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七海耀 さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/09/24

    ブラームスの交響曲というと、分厚いけれど、分離が悪く音が団子状態という録音も多々あるなか、さすがにマゼールの卓越した楽譜の読みと、それを十全に表出するクリーヴランド管の技術が相俟って、極めて明晰で解像度の高いブラームスが提示されている。それでいて、オケの厚みも犠牲になっておらず、録音も混濁感が少なく、スケールも大きく、これが本当のプロの仕事である。出来不出来のない安定感もさすが。クリーブランド時代のマゼールは良い仕事をしていた。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/08/17

    モーツアルトのほうが良い出来だ。読響とレーグナーの作り出す響きが大変柔らかく、サントリーホールの音響特性も相俟ってきれいな仕上がり。ヘッツェルのソロもこちらのほうがまとまりがよく、良く歌っている。一方、大曲ブラームスのほうは、モーツアルトより二日後の録音で、オケは渡邉暁雄指揮の都響。こちらは東京文化会館だが、わずかながらサントリーホールよりデッドなものの、音のうるおいには欠けておらず録音としては良い方。ただ、ヘッツェルのソロは、この曲の場合は、やや線が細いと感じさせるのと、少し音程が甘いところも散見される。ヘッツェルのあくまで室内楽の人で、この曲のような場合には、やはり線の太さと、ある種の構えの大きさのようなものが必要で、ヘッツェルのこの演奏にはそれがやや欠けている。しかし、上品に歌うところは歌っており、不満はそれほど大きくない。オケの伴奏にも問題はなく、ヘッツェルのブラームスのコンチェルト録音は他に知らないので、持っている価値はある。

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     2016/02/22

    同時に出た1番の録音は相当よかったが、1980年の読響になんとなく信頼がおけなくて、この録音は避けていた。しかし、その判断は誤りで、もっと早く入手しておけばよかった。と、思ったら780円(2016年2月現在)になっている。演奏だが、この2番はザンデルリングのブラームスに対するアプローチがしっかり出た作品で、基本コンセプトは先行のドレスデン盤と変わらない。極めて丁寧に奏されるが、流れが滞らない第一楽章。いつくしむように奏でられる第二楽章。うって変わって、小気味よいテンポで颯爽とした第三楽章。弦の隅々までザンデルリングの意図がいきわたっており、まさに絶妙である。フィナーレも、これより元気な演奏はあるのかもしれないが、踏み外しはなく、金管も一生懸命、弦の刻みも厳格、ティンパニも活躍し、コーダ昂揚感も素晴らしい。読響の2番と言うと、現今他にはアルブレヒト盤とスクロバチェフスキフスキ盤があるのだが、「味」という意味では、このザンデルリング盤に軍配を上げたい。それほど良い演奏だ。

    最初におかれたJ.C. Bachの「シンフォニア」がまた流れの良いさわやかな演奏。日比谷公会堂は、クラシックに適しているとは言えないデッドな環境だが、しかしこの録音を聴く限りでは、録音会場としての特性は悪くなく、細部まで聞こえるが、しかし、音の溶けあいは悪くない。しかし、これだけデッドだと、オケの粗も目立つはずだが、相当リハーサルを積んだか、アンサンブルの乱れ等はほとんどなく、全く素晴らしい。もちろん、ホルンのソロが不安定だったりするけれど、それも気にならない程度。録音は良い。

    なお、ブックレットには2番の最終楽章のタイミングが16分7秒と記されているが、そんなはずはなく、実測値は標準的な9分39秒である。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/12/27

    まず録音だが、全体に残響が付加されている。機械的エコーのような仕上がりではなく、疑似ステのような焦点の曖昧な不自然な感じもなく、直接音が中央にクリアに定位して、大変聴きやすい。中でも、エロイカは最新の録音と比べてもそん色なく、この曲のベストの録音のひとつである。ブルックナーは、2番の旋律の息の長さが素晴らしく、4番も、凡庸な演奏だと、冗長で聴き映えのしない第二楽章が実にロマン的な素晴らしい演奏となっている。録音も十分鑑賞にたえる。ベートーヴェンは、4番と5番は、少々地味だが、重心は低く、かつてのドイツの演奏というのはこのようなものであったはずだ。9番も大変良い。特に、第三楽章の透明な美しさは筆舌に尽くしがたく、また声楽陣の歌唱も大変クリアにとられており、素晴らしい。第一楽章のコーダは、リタルダンドして、大見得をきるのが時代がかっているが、宇野功芳氏の第九演奏のモデルはもしかして、これではないかとさえ思える。ショスタコーヴィチの10番と11番は、これらのモノラル録音としては最上のものと昔から定評がある。10番のスケルツォなど4分を切るスピードで駆け抜けるが、且つ重心が低く、ブラスの底力も素晴らしい。これが現今999円(2015年12月現在)だから、入手しない手はないだろう。

