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広島のパヴァンヌ さんのレビュー一覧 

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     2015/02/21

    このCD,もう手に入らなくなってしまったのですね。親しみやすい曲目につられて購入し,折に触れ取り出して聴いています。ジャケットやブックレットに合計5枚の大写しの竹松の写真が掲載され,竹松の美しい容姿を売るCDかと誤解を与えそうですが,演奏を聴けば竹松の確かな技術と妥当な音楽性がベースとなるCDであることがわかります。なじみの深い小品が,わかりやすく情感豊かな解釈で奏でられており,癒しのひとときを持つことができます。アレンジがもう少し硬派であってほしいものもいくつかありますが,聴かせる曲は多く,例えばバッハの「主よ人の望みの喜びよ」をソロのハープで聴くことのできるCDは他にないのでは?

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     2015/02/21

    カリンニコフの交響曲2曲が廉価で手に入るので購入して聴いていました。確かにクチャルはやるべきことはやっていますがそれ以上の霊感に乏しく,カロリーとかドラマを感じることは難しい。したがってこの演奏に感動や意味深さを求めるべきではないでしょう。これはカリンニコフ入門向けのCDですね。本来これらの曲のもつポテンシャルはこのレベルでとどまるものではないはすで,例えばスベトラーノフによる2番はもっと後に引くグッと来るものがありました。録音も,綺麗には聞こえますが,それは電子オルガンの音色と類似するものであり,本物の楽器の音とはかけはなれています。これほど多くの残響に埋もれてしまえば,演奏の真実を感受できるはずもなく,このCDが曲の紹介以上の役割を果たすことは困難です。しかし,安価で演奏も無難ですから,これから曲を知りたい人にはいいのではないでしょうか。カリンニコフの交響曲は,独特の哀愁を帯びたロシア的なメロディーに満たされていて,とてもいいですよ。

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     2015/02/18

    やっぱり良い所はあるんだな。オケは確かにうまいし破綻はないし。しかし音圧に任せて圧倒するしか聴き所のないブラームスはいかがなものか?例えばブラ4の4楽章,3分が過ぎたところからのFlのソロ。ヴィヴラートが何であんなのだ?あんなに振幅が大きい割にゆっくり目の。ここは通常微妙なニュアンスをつけて表情の変転が表現されるがカラヤンにはそれがなく,ヴィヴラートのみである。きっとカラヤンがさせている。これではブラームスの情念が伝わってこない。カラヤンの演奏の特徴に音量の均等化と保持がある。これは裏を返せば情感や表情の乏しいベタな演奏ということである。どうしてカラヤンはムジチーレンしないのか?その終楽章のクライマックス。カラヤンお決まりの大音量によって聴く者を圧倒しようとしているが,それまでの情感のない演奏のあとでは白々しくなるだけである。カラヤンが亡くなった当時「これは芸術家の死ではない。セールスマンの死である」とか「ただ大きな音で驚かせただけの人」との酷評があったが,このブラームスはそれがあながち的外れではなかったことを確認させる。自分にはカラヤンがブラームスの楽譜の上に定規を当てて直線を引きたかっただけにしか思えない。3番の第1楽章開始2:32の所での編集ミスも気になる。もちろんカラヤンの演奏でも聴かせる曲もある。例えばチャイコフスキーの後期交響曲や「ロメオとジュリエット」とかVPOとのホルスト「惑星」,晩年の「アルビローリのアダージョ」なんかもそれぞれが独特の魅力的な世界を描いていた。しかしこのブラームスはダメ。バーンスタイン,ケンペ,ザンデルリンク等々ほかに聴くべき名演がいくらでもある。音楽室で生徒に曲を知らせるために使うのなら許そう。

