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たーさん さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/26

     サヴァリッシュが亡くなった。彼はN響を育てた指揮者のなかでもとりわけかけがえのない一人であったのだが,残念ながら,わたしが演奏会に足を運んで聴いた中では感銘を受けたという記憶があまりない。整然としていて音楽のつくりがよく見えるようなのだがどうもそれ以上ではなかった。余談めくがあれほど密接だったのにNHKホールの竣工時をのぞけば「第9」を1度も指揮しなかったのではないか。なぜだろう。
     ところがオペラになると別。わたしは,国内で「魔笛」「フィガロ」「マイスタージンガー」「影のない女」を見ることができたが,どれも良かった。それと映像で観た「アラベラ」も。
     この「魔笛」はLPで持っているが,わくわくしながら聴き通したことを覚えている。ことにエッダ・モーザーの「夜の女王」は絶品。最初のアリアの母親としての切々とした訴えから一変して尊大な「女王であるぞ」とでも言いたげな後半との対比の見事さは,繰り返し聴いても背中に電気が走る。久しぶりに取り出して聴くことにしよう。

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     2012/11/24

     アナログ盤で聴く。バルビローリの演奏は,激するところがなくこの曲の冒頭でも悲痛さをいくらか抑えた表現で,その続きも熱を帯びた気味からほど遠いところが独自の境地と思いながらも物足りない。しかし,第2楽章以降は薄日が徐々に暖かさを増してくるような心地の良い音楽が展開される。終楽章の金管の補強もなく誇張を排した上質な演奏である。
     ところで田中成和氏によればバルビローリによるブラームスの交響曲の録音はヴィーン・フィル側からの希望で実現したとか。ベルリン・フィルとのマーラーの第9番の件ほど有名な話ではないが,「つよしくん」氏のお説には合点がいかぬ。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/23

    学生時代に金沢で聴いたのがカラヤン/ベルリン・フィルの実演に接した唯一の体験。その時の《英雄》は時期的にはここに収められている演奏に近いということになる。
     カラヤンをまた聴きに行こうと思えばできないわけではなかった。横浜に40年以上住んでいて「行こうかな」ぐらいには思ったもののその先に進まなかったのはあの時の演奏が感銘浅かったことによる。実際わたしが所有する盤のなかではカラヤンのものは極めて少ない。
     つい先ごろ《田園》のLPが105円で売られているのを見つけて買って聴いてみたら「悪くはない」ので,ならばあらためて全曲を聴いてみようかと思って手に入れた次第。
     聴いた。カラヤンのレガートはすでにほぼ全開。カラヤンにとってこれは音楽監督になって6〜7年後の録音だが,楽団が自らが選んだ指揮者の要求にともかく応えるのはプロとしては当たりまえだろう。そのレガートがわたしにしてみれば,第9番で最も居心地が悪く,第7番と《英雄》では気持ちが高揚しない。あちこちで角ばっていたり流れが一瞬止まりそうになったりする(そこが傑作たる所以では?)これらの曲では音色美への耽溺が過度な感じがするのだ。一方《田園》は,そういうことはなく66年の来日公演をTVで視聴きしたときの「速さ」への驚きも「今は昔」になってしまっていた。わたしなりの経験が作用してのことだろう。レガートが殆んど耳に障らないのはほかの第5番,第4番と残り3曲でも同じ。こういう演奏も受け容れられる。かといってカラヤンのそれ以後のベートーヴェンの録音も,ということにはならにのだけれど。

