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brian さんのレビュー一覧 

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     2021/07/25

    彼らの音楽は、ほとんどがDAVID SCOTTの作曲とボーカルによるものだが、その洗練された音楽性は不変である。ピアノ、ギター、時折ブラスやシンバルそして口笛が入る。リズミカルで、生活の中に自然と溶け込んでくる。誇張もされず、派手ではなく、落ち着かせてくれる。しかし、しっとりという方向ではなく、ポップではある。聞き飽きないアーティスト、色褪せないアーティスト。

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     2021/07/25

    「Tonight’s The Night」のアルバムは1975年に発売されており、このライブは1973年に行われているので、通常アルバムの発売前での演奏になるが、通常のアルバムもライブ録音的なサウンドだが、より臨場感と更なる音質の良さでニールヤングのハイトーンで切ない歌声が迫ってくる。私の中ではニールヤングの数あるアルバムの中でベスト5に入る。感動の一枚だ。

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     2021/07/25

    改めて生産力主義に毒された社会の視点並びに自分自身の考え方に気づかされた思いがした。また、ここでの「老い」とは介護される必要のある世代が中心にはなるように思うが、介護される必要がまだない60代から70代前半までの現役をリタイアしたあとの世代は空白前の「老い」と言えばいいのか「老い」の予備軍とも言えるのか、この世代の問題はここでは直接的な著述はすくないように感じたが、成熟のモデルがないとの説明もあり、この世代にとっても、モデルがないという意味では「空白」を埋めることが、「老い」の予備軍としてテーマになると思えた。

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     2021/07/25

    落ち着いたサウンド。演奏のうまさは安心感がある。ブルースからフォーキーでアコースティックな世界へ転身したが、そんな感じはせず、根っからの音楽である様に歌い込まれ、演奏されている。まさに職人気質の音楽の様でもある。どの曲も引きこまれていく。SACDで聴くと、音質の良さが音楽性を更に高めてくれている。

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     2021/07/25

    2009年のリマスタリングから更に進化したリマスタリングとブルーレイの5.1CHも含めたリミックスということで、その音楽は新たな曲の様に新鮮に聞こえてくる。ブルーレイは更に音質的にも更に磨かれている。これで、「ザ・ビートルズ」「サージャントペパーズ」と合わせてジャイルズ・マーチンによる新たなリマスタリング&リミックスがなされたが、次の展開が待ち焦がれます。

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     2021/07/25

    キングクリムゾンにいた二人が作った作品だが、この一枚の制作だけに終わっている。美しい旋律やドラムのリズムと合ったキーボードやホーンやフルートのアンサンブルは完成度が高い。その内容程評価がされていないようにも感じるが、アートロックあるいはロック史上の中での隠された名盤と言える。その音楽性は一枚のアルバムで終わってしまっているのがとても残念ではあるが、それだけ貴重な一枚として味わえるアルバムでもある。是非再度リマスタリングして欲しい。

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     2021/07/25

    レッドツェッペリンの2枚目のアルバム。50年以上前の作品であるにもかかわらず、その圧倒的なエネルギーに打ちのめされてしまう。大音量で聴くと、更に彼らの魅力を肌で感じることができる。1969年〜1970年はロックミュージックの幕開けでもある。ロックにかけるピュアな姿勢が感じられる。そんな時代の空気はそれ以降感じられなくなっているかもしれない。貴重な時のエッセンスさえも共にそこに詰まっているアルバムでもある。

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     2021/07/25

    ●臨床哲学を実践されている木村敏氏であり、科学化されつつある精神医学への警鐘として精神病理学的に臨床の現場で自己、あいだとしての人間関係、あるいは生態系的な捉え方としての人間の中での人間関係を
    捉えることなどから何故精神病となるのかの哲学的なアプローチが大切であることを説かれていると感じた。●個の力が強く求められてきた、18世紀後半から統合失調症が発現したと解説されているが、それまでは集団で人は守りあって生きていたということかもしれない。それが人の在り方だったかもしれないが、近代化と共に個々の自立が必要になってきたということだろう。

