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Papachan さんのレビュー一覧 

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     2019/12/14

    3曲とも名演です。従来名演と評されていた、胃もたれしそうなほどねっとりとした演奏とは対極にあります。この演奏があれば、従来ベストと思えたプレヴィン盤も不要です。最近の父ヤルヴィは、どうもテンポが速すぎ、そっけないなどとこき下ろされることが多いようですが、テンポが速いから雑、北欧の田舎オケだから下手、というステレオタイプの批評なら、聴かなくても誰でもできます。いかにヤルヴィが聴かせ上手か、この3曲だけでもよくわかります。この演奏のどこがそっけないのか、ベルゲン・フィルという、ここで極めて優秀な演奏を披露するオケのどこが下手クソなのか。「ネームヴァリュー」志向、「爆演」中毒の方には、近年のヤルヴィの良さなど全く理解できないでしょう。ちなみに快速演奏、というのはまったくあてはまりません。曲によってかなり従来よりも速いものはありますが、全体としてみれば、それほど極端に速いものではないことは、演奏時間からしても明らかでしょう。「くるみ割り人形」の第2幕だけは、スコッティッシュ・ナショナル管との、どちらかといえばゆったりとした旧録音があり、個人的にはそちらの方が好みですが、この全曲盤も、非常に新鮮な響きで曲の魅力を十分に伝えており、名演と呼ぶに値します。

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     2019/12/14

     「裸足の歌」は、よく知られたドラティ編曲のものではなく、ハンス・エクの編曲による弦楽合奏伴奏で、貴重な録音です。11曲を収めていますが、ドラティ版(8曲)より、こちらのほうの選曲が自然です。伴奏に管楽器が入らないことで、逆に繊細で微妙なな味わいが描き出されており、すぐれた編曲だと思います。メインの弦楽のための協奏曲は、特に2番がすばらしい。3曲の中で最もマイナーなこの曲の魅力を、存分に伝えています。このコンビで、名作の第3番がなぜ出ないのか、惜しい限りです。入手困難な盤だと思いますが、ペッテション・ファンの方は必携盤と思います。

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     2019/12/11

     よく整理された、いうなれば「のど越しの良い」ニールセンです。ニールセンの音楽が理解できない、わけがわからないという方に、まずはお薦めできる全集です。6曲とも、破綻なく精緻に仕上げられています。しかし、この精緻さこそが、逆の意味で思わぬ陥穽なのです。ここには、いうなれば「ニールセンらしさ」がほとんど感じられないのです。ニールセンの音楽には、一見モダンなように見えて、随所にドイツやフランスの音楽ならぜったいにあり得ないような、独特な楽想が見えるのです。その意味で、ニールセンの演奏には、実はシベリウス以上にローカリティの表出が求められるはずです。それが見られないのが残念で、最も有名な4番「不滅」はその欠点がもっとも鮮明に出てしまったようです。その意味で、これはフランクフルト放響という優秀なドイツのオケを起用したのが、かえって逆効果になってしまった感があります。父ネーメの全集のような、多少粗削りでも聴き手を引き込むような迫力は、残念ながらありません。5番も懐の広さではシンシナティとの旧録音に軍配を上げたい感があります。6番でこれだけの整然とした演奏ができるのですから、高水準の演奏であることは間違いないのですが、父を超える名演を期待していただけに、やや肩透かしを食らった感があります。

