トップ > My ページ > SeaCrow さんのレビュー一覧

SeaCrow さんのレビュー一覧 

検索結果:71件中1件から15件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/10/09

    この2枚組、「主要オペラ10作品ライヴ録音全集から、序曲と前奏曲、管弦楽曲を抜粋した」という商品説明から、廉価オムニバス盤などで時々ある、演奏会用の終結部を用いていない、適当な切り貼り盤なのではないか、「マイスタージンガー」第1幕前奏曲や「ローエングリン」第3幕前奏曲がフェードアウトで終わるのでは?という疑念を持っていましたが、実際にはそのようなことはありませんでした。ちゃんと一般的な演奏会用終結部が用いられています。◆全曲盤用の収録をすると同時に、パッチ・セッションやゲネプロなどの際に別途当該部分だけを収録して、うまく編集したのでしょう。「指環」からの楽曲も歌手抜きになっていて、アルバム内に人声は一切入っていません。◆演奏は、各全曲盤の評価の高さからも分かる通り、ヤノフスキ特有の淀みない音楽の流れと明快な響きが特徴的。オケの性質もあってか、ドイツ的な渋さや逞しい生命感も感じさせ、この種の「ワーグナー管弦楽曲集」の新しいスタンダードと言えるものになっていると思います。録音ももちろん優秀です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/09/03

    ピリオド奏法に理解を示しつつも、あくまで自分たちは現代奏法で行くのだ、と決めた指揮者とオケによる演奏、という風情の全集。◆ヴァイオリン両翼配置、透明なテクスチュア、やや軽めの音で強打されるティンパニ、といったところはいかにも今風な演奏ではあります。が、そうした演奏にありがちな、コミカル感、小味感のようなものがなく、それに代わって、昔からのヒロイックなベートーヴェン像がしっかりと顕現しているのが、この全集の魅力であるように思います。◆ロマン派的な情感とピリオド的な(ないし新古典主義的な)透明感の両立というのは、大概はどちらかに傾きがちで、バランスを維持するのは困難であるように思われるのですが、サラステ/WDR響はかなり高次元でそれに成功している、と感じます。◆個々のベートーヴェン観がバラけ過ぎている現代において、個人の感覚で語ることがどれだけ有効か分かりませんが、自分にとっては「とても塩梅のいい、かゆいところに手が届く演奏」になっています。ヒロイズム、ロマンティシズムを維持しつつ、ピリオド的なシャープさを加えた現代オケの音響的快感も同時に満喫できる、手応えのある一組になりました。あえて懐古的な言葉を重ねるなら「久々に奇数番が素晴らしい全集」という気もします。◆オケ、録音も優秀。良い意味でドイツ的な渋さがあり、これも上述した「昔からのヒロイックなベートーヴェン像」を想起させる一助になっています。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/07/15

    まず先にオーディオ的な観点から。プロムスのライブを含め全曲でトニー・フォークナーがバランス・エンジニアを務めています。録音会場も、アビー・ロード・スタジオは使わずにホールと教会だけを使用、プロムス以外はセッション録音。20世紀末、テルデック・レーベル末期の良い仕事が凝縮されている一組といえます。◆演奏の方は良い意味で英国のオーソドキシー。英国音楽ではよくある「地味だけれど味わいのある楽節」を素通りしたりすることなく、丁寧に音化してくれていて、安心して身を任せられます。バルビローリの情念やボールトの立派さが恋しくなる瞬間もなくはないですが、録音の良さも含めたリファレンスとしての安心感が大きいです。◆アンドルー・デイヴィスは現在もシャンドスを中心に精力的な録音活動をしており、再録音でより成熟した音楽を聴かせているものもありますが、録音を含めた統一感とコストパフォマンスで、これも価値のあるセットだと思います。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/06/17

