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宇野珍会長 さんのレビュー一覧 

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     2012/04/11

    前半のバッハが凄すぎる。従来盤の音質とは雲泥の差であり、リアリティがある。ボリュームを相当絞れば、最近の録音と勘違いできるくらいだ。それに比べスカルラッティは残念な結果だ。相変わらず高音や強音がきつく飽和して歪んでしまっており、聴くに堪えられない。弱音は輪郭が少しすっきりしているのだが。。。やはりマスターテープの問題なのだろうか。
    演奏は言うまでもなく天才の証であり、淡白なニュアンスが無数に散りばめられており、誰が聞いても不満の出ない見事な設計といえよう。リパッティの真骨頂は、多彩な表現をもってしても格調が崩れないところだ。これに鉄壁のバランスがあるので、音質さえよければ誰にでも受け入れられる名演になるのだ。
    今回のSACD化は、大成功のバッハだけでも買う価値がある。人類の至宝を堪能できること請け合いといえよう。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/26

    SACD化の最も効果を感じるところは、やはり情報量の多さだ。分離がよくなり、解像度が格段に高くなったところは素直に喜びたい。おまけでリマスターが付いてくるが、これは音源によって出来不出来があるのが残念だが、今までのOリマスターやAリマスターよりは遥かに優れている。演奏自体については、ぼくの中ではブーレーズ/ベルリン・フィルと双肩だ。もっともSACD化前はブーレーズがベストだったので、今回の再リリースはまことありがたい。クリュイタンスのラヴェルはつとめて個人技能が光る逸品だ。それゆえバランスに疑問を抱いてしまうシーンが散見されるが、今回のリリースにより個人技能がさらに磨きが掛かって聴こえ、ブーレーズの完璧な演奏に肉迫しているのだ。これはクリュイタンスが大切にしていた「粋」だといえよう。粋というとマルティノンをイメージする方が多いと思うが、それは間違いだ。マルティノンの「粋」と思わせる部分は、実は深い譜読みと知性に裏付けられているのだ。クリュイタンスのような練習嫌いが、パリの秩序悪い職人集団を豪快かつ繊細にまとめたほうが「粋」と呼ぶのに相応しいといえよう。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/26

    フルヴェンのベト7については、数多のリマスターや盤起こしを買って来た。実はオーディオには疎いぼくだが、これほどの名演があの程度の音質という空しさに耐えられなかったからだ。今までは新星堂盤や、ぼくの弟子という設定のH林盤を評価してきたが、このSACDはそれを凌駕する。新星堂は例の「女性の声がない」として有名な反面、除去要素はノイズだけにとどまらず全体的な迫力不足は否めなかった。このSACDはもちろんノイズは残っているが、従来のEMI盤に比べると雲泥の差といえよう。あの耳が痛くなる高音は皆無なのだ。リマスターはお得意のメッキを施したようなものだが、以前のOリマスターほどの派手さはなく、表面だけではなく中までしっかりと質感を伴って響くのがまこと嬉しい。なお「第5」はより高音質になっているのは事実だと思うが、いささか高音部がきつく、SACD効果よリマスター効果が表に出てしまっている。リマスターせずにSACD化したほうがよかったかもしれないが。。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/26

    まず、厚紙ジャケットが素晴らしい。初回リリースと同じものを用いている(厳密には多少の例外はある)。これは圧巻だ。懐かしくなるのはぼくだけではないはずだ。肝心の演奏はバラエティに富んだ選曲なので、一概に言うのは困難のきわみだ。初期の活発でスリリングなマゼール、90年代のスローテンポといい、見事な好対照を成しているといえよう。個人的にはウィーン・フィルを振ったフランスものが推薦だが、あとはグローフェがデジタル録音で残されているのが嬉しさのかぎり(ただ演奏はいささか淡白だ)。バイエルンと残したR.シュトラウスだが、これはベルリン・フィルかと思うくらい攻撃的な演奏だ。しかも凶暴にはならず、ドイツならではの質感にも富んでおり、なかなか聞かせてくれる。余談だが、1812年序曲が2種類も入っている。好みの分かれるところだが、ぼくは新録音を採りたい。ウィーン盤より情報量が多く、表現が図太くなっている。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/05

    国内盤のSACDセットを高額で買ったぼくとしては、少々複雑な心境も否めない。しかし何とお買い得な価格であろうか。魂に響く価格といえよう。演奏についてはベルリン・フィルということで、やはり乱暴な音響が散見されるのが珠に傷だ。とはいえNDR盤にしても、ミュンヘン盤にしても、ぼくに言わせれば一長一短であり、差をつけるのは困難のきわみだ。後は好みの問題といえよう。ぼくはNDRとのライヴ録音を中心にしてしまうが、だからと言って五十歩百歩の差だ。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/21

    注目のリリースということで、早速購入して聞いてみた。まず音色は概ねマズア時代の素朴なもので、奏法によって煌びやかになることはあったとしても、基本的には鄙びてかつ質感のあるよい響きだ。解釈はピリオド奏法を随所に盛り込んではいるものの、モダンスタイルは貫いている。ただ、ナンバーによっては「ほとんどモダン」「ほとんどピリオド」と傾向が分かれてしまうようだ。本当はピリオド云々というものではなく、現代音楽の側面から見たアプローチ、というのが正しいといえよう。
    結論が先送りでは読みにくいと思うので、ここで一応の結論を書いておきたい。ベトベンのコレクターのぼくからいわせると、特に珍しいものは感じず、強いて言えばペーター・エトヴェシュが猟奇的に振ったベートーヴェンを、少し大人しくしたようなものだ。しかもシャイーはやりたいことを強調してくるので、それ以外の部分が特徴に乏しくなっている。しかも録音編集でそれを強調している始末だ(どうやっても内声部に埋もれるフレーズがなぜ最も目立つ?裏青盤と違いすぎる)。特に第4番ではその傾向が顕著だ。あと、レビューではテンポについての意見が多いようだが、ぼくには「早いが自然」という印象だ。特に田園のテンポ設定は絶妙で、シャイーにはこういう才能があったのか、と感心してしまった。これはスケルツォのトリオを聴けばわかるはずだ。あまり長くなるといけないので、まとめに入りたい。いささか猟奇的なベートーヴェンだが、現代的な解釈の標準として万人にお勧めしたいといえよう。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/19

