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シロクン さんのレビュー一覧 

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  • 15人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/10/25

    とにかくいい全集ですね。どの曲もいい,というのが私の結論。どういうことかというと,「この曲のここが好き」「この作曲家のここが好き」というところが,本当にきちんと格調高く表現されている。
    たとえば,エロイカ。私はこの曲のCDは相当数持っています。それらと比べた時に,この演奏ははっきり言ってパッとしない。でもなぜか聞きたくなる。聴きながら,細部にはあれこれ思うのですが,いつの間にか曲想に溶け込んでいっている自分を見つけます。フルヴェンやトスカニーニやカラヤン,あるいはベルリンフィルやウィーンフィルを聞くのではなく「ベートーベンのエロイカを聞いている」という気持ちにさせてくれる点で,この演奏はモントゥー・ACOと双璧です。 「第9」については,もっと力強かったり,オケの音が美しかったり,ソリストがうまい演奏はいくらもあるけど,曲想にどっぷり浸る醍醐味はこれが一番。クーベリック・BRSOもそんな演奏で,録音や何かはクーベリックが上だけど,この全集のちょっと古めかしい感じの音もLPレコードに慣れ親しんだ耳にはかえってうれしいくらい。
    どうしてそんな気持ちになれるのかというと,おそらく,やや遅めのインテンポ,弦と管のバランスの良さ,極端にはしらない強弱や曲想の強調,といったものが,ドイツ音楽のとりわけ構造的に優れたバッハやベートーベンにふさわしいのだと思う。その折り目正しい演奏が,ロマンティックに崩されがちなシューマンでは,しゃんとした音楽として聞こえる要素になっていると思う。
    私の祖父は明治生まれで厳しい人だった。でもかなりオシャレで,和服でも洋服でもいいものをきちんと着る人だった。写真に見るコンヴィチュニーはそっくり。演奏ももそんなところがあって,きちんとしているが堅苦しくはなく,古き良き大人の趣味で情緒が処理されていて,粋なところがあると思う。

    15人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2010/09/23

    これぞカラヤン,という1枚。曲目といい演奏といい,カラヤンが何者であるかを知るには格好の一枚である。ポピュラーなクラシックの名曲を目いっぱい豊麗でピカピカの「音」で楽しませてくれる。コストパフォーマンスも高い。
    星3つにしたのは,どう見ても入門編にしかならない盤のコンセプトを辛口減点したもの。一つ一つではメインにならない曲ばかりをを親切に集めてくれている。これを聞いて目覚めたらカラヤンだけでなく,モーツアルトであればワルターやクーベリック,「舞踏への勧誘」ならクナッパーツブッシュ,モルダウならスメタ―チェックなどの5つ星も含めて聞いてみてほしい。

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     2010/06/27

    デイビスらしい硬質の演奏。筋肉質というのとはちょっと違って、力強さに欠けはしないが、きちんきちんと音を作り、それでいてメロディーラインはきちんと歌っている。問題は、「幻想」という作品の持つ、狂気とか感情の爆発とかの処理。オーマンディーの場合には、それを音の豊麗さでカバーしてひたらせてくれているが、デイビスはあまりそこに顧慮せず、ひたすらきちんとした音楽を作ろう、という態度。理知的というか、狂気を淡々とどこか覚めた眼で見ているようなところがある。それがこの演奏の魅力であるとの同時に限界か。デイビスファン(私もその一人だが)には、納得の一枚だが、ミュンシュのような演奏が好きな人にはきっと物足りないだろう。オケをやる人が曲の構造を把握して、その上で情緒的なものの処理を考える時にはうってつけの一枚かも。

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     2010/06/05

    モントゥーは大好きな指揮者。とくにチャイコフスキーの4番、6番は私にとってはベストとも言える演奏であった。ボストン響との5番だからと期待したが、随分と古い録音で何とモノラル。音も鮮度にかけ、演奏もモントゥーししてはあちこち崩したような感じ。もっとも、ロンドン響とのライブも同じようなコンセプトだったので、かれは5番だけは別系統の演奏をしたのかもしれない。4番や6番に比べると甘くて感傷的なところのある曲だけに、こんなにいじらなくても、と思ってしまう。テンポをかなり動かしてロマンティックな演奏だが、こういう演奏なら何もモントゥーでなくてもいい。