    もしカラヤンそっくりな演奏をしたら「確かに黄金期のあの音がする、だがそれでいいのか」などと言われるのでしょうし、アバドのようなストレート路線でやったら「無個性だ」と言われ、ラトルのような仕掛けの多い演奏をすれば「前任者と変わらない」と言われるのでしょう。◆結局ペトレンコが選んだのは、オケの機能性(ただし20世紀ではなく現在の基準のそれ)を前に出しつつ、わずかにオルタナティブな色付けを加える、という方向性だった、と感じました。◆全体としては、ひとつひとつのフレーズ、声部が几帳面過ぎるくらいに克明に刻み込まれるような演奏で、どことなく壮年期のジュリーニを思い出しました(振っているオケのキャラはだいぶ違いますが)。◆変わった仕掛けはさほどしていないものの、第1楽章第2主題の甘美な入りの部分、溜めて歌わせるかと思いきやサラッと流すなど、ところどころで独自の解釈がみられます。◆こういうオルタナティブ路線を挟み込むことで、「ノスタルジーに凝り固まった耳で我々の演奏を聴かないでいただきたい」というメッセージを(ラトルに引き続き)発しているように感じられるのは私の思い込みが過ぎるでしょうか。◆長々書きましたが、骨太で安心感があり、適度に華麗で普通に楽しめる演奏でした。ルネ・メラーによる録音も、以前に比べてだいぶ良くなったように思います。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/05/10

    今更ではありますが、シフのフォルテピアノ演奏への本気度、造詣の深さを改めて実感する1組でした。リュートを思わせるようなアルペジオを、バロックではなくシューベルトで使う果敢さ(前例皆無というわけではないのでしょうが)には驚かされますが、ここぞという箇所にうまく使うため、そのたびに目から鱗が落ちる思いです。楽器自体も新し目のメカニズムではない、本当に朴訥とした音しか出ないものを使っているのに、この表現の幅。インティメイトな雰囲気と深淵の共存。録音も見事。前作とあわせてエポックメイキングな1組と言って差し支えないでしょう。1ヶ月以上咲かぬヒヤシンス、散ったのであれば良い引き際、真の意味で散ったならこれまた僥倖。あなたも如何(苦笑)

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/02/26

    コンセルトヘボウ盤と同時期の収録だけあってコンセプトは共通。どちらかといえば柔らかめで威圧感のない演奏といえると思います。ただ、オケの特質や音質などでこちらの方がブルックナーの録音としてスタンダード感はあるように思います。トゥッティでの響きの厚さと透明感の両立など、多くの人が聴き慣れているであろうブルックナー録音の公約数に近い音といえるのではないでしょうか。テンポは概ね標準的。それにしても、ブルックナーの録音を見るたびに「スコアを見れば世の大半の演奏が遅すぎることがわかる」「ブルックナーの音楽に宇宙だの自然だのは無い」などと繰り返し、実は当人の方がとてつもなく安っぽい主観にとらわれていることに気付いていない、愚かしい聴き手にはなりたくないものです。どれだけ自分が世間から嘲笑の対象になっているかお気づきでないのでしょうかね。あなたも如何(笑

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/07/06

    おそらく古楽器オケによるベートーヴェンの中では一番穏健で美麗な演奏と思います。ありがちな金管と打楽器の過剰な強調がなく、テンポ設定も現代楽器の伝統的なものに近く、緩徐楽章もせかせかした感じを与えません。◆と書くと「それって面白いの?」と思われるかもしれませんが、これが実に楽しい演奏で、とにかく音が透明でカラフル、安っぽい形容で恐縮ですが、まるで虹のようなベートーヴェン。聴いていて心が弾んできます。◆派手なギミックを仕込んでいないにも関わらず、こうして正攻法で独自の音世界を築き上げるというのはなかなかできることではないと思います。◆このコンビはかつてインマゼールとピアノ協奏曲全集を録音していますが、あの頃より表現も技術も圧倒的に洗練されており、ほとんど別団体と言っていい高みに達しています。◆これは古楽器ないし現代楽器のピリオド奏法のベートーヴェンを聴き慣れている人にも、そうでない人にもぜひ耳にしていただきたい逸品です。少なくともこれを聴かずして古楽器のベートーヴェン演奏を語るべきではないと思います。録音も自然で秀逸。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/04