    DVDから音声を引っ張りipodに入れて愉しんでいたクチだが、その音響の素晴らしさには息を飲んだものだ。ウィーン・フィルが本気を出したときの、あの音だ。ベーム、晩年のサヴァリッシュ、たまにムーティのときに出す、質感のある柔らかくも張りのある美音だ。これがCDになってどこまで入るか、興味珍々だ。ただし立体感の乏しいソニーということで、ある意味戦々恐々ともいえよう。余談だがエグモント後の聴衆の反応には驚くばかり。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/02

    フランスのオーケストラは総じて響きが軽くて線が細いのだが、チョンはそれを隠すこともなく前面に押し出して名演を成し遂げた。チョンの解釈は「曲全体が桃源郷である」というように聞こえ、終始微笑みに満ちた明るい響きを維持しており、本来なら渋く鳴っても良いはずの和音が、驚くほど明るく鳴っているのだ。しかも明晰で解像度が高く、情報量の多さという点でも唸らされる。チョンのライヴとは全く逆の傾向かもしれない。逆のタイプとしてナガノ/ベルリンがあるが、ナガノの非情なほど厳格な処理というのは一切見当たらず、もちろんベルリンのような峻厳、または暴力的な響きは皆無である。ぼくはチョンをあまり評価していないほうだが、この録音だけはどうしても手放せない。

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     2011/07/26

    恐ろしいディスクだ。過去20年以内に録音された中で、これが最高芸術かもしれないとさえ思ったほどだ。ラヴェルのこれらの曲には「狂乱」という共通テーマがあるが、ブーレーズはこれを見事に表現しきったのだ(ただしラ・ヴァルスでは徹底しきれていないのが惜しい)。ベルリン・フィルは極限まで極めた最上のバランス、かつニュアンスの深さを湛えている。これはカラヤンでもアバドでもなし得なかった業であり、特筆大書したい。録音技術に拠るところもあるだろうが、ブーレーズの統制は絶妙の極みといえよう。クリュイタンスに比肩するとしたら、このディスクしか考えられないくらいだ。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/07/11

    最初にこの演奏を聞いたときは「何と軽くてスカスカなワーグナーだ」と閉口したものだが、いま聞きなおしてみるとヤンソンスの音作りが明快に示された一枚であることがわかる。軽量級のイメージは変わらないが、清潔で品格のあるフレージングとリズム処理はすこぶる魅力的だ。通常は隠れてしまう装飾音符が明瞭聞こえてきたり、清潔さゆえの見通しが良い。毒のないワーグナーを愉しんでいただきたい。

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     2011/06/30

    侮るなかれの名盤だ。ムーティとフィラデルフィアというと、鋭角的なリズムと強烈な音響、ダイナミックな起伏と快速なプレストというイメージが先行する。しかしここでのムーティは、オーマンディを髣髴とさせるほどゆったりと歌い、しかも絶叫することなく響きを溶け合わせているのが興味深い。結果として、躍動感よりスケールのある大海原を見事に表現しきったといえよう(3曲とも)。ラヴェルになるとちょっと大味な印象も出てくるが、ショーソンは逆に絶品な仕上がりだ。

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     2011/06/23

    MYTHOSにしては作為の少ないほうで、それはそれで悪くない。モスクワ音源使用ということで、基準となるDG盤に比べれば分離がよく、木管の艶やティンパニの質感などは比べ物にならないといえよう。そのせいか演奏が大人しく聞こえてしまう不思議がある(ぼくの好みではあるが)。全体的にノイズは多いほうで、数ある復刻を聞いている方でもちょっと気になるかもしれない。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/23

    とりあえず、久々の再発となったグレイトのみ。第一楽章は序奏まではうっとり聞きほれていたが、提示部に入り思わずのけぞってしまった。バイエルン盤を遥かに凌ぐ濃厚なカンタービレだ。ド演歌を聞かされているような気もするが、ここまで徹底されると白旗だ。ただ、恐ろしく濃厚なカンタービレはこの楽章だけで、フィナーレは全く逆のアプローチになる。おもわず「カルロス・クライバーが振っていたら…」と唸ってしまうような、切れ味抜群の颯爽とした演奏だ。そうなるとほどよい3楽章が万人向けの名演といえるが、それでもこの両極端を聞いてしまえば影が薄くなる。

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     2011/06/07

    当然荒削りな部分は皆無とはいいきれないが、それでも11歳でこの技量と表現力、完成度には驚愕してしまう。サラ・チャン特有の芯の太さはこの頃から健在で、しかも一音一音魂をこめて表現されているのは出色だ。11歳でカルメン幻想曲を録音してしまうだけでも、天地がひっくり返るほどの驚きなのだが…(有名なヴァイオリニストでも弾けない人は少なからずいるのに)

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     2011/01/31

    ノイズさえ我慢すれば最高のディスクだ。音は潤いに溢れ、躍動感さえ感じてしまう。そのためか、ちょっと極端な解釈や奏法まで自然に聞こえてしまう。これを聴いてしまうと「フルヴェンはもっと透明感があった」という秀爺の言葉に納得してしまう。同曲中のベストなのは言うまでもないが、同録音中ベストといえよう。

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