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一人のクラシックオールドファン さんのレビュー一覧 

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     2012/12/25

    昨晩クリスマス・イブ深夜にちょっとそれらしい事を味わおうと久しぶりにミュンヒンガー指揮シュトットガルトCO他による「クリスマス・オラトリオ」のLPを引っ張り出してきて聴きました。何しろ二時間半を超す長大な曲で途中体力負け・睡魔が襲う時間もありましたが兎に角そんなにしょっちゅう聴く曲ではないのでLP盤を表裏ひっくり返し、盤を取替え聴き通しました。「クリスマス・オラトリオ」(1966年録音、タイム1部31’45、2部32’50、3部24’00、4部26’00、5部25’10、6部25’10→トータル164’55)・・・バッハの四大宗教曲を録音した指揮者は累計では多いのですがミュンヒンガーは当時(録音当時51歳)ではまだ少ないその演奏家の一人でありアメリング(S、同33歳)の清澄な歌唱ぶりがどの曲にも徹底されております。それはともかく四つの内彼のクリスマスオラトリオは傑作・秀作と思います、又、私は彼の四大宗教曲で一番気に入っております。何と言っても元々長調的なものが上手な彼の演奏は暖かく何を次代に伝えるべきか多分本能的に分かっていたとも思います。そこには何も厳しいだけ、キリキリ深刻学術的なだけの演奏では求められない一期一会があります。他の独唱陣・・・H.ワッツ(A、同39歳)、P.ピアーズ(T、同56歳)、T.クラウゼ(B、同32歳)も夫々リューベック合唱団共々よく健闘しており兎に角深夜を過ごすに相応しい穏やかな演奏で最高ランクに改めて受け取りました。なお、本レビュー文骨子は私の以前のハンドル・ネームで書き込んだものを引用しました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/25

    先ず本盤レビュー欄をお借りして2009/8に同演奏のCD盤TOCE14169においてオーケストラを文中VPOと書き誤っており正しくは勿論1948年収録のフルトヴェングラー指揮のブラームス交響曲第4番はオーケストラはBPOであります事に訂正させていただきますのでよろしく・・・。VPOを振ったものは1950年演奏分(タイム@12’44A11’57B6’16C9’18)のみであとは全てBPOがオーケストラであります・・・即ち1943年(同@12’00A12’15B6’07C9’09)、1948年(同@12’42A12’12B6’30C9’47)、同年1948年(本盤演奏分、同@12’52A12’10B6’19C9’37)、そして1949年(同@13’06A12’58B6’30C9’57)と資料的には言った具合です。1948年10月24日の本盤BPO録音は同じ年月で二日前の22日演奏より良いとのことですがまだ聴いていない22日録音盤にも接して見たい気持ちです。ただ何となく本盤演奏分がフルトヴェングラーのブラ四として行渡っている感じでこの演奏で受容しているのが私の現状です。さてこの演奏第1楽章と最終楽章の終わりの方のフルトヴェングラーそのものの結びへ持って行く凝集力たるや凄いものがあります。激しい緩急や自由自在のフレージングも彼にとってそれは常に音楽の密度を濃密に保つための表現手段なのでしょう。時としてもう少し語って欲しいとも思われる場面もありますが彼の曲に対する本質把握を歪めるものではありません。それに第2楽章の必ずしも「枯淡」的とは割り切れない運びは今触れた「語り」以上のものを我々に提示してくれます。繰り返しになりますが正直もっと女々しいし言うか男の哀調を訴える演奏は他にもっとあるかも知れませんが・・・・。併録の1937年(1936年?)BPO演奏のJ.シュトラウス「こうもり」序曲(タイム8’12)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/24

    ドラティは他の評者の方も書かれているように地味で実務型の演奏家かつ名トレイナーであります。手兵フィルハーモニア・フンガリカを率いてのハイドン交響曲全集等は代表される実績でありますが彼はちょつとした曲例えばチャイコフスキーの管弦組曲全曲やこのレスピーギ古代舞曲・アリア全曲といった曲を自分なりに「遺す」という視点に立って一定のレベルを保って収録しました。そしてドラティ52歳の時の1958年に収録したこのレスピーギ「古代舞曲・アリア」CDも聴きとおすと決して単調ではなく最後までじっくり引きずり込まれるプロの味が堪能されます。演奏タイムは第1組曲16’32、第2組曲19’15、第3組曲18’46と落ち着いた運びがなされ所謂バロック・オーケストラでの情緒一点張りの演奏とは一線を画したいつまでも「残って」欲しい演奏として私は愛聴しております。本盤はドラティの指揮するレスピーギの管弦楽曲を集めたものですが残念ながら「古代舞曲・アリア」以外の他の曲は聴いておりません。いつもの様にデータメモだけさせていただきます。「ローマの松」ミネアポリスSO(1960年収録、タイム2’42+5’32+5’35+5’25)、「ローマの噴水」ミネアポリスSO(1960年収録、タイム4’10+2’12+3’40+5’28)、「鳥」LSO(1957年収録、タイム3’04+4’22+3’02+4’24+4’15)、「ブラジルの印象」LSO(1957年収録、タイム9’48+4’46+4’34)・・・以上ですがドラティにはローマ三部作のもう一つ「ローマの祭り」ミネアポリスSO(1954年収録、トータルタイム22’06)の演奏も別にあるようです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/23