    旧東独の指揮者によるオーソドックスな演奏、と言われると「地味で凡庸な演奏じゃないの?」という先入観を持ってしまいがちですが、この「エロイカ」はかなり良いです。ヘルビヒは恰幅の良さと剛直さをもともと芸風として持っており、それがこの曲にはぴったり。才気や劇性は感じさせませんが、そんなものはもとより不要、といいたくなる風格を感じさせてくれます。あまり他の指揮者と比較するのは好きではないですが、旧東独オケの「エロイカ」の中では、ブロムシュテット、スウィトナー、コンヴィチュニーよりも自分にはしっくりきました。音質も、アナログ末期の安定した音で、リマスターで変な悪さもされていないのが良かったです。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/02/01

    以前のレビュアーさんたちの書かれている通りの演奏で、テンポや管弦バランス等が独特でありながら、同傾向に分類される(であろう)シューリヒトやレーグナーよりも自然な感触があります。ただ、さすがにライブ一発録りの限界で、細かい箇所にアラがみられます。無論、1980年代の都響としては大健闘に違いないのですが、他のセッション録音や編集済みライブを聴き慣れていると、「惜しい」と思ってしまう箇所があるのは確か。特に終楽章終結の音響的カタルシスが薄いのが個人的には厳しかったです。とはいえ、それでも星5つを献上したくなる魅力はあり(特に第2楽章)、リアルタイムでマークを聴いていた方、この曲のファンの方には十分にお薦めできます。音質も良好で、「失敗したときのNHK録音」のようなボヤケ感とは無縁なのは嬉しいところです。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/12/03

    オケの改変が結構あり、第1番第1楽章、第5番第3楽章のシンバルなどは驚かされます。が、シベリウスの音楽を壊すところまでは行っておらず、演奏全体がシベリウスの音世界をきっちり具現化しているので、感銘の度合いは大きいです。どの曲も優れた演奏と思いますが、第2番の新録音はオーマンディとしてもかなり燃えた演奏で、聴いていて熱くなります。◆以下、以前の国内盤ライナーに載っていた話ですが、第3、6番は、オーマンディ本人が「私には理解できない」として演奏しなかったとのこと。彼とフィラデルフィア管の芸風にはぴったりな気がするのですが。◆また、指揮者とオーケストラのメンバーは作曲者と対面しています。オーマンディがアイノラのシベリウス邸を訪れた際、楽団員たちは寒い中、外で待っていたとのこと。オーマンディがシャイな作曲家を説得して窓から2人で顔を出している写真は旧ジャケット等で目にできますね。指揮者のみならずオケ全体も作曲家に対する尊敬の念を持っていたからこその名演、といえるのではないかと思います。◆これが気に入った方は、ワーナー(旧EMI)から出ている「4つの伝説曲」もぜひ。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/11/30

    演奏はみなさんの書いておられる通り、本当に素晴らしい。劇的、ときに恣意的ですらありながらシャープで研ぎ澄まされており、それでいて音楽の恰幅は十分にあって神経質ではない。名演、少なくとも個性的秀演に数えられるべき演奏。ただ、輸入盤CDに限り、不具合が発生しています(第1楽章冒頭音欠け+ノイズ)。既にソニー側で交換が始まっていますので、詳しくは「ソニーミュージック クルレンツィス」でネット検索してみてください。それにしても、ネット上で輸入盤CDを聴いてのレビューが溢れているけれど、この程度のことに気付かないのでしょうか? 「悲愴」のあの冒頭部ですよ? 個人のレビューなんて本当にあてにならないな、と思いつつ個人のレビューを投稿する私。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/08/23