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     2019/09/09

    ヤルヴィの解釈を理解しえない方には、ただ速いだけのやっつけ仕事としか思えないのでしょうね。皆さん、ちゃんと聴いてくださいよ! 全曲同じテンポでもなければ、終楽章の収録レベルが途端に低くなる、なんてことは間違ってもありません。全5楽章がシンメトリーな構成をなすこの曲の、その対称性をきちんと見据えた解釈の一端が、この演奏でとられているテンポなのです。他のほとんどの指揮者は、この曲の饒舌すぎるほどの情報を余すところなく伝えようとして構成をまったく意識していないのです。結果として音響の洪水、だぼだぼの演奏になってしまっているのです。そんな演奏を、この曲の名演と勘違いしていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。その典型はクレンペラーで、この曲にあるものを、のべつ幕なし音にしようとすれば、逆にあれだけテンポを落とさなければ見えてこないでしょう。ヤルヴィはその点、何を聴かせるべきか、何を強調すべきでないかが見えているのでしょう。だから第4楽章は、この演奏が速すぎるのではなく、他の演奏が遅すぎるのです。惜しむらくは終楽章。ハーグ・レジデンティ管も、オッテルローの時代ほどの優秀さは残念ながらないので、ヤルヴィも安全運転で行かざるを得なかった、そのためにややおとなしくなりすぎた感があります(それを「収録レベルが低くなる」と勘違いされた?)。コーダではそれをカバーしようとしてなのか、いままでになく音が整理できていないのが残念。これはオケの問題で、指揮者の責任ではありません! 本来ならその点を考慮し☆4つが妥当でしょうが、これまであまりにも低評価が多く、そのためにこの演奏の良さが認められないのは許せないので、あえて☆5つとしておきます。ちなみに、わたしが聴く限り、このヤルヴィ盤以上の名演として挙げられるのは、コンドラシン/レニングラードpo盤のみです。

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     2019/09/03

     かつてオーマンディのチャイコフスキー12枚組セットに、協奏曲第1番の録音が収められており、恥ずかしながら、そこで初めて名前を知ったピアニストです。これがなかなか見事な演奏だったので、その他の曲の演奏が聴きたいと思っていました。このようにボックス化されたのはありがたい限り。プロコフィエフを得意にしていたようですが、けっしてテクニックをひけらかすような演奏ではなく、むしろ遅めともいえるテンポで、じっくり曲の抒情性を引き出しています。本来わたしは遅めの演奏は苦手なのですが、ジョセルソンの演奏は、遅さを感じさせないリリシズムにあふれています。7番のソナタなど、せかせかしただけのポリーニを聴いた後にジョセルソンを聴くと、ジョセルソンがいかにプロコフィエフの音楽を愛し、共感をもって演奏しているかがよくわかります。やはりプロコフィエフの協奏曲第2番が、落ち着いた中にも凄味まで感じられる名演奏で、わたしがいままで聴いた限りでは、この曲のベストの演奏といってよいと思います。9番のソナタの演奏は、特に高く評価したいと思います。それまで、あまりおもしろくないと思い込んでいたこの曲の、真価を初めて知ることができた名演奏です。「展覧会の絵」もぜひとも皆さんに聴いていただきたい名演奏。ほとんどのピアニストは、この曲をピアノ曲としてではなく、ラヴェル版の管弦楽編曲をピアノに書き直したかのような演奏をし、見事にこの曲をぶち壊しにしているのです。その点、ジョセルソンの演奏は、これがオリジナルのピアノ曲、ラヴェルの焼き直しではなく、ムソルグスキーの音楽であると実感させてくれる、数少ない名演奏のひとつです。やや不満なのがプロコフィエフの3番とラヴェルの協奏曲。マータは当たりはずれの激しい指揮者ですが、これは残念ながらはずれ。どうしてこんな鈍重な伴奏をするのか。この2曲は、彼の才能を見出したオーマンディのバックで聴きたかった。残念ながらこの演奏の不出来さのために☆4つとさせていただきます。プロコフィエフが得意、ということで一般うけしなかった、それゆえ、うまく商業ベースに乗ることができなかったピアニストだと思われますが、前述の曲以外も、ぜひ多くの方に耳を傾けていただきたい名演奏が満載です。

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     2019/06/30

     ステンハンマルの交響曲第2番は、わたしの最愛の交響曲のひとつであるだけに、いろいろな演奏を聴いていますが、これはすばらしい。冒頭部では「ブロムシュテットも今や90歳を超えたのか。いやあ、老いたな」とも感じたのですが、それもほんの数分だけ。あとはそんなことを全く感じさせない充実した演奏です。この名曲を知らない方に「どんな曲か?」と聞かれたら、私は、少し乱暴な言い方ですが、「(ブラームス+ブルックナー+ドヴォルジャーク)÷3」と答えています。すなわち、ブラームスのような、整然とした中にただようロマンティシズム、ブルックナーのような対位法的構築、ドヴォルジャークのような民族的情感、この三つが融合して共存しているのです。したがって、演奏者も、これらを十全に表現しうるだけでなく、それらをひとつのまとまった世界として表現する能力が求められているのですが、ブロムシュテットはこれらをすべて見事に表現しきっています。また、セレナードの第1楽章など、感涙ものです。正直、この曲の本当の魅力を知ることができたのは、この演奏が初めてではないでしょうか(ヤルヴィもクーベリックも、残念ながらわたしを感動させてはくれませんでした)。作曲者に縁深いオーケストラが、作品に心底共感して演奏しているのがよくわかります。ただ、ライヴ演奏で拍手のカット、賛否両論あるでしょうが、私は賛成できません。最後の拍手を含めたすべてがその日の芸術の記録であり、聴衆なしにその演奏は成立しないからです。