    ドラティは他の評者の方も書かれているように地味で実務型の演奏家かつ名トレイナーであります。手兵フィルハーモニア・フンガリカを率いてのハイドン交響曲全集等は代表される実績でありますが彼はちょつとした曲例えばチャイコフスキーの管弦組曲全曲やこのレスピーギ古代舞曲・アリア全曲といった曲を自分なりに「遺す」という視点に立って一定のレベルを保って収録しました。そしてドラティ52歳の時の1958年に収録したこのレスピーギ「古代舞曲・アリア」演奏も聴きとおすと決して単調ではなく最後までじっくり引きずり込まれるプロの味が堪能されます。演奏タイムは第1組曲16’32、第2組曲19’15、第3組曲18’46と落ち着いた運びがなされ所謂バロック・オーケストラでの情緒一点張りの演奏とは一線を画したいつまでも「残って」欲しい演奏として私は愛聴しております。本盤はLPでありレコード・プレイヤーのアーム針をゆっくり落として、じっくり改まって聴くという「楽しみ」は何とも言えませんね・・・(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/23

    バロック音楽以前の例えばルネッサンス時代の作品等を対象に学究的な姿勢で収録活動をスタートした頃が懐かしいアーノンクール。ヴィバルディ「四季」やバッハのカンタータ集でも注目を集めた彼がマーラーを除く殆どの古典、ロマン期作曲家作品に乗り出してもう久しくそれなりに評価も定まって来ている様です・・・このバロックを踏み台にスタートして古典、ロマンへ移って行く指揮活動パターンの代表的な指揮者ですね。さて、本盤は後期ロマン派の最高峰シンフォニーとも目されるブルックナー「交響曲第8番」にアーノンクールが71歳の2000年にBPOを指揮してライブ収録(あまりライブという雰囲気は感じられません)したもので演奏タイムは@16’25A14’19B27’22C24’32とアーノンクールの割り?には結構じっくりと推し進められた演奏かと第一印象を持ちました。ACOやVPOともブルックナーの他の交響曲を録音して行く前のアーノンクールは周知の様にブラームスに取り組んでいたわけですが「ブルックナーが巨人になって、私のライティング・デスクの横に立っているような気がした。それで、ブルックナーを演らなくては、と思った」と述べた事をどこかで見ました。演奏は第1楽章BPOらしからぬソフトタッチでスタートしますがすぐにBPOサウンドを充分に活かし且つ旋律のバックでのリズム音型を強調する事でこの曲の構築性を明白化して行く意図が感じられ例えば第2楽章スケルツォでは一拍目でバロック音楽の様に縦線を浮き上がらせポリフォニック面での横の流れが交錯していく有様にそういう処が見出せます。第3楽章のクロージングのしなやかさは意外でした。最終楽章でもBPO迫力を発揮させる如くフィナーレで管を強奏させアーノンクールさを覗かせるもののテクスチュアの明晰さを終始維持してアーノンクールのあの「過激さ」は軽減されております。こうした至純な響きや精緻を極めたスコアの再現はこれまで聴いたブルックナーの伝統的演奏とは異なった素晴らしい仕上がりになっています。 (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/22