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     2015/11/30

    ケーゲルだから、それこそ猛スピードで鮮烈なブルックナーをやってくれるのかと思ったが、1985年の都響の限界と言うべきか、弦の縦の線が微妙に怪しかったり、木管がコケたり、素人耳にもわかる技術上の瑕疵が少々気になる。もちろん、悪い演奏ではないし、美しい部分も多々あるのだが、あくまで80年代における都響・ケーゲルの記録として聞くならば、一聴の価値ありである。一番良いのは、なんだかんだフィナーレだと思う。でも、タイミングの割には、そんなに速く聞こえない。☆四つ。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/11/30

    マークの都響の第九は、東京芸術劇場で一度聞いたことがある。たしか1995年の秋の演奏会で、何かの記念演奏会で、応募制無料招待の体裁だったから、当時身重だった妻と、なんちゅうか胎教も兼ねて行った。あの時は、声楽陣のパワーもいまひとつで、演奏もどこかに急いだ感じがあったが、この1990年盤は盤石である。大変克明であり、ふつう聞こえてこない音が良く聞こえてくる。迫力も十分で、最後の追い込みなど、あえてフルトヴェングラー級と言いたい。こういう緊張感溢れる熱演をやるところがマークの凄いところで、こうなると、都響でベートーヴェン交響曲の全集を残しておいて欲しかったと思う。音源があるなら、ひとつでも多く出してくれないかな。合唱も声楽陣も素晴らしく、録音も鮮明。

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     2015/11/22

    健闘しているとは思うんだけど、やはりこの段階での神奈川フィルはマーラーの9番を聴かせるには響きの重層性に欠け、非力である。これなら10年ほど前にArte Novaから出た京都市響のほうが良いだろう。

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     2015/10/25

    最近N響とパーヴォ・ヤルヴィによるこの曲の最新盤が出たので、これも聞きなおしてみた。確かに、オケの技術や色彩感は今のほうが良いのだが、このスィトナーによる録音も、大変骨太で聴きごたえがある。日本のオケは、線の細さが気になる場合があるけれど、N響の場合はそれが起こらず、大変重厚な音を出すことが出来て、それはもう昔から変わらない。そういう積み重ねがあって、デュトワ以降の機動力のようなものがオケに加わり、今の大変機能性の高いN響が出来上がったということで、良いオケは一日にして成らずである。「音楽を鷲掴みにした」という表現があるけれど、これはそういう類の演奏だと思う。ただ、ヤルヴィ盤と比べると、オケの美感で一歩譲るし、録音も若干の古さを感じるので、☆4つとしたい。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/09/22

    外装フィルムのシールに「2015年、空前のコンビが船出する」とあり、いわば鳴物入りのリリースである。パーヴォとN響の相性は相当良いらしく、以前もシューマンのラインやショスタコーヴィチの5番などで良い演奏を聞かせていた。この盤に収められている両曲は、最早定番とでも言えるもので、世界中の一流オーケストラによる数多の録音が存在している。今のところ国内限定のようだが、インターナショナルリリースもあるとすれば、多くの名盤に伍してその存在意義を主張し得るレベルにあるかどうかということだろう。結論から言えば「ある」という事だろうと思う。R.シュトラウスらしい豊穣な音楽が眼前に展開する。サントリーホールの特性もあり、全体に角の取れた柔らかい響きだが、金管はの合奏など、単に正確なだけでなく、十分に音楽的である。聞き手を包み込むような弦の豊かな響きはことのほか魅力的。「英雄の生涯」における、「英雄の戦場」の場面でも、いたずらに狂騒的にならず、金管の動きや弦の内声部や木管の細かいフレーズが十分に聞きとれ、なお且つ巨大である。音色のパレットも豊かだ。録音は、オクタヴィアの江崎氏が担当。マスで捉えた響きだが、細部もクリアに拾えており、理想的な録音である。やや録音レベルが低いようにも思うが、馬力のあるアンプを駆使し、SACDの特性を最大限に引き出すことが出来れば、素晴らしい音響が得られるだろう。当方のチープなシステムでも十分楽しめるが。

    結論:これまで登場したおびただしい「英雄の生涯」の録音の中でもベストを狙う名盤の登場と言える。「ドンファン」も良い。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/08/23

    もっと安い時に買ったのだが、現行の値段で、果たして買う価値があるかどうかだが、あえて「ある」と言いたい。これより、流麗で鮮やかな演奏は他にあるし、これは記録用の録音で、作品によって音の状態がやや異なり、商品として見た時の完成度はやや疑問符がつく。しかし、朝比奈のモーツアルト録音は少ないし、35番や40番あたりは音がデッドで、リズムの浮揚感がやや足りないが、ゴツゴツした響きは、カザルスの録音を想起させる。38番と39番は逆に残響が豊かで、聴きやすいし、小編成ということもあり、内声部の重層的な響きがくっきりと浮かび上がり非常に聴きごたえがある。腕利きが集まっているとは思うのだが、朝比奈の棒が曖昧だったのか、木管がやや危うかったりするが、それほど問題ではない。41番は、最初は普通かなと思って聴いていたが、響きが徐々に厚みをまし、ティンパニの打ち込みも腰が据わっており、まさに堂々たる演奏を展開する。全体として、ベートーヴェンの初期の交響曲に近づいたモーツアルトの交響曲演奏と言うべきか。他にないモーツアルト演奏であることだけは確かである。

