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砂林 さんのレビュー一覧 

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/18

     そうは言っても、録音の古さは否めない。ピリオド楽器の愛好家にとっても最早唯一の名演とは言い難いものがあるだろう。
     記録を留めておくために記載する。69年春、リヒターとミュンヘンバッハの来日の日生劇場側窓口となっていたのは、当時はまだ仲の良かった石原慎太郎と浅利慶太のコンビで、オルガンなしでバッハ公演を行わせたかったらしく、「電子オルガンでは本人は不満らしい」との石原の場違いな憤慨が当時の新聞紙面に載っている。結局当時300万で日生にオルガンを設置し、公演後はキリスト教ミッションで礼拝堂にオルガンをもたなかった明治学院がそれを引き取る形で落着した…日本は依然貧しく、戦後を曳きずっていた。今や明治学院はバッハ研究のための組織をもつ学究に育っている。その年の4月28日の来日公演が、当時の沖縄反戦デーの影響を受けて公演順延となったことについても、当時の日本人の一部には対米で同盟を結んでいる事に慎重な意見が多かった事が反映している事を指摘しておこう。
     翻って、フルトヴェングラーのバイロイトの第九は、名演であろうが、それですべて事足れりとするほど現代はあまくない。いくらデジタルでリマスターしても、実演が蘇るわけではない事に人は留意すべきだ。
     リヒターの59年盤マタイを聴き、その名演を当時ライブで見聴きした人にとっては神がかり的な名演ではあろうが、50年たって、なお最高の名演と呼びうる根拠はない。リヒターが比較的早く没したために、敢えてすべての録音を常にカタログに準備しておく事は音盤業者には至難の業だとも言える。
     したがって、これは一つの財産の開示にすぎない事も、熱心なファンは充分理解するべきではあるまいか。

    11人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/15

    独墺系を背骨としながら、晩年に近い70〜80年代に、なぜかロンドンのオケでハイドンザロモンセット、ブラ全・ベト全及び序曲集等を精力的に録音して音楽愛好家を驚かせたものだが、実際LSO/LPOのどちらからもヨッフムらしい感性が充分に伝わり、当時多少低迷していたオケとは思えぬ音色で感動的な最期のセッションを世に送りだすことに成功した。SKDとのブルックナーは、ものによってはDG旧盤を凌駕しており、全集としては当EMI盤はずっと手許に置きたい一組。カイルベルトが亡くなると、バンベルク響を引き継ぎオケの屋台骨を支えるなど、独墺系の指揮者としてはまさに天下一品の存在だった。カラヤン・ベームがいる限り、それらを凌ぐ存在とは誰も予想だにしていなかっただろうが、このヨッフムの名盤はLPの時代から「レコード」が「記録」として真の名演を正当に今日に伝承してきたことを実感させる。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/13

    ソナタが全部揃わない等というのはLP時代にはざらにある話で、仮に全曲録音されていたとしても欠品の多いLPの時代、店舗でも入手はできなかっただろう。ぜルキンのソナタは今ここにあるだけで充分すぎる程だ。協奏曲は曲の性質からいって3・5番が競走的にバーンスタインが挑発的とも思える向かい方をしてゼルキンも相応の力演で応えているのが嬉しい。オーマンディとの1・2・4番でぜルキンが美しいフィラデルフィアサウンドの一部と化しているのと好対照。一方、マールボロ祝祭orとのライヴ4番では思いのほかオケと競い合ってぜルキンの少し粘り腰の実にいいタッチが聴けるのはたいへん貴重で嬉しい。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/22

    「名演」もなにも…、第6番などステレオLPでは当時これが唯一入手できる盤でしたから。当方はババリアとのものはある意味今でも最高位に値するものと心得ていますが、残念ながらBPOとのものはいささかミリタリーチックなところもあり、繰り返し聴くには耐えがたいところがあるのも事実です。
    音質や版をあげつらわれて評判の良くないEMIのものがまとめて再発されたのでCDで改めて一気に聴き直しましたが、音楽の推進力・表現の凝集性はやはり素晴らしくノヴァク版であるかどうかはかつてスイトナーさんが貸譜の不備を嘆いていた事実にも思いをいたし、惜しい瑕疵程度と考えるべきだと思います。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/09

    同社のGLD25487と併せると、旧DotレーベルのLPが9枚分入手できる。年季の入ったビリーファンなら大喜びだ。ただ、「60年代70年代にラジオやFMで盛んに耳にしたビリ―ヴォーンをざっとでいいから懐かしく聴き直したい」、という人にはユニヴァーサルの国内盤ベストアルバムをお奨めする。よく知られた曲は大体そこに入っているし、同社が正規の音源を持っているので音もよく、価格相応に盤質もいい。もともと日本の洋楽レコードには日本のレコード会社の方針でコンピュレーションもの(ベスト盤)が多く、録音原盤をそのままの形で次々世に出すことはあまりなかった。
    当CDには、そうした此れまでカットされてきた珍しい録音も含まれる一方、コピー音源の不自然さ(フェードアウトや曲間など)もあり、CDそのものが安価に製作されているので、耐久性にも疑問がある。むろんそれでも1曲でも多くビリーの曲を、という「コア」なファンには大いにお奨め。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/08/25

    頭が重すぎる演奏家はグールドを含めて苦手だ。アルゲリッヒとのベートーヴェンのソナタを来日公演した際、ライヴがお気に召さず、公演後の放映用にスタジオで再録したのはある意味聴衆を愚弄した行為といえなくもない。
    この録音は安定的な技巧本位で大変まっとうな出来だと思う。いい音色だし。
    これは当方の嗜好によるものだが、かつてVENETIAから出た無伴奏パルティータ集は、演奏一生懸命/思惑なしの佳演だったことで、今も愛聴している。ああいうスタンスを貫いてほしいと思う人は少なくないはずだが…