    ドラティ指揮によるコダーイの管弦楽曲集でハンガリー音楽には元々東洋的民族音楽的雰囲気により親しみ易いものが多いだけに少し聴き慣れない曲もありますがじっくり楽しむには全体素晴らしい盤と思われます。私は別盤で聴いていますのでデータ的なものを中心に書き込みさせていただきました。1973年ドラティが67歳の時・・・つまり偉業とされる同じオーケストラであるフィルハーモニア・フンンガリカ(PH)を振ってのハイドン交響曲全集完成の翌年の年・・・のアルバムで作曲家コダーイの弟子たるドラティにより集中的に録音演奏されたものです。PHは私はその名をハイドン交響曲全集で知ったのですがこのオーケストラメンバーは1956年ハンガリー動乱の時に亡命したリスト音楽院出身者が中心でありその彼らが西ドイツで設立したのがオーケストラPHだそうで本盤演奏を通して聴いて感じた事は正直アンサンブルの詰めはもう一つなのですが民謡的な曲は特にその歌い回しに熱気・・・ティンパニーなどは存在感大・・・があり元自国の作曲家作品だけにある「自信」を持っての各曲進めが行われています。音色としてはオーケストラの素朴なベースとドラティの切れ味が良いブレンド具合を聴かせてくれます。オーケストラ・ビルダーそしてトレイナーとしての実力抜群のドラティは流石聴き応えある演奏運びをしております。ハンガリーのある村でほら吹きの名物男ハーリ・ヤーノシュが宿屋で自分の武勇伝を語り始めようとした時、傍にいた若者がハーックション!とくしゃみをする・・・こうしたユニークなスタートをする組曲「ハーリ・ヤーノシュ」は演奏トータルタイムが22’35であり1956年ミネアポリスSOを指揮して収録した演奏のタイム21’53より若干長くなっておりますがどちらもドラティ本来の現代的な明晰で鋭いリズム感覚が駆使された名演だと思います。有名なバルトーク作品と同タイトルの「管弦楽のための協奏曲」(タイム@3’23A6’21B7’10)はバロック時代の合奏協奏曲をハンガリー風味で現代化した感じは先のバルトークの作品とは全く作風は異なった曲です。フリッチャイにより初演された交響曲「アルトゥール・トスカニーニのための思い出に」(同@10’14A8’06B7’25)は結構重厚な曲ですね・・・この曲にはドラティの別演奏が残っており1954年CSO(トータルタイム24’48)と 1968年ハンガリー国立O(同24’45)の各演奏です。「ハンガリー民謡孔雀の主題による変奏曲」(トータルタイム24’41)は民謡風テーマの変奏曲で別演奏では1954年CSOによる演奏(24’48)や録音年は不明なのですがハンガリー国立O演奏のもの(24’41)があります。その他の曲もタイムだけメモしておきましょう。「ガランタ舞曲」(4曲トータルタイム15’37)・・・1958年同オーケストラPH(15’08)の別演奏が残っています、「マロシュセーク舞曲」(4曲トータルタイム12’23)・・・この曲も別演奏つまりブタペストSO (トータルタイム12’52)があります、「夏の夕べ」(16’45)、「劇場序曲」(14’07)、「厳格なメヌエット」(6’39)、「ハンガリー風ロンド」(8’36)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/21