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     2021/07/25

    ●「母性社会日本の病理」(1976)、「昔話の深層」(1977)に続いて「中空構造日本の深層」(1982)が刊行されている。続いて当時の昔話に関する分析研究に関する集大成として「昔話と日本人の心」(1982)が刊行されているが、これらはユング心理学、西洋と日本の自我の確立過程や文化の違い、そのルーツとしての神話や昔話に関する分析研究の理論展開がシリーズ的に読み解くことができる。
    ●「中空構造日本の深層」は前著「母性社会日本の病理」では日本人の母性原理に基づく心性の分析に対し、西洋だけではなく、アジアと比較すると父性原理と母性原理の中間的な位置づけの分析にシフトされている。●それは日本神話からも紐解かれ、心理構造としてのルーツとしての神話、昔話の引用がなされている。冒頭にも神話の知の話があるように、自らの神話を探すとのテーマがベースにある。●自分自身の心性を考える時、自分自身のルーツとしての両親やその教育に近視眼的に目が行くが、更にその底辺に流れる日本における精神文化や、精神史としての日本神話や意識化の過程の中で潜在化した無意識を統合し、全体性の回復の象徴としての昔話のテーマが自分自身の中にも脈々と流れ続いてきているものとするならば、やはり自分にとっての神話を探していく必要があると思う。●日本神話の誕生、そして長い年月の中で語り継がれてきた、あるいは語り変えられ固められてきた昔話の中には、心の全体性に関する深い知恵が隠されているとも言える。それは単に論理的で明快な説明ではない、父性原理、母性原理、意識、無意識、夢や幻想などが織り混ぜされた広大な宇宙観のようなものではないだろうか。それらのことを考えさせてくれる心の深層への深い洞察に誘ってくれる一冊である。

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     2021/07/19

    今までに2002年のリマスターや2014年のモバイルフィディリテイのSACD等を買い求めてきたが、50周年で期待したが、リミックスしているが、音質は逆に荒くなった感じがして、全くの期待外れ、シカゴタない2のスティーブ・ウィルソンのリミックスが綺麗な音作りだっただけに残念。「Questions」は当時の新たなロックの開明期としてのエネルギーと音楽への情熱が凝縮された名曲だけに今後のリミックスに期待したいと思います。

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     2021/07/19

    ●この「母性社会日本の病理」(1976)に続いて、「昔話の深層」(1977)「中空構造日本の深層」(1982)「昔話と日本人の心」(1982)が刊行されているが、これらはユング心理学、西洋と日本の自我の確立過程や文化の違い、そのルーツとしての神話や昔話に関する分 析研究の理論展開がシリーズ的に読み解くことができる。●この時期の昔話に関する分析研究に関する集大成として「昔話と日本人の心」があるが、元々ユング心理学の資格取得の論文としては日本神話に研究があり、それは後に少し時間を経て「神話と日本人の心」(2003)として
    刊行されている。これらはすべて河合隼雄氏のユング心理学者、昔話や神話から日本文化や日本人の心を紐解こうとする研究者として基本的な考え方が論理展開されており、河合隼雄氏を理解する上で、基本的かつ初歩的段階として有効かつ必須的な書籍の位置づけになると考えられる。

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     2021/07/19

    @昔話は人間の心の深層構造を物語るものだとして、河合隼雄氏は日本人の心の在り方、生き方を探るべく、日本の昔話を全体で24の昔話の内20の日本の昔話を取り上げ、ユング派分析家としての分析を臨床経験を踏まえ行った。A昔話では登場人物は老人、父、母、継母、男、女、息子、娘、姉、妹、鬼、生き物、殿様、王様などが出てくるが、一つの話の中での登場人物はそれぞれ最大でも5〜6人程度で、この中で母11回、娘10回、父9回、息子7回、生き物6回の順で登場が多くなっている。それぞれ父-息子、娘、母-息子、娘の関係を中心に姉、妹、弟等のきょうだいの関係等と生き物のことも含めて、日本人の自我の構築過程を辿って行っている様である。B日本人の自我は女性像での表現がふさわしいと言っているが、「女性像」に注目することで、昔話の分析の中で日本人の心の在り方、生き方について分析し、結論つけたということだと思う。必然的に女性の登場回数が多くなっている。
    C西洋との比較の中での日本人の自我へのアプローチは昔話だけではなく、キリスト教文化と日本神話との比較も含めて宗教的な背景やギリシャ神話と日本の神話の違いに由来する、それぞれの文化的、精神的な構造について歴史的な視点も含めて行われており、古事記や日本書紀やギリシャ神話についての改めての知識欲も掻き立てられた。元々河合氏がユングの分析派の資格取得の論文テーマとしていたのが日本神話であり、その流れからの昔話分析と思われます。その後「日本神話と日本人の心」の書籍が出版されています。D更にこれまでも河合氏は先に「母性社会日本の病理」「中空構造日本の深層」も出版しており、それらもベースに発展させた内容として、西洋の父権意識による自我の確立過程に対する日本における母権意識をベースとした自我の脆弱さを指摘しながらも、女性の意識は可変性なり老人・少年・男・女の意識を重層的に備えており、多様化する世界に向けては日本の方が対応力があるとも言っている。E日本人の自我の確立が曖昧で、中空的だとの指摘の背景に母性が支えてきた包容力、受容性があるとすれば、そのことが忍耐することと共に多様に対応していく力として新たに今後に向けて転用していける全体性というものを持ち備えているということを示唆されている様にも感じられる。F自我の成立過程を考えた時の補償の概念からは、逆に補償作用がなければ成立もできないということの裏返しでもある。