    指揮者の世代を考えれば当然ですが、ピリオド系の奏法や歌唱法は一切取り入れられていません。ピリオド系の透明感は求められないものの、独唱・合唱ともに大時代的ながなりたてるような発声はなく、オケ共々十分な透明感、解像度を持っています。ティンパニ、金管などもきっちり鳴らされ、音響的なメリハリも十分。そして何より演奏全体を覆う激しいパッションが印象的。ぐいぐい音楽に引き込まれます。「レクイエム」におけるベーム盤あたりよりもっと若々しくエネルギッシュな演奏が聴きたい、でもピリオド系は好きでない、というような方にはうってつけではないでしょうか。大ミサ曲ハ短調の方も曲の長さを忘れさせる凝縮力が素晴らしく、この曲を久しぶりに繰り返し聴いてしまいました。いずれもWDRによるライブ録音で、放送録音らしい素直な音。ややオンマイク傾向でボヤケ感がないのはありがたいところ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/07/22

    往年の巨匠たちに肩を並べる超名演。騙されたと思って、否、万難を排して聴いていただきたい、圧倒的な全集です。まさかこの指揮者とこのオケがこのような演奏をするとは思いもしませんでした。◆演奏のタイプとしては、若干遅めのテンポで重厚感がありながら、オケ自体は極めて優秀でエッジの効いた音を出しており、まったく間然とするところがありません。ありがちな「老人の指揮者が振ったから何となく壮大っぽくなった」演奏とは一線を画しています。◆ブロムシュテットのようなドイツ系のオーソドックスな演奏を好む方にも、クレンペラーのような重厚感を好む方にも、セルのような透徹感、あるいはカラヤンの華やかさを好まれる方、すべての人に訴えかけるものを持っている、と言っても過言ではないほどに、あらゆる要素を同時に成立せしめている稀有な名演です。◆私はピリオド系の演奏も好きなので、このような言い方は好みませんが、「最近のベートーヴェン演奏は軽くて聴いていられない」とお嘆きの方には自信を持ってお薦めできます。もちろん、「英雄」第1楽章末尾のトランペット補完など、伝統的な改変も実行されています。◆音質、画質は良好ですが、欧米の映像に時折みられる、フレームレートが日本の映像とは少し違うような感覚があります。ただ、観ているうちに慣れて気にならなくなります。◆併録曲は、ベートーヴェンだけでは売れないからでしょ、という邪推を生みかねないので、無くもがなの感もありますが、こちらも優れた演奏です。晩年にこれほど圧倒的な輝きを発したマエストロの記録を一つでも多く残したい、という制作側の思いゆえの収録なのでしょう。◆ちなみに動画サイトでも試聴できます。ただ音は今ひとつなのでやはりディスクで聴いていただきたいですね。長文多謝。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/01

    日本の代理店さんからのリリースが少し遅くなりましたが、本国では2016年秋に出ていた録音で、自分は既に耳にしています。高速テンポの演奏といっても、最近のヴェンツァーゴのようなやりたい放題ではなく、ヨッフム、シューリヒトといった過去の高速演奏の延長線上にあるものです。大伽藍のような重厚なブルックナーではありませんが、ヨッフムのような動的な演奏を好む方には十分お薦めできます。オケは往年のドレスデンやウィーンのような個性は求められないものの、その分現代的な精緻さがあるのが美点で、録音もまずまず優秀です。サラステ、いい指揮者だと思います。もっと評価されるべき。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/12/29

    まずリマスターについて。「コンチェルト・グロッソ」が2001年、ディスク11のモノラル録音群が2013年。それ以外はすべてCD初出時のままと思われる1980年代中頃〜1990年代前半のマスターを使用しています。旧EMI録音には、頻繁にボックスセットで再発される割にリマスターが一向に行われない録音がありますが(バレンボイム&イギリス室内管のモーツァルト・ピアノ協奏曲全集など)、これもそのひとつ。もっとも、音の素性は十分に良く、変にいじられるよりはこのままでいい、という人も多いかもしれません。演奏については今さらとやかく言うべきこともない、永遠のリファレンス。ボールトという人は、大らかでスケールが大きかった、というだけでなく、彼の世代にしてはテクスチャーの透明さなどに関して近代的なセンスも持ち合わせていたように思います。単に「作曲者と親交のあった人が振ったから」というだけでなく、現代の耳で聴いても意外なまでに古さを感じさせない音響美が、この録音群が長く支持される理由のひとつなのではないでしょうか。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:71件中1件から15件まで表示