    こんなにレベルが高くバッハからストラビンスキーまでレパートリーの広かったモントゥーの演奏記録、絶対「買い!」ですよ。大体モントゥーの演奏は比較的濃い味がする傾向があり本盤アルバム収録曲を全て聴いているわけではありませんが録音の良さが底力となって彼の豊麗な演奏はLP時代からの常備分も多かった様です。既に多くのレビューが書き込まれておりますので各曲演奏タイムを主にメモする事で何らかの参考資料としていただければ幸いと思います。分厚いバッハ管弦楽組曲第2番、これほど心を打つ組曲2(タイム7曲トータル19’52)はないのでは?モントゥー死の前年・・・1963年の録音だからモントゥー88歳、フルートを受け持った息子のクロード(録音当時43歳)への父親としての眼差しを投げかけている光景のLPジャケットが懐かしいのと古楽器と古楽研究の発達とともに、聞く機会が減ったロマン派的なバッハならではと言った処でしょう。同年録音のグルック「精霊の踊り」(同9’11)及びモーツァルトのフルート協奏曲第2番(タイム@8’32A6’36B5’31)も正直フルートに関してはそんなに上手いとは思えないけれどもごく息遣いも聴こえる自然体の演奏でこれはバックオーケストラLSOの良い体質がプラス反映している様に私は受け止めております・・・この演奏収録の年、首席指揮者としてLSOを率いて大阪公演があったのがつい先日の様に思い出されます。ハイドンは所謂ザロモンセット交響曲を60才前後という当時の作曲家としては高齢で作曲したのですがその内「驚愕」・「時計」交響曲の演奏はモントゥー80才半ばに達しようとする1959年の収録でこの二名に老人パワーを感じております。本盤に入っている交響曲第101番「時計」の演奏(タイム@8’59A6’12B6’38C4’17)はモントゥーのオケの自発性に任せながらも明晰なアプローチで、一方VPOも当時の充実ぶりを覗わせる闊達な面を発揮しておりLP登場からの名盤ぶりは不動のものとなっています。モントゥーは若い頃ブラームスの前で演奏もしたらしく、ブラームス交響曲についてはモントゥーの場合 第2番が曲的には合っているのか結構録音を重ねている様で1945年SFSO(タイム未確認)、1951年SFSO(タイムトータル35’05)、本盤演奏の1959年VPO(タイム@20’21A9’15B5’02C8’55)そして1962年LSO(同@20’27A8’31B5’11C9’12)といった具合です。VPOの芳醇な弦で特に第1楽章では反復部もあって伸びやかな運びの中にたっぷり滲む彼の味わいは素晴らしいですね。他のブラームスはLSOを振っての1962年「悲劇的序曲」(同13’04)、「大学祝典序曲」(同10’16)、1958年「ハイドン変奏曲」(同16’52)であります。ドビュッシーの管弦楽曲については夫々派手ではないのですが色彩が豊かで懐の深い正に大人の風格たるどこか微温的な暖かみのある演奏の印象を持ちました。マァ、モントゥーの場合ドイツ物、ロシア物ましてフランス物とか言った事は関係なさそうに受け取っていたもののやはりドビュッシーはモントゥーにして見れば自国作曲家の作品、それにLSOの融通性に満ちた演奏が更なる仕上げに寄与している様です。タイムは1961年録音の「牧神の午後への前奏曲」(9’26)、「夜想曲」より雲・祭(6’52+6’05)、1963年録音の「管弦楽のための映像」(ジーグ7’16+イベリア20’09+春のロンド7’58)、「交響的断章・・聖セバスティアンの殉教」(3’29+7’20+4’54+6’04)であります。フランス物ではモントゥー最晩年の1964年89歳の時にラヴェルの管弦楽曲を収録しております。さすが「ダフニスとクロエ」を初演した指揮者だけのことはあるのでしょうか・・・年齢を感じさせない、生気がみなぎったやはり奥深いラヴェルとなっている様です。「ラ・ヴァルス」(11’47)、バレエ音楽「マ・メール・ロワ」(トータルタイム27’56)、「ボレロ」(15’27)が当該曲なのですが1959年LSOを指揮しての「ダフニスとクロエ」が入っていないのが惜しいですね。次にロシア物に移りますと、モントゥーはHMVレビューにもあります様にストラヴィンスキーの「春の祭典」「ペトルーシュカ」を初演しているだけあってフォローはしていませんが何種類かの演奏盤があり本盤は1956年PCOを指揮した「春の祭典」(タイム一部15’43+二部17’19)とカッチェン(当時30歳)と共演した「ペトルーシュカ」(タイム9’55+4’10+7’34+13’18)そして「火の鳥」(モントゥー独自の版を称して1919年版とされています、トータルタイム19’44)で流石長い年月をかけて豊富に蓄積された経験と知恵による深く豊かになった演奏内容だけに説得感があります。LSOを指揮しての1957年収録のチャイコフスキーの抜粋版バレエ組曲「眠りの森の美女」(トータルタイム49’07)は未聴でありますが(HMVレビューを借りて)バレエにオペラにコンサートにと縦横無尽の活躍ぶりをみせているだけにエネルギッシュな演奏になっている事でしょうね。最後は北欧物というわけでj先ず名曲シベリウス交響曲第2番(タイム@10’13A14’37B6’13C13’01)は1959年LSOを振った演奏です。演奏自体は北欧雰囲気とは気のせいか隔たりがあり結構管を荒ぶる魂の表出する如くメリハリつけて鳴らし切る処などモントウーらしいこれも熱っぽさをどう受け取るかでしょう。最終楽章などもう少し勿体つけた方がとも思ったりしますがマァ、あくまでモントゥーのシベリウスを聴く心構えで・・・。いよいよこの長いレビューの締めなのですが・・・1960年モントゥーとしても最後の「音楽を生きる」(評論家 村田武雄氏)べきLSO首席指揮者に就任し、先に少し触れた様に1963年春彼は来日時、大阪でこの「エニグマ変奏曲」を演奏したのを先日のように静かな感激を思い出しました。トボトボと前かがみの姿勢で進んで来た老人の指揮台でも特に派手なパーフォーマンス抜きの「自然体」での指揮ぶりにオケメンバーとの信頼を感じました。本盤の1958年「エニグマ変奏曲」LSO演奏盤(タイム29’14)も特に策を弄するわけでないもののこれほど劇的で濃厚なエニグマの演奏は他にないと思います。その求心力の強さの中に優しさと厳しさの基本を弁えた名演奏と言えましょう。本盤アルバム全体として冒頭述べました様に未聴の演奏曲もありますので★一つは保留させていただきました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/20