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     2010/05/27

    バルビローりのエルガーについて書く。テンポは遅めで大変にロマンティックな表現。「こぶし」とか「泣きが入る」といった感じで。本当にこの人ならではの情感たっぷりの表現がうれしい。バルビローりは本当に心に染みいる演奏をする人で、その人のエルガーだから悪いはずがない。エルガーファン、バルビファンならぜひともそろえてほしい。
    他の二人の演奏もなかなか、特にシルヴェストリは濃厚でなかなかいい演奏だ。価格も含めてエルガーのベスト盤(というほどたくさん聞いてもいないが・・・)と言える演奏のように思う。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/27

    私はギレリスもオーマンディも大好きである。この二人が組んでのショパン、悪いはずがない。ギレリスも晩年の柔らかさよりも硬質の抒情で聞かせている時代で、きりっと辛口のうまみある表現。そこにオーマンディが甘ったるくならない趣味のよい伴奏で答えている。「ショパンは甘い」とお考えの方に是非とも聞いてほしい。
    2番のワッツは吉田秀和氏が激賞するピアニスト。こちらもなかなかいいが、ギレリスには及ばない。伴奏のNYPOがバーンスタインが振る時とは全く違う柔らかい音で、ショパン若書きのロマンを奏でるのが聴きもの。
    2曲ともギレリス=オーマンディなら躊躇せず最高点だが、若干の減点で星は4つにした。ワイセンベルクもよかったが、情緒面をもっとすっきりとした辛口ロマンで語る本盤はそれを明らかに上回る。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/08

    星が4つか5つか迷ったが、モノラルで録音もさすがに古いので一つ減らした。ただし、これも最新のデジタル録音に比しての話で、音質は良好で鑑賞には問題がない。
    ブラームスの音楽には、細かい動機を積み重ねて音楽を作り上げていく「構成的」な部分と、「歌=メロディーライン」の美しさで聞かせる部分がある。トスカニーニの演奏は、この二つが本当にうまく処理されており、私には彼のベートーベンよりも楽しめた。4曲もあるので出来栄えについては好みが分かれるだろうが、どの曲もよくできた演奏だ。価格を考えれば、ものすごいコストパフォーマンス。1曲でも気に入ったものにあたればいいつもりなら、ぜひとも買うべきだ。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/08

    ここのところ毎月のようにオーマンディを買い続けてしまうほど入れ込んでいる。この人の演奏は、よくできた定食のようなところがあって、あらゆる要素がバランスよく整理されるとともに、中核となる部分は素晴らしい出来栄えになっている。(焼肉定食で言うなら、焼肉の出来が専門店にも負けないくらい素晴らしいのはもちろん、付け合わせのサラダや漬物・味噌汁までが一級品、というそんな出来栄え)
    「幻想」もそんな期待にたがわない。この曲が持つ豊かなイマジネーションを、豊麗な音に還元して聞かせてくれる。夢と絶望をそのまま表現するのではなく、「音楽」として表現すればこうなるのだ、というメッセージを感じる。デュカもムソグルスキーも、情景描写とメロディーが融合し、個々の楽器の音色や名人芸も楽しめる。こんな人の評判がどうして、いま一つパッとしないのだろう?

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/08

    全集として出色。これまで私は全集としては、ケンペ・ミュンヘンPOが最高と思っていたが、録音がいい分だけこちらが上か。ブラームスの音楽の持つくすんだ音色の美学と内燃する情熱が、過不足なく表現されている。ブラームスはあつい(熱い・厚い・篤い)音楽だが、燃えすぎるとそっぽを向くような性格がある。盛り上がらないのは物足りないが、ベートーベンやマーラーで時にバーンスタインが聞かせる灼熱地獄のような演奏は願い下げにしたい。こういう性格が、ケンペとかクレンペラーにはぴったりなのだが、この演奏もその系列と思う。
    もう一つ、協奏曲が本当に素晴らしい。私は1番のP協は正直言って苦手で、CDもほとんど持っていないが、この全集のオピッツの演奏はしっとりとしていて、全く抵抗がなく聞き通した。2番も同系列でもちろん素晴らしい。Vn協もいいが、さすがにベストとは言い難いかな。何せライバル番が目白押しの名曲だから。
    SymNo2、Vn協がそれぞれ2枚にまたがっているが、LPの時代に「英雄」の第2楽章や第9の3楽章を途中で裏返して聞いていた私のような世代には何でもない。文句なく5つ星。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/19