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     2015/02/17

    パレーの演奏は一時かなりの量がカタログに生きていたのにこれだけ少なくなり,寂しい限りです。パレーのラヴェルやドビュッシーは,その独創的な解釈により孤高の存在感を誇ります。他の多くの演奏と違ってかなり快速なテンポを採り,一見すっきりとした印象の割に,過不足のない表情付けがあり,この快速テンポと演出との絶妙なバランスは他に類例のない味わいがあります。当CDでは特に「高雅で感傷的なワルツ」のテンポが速くて(12:40)で駆け抜けています。アンセルメ盤(15:36)クリュイタンス盤(16:21)に比べて頭抜けています。ミュンシュの名盤に至っては(18:22)。ゆったりしたテンポの中で絶妙な間を多用してたっぷりとした情感を湛えるミュンシュと対称的に,パレーはあくまで速めのインテンポの中で確信を持って剛直に終結へと向かいます。その様はまるで重戦車が進むがごとくですがそれでもフランスのエスプリを満たしている所がたまりません。ドビュッシーの小組曲の「小舟にて」はマルティノンが(4:03)アンセルメが(3:41)かかっているところ,パレーは(3:02)で終えています。おそらく曲に対するパレーのコンセプトは他の演奏家と全く違うのでしょう。したがって,これらフランス音楽を少し違う角度から味わいたいときに,このパレー盤はまず第一に選ばれるべきでしょう。録音も秀逸です。ただし,マーキュリー・レコード副社長だったウィルマー・コザート・ファインが選んだイコライザー・カーブが率直なものであったため,演奏の魅力をやや減じているのが残念です。できれば丁寧なリマスタリングを行ってSACD再発売を願いたい所ですが、時流はこの願いを叶えてくれるでしょうか。「こでらんに」さんへ,マゼールは1971年にニュー・フィルハーもニアと「ボレロ」を録音しており,そのタイムは(13’05”)で,このパレーのより20秒近く速いですよ。

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     2015/02/14

    収録曲は次の4つです。○4つのノルウェー舞曲作品35(1970年3月22日録音)○叙情組曲作品54(1969年8月6日録音)○交響的舞曲作品64(1957年8月9-10録音)○『十字軍の王シーグル』組曲作品56から,敬意行進曲(1969年8月6日録音)以上です。このCDはグリークの管弦楽曲を素晴らしい演奏で聞くために適しています。HMVのレビューはありませんが,このCDは演奏音質ともにすばらしく,バルビファンなら是非とも入手しておくべきでしょう。「ペールギュント」こそ含まれませんが,グリークのその他の主だった管弦楽曲が耳にできる所もポイントです。バルビはいつも通り自在にアゴーギク等を駆使した解釈をおこない,曲の個性的な魅力もさることながら,バルビ特有の鳴き節も随所に見せることによって,曲の叙情性をさらに高めています。実に丁寧に行われている表情の描き分けや歌い回しに,バルビの巧みさとハレ管の技量の確かさが感じられます。これらの演奏には技術云々とは次元の違う,共感とかそれを越える情感が感じられるのです。バルビを慕うカラヤンはとうとう最晩年までこの域に達することができなかったのではないでしょうか。いずれの曲も音に潤いがあり、鑑賞には十分です。特にこの中の交響的舞曲は他より10以上も古い録音ですが,音質の遜色がなく,パイレコードの録音の質の高さに驚かされます。入手不可になる前にどうぞ!

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     2015/02/14

    このようなバルビのLIVE録音が発掘されるのは,何はともあれ喜ばしい。この「復活」もバルビらしく熱い熱い名演です。解釈は自在にして入念を極め,これほど魂を抉られる「復活」を演奏できるのは,バルビローリの他に何人いるかと。感銘深さゆえ,演奏後の拍手に続いて聴衆による足踏みの音も会場に鳴り響いています。ベルリン・フィル盤やシュトウットガルト放響盤と解釈の基本は変わりませんが,表現はより若々しくストレートであり,受ける感動もよりストレートです。ただ音質がやや劣り(ベルリン盤よりすこし劣る),一般向けとはいえません。スペアナで見ると500Hzあたりにエネルギーの塊があり,スッキリとした音でないのが残念。例えば1970年シュトゥットガルト放送so.の美しい録音に比べて潤いに乏しく,音質はある程度我慢することになります。EQで調整するとある程度改善するようです。