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     2019/06/30

     リズム感の良さ、切れ味の鋭さで爽快な演奏を繰り広げるカントロフ&タピオラ・シンフォニエッタのサン=サーンスのシリーズ。わたしは出るたびに買い求めていますが、そのほとんどが魅力的な演奏で、聴いたあとほんとうにスカッとします。しかし、そのなかで唯一不満が残ったのがピアノ協奏曲1、2番(Pf:小川典子)のアルバム。肝心の2番が、意外にキレが悪く中途半端な印象でした。3〜5番が出ないのかと首を長くして待っていたらソリストを息子にかえて、やっと出ました。息子さんのピアノは、これまで聴いたことがなかったので相当期待して聴きましたが……。3番は文句なしの名演。4番はいまひとつ。優れた演奏だと思うのですが、デュシャーブル/ロンバールの驚異的に鮮烈な名演が耳にしみついているせいか、ややこじんまりしすぎた感があります。そして5番、個人的には古今のピアノ協奏曲の中でも5本の指に入る傑作だと思っているのですが、この曲はほんとうに難しい。いまだに「これは決定的名演だ」と思える演奏に出会えたためしがないのです。残念ながら、今回もいまひとつ。ピアノは表情豊かに弾かれていたかと思うと、平板に聴こえて表情に乏しかったりとムラがあります。そして親父さんの指揮が、要所でいつになく粗い。終楽章のコーダなど、「え、こんな演奏をする?」という感じです。「決定的名演奏」をこのコンビの5番には期待していただけに、やや辛口の評価にならざるをえませんが、一般的には十分推薦に値する演奏です。

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     2019/05/21

     約55分単一楽章休みなしというとんでもない協奏曲の、とんでもない名演の誕生です。「協奏曲」というより「競奏曲」に書くのがふさわしいのでは、と思いたくなるほど、この協奏曲は従来の協奏曲の枠組みから外れています。ヴァリーンの鮮烈な演奏で、人によってはペッテションの最高傑作ともいう、この曲の真価が明らかになったといってもよいのではないでしょうか。既出盤は、初演者イダ・ヘンデルの録音(Caprice)も、cpo盤のクーレンも、すでに前半で、やや息切れの感がしなくもなかったのです(そのためか、「聴き疲れ」がするのです)が、この盤のヴァリーンは余裕さえ感じられる弾きぶりです。だからこそ、後半の「裸足の歌」の旋律による、Cantando(歌うように)の部分が感動的に響くのです。また、17番は確かに興味深いのですが、207小節しか残されていないため、ジャケットにも示されているように、あくまでfragment(断章)にすぎません。したがってこのコンビの1番のような補筆「完成」品ではありません。あくまで残された草稿を、演奏可能なかたちに整理しただけですが、これで十分ではないでしょうか。16番の世界にも共通する、どことなく飄々とした音楽で、完成していたら、いままでのペッテションにはない、新たな世界が創造されていたのでは、と思わせるものです。しかしこれを完成させられるのはペッテションしかいないのです。リンドベルイやブリルカが、これを「補筆」しただけで、「完成」させなかったのは賢明な判断だと思います。