    ドラティとケルテスというハンガリーの代表的な指揮者によるコダーイの管弦楽曲集でハンガリー音楽には元々東洋的民族音楽的雰囲気により親しみ易いものが多いだけに少し聴き慣れない曲もありますがじっくり楽しむには全体素晴らしい盤と思われます。私は別盤でドラティ指揮分を聴いていますのでデータ的なものを中心に書き込みさせていただきました。1973年ドラティが67歳の時・・・つまり偉業とされる同じオーケストラであるフィルハーモニア・フンンガリカ(PH)を振ってのハイドン交響曲全集完成の翌年の年・・・のアルバムで作曲家コダーイの弟子たるドラティにより集中的に録音演奏されたものです。PHは私はその名をハイドン交響曲全集で知ったのですがこのオーケストラメンバーは1956年ハンガリー動乱の時に亡命したリスト音楽院出身者が中心でありその彼らが西ドイツで設立したのがオーケストラPHだそうで本盤演奏を通して聴いて感じた事は正直アンサンブルの詰めはもう一つなのですが民謡的な曲は特にその歌い回しに熱気・・・ティンパニーなどは存在感大・・・があり元自国の作曲家作品だけにある「自信」を持っての各曲進めが行われています。音色としてはオーケストラの素朴なベースとドラティの切れ味が良いブレンド具合を聴かせてくれます。オーケストラ・ビルダーそしてトレイナーとしての実力抜群のドラティは流石聴き応えある演奏運びをしております。ハンガリーのある村でほら吹きの名物男ハーリ・ヤーノシュが宿屋で自分の武勇伝を語り始めようとした時、傍にいた若者がハーックション!とくしゃみをする・・・こうしたユニークなスタートをする組曲「ハーリ・ヤーノシュ」は演奏トータルタイムが22’35でありケルテス/LSOによる1968年(一部1964年?)収録の異版同曲演奏タイム23’40より若干短くなっています。二種類の「ハーリ・ヤーノシュ」をじっくり聴き込むのもクラシック・ファンならではと言ったところでしょうか・・・。有名なバルトーク作品と同タイトルの「管弦楽のための協奏曲」(タイム@3’23A6’21B7’10)はバロック時代の合奏協奏曲をハンガリー風味で現代化した感じは先のバルトークの作品とは全く作風は異なった曲です。フリッチャイにより初演された交響曲「アルトゥール・トスカニーニのための思い出に」(同@10’14A8’06B7’25)は結構重厚な曲ですね・・・この曲にはドラティの別演奏が残っており1954年CSO(トータルタイム24’48)と 1968年ハンガリー国立O(同24’45)の各演奏です。「ハンガリー民謡孔雀の主題による変奏曲」(トータルタイム24’41)は民謡風テーマの変奏曲です。その他の曲もタイムだけメモしておきましょう。「ガランタ舞曲」(4曲トータルタイム15’37)、「マロシュセーク舞曲」(4曲トータルタイム12’23)・・・この曲も別演奏つまりブタペストSO (トータルタイム12’52)があります、「夏の夕べ」(16’45)、「劇場序曲」(14’07)、「厳格なメヌエット」(6’39)、「ハンガリー風ロンド」(8’36)。本盤併録のケルテス/LSOによる1969年録音の「ハンガリー詩篇」(トータルタイム22’51)は聴いておりませんがハンガリー出身のケルテスが、同郷のコダーイの管弦楽作品を振ったものなので間違いないでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/19

    当初モスクワ・フィルSQと名乗っていたボロディンSQは1945年創設というからもう70年近い歴史を有した老舗SQで後年指揮者に転じたバルシャイは初代ヴィオラ奏者だったとの事です。1955年にボロディンSQと名称変更しただけあってボロディンの弦楽四重奏曲二曲も「本家」として何回か録音しているのですが私はこの曲自体は第2番の第3楽章「ノクターン」ぐらいしか聴きかじっておりませんでした。今回ある機会でボロディンSQ演奏により第2番を通しで聴いたので少し書き込みさせていただきます。この曲は周知の通り医師でもあったボロディンが出会った女性エカテリーナに二十年記念に捧げた曲だけに第1楽章は親しみ易いテーマでスタートし次第にヴァイオリンが情熱向上していきゆっくり穏便にしまって行く様はこの曲の趣旨雰囲気を決定付けています。第2楽章での特にこのSQ演奏なのでしょうか・・・清潔なある品格を味わえます。続く「ノクターン」も勿論落ち着いた運びでムード一辺倒に陥っていない処は流石です。どうも最終楽章自体は出だしからブツブツ呟く事からこの曲全体に対してのマッチングが元々難しいらしく違和感が付きまとうのですが何とかフィナーレにこぎつけています。本盤演奏は1978年収録(多分?)で演奏タイムは@8’46A5’07B8’35C7’12と1962年録音のタイム@7’56A4’43B8’10C6’53よりゆったり目なのが特徴でしょうね・・・演奏メンバーでは両演奏で共通どちらも演奏しているのはヴィオラのシェバリーンとチェロのベルリンスキーの二人だけです。本盤同年併録の第1番(タイム@13’23A7’40B5’14C10’34・・・・なお、1962年?録音分タイムは@13’39A8’23B5’25C10’35というデータが手元にあります)は未聴でもありますので★一つ保留させていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/18