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     2015/02/14

    このCDは現在入手不可なんですね。もったいない。この中のシューベルト「ザ・グレイト」はなかなかの聞きものなんですが。1964年録音で全曲52分半ほどかかるゆったりしたテンポでをとる端正な演奏です。弦楽器群が薄く聞こえる録音のためかこれまでさまざまな所で最高評価は受けられませんでしたが,ディテールを丁寧に(少し濃いめに)彫り込みながらそれを積み重ねていくさまは,「ザ・グレイト」の演奏として理にかなっているのではないでしょうか。ただ,残念ながらCD1のウィンナ・ワルツ(特に1966年録音のもの)の音が薄くて堅めなので,演奏の魅力を十分に伝えてはいません。録音会場ではこんな音は鳴っていなかったはず。カラヤンのようにできあがった録音の音質にも拘っていれば,違う評価を得られたはずなんですが。「ユッコの32」さんのおっしゃるとおり,レハールの「金と銀」はなかなかの名演だと思います。ただ,ケンペ/ドレスデンの超弩級の名演を手にできる今,「このバルビ盤がなければ」とまでは言えないのでは?ただ、「ザ・グレイト」だけは音質改善して残しておいてほしいものです。

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     2014/12/08

    バルビのブラ2というので期待して購入。今度は見事裏切られました。1962年録音なのに昔のラジカセでの録音とレベルが似通った、ナロウレンジでかまぼこ形の周波数特性の音。よっぽどのマニア以外にはお薦めできません。これなら1940年ごろ録音のSJB1039のほうがよっぽどましです。バルビのブラ2を聴くなら是非VPO盤かバイエルン放送響盤で。☆2つは、販売妨害になるだろうか?

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     2014/11/17

    これは1971年度のレコードアカデミー賞を受賞した名盤であり,このSACDは演奏の真価を伝えてくれる逸品です。カラヤンの演奏の特徴として音量の等価性の維持とそれに基づく楽句のデリケートな扱い,強烈なダイナミックを上げることができます。カラヤンはそれを積み重ねることによって,このブルックナーをスタイリッシュでスケールの大きな構造物として提示しており、その彫琢を極めた完成度の高さは,聴く者に有無を言わさぬ説得力を持ちます。その意味でカラヤン美学はこの演奏では成功していると言えるでしょう。2008年のTHE COMPLETE EMI RECORDINGと聴き比べました。SACDの優位性は明らかですが,聴感上,CDとの差は大きくはありません。それはこの録音が500Hzを中心に100Hz〜2kHzの帯域にエネルギーが分布し,音の荒れとなる高域成分が少ないためなようです。しかしSACDの音の密度は高く、満点献上に躊躇することはありません。

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     2014/11/07

    クリップスファンなら本盤は手に入れるべきでしょう。既出盤は音が薄くて感銘を受けにくかったですが、このCDはある程度音質改善して音に厚みを増しており、クリップスがガツンと来るブラームスを演っているのがよく分かります。ブラームスでのクリップスは、テンポを緩めて含みをもたせるなどには目もくれず、テンポを詰めてどんどん食い込んでくる剛直なブラームスを描きます。黄金の響きのVPOはいつもどおりの美しさですが、管楽器、弦楽器の作る起伏は大きく、VPOではよくあるゆったり安定とは無縁の、アグレッシブなブラ1になっています。特に15分47秒の第4楽章ではかなりの推進力で一気にクライマックスへと畳み込みます。VPOが同時期録音したクーベリック盤やカラヤン盤とはある意味対極の傾向があるところが面白いところです。ただ、1950年代のデッカの録音特有の、中抜け低域ブースト(この録音は100Hzあたりがブースとしている)の傾向が残っており、マスタリング時の調整をしてもらいたいものです。