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     2019/04/27

    ミュンシュ/パリ管の一連の録音は、LP時代には廉価盤になってくれなかったので、世評が高い割には聴いていなかったものばかりでした。先に出たRCAの全集には、素晴らしい演奏が多数ありましたから、このセットは相当期待して待っていたのですが……。確かに名演ぞろいであることは間違いありません。しかし、ボストンとの旧録音を聴きなれた身には、どうもいまひとつの印象をぬぐい切れません。これらの世評の高い演奏は、優れた演奏だといえるにしても、あまりにもわたしの好みからずれてしまっているのです。「幻想」は明らかに、一気呵成に畳みかけた1954年の旧録音に軍配が上がります。ブラームスの第1にしても、どうしてこんな押し潰すような音響になってしまったのか。ボストンとの旧録音はこんなではなかったはずです。「ボレロ」に至っては、1956年の旧録音の快速演奏(13分台)こそわたしの最愛の演奏でしたから、この17分台の分厚い演奏は、止まっているようにさえ感じられます。もっとも、オネゲルの第2やルーセルの「組曲」などのすばらしい掘り出し物もあり、買って損をしたなどとは間違っても思いません。

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     2019/04/20

     どちらかといえばオペラは苦手という私が、手っ取り早く有名オペラの全曲録音をそろえられるということで購入したのですが、これが大当たり! この中ではカラヤンの「カルメン」が有名ですが、それよりもラインスドルフの「アイーダ」が見事な演奏です。決して派手にならしまくる演奏ではありませんが、素直に曲の魅力にひたれます。この名指揮者がなぜ「凡庸」「おもしろみがない」などのレッテルを貼られて不当に低く評価されてしまうのか、まったく理解に苦しみます(要は彼の演奏をきちんと聴かず、くだらない音楽評論家の評言を鵜呑みにしているからではないでしょうか)。同じラインスドルフの「外套」も素晴らしい。いままで部分的にも全く聴いたことのなかったオペラですが、その魅力がひしひしと伝わります。肝心のプライスについてまったく触れていませんが、安心して聴けるものであることは間違いありません。半分がラインスドルフということで買い控えをされている方がいたとしたらもったいない! 私のような、「オペラは苦手」という方にもお勧めできると思います。

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     2019/04/20

     モノラル録音の一部を除き、すでに持っている録音ばかりでしたが、もちろん迷わずに購入です。LP時代に苦労して1枚1枚集めたものがこんなにあっさりそろってしまうのも複雑な思いですが、改めて1枚ずつ聴きなおしてみると、その完成度の高さに驚きます。「現代は演奏水準が向上しているから、この程度はあたりまえ」などの声を耳にしたことがありますが、セルに対してそのような批評をされる方は、技術以前に、そこにある「音楽」を聴いているのでしょうか? もちろん「機械的演奏」などと揶揄される方も同様です。ここにどれだけすばらしい「音楽」がつまっていることか! 例えば、ベートーヴェンの「英雄」は、この完璧なアンサンブルによって引き出された理想的な音楽の姿です。1957年の録音から60年以上たちますが、この演奏を超える「英雄」は、いまだに登場していないのです。その他「ハーリ・ヤーノシュ」や「イタリア奇想曲」、ゼルキンとのブラームス第1協奏曲(モノラルの旧録音が、新録音以上にすごい!)など、これ以上の演奏が他にあるのか、と言いたくなる名演が満載です。オーケストラの音楽を愛する者にとって、必携のボックスではないでしょうか。

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     2018/09/26

     このコンビのペッテション、回を追うごとに、どんどん充実した演奏になっています。今回のアルバムは、ペッテションのなかでも、もっとも有名、かつわたしのもっとも苦手な2曲の組み合わせですが、そんな苦手意識もどこかへふっとんでしまいました。このコンビのペッテションの魅力は、明晰さ、見通しの良さに由来する説得力の高さにあるとわたしは考えていますが、今回もその期待を裏切らない見事な演奏です。特に今回の第7番には、自信だけでなく、かくあらねばならぬ、といった確信や信念のようなものまで感じられます。今年5月に、ウィーンのムジークフェラインの大ホールに、このコンビの第7が鳴り響き、大成功だったとか。そんなニュースも納得できる出来栄えです。両曲とも最高の演奏と断言することに、何の躊躇もありません。

