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コピーマスター さんのレビュー一覧 

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     2021/07/12

    令和のアマデウス。それにしてもこの演奏効果は凄い!!
    擬古典主義という言葉がある。イーゴリ・フョードロヴィチとか、ジョゼフ・モーリスとかのアレである。ところでケンシロー氏。擬古典主義というかむしろ古典そのものである。これはもはや21世紀にウォルフガング・アマデウスを出してきた暴挙と言えよう。だが少し冷静に考えて見よう。確かに我々はメシアンに鳥のさえずりを聞き、武満徹に竹林を駆け抜ける風の音を聞いてきた。それはそれで良い。しかし、しかしだ!よく考えて欲しい。我々ハ衷心ヨリ本統ハ斯クノ如シ音楽ヲ聴テシ止マムと思ハザリ志哉?古典畢竟莫扎特也。此れ吾ラくらっしくをたノ本懐ラム哉?(ここからは少し真面目にやります)ここに荒木健志郎という我が国の才能があるとする。その彼が令和にアマデウスをぶち込んできたとする。そしてその音楽が一聴アマデウスのように聴こえたとする。でもなんか違うと感じるとする。ではその違いは何かと分析していくと、雑な表現になるけれどそれは演奏効果という結論に達する。PfとClの融ろかし合いが最早ピエールエルメのイスパハンのように心地良いのである。ピアノも上手いし、大川遥のクラリネットも冴えわたる。(大川さんの演奏は1回だけ実演を聞いたことがありますが、こうやってじっくり聴けるのは至福というほかない。録音はジャンジャンやって欲しい)1番はロマン派よりのモーツァルト、サンサーンスといったところか?2番はブルッフに僅かながらガーシュイン入った感じか?このアルバム。クラシック的に曲・演奏・録音の3点セットがぴったり息のあったときの奇跡のグルーヴ感。フレッシュな若者がやりたい放題やっている青春の瞬間を封じ込めた奇跡の一枚。思わず二度見、いや三度聴きしたくなるアルバムである。これを聴かずしては勿体なかろう。俄然この才能ある作曲家に興味が沸いてきた。間違いなくブレイクすると予言し、2021年7月12日。ここにタイムスタンプを刻むこととしたい。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/05/04

    最初に聴いたのがメロディアのコンドラシンで、あれは正直申し上げてオーディオ的には微妙なのでムいますが、音楽的には熱狂の境地でありまして、このわたくし、もう何遍聴いたか知れません。この長大、全曲聴き通すことさえ体力を要する大曲を二台ピアノでなさろうというのですからそれだけで偉業と申せましょう。デニス・ラッセル・デイヴィスさんといえば、お指揮なさったブルックナーの初稿八番のコンパクトディスクを聞いたことがムいますが、御夫婦そろってゲンダイオンガクをバリバリ弾きこなす凄腕ピアニストでいらっしゃることを今回はじめて知りました。
    ショスタコの4番はピアノでは一体どんな感じになるかしらと思いましたが、実にピアニスティックな響きの世界になっていて驚きでムいます。それで、あの第1楽章のプレストに突っ込んでいくところ。え、まさか本当になさるのですか?と思ったのもつかの間。怒涛のように突進して鳴りひびく音の洪水にまさに耳を疑うとはことの事と申せましょう。兎に角びっくりするような演奏なのでムいます。あれはMIDIの打ち込み(というのですか?)で実現されうる世界が、二十の指で奏でられていることに人類の驚異を感じたのでムいます。え、そんなことは聞いていないとおっしゃいます?はい。案の定ピアノでもあの愛すべきトゲトゲしいウルサイ感じは健在でございまして。1楽章なんかは本当にショックでクラクラしてしまいますが、2、3楽章でいくぶんしっとりとした音楽美に浸る感じになりますのでご安心ください。ショスタコファンならぜひご一聴されたいコンパクトディスクでムいます。