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     2021/07/19

    ●「昔話の深層」(1977)は「母性社会日本の病理」(1976)に続いて出版され、その後「中空構造日本の深層」(1982)、「昔話と日本人の心」(1982)が、そして少し遅れて「神話と日本人の心」(2003)が刊行されている。●元々河合隼雄氏はユング派分析家の資格取得のための論文テーマに日本神話を取り上げ、それはかなり構想を温めたのち
    上記5冊の中では一番遅い出版となっているが、これらの書物は日本神話から始まった神話からの文化、心のあり方の研究が、人間の内的な成長過程のそれぞれの段階を描き出したものとしての昔話へのアプローチも含め広がり、シリーズ的な流れをもっていると受け止められる。
    これらはユング心理学、西洋と日本の自我の確立過程や文化の違い、そのルーツとしての神話や昔話に関する分析研究の理論展開がシリーズ的に読み解くことができる。●内容的にはユングの考え方の紹介、西洋における自我の確立過程から見た父性原理を中心としたキリスト教文化圏と中空均衡構造をもつ日本における文化や考え方の違い、並びに意識と無意識そしてその統合としての自己と自我の問題等について最終的にはそれぞれ日本人の心への分析、洞察そして提言がなされている。
    ●「昔話の深層」はグリム童話を主に研究対象とし、その昔話が人間の心の成長過程の各段階を表すもの見る立場からの洞察、分析を行っており、それぞれ紹介する昔話から無意識、意識、元型、グレートマザー、母親からの自立、影、死と再生、アニマ・アニムス、イニシエーション、父性原理、自我し自己、自己実現(個性化)の過程等のテーマを取り扱っている。そして、日本の神話や昔話並びに他民族の昔話とも比較検討を行う中でユング心理学の考え方の紹介と日本を中心とした違いなどにも触れている。●ユング心理学の紹介が本書の軸となっているが、日本との違いが本文の中で随所に比較検討されており、最終的には自己実現(個性化)の過程が、父性原理を中心とした自我の確立構造を有する西洋の考え方をそのまま日本に適用できるかどうかについては疑問があるとし、二者択一的な選択ではなく、葛藤の中に身を置く中で、「第三の道」の発見に努めることが、個性化の過程につながるとしている。
    ●意識を明確に持つために、遠く忘れられた無意識があるとすれば、その無意識に気づくことの中から、意識を背景とした自我が無意識を統合した自己に近づけていく。その時の自己とは古代から共に歩んできた自然への敬意を忘れぬこと、そして、夢にも現れる無意識への感覚を引き寄せようとすること、さらに感情、心に目を向けること等が大切になるだろう。そう考えると自己実現とは、今自我が感じていない無意識も含め統合した自己を感じられること自体が自己実現としいうことになるのだろう。そういう意味では、何をするのかという以前に生きる上での心のあり方、意識の広がりや平たく言えば自分を知るということなのだろうと思う。●苦しみとは、ある側面で自我が嫌なことを無意識に押しやり、その解決や消化が不完全で葛藤につながっていることであるとすれば、やはり自我と自己の統合、折り合いということが求められてくる。逆に考えれば葛藤があるということは無意識に追いやってしまっていて、消化されていないことがあるということなので、その消化するということが夢の分析やそのことについてのカウンセリングで解消されて行き、より統合された自己の実現ということにつながるのだと思う。そんな思いに誘ってくれたずっしりと重い内容の一冊でした。