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     2015/07/20

    インバルらしい緻密な設計のブルックナー。金管を抑え気味で、ダイナミックスをかなりコントロールしているが、都響もインバルの意図を理解し、十全に表現している。第二楽章はかなりロマンティックな演奏だが、隅々まで神経が行き届いていて、この楽章が一番良いような気がする。東京文化会館での収録だが、オケの音がまことに美麗に録られていて、弦も細くならなず、本当に美しい。全体にテンポは速め。ライヴ一発録りだが、ワールドクラスのブルックナーだと思う。インバルの唸り声が、断続的に聞こえるが、音楽を損ねるほどではない。

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     2015/06/15

    北欧らしいというのとはちょっと違うけれど、若き日のバーンスタインの積極性がプラスに出た良い全集。3番、6番は、他の演奏にはない前進性が素晴らしく、再録する前に他界したので貴重。特に出来が良いのは、4番、5番、7番と思う。1番はウィーンフィルとの再録がスケール感で圧倒していて、あちらが上等。2番は、再録は遅すぎでテンションを欠くから、こちらに軍配かな。フランチェスカッティの協奏曲録音も、速めのテンポで、明晰でよろしい。「ペール・ギュント」組曲は、他にも良い演奏があると思うけど、CBSのカタログを埋めると言う意味で、当時売出し中のバーンスタインに録音させたのだろうから、そういう記録として聞くと良い。セッション録音で、空いた時間に録音という感じだったんだろうけど、やっつけ感がなく、全てが、バーンスタインの音楽になっているところが見事。リマスターは、近接マルチマイクで、左右の分離が際立ち、臨場感のようなものには不足し、やや高弦など細い感じだが、生々しさは出ていて大変良い。実演ではこういう風には響かないでしょうけど。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/04/05

    これがフンガロトンの輸入盤でまだ現役なのは面白い。演奏は、どこを切り取っても普通である。金管がパワーに欠けているし、テンポはやや遅めだし、どことなく大人しい感じはするが、では弛緩しているかというとそんなことはなく、アンサンブルも上等だし、少なくとも30年前のN響よりはうまいと思う。丁寧に演奏しましたという感じだが、第一楽章のコーダあたりでは、かなりの迫力を感じる。「序曲1812年」は、合唱付きだが、キャノンがなったりするような効果はなく、金管も吠えず、上品に高揚する。録音も大変よくて、これならこのコンビニよるチャイ5も聞いてみたいと思わせる。

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     2015/04/03

    この盤はあまり注目されていないし、批評家もほとんどスルーしたようだが、なかなか侮りがたく、中庸な解釈ながら、いかにも良い音楽を聴いたと思わせる安定感と気品が捨てがたい。特にモーツアルトの40番は、柔らかい響きでありながら、ホルンが主張したり、低弦の動きが極めて緻密であったり、手を抜かない職人仕事という感じだ。ちゃんとやれば、ちゃんとした音楽になるという見本のような演奏である。演奏家の名前を伏せて、ウィーンフィルの40番と言えば、誰も疑わないのではないか。ベートーヴェンの第5も、厳つさからは程遠い温和な音楽であるが、物足りないかというとそんなことはなく、迫力は十分にあり、レーグナーによる読響との正規録音より良いと思う。もちろん、これより激烈な演奏は他にいくらでもあるわけだが。ちなみに、第5の第四楽章の提示部の反復は省略。40番も主題提示部の反復はない。ただ、ブックレットのタイミング表記が間違っていて、第一楽章が15分31秒となっている。40番の第一楽章が15分になることはありえないので、校正ミスであり、実測では6分15秒程度である。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/03/24

    こりゃ凄い。ザールブリュッケンとの旧録音をはるかに凌駕している。音に込められたエネルギーと密度がハンパない。第一楽章こそやや慎重な感じがしないでもないが、音楽は徐々に熱気を帯び、第3楽章の冒頭でガツンとやられる。第四楽章も充実しきった響きに、涼風のように吹き抜けるブルックナーのロマンの表出も見事。弦も木管も金管も一流で、これまで朝比奈と都響の録音が一番かなと思っていたが、これが上だと思う。ライヴ一日の一発録りでこれだけの水準とは恐れ入る。指揮者とオケの高次元での幸福なる結びつき。他の演奏とは一味違う、引き締まったフォルム。しかし、音楽のスケールは全く失われていない。録音も金管の黄金の響きをとらえており、もうVPOだろうが、BPOだろうが、どんと来いという感じがする。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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