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honoji さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/20

    メジューエワ、満を持してのブラームス後期、の感が強い。特に、2枚目は曲がブラームスの最良のものであることも相まって、凄みを伝えてくる。作品118の1曲目からその音色とたたずまいがなんともニュアンス豊かに語りかける(情報量が実に豊かだ)。2曲目の途中、無音の部分や音と音の間の意味深さもゾクっとさせられるが、5曲目の中間部から終結にかけての1音1音の独立した、なまめかしいと言えるくらいの震え方がさらに息を呑ませ、そして続く6曲目の冒頭はいったいなんだ、どう言えばいいのか。神秘の高み、深みからの亀裂の美。それが恐いほどに冷たくもしかし熱を帯びて輝いている感じ。その6曲目の神秘感はそのまま作品119へと続いていく。その作品118の6と作品119の1が、今回の信じがたい演奏のハイライトか。メジューエワは、純朴なイメージもあるかもしれないが、メトネル弾きの面目躍如なるブラームスといった感じで、作品の奥深く綾なす情念を、実に丁寧にひそやかながらもなまなましくあばき出した(神秘の妖艶さが全篇から漂ってくる)。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/06

    「メダラ」「ヴォルタ」でそれまでの新鮮な疾走感がさずがになくなり、飽和感があった(力ずくのエキセントリック志向というか、アート志向がはなにつく感があった)。しかし今作は、余分な力が抜け、メロディーも詩も明快となり、柔軟ですらある。実に美しいし、ビョークの純粋性がダイレクトに迫ってくる。「ヴェスパタイン」までの作品の新鮮さに肩を並べながら、曲と歌声の力の抜け具合が新境地を開いている。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/02/06

    まず、協奏曲2番、ヴァイオリン・ソナタ、協奏曲1番というCDでの曲目配置がとても良い。そして演奏もどの曲も非常に、美しい! 透徹さ、厳しさにも欠けていないが、ふくよかさも充分にある。こんなにこれらの曲が美しく、ふくよかに、そして透徹に演奏されたってこと、あったのだろうか。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/23

    ちょっと、なんというか、驚異的な名演である。録音もそれをまさに余さずとらえている。これほど生きが良い上に美しい演奏はそうは聴けるものではない、と思う。身を躍らせるというか胸を弾ませる演奏が全楽章を通じて迫ってくる(楽章を追うごとにみずみずしさと、はじけている感じが増してくる)。ヤング&ハンブルクフィルは第4番も8番も素晴らしかったが、この1番はさらにすごい。オーケストラの演奏者のひとりひとりの気持ちの高揚と澄み切った喜びがそのまま伝わってくるようだ。それを引き出しているヤング女史は指揮の仕方も器の大きさも図抜けているのだろう!

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     2011/03/16

    ベートーベン全集、ショパン各集と出すたびに(聴くたびに)驚かされるメジューエワ。今回はいよいよシューベルト。ベートーベン集の最後のものと、ショパンのいくつかのものと重なっている時期の録音であるのに、その響きと表情が全く違うことに最初驚く。ショパンと違い、ペダルが少なめなのだろう、音がごつごつと裸で迫ってくる。シューベルトの魂が裸で迫ってくる印象が強い。sadRedさんがベートーベンのレビューで「左手の表現力は、他に類なくすばらしい」と書かれていたが全くその通りで、このシューベルトにはその左手の表現力が恐ろしく生かされている。ためしに即興曲D899の第3曲を聞いてみるといい。またソナタ18番もその舞曲性がぎこちなくともいえるほどの裸のリズムを浮き立たせているのは左手が大きいように思う。そして、ソナタ19番。巨大で、そしてシューベルトの悲しみと(矛盾した表現だが)ざらついた透明さに圧倒される。しかしこの巨大なメジューエワの芸術に包まれるのは、実にいい。心洗われる、というより、心溶かされるという感じか。

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     2011/02/02

    真摯としなやかさ・・・メジューエワの音と響きが伝えてくれるもののキーワードではないか、と思う。そこにはそれぞれの楽曲にある凄みや、深淵や軽やかさ、暗と明がみずみずしさとともに含まれている。
    そのメジューエワの今、二晩をとらえたのが当盤である。どの演奏が特に良いのか、聴き直しているが、あきらめた。優劣はつけることができない。今現在は、デスク1では、3,4,7曲目などの精妙なタッチと、デスク2全体の没入感が胸を打ってくる。彼女のピアノは、どの声部のメロディも実に豊かに語りかけてきていることに最近気がついた。音楽が、すぐれた小説や映画、映像ドラマに劣らない神秘的な物語や映像を喚起するものであることを、彼女の演奏は証明している。

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     2010/12/14

    まいったなあ。このところ連続して発表されている(またライブ盤が出るが)メジューエワのショパン。ノクターン集はもちろん、ソナタ3番、2番のアルバムも清楚なたたずまいの中に、愁いと情が渦巻く、メジューエワの魅力が如何なく発揮された名盤であった。そして、あまりに続けて出てくるのと、いわゆる名曲集、この曲よりこっちの曲を入れてくれたら、と思ってしまう名曲集であるがゆえに、一瞬、購入するのを躊躇した本盤であったが、・・・すげえ・・・良くねえ?・・・全曲、既出の曲も含め、新録とのことだが、曲順もよくわかって、録音しているのでは、と思える(曲のつながりを踏まえた様に思える演奏が見事)。曲のえぐり方が、よく伝わってくる。既出の曲も、新録の今回のほうがだいたいの曲において深くえぐっている。円熟とみずみずしさと大胆さが同時にあふれている。こりゃ、次のライブ盤も聞かずにゃ、すまぬ。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/09/13

    シューベルトの胸の鼓動というか、魂の震えというか、そういったものが音として伝わってくるすぐれた演奏である。強い音のスケールのでかさもすばらしいが、それ以上に弱音からミドルまでの音のニュアンスがすごい。とくに1楽章の展開部や2楽章にシューベルトの持つ深淵に引きずり込まれる瞬間が連続する。ことさらきれいに弾く、とか、かっちりまとまった演奏を録音に残そうとしていないのが異質だが、アファナシエフや内田光子以上に、シューベルトが伝わってくる驚異の演奏である。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/09/12

    躍動感あふれる演奏というのではないのかもしれない。柔軟でみずみずしいというともちがう。しかし彼らの演奏で、ひとつひとつの曲のきも、真髄がわかってくるように思う。それぞれの曲の良さがよくわかる。的確に冷静にしかも情感あふれて、曲の美しさと深さを、瞬間的に刻印することが連続して行われている演奏である。フェルメールの名を掲げるカルテットにふさわしい全集であり、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の一つの基準足り得る全集である。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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