    以前レビューを入れた者ですが繰り返したく書き込みさせていただきます・・・オールド・ファンの我がままとして下さい。クライスラー(1875-1962)の弾く自分自身の作品その他の小品集を収めた盤はいろいろ種類があって迷うのですが私はLP時代GR盤・・・ピアノ伴奏がラップ(又はルップ)・・・を聴いてCDでもそれを引き継ぐようにしていますがその演奏は1930年代後半の収録だそうです。彼の収録盤ではもっと以前の・・・それこそ1910年彼にとって最初録音のものから以降彼独特の若き時代の何か懐かしい甘さを感じたクライスラーの演奏スタイルの基本が聴ければと思います。SP盤を知人宅で聴いた時がありましたが古い録音盤では電気吹き込み雑音の向こうに聞こえる技巧を超える情熱的な演奏も印象的でした。今ではヴァイオリンのスターダード小品として定着したクライスラーの名作群は、当初、彼がオリジナルとして演奏した時は、厳しい評価を下され、心痛めたクライスラーが自作であることを隠して偶然探し出した「編曲もの」として演奏したところ次第にそれが高い評判を得るようになったとの事で後に事実も世間に分ってしまいました。クライスラー自身の作品のクライスラー自身の演奏盤は何か持っておきたいですね。クライスラーの小品集の中で勿論彼自身の作曲「美しきロスマリン」「愛の悦び」「愛の哀しみ」などには彼の19世紀風の大変個性的なロマンチックな芸術を聴くことが出来ます。私たちは昨今の21世紀風演奏氾濫の中で幸いに19,20,21各世紀のスタイルを楽しむことが出来るというラッキーに恵まれ、特に19世紀の懐かしきセピア色を音楽でも接するとともに演奏のあり方に議論の花を咲かせることにもなりましょう。差し詰めクライスラーのウィーンの香り漂うポルタメントと「間」の取りようは記録である前に正しく「最高」芸なのであります。録音歴の一端を有名な「愛の喜び」と「愛の悲しみ」をサンプルにメモしておきますね。何れも録音年、伴奏ピアニスト等そして演奏タイムを記しました。・「愛の喜び」→1910年G.ファルケンシュタイン(3’20),1911年H.スカイヤ(3’15),1916年C.ラムソン(3’14),1938年F.ラップ(3’11),1942年C.オコネル/ビクターSO(3’42) ・「愛の悲しみ」→1910年G.ファルケンシュタイン(3’31),1911年H.スカイヤ(3’34),1912年G.ファルケンシュタイン(3’28),1938年F.ラップ(3’33),1942年C.オコネル/ビクターSO(4’15) 。 (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/17