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     2020/01/22

    これ、ブルックナー・ファンなら聴くべきである。ブルックナーの交響曲は、弦のトレモロ、鳥のさえずりのような木管、そしてブラスの咆哮というサウンドと不可分の音楽ではないかとも思うが、当時の人はオケではなくピアノで聴いていたという。一聴してこれもアリだと納得してしまう。残響をたっぷりとった録音もあいまって(クレジットを見ればリンツのAlter dom!)4番の始まりのトレモロなどピアノであることに気付かない不思議な音響となっている。個人的には1番が最も好きかもしれない。あとは4番もよい。演奏は・・・一生懸命ピアノでオケを再現している!このピアノ連弾版でブルックナーの音楽をあらためて見つめてみると、やはり同時代の他の音楽の何にも似ていない。5連符的な衝突が交錯するところは、バッハ的ですらある。その個性の濃度が後期になればなるほど増していく変遷が聴けるのが面白い。価格も申し分なし。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/08

    これは素晴らしい!この曲は個人的に大好きな曲なのだが、何とショスタコ自身の編曲によるピアノ連弾版である。
    とにかく演奏がよい。オケの各楽器のニュアンスが見事に表現されている。
    ずっとピアノなのだが、聴こえてくるのはオケのサウンドで、さらに言えばショスタコの音楽である。
    この絶妙な再現度は、よく連弾で弾かれる有名なラヴェルのラ・ヴァルスでもかつて経験したことのない衝撃的なものだ。
    くどいようだが、もう、ほんとうに、途中でピアノであることを忘れてしまうくらい全く違和感がないのである。
    この曲は、たたきつけるスネアドラムと金管の咆哮がないと成立しないように思っていて、仮に室内オケ版なんかがあっても絶対聴くものかと思っていたが、さすがショスタコ自身の編曲によるせいか、これはこれですごく立派なピアノ連弾作品になっていて全編一気に聴かせる。
    激しいところもよいのだが、同志は倒れぬのところなんか何かウルっときてしまう。
    独自にやってみたという鐘バージョンも入っているが、あの鐘が鳴っているのが見事だ。
    バッハはどの楽器でやってもバッハになるというが、このディスクはまさにショスタコの11番が普遍的なポテンシャルを持った音楽であることの証左である。
    おまけの「二人でお茶を」、充実したブックレットの対談や解説も含めて、ショスタコ愛に溢れたディスクだ。ショスタコ・ファンなら必聴といっていい。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/02/16

    レオンスカヤは個人的にとても好きなピアニストです。
    彼女のショスタコーヴィチはため息が漏れるほど素晴らしいです。
    このシューベルトはレビューの評価高かったので気になっていました。
    ずっとポリーニを聞いていたのだが、レオンスカヤの即興曲はとても良くて、パッションを感じてウルっときて了いました。
    ちなみに滅茶苦茶な廉価版なのに、まさかのオリジャケと来たのには度肝を抜かれました。
    えー、なんでこんなに頑張っちゃたのでせうか。これは……良いです。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/10/04

    リゾートのスパで流れるリラクゼーション音楽をオケでやってみたらこうなったというような音楽である。
    正直言ってああいう音楽はあまり好きではない。第一狙いすぎているし、単調すぎてかえって不自然で、あまりリラックスできないのであるが、この交響曲は、まさしくそれに近い雰囲気(特に第2楽章)にもかかわらずとても好ましい。
    音響がこれでもかというほどやさしく、まるで森の中に分け入ったような、姿の見えぬ昆虫の羽音や、植物の湿度感も感じられる。といっても単に心地よい音を並べただけの音楽ではなく、メロディアスで、クラシック音楽の正しいおさまり方に似た有機的な一体感がある。随所の現代音楽的な響きや、ショファー(いわゆる角笛)によるアクセントがこれまた心地よい。ドビュッシーやシベリウス、武満徹とはまた違ったかたちで不協和音を不安感・恐怖感とは逆方向のベクトルに作用させることに成功している稀有な作品といえるのではないだろうか。さいきん頻繁にかけているディスクだ。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/09/09