    演奏は歌とともにすばらしい。しかし、DVDにはもう一つ重要な要素がある、ビジュアル的に楽しめるかどうかである。その点、オブラスツォワのカルメンとドミンゴのホセは失格。あのカルメンでは男は狂わない。また、ホセもおじさんの浮気にしか見えない。私はオペラのDVDには満足できないことが多いが、その典型。一番ビジュアル的にかっこいいのはクライバー。「クラさま」ファンにはかけがえのないディスクかも。その点は私も十分に満足できる。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/13

    誰もレビューを書かないのが不思議なくらいの名盤。ともかくこのボストン響の音は素晴らしい。若々しくて豊麗で、巨人にふさわしい。小沢の指揮も全力投球がストライクゾーンにビシビシ決まる快感を味あわせてくれる。どちらかというと水墨画のような枯淡な味わいを聞かせることの多い彼が若いころには困難層をしていたんですね。以前何かの本で「場外ホームラン的な出来栄え」というのを読んだことがありましたが納得。私にとってへ巨人のベスト盤です。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/13

    オーマンディの伴奏がとてもいい、中庸の美学で過不足なく進んでいく。スターンのバイオリンが豊麗だが、ちょっと胃もたれする感じもなくはない。それでも、オイストラッフ並みにもっと評価されていい演奏である。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/13

    スィッチを入れて最初に飛び出してくる豊麗な音に圧倒されて一気に聞きました。オーマンディについていろいろという人がいますが、私はこれまで彼の演奏で失望した経験が少ない。丁寧に仕上げをして行く人で、古典を演奏してもツボを押さえて、きちんとして音楽を聞かせる。
    ただ、こういった音の饗宴のような作品が、彼にとってはやはり十八番であろう。ただ誤解がないように申し添えると、けした外面的な演奏というのではない。作品の持つ美しさをプロポーションを崩すことなく再現するのが彼の持ち味。大汗かいて『感動』を演出する演奏が好きな人とは趣味が合わないことだろう。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/13

    一番古い録音が1930年、最新(?)のもので1954年、音質には大きな差がある。年代が新しいものは、ベルリンフィルの音を十分に堪能できるものが多い。CD1のレーマン指揮のヘンデルは生き生きとした好演で音も素晴らしい。クナのブラ3はこの指揮者の個性爆発で聞かせる。ブル8は定評あるミュンヘンフィルとのものの方が悠揚としているが、ライブらしい昂揚感のあるこの演奏も素晴らしかった。フルヴェンのブル9は、テンポの揺れが彼らしいのだが、ブルックナーとしてはどうも落ち着かない。同じベルリンフィルを振った盤ならヴァントの最新盤(もちろんこれはこのセットには入っていない)がいい。チェリの演奏は好悪が分かれるだろう。驚いたのは1946年という敗戦間もない時期の「レニングラード」対独戦のソビエト国民の抵抗をヒロイックに謳いあげた作品を、連合軍占領下のベルリンで演奏していたとは・・・演奏は何かちぐはぐな感じがしていい演奏とは思えないが、貴重な記録といえるかもしれない。ベームやカラヤンはあまり期待しないほうがいい。ステレオでもっといい演奏・録音がある。ヨッフムとシューりヒトはいい出来だが、そのために買うというほどではないだろう。価格を考えれば大変に素晴らしい企画で楽しめる演奏が多いが、あれこれ聞き込んで来た人向けで、学生さんが安さにひかれて買うようなセットではない。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/13

    録音のせいか、弦の音が軽く聞こえる。演奏は熱もこもり、曲想を忠実に再現し推進力にも欠けることがない。ベートーベンらしい演奏で、よくできた幕の内弁当のように、細部まできちんと丁寧に音楽が作られている。巨大性とか高い精神性とか、ベートーベンにありがちなものを求める人には受けないかもしれないが、とてもいい演奏です。トップを取るタイプではないだろうが、何を注文して丁寧な仕事ぶりで通を喜ばせる職人的な指揮者のように思います。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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