    以前レビューを入れた者ですが繰り返したく書き込みさせていただきます・・・オールド・ファンの我がままとして下さい。クライスラー(1875-1962)の弾く自分自身の作品その他の小品集を収めた盤はいろいろ種類があって迷うのですが私はLP時代GR盤・・・ピアノ伴奏がラップ(又はルップ)・・・を聴いてCDでもそれを引き継ぐようにしていますがその演奏は1930年代後半の収録だそうです。彼の収録盤ではもっと以前の・・・それこそ1910年彼にとって最初録音のものから以降彼独特の若き時代の何か懐かしい甘さを感じたクライスラーの演奏スタイルの基本が聴ければと思います。SP盤を知人宅で聴いた時がありましたが古い録音盤では電気吹き込み雑音の向こうに聞こえる技巧を超える情熱的な演奏も印象的でした。今ではヴァイオリンのスターダード小品として定着したクライスラーの名作群は、当初、彼がオリジナルとして演奏した時は、厳しい評価を下され、心痛めたクライスラーが自作であることを隠して偶然探し出した「編曲もの」として演奏したところ次第にそれが高い評判を得るようになったとの事で後に事実も世間に分ってしまいました。クライスラー自身の作品のクライスラー自身の演奏盤は何か持っておきたいですね。クライスラーの小品集の中で勿論彼自身の作曲「美しきロスマリン」「愛の悦び」「愛の哀しみ」などには彼の19世紀風の大変個性的なロマンチックな芸術を聴くことが出来ます。私たちは昨今の21世紀風演奏氾濫の中で幸いに19,20,21各世紀のスタイルを楽しむことが出来るというラッキーに恵まれ、特に19世紀の懐かしきセピア色を音楽でも接するとともに演奏のあり方に議論の花を咲かせることにもなりましょう。差し詰めクライスラーのウィーンの香り漂うポルタメントと「間」の取りようは記録である前に正しく「最高」芸なのであります。録音歴の一端を有名な「愛の喜び」と「愛の悲しみ」をサンプルにメモしておきますね。何れも録音年、伴奏ピアニスト等そして演奏タイムを記しました。・「愛の喜び」→1910年G.ファルケンシュタイン(3’20),1911年H.スカイヤ(3’15),1916年C.ラムソン(3’14),1938年F.ラップ(3’11),1942年C.オコネル/ビクターSO(3’42) ・「愛の悲しみ」→1910年G.ファルケンシュタイン(3’31),1911年H.スカイヤ(3’34),1912年G.ファルケンシュタイン(3’28),1938年F.ラップ(3’33),1942年C.オコネル/ビクターSO(4’15) 。 (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/16

    以前レビューを入れた者ですが繰り返したく書き込みさせていただきます・・・オールド・ファンの我がままとして下さい。クライスラー(1875-1962)の弾く自分自身の作品その他の小品集を収めた盤はいろいろ種類があって迷うのですが私はLP時代GR盤・・・ピアノ伴奏がラップ(又はルップ)・・・を聴いてCDでもそれを引き継ぐようにしていますがその演奏は1930年代後半の収録だそうです。彼の収録盤ではもっと以前の・・・それこそ1910年彼にとって最初録音のものから以降彼独特の若き時代の何か懐かしい甘さを感じたクライスラーの演奏スタイルの基本が聴ければと思います。SP盤を知人宅で聴いた時がありましたが古い録音盤では電気吹き込み雑音の向こうに聞こえる技巧を超える情熱的な演奏も印象的でした。今ではヴァイオリンのスターダード小品として定着したクライスラーの名作群は、当初、彼がオリジナルとして演奏した時は、厳しい評価を下され、心痛めたクライスラーが自作であることを隠して偶然探し出した「編曲もの」として演奏したところ次第にそれが高い評判を得るようになったとの事で後に事実も世間に分ってしまいました。クライスラー自身の作品のクライスラー自身の演奏盤は何か持っておきたいですね。クライスラーの小品集の中で勿論彼自身の作曲「美しきロスマリン」「愛の悦び」「愛の哀しみ」などには彼の19世紀風の大変個性的なロマンチックな芸術を聴くことが出来ます。私たちは昨今の21世紀風演奏氾濫の中で幸いに19,20,21各世紀のスタイルを楽しむことが出来るというラッキーに恵まれ、特に19世紀の懐かしきセピア色を音楽でも接するとともに演奏のあり方に議論の花を咲かせることにもなりましょう。差し詰めクライスラーのウィーンの香り漂うポルタメントと「間」の取りようは記録である前に正しく「最高」芸なのであります。録音歴の一端を有名な「愛の喜び」と「愛の悲しみ」をサンプルにメモしておきますね。何れも録音年、伴奏ピアニスト等そして演奏タイムを記しました。・「愛の喜び」→1910年G.ファルケンシュタイン(3’20),1911年H.スカイヤ(3’15),1916年C.ラムソン(3’14),1938年F.ラップ(3’11),1942年C.オコネル/ビクターSO(3’42) ・「愛の悲しみ」→1910年G.ファルケンシュタイン(3’31),1911年H.スカイヤ(3’34),1912年G.ファルケンシュタイン(3’28),1938年F.ラップ(3’33),1942年C.オコネル/ビクターSO(4’15) 。 (タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/15