    ラフマニノフ弾きとして知られているモーラ・リンパニーの10枚組のセレクション。すでに所有しているディスクと重複するものもあるにはあったのだが、このセットは選曲がすこぶるよくリンパニー入門の決定版といってよい。12のオリジナルアルバムにボーナストラックを追加した形になっているようだ。1950年代の録音が中心だが、リンパニーの録音が集中しているのはまさにこの辺と晩年と両極にあるため、単に古い音源を集めただけのものというわけではない。特に、嬉しいのは、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番が聴けること。トゥリーナの交響的狂詩曲、リトロフのスケルツォ等は何度も再録されリンパニー・ファンなら外せない有名な演奏はきちんと入っている。
    ラフマニノフの前奏曲については、先日発売された41〜42年のDECCA録音(彼女がこの曲の世界初レコーディングを成し遂げたことになる)ではなく51年版が収録されている。
    ところで、リンパニーはラフマニノフ弾きと言われるが、甘ったるい感じは微塵もない。快速でアグレッシブで、技巧と熱量をもってぐいぐい攻めてくる。一貫してそういう美学に基づいている演奏である。(だから「普通の」ショパン、シューマンを期待される方には要注意である。)ラフマニノフがリンパニーの演奏を絶賛したというのも、彼の自作自演の音源を聴けばうなずけることで、本来のラフマニノフの音楽は、聴衆にデリバリーされる時点で砂糖漬けベタベタの音楽であってはならず、ストレートでキンキンに冷やして提供されるものなのであろう。録音のせいもあるかもしれないが、重厚で、音圧がある低音の打鍵がクリアにガンガンと響き、とても鳴りっぷりがよい。協奏曲でもバックのオケに埋もれることがない。そういう調子だから、1枚目に収録されているグリーグなんかはハチャトゥリャーンに近い感じに聞こえる。私がリンパニーを聴くきっかけになったのは、まさにそのハチャトゥリャーンのピアノ協奏曲で、これもキチンと入っている。なぜかこの曲を、リンパニーは押していたようだ。ある意味、これが一番のハマり曲なのかもしれないと思う。余談だがこれにはあの可愛いフレクサトーンもきちんと入っているし、初めてこの曲を聞くのにお勧めできる立派な演奏である。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/05/12

    とにかくシベリウスがすごい。聴きなれたはずの音楽が全く違って聞こえる。
    実演を聴くのに近い音圧感であるし、このジョージ・セルはすごく「熱い」。
    確かに奏でられる音符はシベリウスな筈なのだが、北欧系の後期ロマン派というよりチャイコフスキーとシューベルトを足して2で割ったような新古典主義っぽい音作りになっていて、それが室内楽かと思えるほどの猛烈に精緻なアンサンブルでぐいぐい攻め込んでくる。頭で何かを理解する前に、胸がつまり目がうるっときてしまうような不可思議な体験だ。全曲じっくり集中して聴ける時にだけ取り出して聴くことにしたいCDである。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/10/26

    珍品の4楽章目当てだったが、1楽章を聞いておやおやとても素晴らしいではないか。デンマークのオケ、イギリスの指揮者、アメリカの音楽学者がコンパイルしたフィナーレ付き。謎なパッケージデザイン。・・・売れないディスクかもしれないが、中々よい。ところで、4楽章は割とおとなしく、ラトルの激熱路線とは対極的だ。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/05/22

    もしこのページに「在庫有り」と表示が出ているなら、多数あるすべてのレビューを読んでしまう前にカートに入れるべきであるとしか言いようのないディスクである。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/05/22

    これはいい。ロマン派ヴィルトゥオーソの演奏を聴きたい気分の時にうってつけである。
    「舞踏への勧誘」など、ものすごいテンションで、こんな曲だったかと、ちょっとびっくりな演奏である。
    価格が高いと思っている人にご注意。このCDは2枚組であることをお忘れなく。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/01/12