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     2021/07/19

    ●当書は「カウンセラーのための基本104冊」(2005.創元社)の一冊に選ばれている。●「分裂病と人類」というタイトルだが、精神病とりわけ゛全人類がなりうる可能性があると仮定する゛分裂病゛が発生する背景への洞察があるが、それは人類の歴史の中で進化に向けての宗教や文化、倫理があり、それを遂行する上での裏返しとしての排除や強迫観念が精神病とりわけその最たるものとしての分裂病の発生につながっていると受けとめた。●その歴史の中で「要するに狩猟採集民は自然の一部であるが、農耕民はすでに自然から外化され、自然と対立している」
    と文中で述べられている様に「文化にひそむ不快なるもの」(フロイト)は、もっとも早い農耕社会とともにすでに成立した」とも「そこに、おそらくは、人類が人類となってゆく過程での、自然からの外化、自然的存在からの逸脱ー要するに人間のかなり根本的な倒錯性を考えざるを得ないと思う。」とも述べられている。・・・・・農耕文化を人類が取り入れた所から人類は進化のスピードを速め、更には産業革命で更に一層アクセルは踏み込まれて行っている。自然と一体であった人類が進化の中でその自然から外化していくと共に、一方でトレードオフ的にアクセルを踏まれた精神は失調する時が訪れる。適応しようとすれば不適応が生れる。人類は何かを得ていて、同時に犠牲を払う。適応に向けて「自己」は意識化された「自我」を求め、自然から外化された中で自我以外の無意識は増幅され、意識から遠のいていく。と筆者からの問題提起が聞こえたように思えた。●中井氏は木村敏氏と共にH・エランベルガーの『無意識の発見』の翻訳をされているが、まさにその時に力動精神科医の出身地が森と平野の接点、あるいは森の中という奇妙な一致に気づかれている。・・・・それは人類が離れてしまった森の文化の中に人の本来の人間性が存在していたということなのだろうか。忘れた人間性を求めて力動精神医学は取り戻そうとしたということだろうか。●最近の自然破壊と地球温暖化の状況を見ると、すでに人類は農耕化の時点から引き戻せない「進化」という甘い蜜に引き寄せられ、そのスピードを競ってきた。そもそも競うということは、「勝」があり、その裏に「負」がある。その負として精神病を人類は引き受けられるのか。あるいは「先取り的」「微分回路的」な分裂病を人類の行先としての先取り的な信号と受けとめなければならないのではないかとも思えてくる。対症療法的に精神病とその療法を学ぶことと共に分裂病の本質的な人類にとっての背景に心を手繰り寄せていくことが大切だということを当書「分裂病と人類」は示唆している様に思う。そんな気高い精神、高い意識に感服です。●農耕の文化が大量生産や生産の効率性でその精度を求めてゆき、その価値観がそうできないときの責任逃れとしての゛いしめ゛の構造であったり、そのストレスを感じ、失調した時に発症してしまう精神病であったり、それが「魔女狩り」だったり「分裂病」だったりするのだとの筆者のささやきが聞こえたように思えた。

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     2021/07/19

    ●訳者 小川捷之氏は1938年生、1962年東京教育大学心理学科卒、1964年同修士課程修了、1990年上智大学心理学科教授 1996年逝去、1970年山王教育研究所設立・初代代表(当研究所は小川氏のあと河合隼雄氏が代表を引き継がれた)
    ●当書は、「心理臨床家のための119冊(創元社)」の1冊にリストアップされている。
    ●ユング心理学は訳者自身があとがきで述べられている様に普遍的無意識や元型の概念を実際的に理解することが難しいが、至宝と呼ぶほどの無意識は人類学的な視点、人間の精神史的な視点から、遺伝子として霊長類以来か原人以来から刻みこまれたものなのかなとも思えた。人として誕生してからすべて学ぶものではなく、持って生まれた人類史として受け継ぐもの、あるいは、遠い祖先からのメッセージを携えているとも思える。そのメッセージを聞けるか、気づけるかは深く無意識の奥深く
    から手繰り寄せないといけないものかもしれない。それらは人々は言語を発明してからは神話として残してきたものとも思う。
    ●患者に対する姿勢として、治療者の独善性を戒めており、改めて客観的な視点や患者の主体性を重んじる態度についてユングの人間性に惹かれる思いがした。
    ●無意識が人生の半分を占めていると言われると、意識や自我だけでは不十分で、ユングがいうところの個性化の過程として無意識を統合した自己の実現を果たすことが、人としての生れてきた目標ではないかと思った。
    ●「我々は劣等性によって我々の本能的な世界と同様、人類と結びついている。すべての機能を完全にすることは有益でさえありません。」・・・ここでユングは人の多様性を語り、その全体を受容することの学 びの重要性を示唆しているように感じた。
    ●転移、逆転移について多くの時間を割いて講義しているが、今までとらえていたフロイト流の転移・逆転移の概念とは違い、
    解消されなければならない転移として治療者として取り組むべきとのユングの教えには価値観の転換を迫られた。
    ●「分裂したそれぞれのコンプレックスは、無意識の状態にあって、間接的な表現手段を探し求める。それが神経症的症候」
    「神経症の発症を自己治癒への試みであり、劣等機能による補償の試み」とのコメントについては、心の機制や補償についての事例として意義深く感じられたと共に発症に対する元々の「悪くなっている」との価値観や精神病そのものも文化がそれを規定しているのではとの視点に通じるものとして価値観や視点の客観性が問われる様に思えた。
    ●劣等機能、無意識、転移、逆転移、神経症、普遍的無意識と元型と神話等、数多くのところで「目から鱗」が数多く落ちた。

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