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     2012/01/14

    CDが出始めてまだそれほど年月が経っていないころに抜粋盤を購入して楽しんだ演奏。ショルティのモーツァルトはデ・ラローチャが弾いたK.595とK.503の協奏曲で聴いてすっかり感心していた。あそこではゆったりしっとりした音楽があった。しかし「フィガロ」ではそうでない。
     まず序曲が「狂おしい1日」の暗示にふさわしい速さ。そのあとの音楽の運びも「愛らし気なモーツァルト」とは無縁。「これ」はこれでいいのだ,と言っているみたい。つまりショルティの,ではなく「フィガロ」の速さということなのだろう。これが唯一絶対ではないのはもちろんだが納得はできる。 
     重唱の緊密さは特筆もの。ただ,スザンナとマルツェリーナのさや当ての場面だけがそれにもかかわらず緊迫感が不足気味で惜しい。それとアレンの伯爵はちと上品すぎないか?........と気になる点はあるものの久しぶりにオペラの全曲録音を通しで聴く楽しみを味わわせてもらった。
     ところでこのCDを買ったもう一つ大切な理由は仕様への興味にあった。「ブック仕様装丁」に惹かれたのである。LPの時代,組ものの中には美術工芸品の趣きを伴ったものが少なからずあった。肝心なのは録音されている中身だと承知しつつも,中身がよければなおさらのこと「もの」として所有する喜びもそこには生まれた。近年そういうCDがいくつも見られるようになったがこの「フィガロ」もそういう興味・期待に十分応えてくれた。

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     2012/01/08

     これはジュリーニの80歳の誕生日(5月9日)を祝って行われた演奏会の録音。95年1月7日NHK・FMで放送されたが,手元に第3番だけ入ったカセット・テープがある(第4番は割愛されたのか?)。再生してみるとCDにはさすがに及ばないもののきちんとした音で聴ける。第3楽章の前に音合わせをしていたこともわかる。実はこのCDの発売を知る前に何度か聴いていてケースごと出しっぱなしにしていたのだ。
     その第3番。悠揚迫らぬ,とはこういうのをさすのだろう。ゆっくりとした運びのおかげもあってか各楽器の聴こえ方も明確,ここぞというところで速度を大きく変えてヤマを作り神憑り的に緊張を高めようというそぶりも見えない。それでいて弛緩するところがないのだからお見事というほかない。
     第4番のほうはゆっくりしてはいるが第3番とくらべればそんなでもないという印象である。第1楽章の途中で表現が上擦った感じで「あれっ」と思わされる箇所(8分50秒あたりから30秒間ほど)があるが,それだけのことで感興をそぐというほどではなく,全曲を通して沈潜した演奏が繰り広げられる。
     梨子地のようなやわらかな輝きとでも言おうか,どちらもとても味わい深い演奏。
     

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     2012/01/04

    クラシカジャパンが主にコンサートの部分だけを放映したのをハードディスクに録っておいて去年暮れにDVDへ移す際に改めて視聴した。そのあとこのレビューのページに思い当った次第。
     演奏についてのさまざまな指摘についてはゆっくり勉強させていただくことにして行事の記録としての面について感想を記したい。
     にゃおにゃお金さんの記述に共感を覚えた。マゼルとコンサートマスターとの会話で出てくる「音楽の力」とはまさにその通りだ。無論手放しとはいかないにせよそれを信じなくて音楽を聴く資格があるだろうか。マゼルが演奏する曲に因ませて「平壌のアメリカ人という曲」を夢として語ったり,楽員たちのバーンスタインへの変わらぬ尊敬に言及して「キャンディード」序曲を自らは姿を消して披露したのもわたしはその文脈でとらえた。「アリラン」については言うまでもあるまい。
     あの日あそこにいた人たちはあの国でほとんどあらゆる意味において幸運な立場・境遇にあると推測できるが,幸運は幸福を直ちに意味しない。その人たちの胸の内に去来するものについて想像をめぐらすことなくこれを視聴きすることなどわたしにはできない。「政治的なもの」に深入りはしないが,
    権力の庇護の下にあってそのことで良心を苛まされる人はどこの国にもいておかしくないわけで,そういうことに目を閉ざしてただやみくもに怖がるのは遠くにいて面白がってみせるのと同じでは?

