方、ドヴォルザークは、母方の祖国の名門チェコ・フィルであるため、クリーヴランド同様の細やかな配慮を見せつつ、この曲への愛情がひしひしと伝わる演奏である。録音は、HMVさんの表記どおり、ワイドレンジでクリアな優秀録音。セルファン必携であると同時にセル嫌いにも是非聞いてもらいたい演奏である。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/06/28

     購入当時はCDR盤の購入にいそしんでいたため、久々に取り出してじっくり聞きました。チェコ・フィルとの「英雄」が凄い。ライブではベルリン・フィルとのものもあるが、差は歴然。カラヤンサウンドに変貌しつつあったベルリン・フィルの、音の贅肉を処理し切れず、セルにしては意外なほど緩い。また、CDR盤のクリーヴランドとのライブでは、肝心のホルンが不調だし、ベルリン・フィルとは反対に音をそげ落とし過ぎの感がある。その中間に位置するのが、このチェコ・フィルとの演奏で、チェコの血を受け継ぎ、長らくプラハを拠点に活動していたセルの指揮に、チェコ・フィルも渾身の演奏で応えている。ライブだけに多少の傷はあるが、ほとんど気にならない。モノラルだが、音の状態は良く、圧倒的な完成度を誇る57年のスタジオ録音に次ぐ名演である。また、カーゾンとの4番も熱気と澄んだ美しさを併せ持つ名演だ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/12

     この名演奏を、さらにいい音で聞きたいと思い購入。ブルーレイ効果というよりDSDリマスタリングの効果で、一層臨場感溢れる音になっていると思います。特に「キージェ中尉」は、ホールで聞いているかのようです。さらに驚いたのは「スペイン奇想曲」。1950年代の録音ながら、元々響きの良さ、明瞭さには優れていましたが、音のボリューム感に不足していました。しかしながら、本ディスクでは、厚みを増したフレッシュな音に生まれ変わっており、この名演を存分に堪能することができました。メイン曲の演奏ですが、「決定的名演」というキャッチフレーズははこういう演奏に付けるべきだ、というお手本です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/12/14

     セルとの協奏曲は、過去のセラフィム盤とは一線を画しています。プロデューサーがポール・マイヤースとその録音チームであるため、残響を極力排除した潤いの少ないものである一方、オーケストラは各楽器の分離は良く、弦も厚みを増しています。ピアノも一音一音がクリアに再現されており、欧米で当時最高の演奏と評価されたことが得心できる仕上がりです。ようやく、この世紀の名演を存分に堪能することができるようになりました。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/01

     LP時代に聴いた20番第1楽章のカデンツァが忘れられず、あれこれ探していましたが、こんなところにあったんですね。インターネットは本当に便利です。強度の緊張感と怒涛の流れを持ちながら、完璧なフォルムを維持し続けるこの演奏は、一般的なモーツァルト演奏とは一線を画していますが、同曲の演奏史上最高ランクに位置づけるべき演奏です。モノラルながら音質も良好です。カサドシュを誤解されている方に特にお薦め。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/07/07

     端正さとみずみずしさに溢れたシューマンやグリーグの協奏曲、立派なベートーベンの協奏曲全集に親しんできた者として、本盤を購入するかどうか迷っていた。病気を克服したとはいえ、十分に弾けていないのではないかという心配が先に立ってしまうからである。
     しかし、その心配は杞憂だった。勿論、年齢や40年のブランクを考えれば、バリバリの演奏を期待する方がおかしいし、選曲もテクニックを誇示するものではない。
     セルがインタビューの中で「今の若者は、もはやピアノを歌わせることはできない。テクニックはすばらしいのだが、やたら音を鳴らしすぎる。」というようなことを言っていたが、こういう演奏こそが「ピアノを歌わせる」ということなのかもしれない。
     本盤のフライシャーの音は、クリスタルのようなキラキラ(時としてキンキン)音ではなく、木の温もりを感じさせつつも、不純物がない。
     いずれの曲も味わい深いが、特に、シューベルトの遺作では、並みのピアニストでは及ばない風格が滲み出ている。
     心穏やかに味わえる珠玉の逸品である。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/06/17

     ムラヴィンスキーはあまり聞いてこなかったので、ライブでかつ激安に惹かれ購入しました。
     ですので、録音のことはとやかく言えませんが、曲によって多少バラつきはあるものの、好悪入り混じったCD−R版に親しんできた耳には、かなりの高水準です。
     演奏の方もとやかく言えるほど耳が肥えてはいませんが、ブラームスの3番には驚きました。セルと同傾向の演奏ですが、古典的フォルムの堅牢さ、弦の響きの美しさ、第4楽章の圧倒迫力と詩的情感の豊かさ、どれをとっても最高の演奏です。オネゲルの「典礼風」も代表的名演ではないでしょうか。ロシア物は、「お国もの」という枠で括ろうとする人も多いですが、ムラヴィンスキーはそのような枠を超えた、絶対的な音楽として再現していると感じます。なお、ベートーベンの5番の第4楽章だけは、ティンパニを鳴らしずぎです。宇野大先生でしたら「抗しがたい魂の叫び」とでも表現するかもしれませんが、バランスを破壊しています。
     チャイコフスキーの5番も、圧倒的なダイナミックレンジの広さで聴衆は喜ぶでしょうが、一方で美しい流れを損なっています。
     しかし、全体としては非常に優れた演奏が多く、多くの人に聞いてもらいたい演奏です。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/05/02

    「レコード芸術」で昨年掲載された20世紀を代表する巨匠達の中で、近現代曲をこれほどの高水準で演奏できるのはセル/クリーヴランドだけだろう。エッジの利いた明晰なリズム、アンサンブルを整えようと安全運転に徹することなく、各セクションが音を鳴らし切りながらも完璧なアンサンブルを保っている驚異の演奏。この水準に届くのはブーレーズぐらいだろうが、セルの演奏には、ブーレーズにはないホットな心と音の美しい流れがある。 但し、ヒンデミットの交響的変容は、音はクリアながら、やや狭っ苦しい感じの録音がマイナスだが、それを差し引いても、全ての曲の代表的名演奏である。第1番も録音しておいてほしかった!

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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