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     2014/10/23

    手塚治虫「火の鳥」のイラストを配したジャケットがLPから一貫しているところが懐かしくもあり、このCDの魅力の一つにもなっています。1975年のベーム/VPOの来日公演で「火の鳥」組曲の名演を聴かせた年の録音のためもあって、当盤は多くのクラシックファンの間で強烈に印象づけられたと記憶します。富田勲のシンセサイザー作品と言えば当時の日本では知らぬ者のないほどの名作ですが、本盤はその中でもひときわアニメチックな雰囲気を持つ逸品です。富田は意外なほど楽譜に忠実に作品づくりを行う一方で、大胆な音色選択や効果音による演出を施すことにより、原曲とは次元の異なるファンタジックな世界を描ききっています。解説文中の富田による「火の鳥」の解釈を読むのも一興です。残念なことは、前作「展覧会の絵」が4チャンネル録音であったのが本作が2チャンネルステレオ録音と音空間がスケールダウンしている点、そして、LPに比べてCDが,音声圧縮のためなのか音が薄いことがあげられます。特にCD特有の少しかさつき気味の音色は、本作の魅力を減じているように感じます。できれば音色等の扱いはそのままに4チャンネルDSD音源としてあらためて録音し直し、SACDとしての発売を期待しているところです。

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     2014/10/19

    曲によってバラツキはありますが,生き生きとした聴き映えのする演奏が多いですね。驚きました。ここのレビューは全て最高評価ですが,実は「うそだろ」と思って聞き始めました。ベートーヴェンの交響曲など,正統的な演奏ですが際立った個性に不足するものもあります。ブルックナーの「ロマンティック」は明らかに迷演で,ブルックナー受容の進んだ現在,存在価値は疑わしい。しかし,ミルシテイン独奏のvn協奏曲はいずれも緊張感の高い名演であり(例えばベートーヴェンのvn協奏曲は演奏時間がおよそ39分),管弦楽作品にも際立ったものが勢揃いです。例えばR.シュトラウスの「ティルオイレンシュピーゲル」は,演奏時間14’05”と超快速テンポ(カラヤン/BPOは15’58”,快速で知られる自作自演でさえ14’27”)をとっています。R.シュトラウスの複雑な多声部が錯綜する部分を,通常は落ち着いたテンポで各声部を聞き分けられるように演奏するところ,スタインバーグは遠慮なく快速テンポで,しかもややアッチェレランド気味に走り抜け,フレーズが始まると一気に弾ききることの面白さを提示します。R.シュトラウスはおしなべて超快速テンポをとり,「死と変容」は21’00”(ケンペ盤22’22”,カラヤン/BPO盤27’00”,自作自演盤21’24”),「ドン・ファン」は14’58”(ケンペ盤16’04”,カラヤン/BPO盤18’03”,自作自演盤15’36”)と,スタインバーグは他のどれよりも速いテンポをとります。曲が進むにつれて容赦なくアップテンポし,その胸をすく爽快感は他に類を見ないユニークなものです。ムソルグスキーの「はげ山の一夜」も演奏時間9’53”(アンセルメは11’05”,快速のクリュイタンスでさえ10’06”)と,他の追随を許さぬ快足ぶり。しかも雑になることはなく,速いテンポの中に表現をギュッと凝縮させています。一糸乱れることのないオーケストラの力量と,快速テンポでも妥当な表現を行うスタインバーグの音楽性の高さには舌を巻きます。ただ,どの曲も快速テンポなのではなく,例えばチャイコフスキーの弦楽セレナーデは全曲29分強と,常識的なテンポ設定をしています。しかも,弛緩することなく密度の高い表現を盛り込み,叙情的なこの曲の甘美な魅力を余す所なく表現し得ています。スタインバーグは,その硬派な見た目とは裏腹に大変自在に曲作りをしており,アーティキュレーションを操りながら感銘深い表現を作り上げています。トッホの交響曲などの現代曲も明確な表現意欲が顕著で,初めて聞く者にもその魅力を享受するには十分です。というわけで,このボックスはスタインバーグ/ピッツバーグso.の魅力を味わうだけではなく,曲の美しさを味わうにも十分な一品です。ただ一点残念なのは音質です。周波数帯域は,幸いその録音年代にもかかわらず高音も低音もかなり伸びていますが,そのエネルギーバランスにかなりのバラツキがあります。例えば弦楽セレナーデは低音がブーストし,トッホの交響曲は逆に高音が過剰です。また,殆どのものがシリア・モスクで録音されており,残響が多めに入っています。メンデルスゾーンの交響曲などは残響の多さによって,演奏の実像を害していると言わざるを得ません。したがって,EQで音質調整しながらの鑑賞をお勧めします。できれば,R.シュトラウスなどは新たにリマスタリングしてSACDでの発売を期待したいところですが,クラシック離れが進んでいるこのご時世,無理な注文でしょうか。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/09/25