     

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/03

    シェリングとシュミット=イッセルシュテットによる録音が出た時点でこの名曲の格調と気品の高さの表現という点でオイストラフ盤はこれに1歩も2歩も譲ってしまった。一方,恰幅とか貫禄という面でピカイチである。なるほどこういうベートーヴェンもあるのだと思わされる名盤だ。
     しかしベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲に何を求める,あるいは聴くかということになるとオイストラフではどうもというところがある。わたしには抑制の利いた演奏が(とりわけ第2楽章では)より好ましく思われる。
     クリュイタンスの指揮。これはもう何も言うことがない。彼がベルリン・フィルとともに遺してくれた交響曲全集を「京都弁のベートーヴェン」と評した方があったが,ぎらついた自己主張なしにしかとした存在を示す演奏はこの協奏曲でもまったく同様である。わたしは協奏曲を聴きながら管弦楽の方に耳をそばだてることもしばしばだが,クリュイタンスのはその楽しみがいっそう深い。
     わたしの持っている盤は89年にドイツで出たもの。音質のほどを今日の盤と比べたわけではない。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/30

     驚いたな。この名盤がこんなに安くなっているとは!わたしがもっているのはドイツ・オイロディスク盤でまだドイツ・マルクの時代にミュンヘンで見つけて買ったもので,はじめてCD化されたものだろう。
     見た限りでは,その盤が持っていた劇場再建を祝う公演だったことを想起させるようなつくりにはなっていなさそうだ。しかし演奏は第一級のもの。ぜひお薦めしたい。

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     2011/12/25

     米マーキュリー盤で聴いてきたが安価につられて購入することにした。
     シェリングによるメンデルスゾーンの,情緒に溺れることのない美しく凛とした表現はいくつもの優れた演奏を聴いてきたいまでもわたしの心の中で色褪せることがない。吉田秀和氏が「非のうちどころのない完璧な作品」と評されているが,こういう演奏に接するとほんとうにその通りと思える。
     シューマンのほうは,管弦楽が例によって何色もの絵の具をほとんど完全に混ぜ合わせたような姿なものだから,どの演奏を聴いていてもまず痛々しさが先に立ってしまう。独奏部分に時折ハッとする美しさも感じたりはするものの,正直なところわたしのような凡夫はそう度々取り出して聴こうというふうにはなれない。
     録音年代について。これは1964年の録音で,68年の再録音というのは私の調べた範囲ではなさそうである。このころシェリングはほかにチャイコフスキーやブラームスそれにベートーヴェンも録音していて,70年代に入ってハイティンク指揮コンセルトヘボウ管弦楽団とこれらの曲ををまた録音した。その間にメンデルスゾーンを同じドラティ/ロンドン響と再録音する必然性があったかどうか。

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     2011/12/09

     LPで全曲盤を持っていたが疾うに処分していた。何ということを!つい最近NHK-BSがザルツブルクでのショルティ指揮の公演を放送したのを見てこう思った。それ以後実際の舞台もかなりの数観たことで「成長」したせいかもしれない。
     きょう,中古の抜粋盤を格安で見つけたので買ってきてさっそく聴いてみた。果たしてあの時とは違う音楽が響いた。管弦楽はもちろん歌手たちもすてきだ。ドイテコムの夜の女王はこんなにゾクゾクする声だったのか。
     同じCDがいまでも手に入るらしい。廃盤と再発が目まぐるしい昨今,これは奇蹟と言えるのではないか。
     不満な点を一つ。最後の場面が入っていない。解説で石井宏氏が“パパゲーナ,パパゲーナ”から“パ,パ,パ”の二重唱に至る場面について「涙の出るほど滑稽で美しく感動的な場面」と書かれているのはまったく同感だが,ザラストロの短い宣言に導かれる高貴で幸福な音楽がないのではいかにも坐りがよくない。制作当時の技術では収録できなかったということか。そうだとしても残念。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/03

     コパチンスカヤはスクロヴァチェフスキ指揮のN響とこの曲で共演した。ちょっと小生意気なおネエちゃんがニコリともしないで弾いているという見た目の感じがまず面白かった。演奏はわたしの体験の範囲ではとても斬新なものでこの名曲の新たな面をみる思いがしたものだ。
     「クラシックなおじさん」氏と同様にわたしもシェリングがシュミット=イッセルシュテットと共演した録音を最良と思っているが,これはこれで別の魅力に溢れた演奏だ。ヘレヴェーゲの指揮は第1楽章の提示部がシュミット=イッセルシュテットのそれと似通った感じに聴こえるのは気のせいかな。そこを聴いていると「ああなんといういい音楽」といつも思う。それが特に強いのがこの二つ。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/03