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     2017/08/27

     期待通り、いや期待以上の名演でした! この傑作は、初演者であるコミッショーナ指揮ストックホルム・フィルの、確信に満ちた名演奏(1981)がCD化されていますが、これはそれを凌駕すると言ってもいいでしょう。一見軽そうに見えながらも、弛緩したりぎくしゃくしたりするところがなく、ペッテションの確固たる世界を築き上げているのは、先に発売された第13番の演奏と共通しています。それでいて、リンドベリィの棒は第13番以上に雄弁になっています。52分休みなしの作品なのに、「もう一度聴きたい」と、続けて2度も繰り返して聴いてしまいました。BISのペッテション・シリーズとしては、残るは第12番のみ、ということになるのかもしれませんが、個人的には、かつてアツモンやセーゲルスタムの指揮で録音した5曲も、このコンビで再録してもらえたら、と思います。

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     2017/08/27

     正直、思い切り期待外れでした。世評が高い割には、なぜかいままで聴いたことがなかったので、聴いてみましたが……。勢いはあるが流れはぎくしゃく、とてもではないが感動できるものではありません。何度か聴き直した結果、どうやら、これはケルテスではなく、ウィーン・フィルに問題あり、というのが私の結論です。若きケルテスの棒より、自分たちのやりたい音楽をやりたいように歌いだす。それを指揮者は自分の音楽にしようと、必死にあおりたてる。そのせめぎあいを、世間では熱演とか刺激的とか受け取っているだけなのでしょう。皆さん、ウィーン・フィルの音は素晴らしい、と先入観や固定観念だけで聞いていませんか。いくら個人の力量が高くても、こんな勝手なアンサンブルではダメです! 指揮者とオーケストラが一体となって燃え上がるバーンスタインの旧盤(NYP)と比較すれば、その差は歴然。聴いていて、ケルテスが気の毒に思えてくる「新世界」です。併録のセレナードは大変な名演ですので☆3つにしますが、「新世界」だけなら☆2つがいいところです。

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     2016/08/10

    非常に切れ味鋭く、それでいて繊細かつユニークな演奏が多いと思います。テクニックと表現力は見事というより外にありません。しかし、彼への世間一般の評価同様、このボックスに収められたCDで演奏されている「音楽」も、最上級に素晴らしいものと、「あれれ?」と思うものが混在しています。白眉はラヴェルの「ガスパール」とプロコフィエフ6番、これは今後これを超える演奏が出るのかな、と思えるほど。意外に(?)スカルラッティやバッハ、あるいはハイドンなどが聴きごたえがありおもしろい。チェンバロを意識せず、あくまでピアノとして弾こうとしているのが素晴らしいと思います。しかし、モーツアルトは幻想曲以外は「?」。極めつけの問題作がブラームス。Op.76-1を選んだのはいかにも彼らしい選曲で、これは遅いテンポが見事にはまった、彼がこの曲に求めたものが見える名演ですが、次のOp.118-2は何だろう。アファナシェフ以上の遅いテンポで、しかもそれが何の必然性も持たないため、完全に音楽が空中分解しています。協奏曲がこれまた問題作。もっともこれはアバドの責任によるところが大きすぎます。ショパン2番は最高の名演でしょう。自在な弾きまわしのポゴレリッチをアバドがよく支えています。正直言って、アバドの演奏、特に協奏曲のサポートは、私の聴く限りダメなものが多く(ペライアとのシューマンは特にひどい!)、正直まったく期待していなかったのですが、これは大番狂わせ。ショパンの協奏曲は、意外にオケが重要で、オケがひどいと全部台無しになります(典型がルービンシュタイン/ウォーレンシュタイン盤)。きっちり充実した響きで、それでいてピアノを十分に立てなければならないという、なかなかの難物だと思うのですが、その点アバドの演奏は完璧です。しかし、チャイコフスキー1番は予想通りの(?)アバドの凡演にひきずられ、せっかくのピアノも台無し。この14枚の中で、これが一番ダメかな。その他も、ショパンのスケルツォ1番や4番のような超ド級の名演奏から、ラヴェルのワルツのような空中分解したものまで玉石混交(?)。とにかく凡演はひとつもありません。素晴らしいか、「あれれ」かのどちらかしかありません(要は聴き手の好みに合うか合わないか、ということかもしれませんが)。一人の演奏家のボックスで、こんなものも珍しい。というわけで、ボックス全体とすれば、中をとって☆3つにするしかないな、というところです。しかし、勝手気ままに弾いているピアノでは決してない、計算しつくされた、それでいて自由奔放で豊かな表現のできる稀有のピアニストだ、ということは声を大にして言いたいと思います。

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