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/08/25

    聴き馴染んできた名演中の名演。メートルが上がると抑制を忘れがちな熱血パリ管をラヴェルに、旧ORFをドビュッシーに充てたことも奏功している。
    ラヴェルにクリュイタンス、パレ―など、ドビュッシーにブーレーズを挙げる人も多いだろうが、ヂュトワ/モントリオールと併せて、ラヴェル・ドビュッシー双方を抵抗なく聴かせてくれる人は案外少ない。唯一モントゥーが両者をもっと多く録音しなかったことが悔やまれる。このセットは8枚連続して聴いて全く飽きることを知らない。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/08/25

    更に価格も下がったようなので、より多くの人に是非!
    有名チェリストにありかちなことさら技巧をひけらかすアクロバットに陥ることなく、滋味深く演奏される名曲の数々は、つい聴き惚れてそのままもう1回リピートなんてことも私はしょっちゅう。バッハの無伴奏は新録が入っているが、旧録も棄て難く、興味を覚えた方はそちらの方もぜひご一聴を。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/07

    数ある名演のうちでも、「慕情」といえば何と言ってもこのDローズの演奏にとどめをさす。WホールデンとJジョーンズの映画のワンシーンをあしらったMGMレーベル(日本グラモフォン)のドーナツ盤のジャケットが今でも目に浮かぶ。これは自作自演の「ホリディフォーストリングス」も2ヴァージョン収められた充実したCDだが、日本では映画音楽の巨匠として知られ、来日直前に死去したパーシーフェイスに代わって同楽団の最後の来日公演を1976年に指揮したのはこのDローズだった。さすがに録音は古めかしいが演奏は永遠に残る名演揃いで強烈にお奨めの逸品だ。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/07

    LP、CD時代を通してホルスト「惑星」は絶品。オーケストラを効果的に鳴らすという点でストコの上手さが際立った秀演。バッハトランスクリプションだけはチェコフィルとのDECCA盤を推すが、それ以外はいずれも聴き応えある名演で、手許において折に触れ耳にしたいものばかりだ。録音年代を考えればこの状態でCD化された事は僥倖と言っていい。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/18

    思ったより復刻の状態がよく、スクラッチノイズがないところをみると、CD音源のコピーかもしれない。マントヴァーニーやパーシーフェイスと違ってもともとハイフィデリティ志向ではなく、携帯プレイヤーやジュークボックスで気軽に愉しむ音楽だから全く不満はない。エクストラのストリングスもなかなかうまく、ビリー・ボーンのセッションの録音としてはいい部類。
    CD2とCD1の内容が入れ違っているのが残念だが、お買い得なセットだ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/06/12

    レコードを買うようになって最初に入手した「無伴奏」がモノラルでシゲティという不幸。すぐにシェリングのステレオ録音が出て数年それを大変満足して愛聴したが、シャルプラテン(徳間音工)から出たズスケ盤を聴いて特にそのパルティータの音色に魅せられた。正直に言うとシェリングのパルティータにはなかったものがそこに実現されていたので大変感動した。CDも人に薦めたついでに進呈したりしたので何回か購入し直したが、先日入手したデジパック仕様のBC盤は音に遜色がなかったので十分愉しめると思う。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/28

    指揮者で言うとストコフスキー…?
    すごく巧くて、ムソルグスキーなどテンポ自在すぎて自前の版を使っているかと思うほど。「超絶技巧」がベルマンを凌駕しているかどうかは好みの問題。ここまでくれば比較し難い個性という方が正しい。ただし、同じ人がシューマンをこういうタッチで弾くとは予想外…これは素晴らしい!サンサーンスの音色も魅惑の境地。多少毒のあるところはストコフスキーみたいだが、この「ベルリオーズ幻想」を聴いてあえて異論を唱える人はいないだろう。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/22

    冠を外されかかったり、フィルハーモニアとの合併を噂されたり、と、何かと経営を危ぶまれるRPOだが、腕は確かなようで、やや通俗名曲ながら改めて曲そのものの原点に誘ってくれたVOL.1の名演集に続き、第2集のボックスにも目のつんだいい演奏が揃っている。シモノフのロシアものやヘルヴィッヒのエロイカ!ディーリアスやVWはもちろん、ハイドンはビーチャムのモノ/ステレオ初期のあの名演に準じる出来。例の315円シリーズで入手済のものとのダブりも多いが、メンブランながら国内のK社販売時より音質はよい。こういうものはぜひ長く市場で扱ってほしい。考えすぎずに音楽がホントに好きになれるいい全集だ。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/12/12

    (現行不良品で所有)。なんでもありの「憧れ」のアメリカを代表するような箱もので、私がレコードを聴き始めたころはピアノはルビンシュタイン、クライバーン、バイオリンはハイフェッツと、RCA全盛みたいな時代だったことを思い出す。当時はモノラルもみな疑似ステレオになっていたから、私の母親がSP時代のハイフェッツを聴いて育ったこともあって購入したオケ伴奏版の「ツィゴイネルワイゼン」が元はモノラルだったことを知った時の衝撃は忘れられない。どれも今なお怪演だが、たとえばモーツァルトはグリュミオーと、チャイコフスキーはオイストラッフのあの演奏と、と選択枝の広がった後では全部がナンバーワンとは言いかねる。また録音の経年変化もあるが、オケが昔聴いた感覚とは随分違って、どれも思ったよりうまくないのが逆に印象的だった。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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