    これは素晴らしいボックスです。録音年代が1929-1956と古く,音質は最善ではありませんが,とにかく演奏が素晴らしい。また、この素晴らしい演奏でベートーヴェンのソナタやその他の数々の曲を聴くことができることも見逃せません。他の方のご指摘のとおり解釈に独りよがりな誇張はなく,自然な流れのなかでナットは各エピソードの性格を実に雄弁に描き分け,説得力のある演奏を繰り広げています。その立ち位置は,例えばグールドのような鋭利さを基調とするソリッドなものの対極にあり,円満さの中に瞑想や力感,微妙な色彩のグラデーションを表現するロマンティックな所にあると言えるようです。「普遍的な演奏」とは?の質問に真っ先にあげるべき演奏がこれではないでしょうか。音質も録音時期のわりには歪みが少なく,十分鑑賞に堪えるのが嬉しいところです。特にメインのベートーヴェンのソナタ全曲は,初期の作品も含めてどの曲も魅力的に描かれており,各曲の個性が光っています。素晴らしい演奏は数々ありますが,これはいつでも手に取りたいと思わせる親しみやすさがあります。音質は,録音時期に開きがあるためにバラツキがあり,EQでの調整を行った方がよいようです。どういうわけか中低音域の200〜500Hzがブースト気味の曲が多く,この音域を4〜5dBしぼるだけでかなり改善するようです。1930年代、1940年代の録音のものは中音域中心の音なので、低音域や高音域を強調すると改善するようです。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/15

    もしこのセットの録音が優れていれば間違いなく評価は5となるところ,歴史的録音による劣る音質のために☆一つ引きました。しかし,メンゲルベルクのつくりだす音楽は,緩急自在で叙情的にドラマを築き上げており,現代には接することのできない,間違いなく瞠目すべき存在です。よくメンゲルベルクは「時代を感じさせる」と言われましたが,もし録音が優れていればもっと違った評価を得るはず。音質にこだわらない人にとっては,このセットは間違いなくかけがえのない貴重な一つとなるでしょう。どの曲も演奏は完璧,ユニークで綿密な表現が施されていて深い感銘を受けます。このセットは確か世界初CD化であろう「ロザムンデ」間奏曲第3番とバレエ音楽第2番が含まれるところが購入を考える要因の一つとなると思います。この2曲は特に他に類例のない,濃密な表現が行われており,演奏の力を思い知らされる録音です。演奏時間は8:25,7:10と,フルトヴェングラーの4:57,4:57に比べておよそ1.5倍の時間がかかっています。メンゲルベルクはゆったりとしたテンポの中でアーティキュレーションを駆使してスーパーロマンティックな表現を繰り広げ,聴き手を空前の叙情的で陶酔的な世界へと誘います。フルトヴェングラーのSACDのように,メンゲルベルクの演奏も,適切なリマスタリングの下ハイレゾ音源として手にすることのできる時が来ることを願わずにはいられません。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/11

    演奏だけなら評価は5。ややこもりがちな音質であることが残念です。ギブソンは、マゼール/VPO並みの速めのテンポでグイグイとオーケストラをリードしています。交響曲第1番の演奏時間は(T:10’37,U:8’19,V:4’55,W:11’07)とかなり短く、ギブソンは曲の終盤に向けてオケを煽り、ドラマチックでとてつもなく熱いクライマックスを築きます。このクライマックスへの導き方にはギブソン特有の演出があるようで、聴く者に比類のない深い感銘を与えます。カレリア組曲や、トゥオネラの白鳥、フィンランディアも、速めのテンポでグイグイと進みながら緊張感を与え、それでいて豊かな情感にも不足しません。これを耳にすると,ベルグルンドなどはやや緩く感じます。シベリウス好きで、EQで音質調整が可能な人は是非聴いてみて下さい。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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