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chiba-yasu さんのレビュー一覧 

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     2011/07/09

    1984年3月7日、NHKホールに神が舞い降りた。この日、客席にいた私は、マタチッチがN響を指揮したブルックナー「交響曲第8番ハ短調」のあまりの素晴らしさに、終演後しばらく席を立てなかった。この日の実況録音によるCDは直ぐにリリースされ、私も早速買い込んだのだが、このCDの出来は不良で、当日の感銘は全く聴き取ることが出来ない代物だった(もう廃盤になっているようだ)。当日の演奏会に来場していた音楽評論家の福島章恭氏はこのCDを評して「・・・しかし、神はこの至福をNHKホールの内に留めた。至高の光や神聖な空気まではマイクには捉えられず・・・」と述べておられる。
     N響の演奏史上に残るこの名演も、私の記憶の中に留める他ないのかと思っていたところ、このたび最新技術XRCDによって、当日の感動が見事に蘇った。こんな嬉しいことはない。終曲の豪快なコーダには思わず手に汗をにぎったが、同時にN響団員の必死に喰らいつく姿勢が脳裏をよぎり、目に涙が浮かんだ。カプリングされたベートヴェンの2曲も秀演である。オーディオ・ファンに広く薦めたい。
     評価は星5つとした上で、一言苦言を呈しておきたい。Ushioさんがレビューに書いて憤慨しておられるが、私も全く同じ思いである。このXRCDは昨年の11月にリリースの予告があったのだが、すぐに販売終了・再発売未定とされ、何の説明もなされずに放置されたままになっていた。それが半年以上も経ってから、突如再発売の発表がなされ、今回リリースされたわけである。再発売に当たっての説明は何もない。CDに添付の解説書にも、その経緯について何も記されていない。ファンとしては、「発売になったのだから、すべて良し」というわけには行かない。関係者から一言挨拶(釈明)があってしかるべきだろう。音楽産業はファンがあってこそ成り立つもの。ファンの心証を無視しての独善的高姿勢は不愉快極まりない。天国のマタチッチよ、関係者に天罰を!

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