    ケルンでこの指揮者の「第9」を聴く機会があった(2008.6.6)。実を言えば,ミュラー=ブリュールが指揮すると言うので(NAXOSのCDにもあるケルン室内管弦楽団の“DAS MEISTERWERK”ツィクルスの一環)出かけたのだが,チケットに表示までされていたのにどういうわけか交代していた。プログラムを見てそれが分かり当てが外れた思いで席に座ったのだが,結果としては新鮮で驚きに満ちた音楽を聴くことになった。
     そういうことがあって,それに初演時の「再現」ということへの興味もあって買ったのだが,多くの指揮者が解釈の結果として加える「間」とかフェルマータやリタルダンドといった聴き手の情緒に作用しやすい表現を排した演奏はなかなかの聴きもの。アーノンクール,いやギーレンよりもずっと“乾いた”演奏である。
     いくらで買ったのだろう。こんなに安くなってしまって,んー。
              

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     2011/11/30

    ブルーレイディスクを買って聴いたが,期待に違わぬ名演だった(ただ第8番には「もう少し軽みがあれば」とは思った)。映像があるというのは大きな魅力には違いない。しかし,映像なしで聴いてみると演奏の姿と言うべきものがよりはっきりとしてくる場合があることに気づかされる。聴きたい曲にたどりつくのに少々手間はかかるがそれもやむなしで,わたし自身はこの聴き方が増えそうな気がしている。
     CDの場合はこれまでの多くの例にならえば複数回の演奏会(少なくとも楽友協会では2回)の録音からの編集も行われているだろうし,拍手や楽章間の会場の音も取り除かれていると思われる。従って「生々しさはない」ということになろうが,演奏はヴィーン・フィルの美質に沿ったものでラトル指揮によるものとは全く別の魅力がある。音質に目立った差異があるのかどうか興味がないわけではないが,それは知人の誰かがこちらを買うかもしれないことに勝手に期待しよう。
     ついでに。ブルーレイディスクについて書いた中で,「第9」を聴いた日づけを3月25日としたのは4月25日の誤りでした。訂正いたします。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/30

     わたしのような音の響きそのものを楽しむという水準の者が聴いても,いい曲だなと思う。じっさい,この曲には惹かれるところはいっぱいあるし,つけられた標題の示すところもそれなりに感じることはできているつもりだ。折りにふれてとりだして聴くに違いない。
     ただ,たとえばベートーヴェンにしてもブラームスにしてもショスタコーヴィチにしても自分がどこの生まれかを示す痕跡を結果的に残しているなと感じられることを思うと,この曲が日本に生を享けた人の作品であるということがこの曲の「音楽」それ自体から伝わってこないのをどう考えたらいいのだろう。(民族主義で言っているのではない。だいいち,わたしたちの「くに」は単一民族でできているわけでもないことは周知のことだ。)まあ,これはわたしの感じ方に原因があるのかもしれない。標題が「広島」,「ひろしま」,「ヒロシマ」のどれでもなくローマ字で書かれているのも(外国をも念頭に置いたからかもしれないと思いながらも)わたしにはなじめない。そこに何か意味なり意図があるのなら,そういうことも理解できるようにわたしはなりたい。
     

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/28

    シュタルケルのバッハとドヴォルザーク,パレーのフランス音楽のいくつか,バッカウアーの協奏曲,ドラティの管弦楽作品などかなりの枚数を初出のCDで手に入れた。ここに挙げたのはほぼ気に入った順。総じて録音の良さもまた特筆もの。
     50枚でこの値段は単価としては「安い」に違いないが,めぼしいもが手元にあるとあと何枚かのために重複してまで買うかというとどうも。

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