    このブル6。始めに聴いたのがクレンペラーの盤で、割と好きである。
    一方、ブル6は、演奏による違いを出しにくい作品なのではないだろうか。
    曲がまっすぐな性格であるがゆえに、悪くすると機械的でうるさく感じてしまい、途中で飽きがくる場合も少なくない。
    そのようなわけで、シモーネ・ヤングのシリーズでは毎回唸らされてきたものの、さすがにこのブル6は改定と初稿との違いもなく、変わり映えはしないだろうと思っていた。ところが結果は期待以上。どこがどうというか、細かいところがとにかくいちいち絶妙なのだ。それに、ライブ録音だからだろうか、音楽のノリとウネリがあり極めて音楽的。しかも、ブルックナーのあのオーラ(天上からぱっと差しこんでくるあの光!)がきちんと出ているから驚きだ。シモーネ・ヤングは今回も裏切らなかった。このシリーズ、全集完結した瞬間に廉価版で出るかも知れないが、私は1枚ずつ追いかけて行きたいと思う。

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     2014/04/28

    この第4楽章。とにかく筋肉質で快速だ。異常な鳴りっぷりのよさと、飛ばしように、度を越した興奮状態すら感じる。また、要所要所で、聞きなれたブルックナーの音楽とは異質の響きが混入する瞬間がある。
    9番の結末として、凡庸な予定調和とは異なる世界を見せてくれる面白さ、そして演奏の質の点で、満足度は言うことなしである。とても見事な鳴りっぷりなので、しばらくクセになりそうだ。
    そもそもこれを聴いたきっかけが、最近出たリカルド・ルナのCDでのフラグメントを聴いて、残されたものに捨て置けないものがあると感じたからで、消化不良でも、ズレた部分があってもよいから、第4楽章付きの演奏はもっと積極的にやってほしいと思う。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/28

    他の方のレビューにつられ、ベルワルドは初めて聴いたが、これはよい。
    もっとロマン派的なものを想像していたが、交響曲第3番の第1楽章を一聴して、なんだベートーヴェンじゃないかと思った。
    或いはシューベルトか。あの「グレイト」のようなすぐれたリズム感が顕著だ。と言っても、先人の物まねではない確かな個性、新しさが感じられる。これは面白い!
    交響曲第4番はより古典よりかもしれないが、これも中々楽しい。見かけは同じ音型が繰り返される部分も多いのだが、そこから有機的な存在感が立ち上がってくる音楽になっているのはさすがだ。
    演奏がよいのかもしれない。音の混ざり具合が絶妙で、とにかく上品であり、清々しさに溢れている。ブルックナーやシューベルトのような天才性をここに感じる。
    そして、ピアノ協奏曲。こちらはベートーヴェンではない。ショパンである!(笑)ご存じのとおり、ショパンのピアノ協奏曲というのは、彼の独奏曲にオケをつけた形とはかなり異なった印象のものであるが、こちらはあたかも独奏曲にオケをつけたような感じである。
    ただ、巷にいくらでもある人工的な疑似ショパンではない。ベルワルドのそれは本当に音楽を感じる。間違いのないように言っておくが、これもショパンの物まねでではなく、おそらくベルワルドの音楽なのである。その証拠にどの有名ピアノ協奏曲にも似ていない。
    この旋律の運び、そしてこのピアノの響きはどうだろう。これほど魅力的に響くトリルを聴いたのは正直言って久々である。まるで少女に何かを語りかけられるような、思わず耳を傾けてしまわざるを得ないようなものがそこにある。温かさ、愛らしさがある。
    極めて充実度の高い1枚である。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/22

    第一番を聴くのは初めてではない。が、これほどヤバいものだとは思わなかった。第一番にして、驚くほどブルックナーの音楽になっている。天才のすべてが詰まっているではないか。しかもただならぬ高揚感である。これでは胸倉掴まれて揺さぶられているのと変わらない。このCDが届いてからの1週間は(ああ、帰宅したらこれを聴けるんだ)と思うと毎日楽しくて仕方がなかった。全楽章のクオリティにバラつきがないのも魅力だ。特に、ブルックナーのスケルツォ楽章苦手な方には、是非この三楽章を聴いて欲しいと思う。さりげなく入る三連符の裏打ちにドキリとしてしまう筈だ。シモーネ・ヤングの初稿シリーズは本当に素晴らしい。彼女の第四番などは何度聴いたか分からないが、この第一番も必ずそうなると確信している。

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