    レオンハルトと同じオランダのハープシコード奏者としてカンタータ全曲等バッハ作品を中心に演奏活動を続けているコープマン/ABOによる古楽器でのバッハ・ヴァイオリン協奏曲集盤でコープマン41歳の1985年に録音されたものであります。生き生きと即興的な面を展開するのはコープマンの長所でどの曲を聴いてもこのアイデンテティは貫かれています。コープマンの演奏に対しては後年のバッハ作品大量録音の為もあってそれらの演奏からワンバターン的印象を拭えず一連聴き通すと何か何も心に残ることが少ない・・次々と曲録りをこなす事務的無味乾燥を感じることがあり彼の生き生き感乃至スピード感が心に余裕を与えず次を急いでいると思われる場合が正直曲によっては私にはあります。ただ本盤はまだABO設立後5年余り・・・マンネリには陥っていないある新鮮さが受け取れます。ヴァイオリンはABO設立にも関わったM.ハジェット(本演奏収録当時32歳)が主に担当しBWV1043ではA.バリー(同31歳)が加わっております・・・両者とも他の作品演奏を私はあまり聴いた事はありませんが本盤での力み嫌みのない自然な演奏に好感を持ちました。本盤の演奏タイムは次の様に各曲テンポ速く進められ聴き流すには快い場合もあります・・・第1番BWV1041(@3’44A5’47B3’32)、第2番BWV1042(@7’42A6’23B2’39)、2つのヴァイオリンの為の協奏曲BWV1043(@3’45A6’18B4’40)。ところでコープマンの演奏活動でその収録曲がHMVカタログで閲覧しても半数がバッハで他もバロック期前後の作曲家作品に限られており他の指揮者の様に時代が下ったロマン派作品演奏への進出はないのでしょうか、勿論彼自身自分の適した方向性は自覚はしているのでしょうが・・・。なお、本盤は私のコープマン評には珍しく最高ランクにさせていただきました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/14

    レオンハルトと同じオランダのハープシコード奏者としてカンタータ全曲等バッハ作品を中心に演奏活動を続けているコープマン/ABOによる古楽器でのハープシコード協奏曲集の抜粋盤でコープマン45歳頃の1988〜1990年に録音されたものであります。生き生きと即興的な面を展開するのはコープマンの長所でどの曲を聴いてもこのアイデンテティは貫かれています。しかしこのハープシコード協奏曲集はバッハ作品群の中で高い位置を占めていないとしても一連聴き通すと何か何も心に残ることが少ない・・次々と曲録りをこなす事務的無味乾燥を感じることがありました。それではと・・一曲ずつ聴いても彼の生き生き感乃至スピード感が心に余裕を与えず次を急いでいると思われる場合が曲によっては私にはあり例えば第1番BWV1052などはモダン楽器での重厚な運びが懐かしく感ぜられました。とは言うものの本盤の演奏タイムは次の様に各曲テンポ速く進められ聴き流すには快い場合もあります・・・第1番BWV1052(@7’26A7’12B7’49)、第2番BWV1053(@8’09A4’50B6’25)、第5番BWV1056(@3’16A2’22B3’49)、第6番BWV1057(@6’47A3’52B5’14)。ところでコープマンの演奏活動でその収録曲がHMVカタログで閲覧しても半数がバッハで他もバロック期前後の作曲家作品に限られて正直それらの演奏からワンバターン的印象を拭えないのですが他の指揮者の様に時代が下ったロマン派作品演奏への進出はないのでしょうか、勿論彼自身自分の適した方向性は自覚はしているのでしょうが・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/12/13

    ホルスト「惑星」と言えばボールト指揮の何種類かの演奏がすぐ思い浮かべられますが同じ英国オーケストラを振ってのプレヴィンもさすが映画音楽にも長く携わって来ただけに名演を残しています。つまり1973年LSO(&アンブロジアン・シンガーズ)演奏盤(トータルタイム50’37)と1986年RPO(&ブライトンMFCO)演奏盤(同50’55)でありまして本盤は後者即ちプレヴィン57歳の時の収録です。演奏としてはRPO自体もう何度も演奏しているマァ「十八番」曲なのでどう演奏されてもそれなりに納得出来る仕上がりにはなっているのでしょうが全体にはSFロマン世界へ誘ってくれる若干濃い口の美しい抒情性に満ちた印象を持ちました。勿論各曲・・・各星の性格を表情を上手く付け分けてはいますが決して変化球に走らず・・・彼のキャリアからの慢心さが無くその辺りで聴く側からすれば「空振り」感触に近いものを持った星も無きしも非ずと言った処でしょうか。演奏第一印象を決定付ける「火星」(タイム7’15)は力感バランスよくスケール感も適度であります。ポピュラーな「木星」(同7’52)での中間部のメロディは意外と粘つかないものの色彩感豊かな運びはプレヴィンならではでしょう。「天王星」(同5’56)から「海王星」(同7’53)にかけては、両星の曲をコントラストつけて動→静へと進み〆は静かに女声コーラスを伴うものなのですがちょっと私にはその変化が頼りなかったです。しかしプロ中のプロ・・・それがプレヴィンの意図あっての事なのでしょう・・・聴き深めたいと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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