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音楽ばか。 さんのレビュー一覧 

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/13

    カラヤンの演奏にはレベルが高いものが多いが、僕にとって彼の録音こそ最高という物は非常に少ない。そんな中にあって、この曲に関してはこの演奏が1番だと思っている。この曲は1番好きな曲なので、様々な演奏を聴いた結果、である。

    この曲の代表的な演奏と言えば真っ先にバーンスタインが挙げられるだろうが、彼のマーラーの中で唯一好ましいと思えない曲がこの曲で、まさに死の影に怯えてもがき苦しむような表現も一つのやり方であろだろうけれども、僕の抱くイメージとはかけ離れているし、作曲当時のマーラーはすこぶる体調が良く、精力的に演奏活動をしていたし(おびただしい量の演奏会をこなしている)、妻アルマもまだグロピウスには出会う前。アルマとの関係は冷え切っていたかもしれないが、表現の対象をあまりに死の恐怖などに向けることには疑問を覚える。これはワルターの「青空に溶けいる白雲のように消えていく」に賛成であり、その言葉を最も具現化した演奏会が当演奏だと思う。

    カラヤンには批判が非常に多く、その事に関しては省略するが、あながち間違いではないと思う。でも僕のカラヤンの見方は少し違い、彼自身「ポーカーフェイス」であり、演奏においてもなかなか感情を表に出せない人だったのではないかと感じている。よく言われる初心者御用達の一面以外にも、かなり謎めいた部分も存在している。こういう人となりは非常に共感できるし(ひょっとして最近よく言う草食系的な若者だから?笑)、いつもはあまり表に出てこない彼の感情がかなり込められていると感じられ、なおかついつものフォルムは決して崩すことはないという絶妙なバランスをもって奇跡のような演奏に仕上がっている。

    俗にいう「クラオタ」なる者は、こういう時に口を揃えて5月1日ライブの海賊版を持ち出して正規盤のこの演奏を冷たいと非難するのだが、こういう人は大概(当然心から好きな方もいらっしゃるとは思うが)普通の人が聴くことはまずないような海賊版を持ち出して、自分のコレクションに自己満足していて、その証拠にそういう人が進める演奏はほとんど海賊版であり、他人と感動を共有する気が全く無く、単に自慢したいだけだとわかる。

    そういうオタクのおかげで5月の海賊版を所有している僕も呆れたものだが、この演奏はちょっとカラヤンフォルムのフォルムから外れ気味でカラヤン本来の魅力は差し引かれているように感じる。しかし9月ライブの本演奏では5月の演奏に聴かれる熱気と、いつものカラヤンのクールさ、そして就任から30年近くもの間磨き続けた前代未聞の音の美しさを加味して今までの人生の集大成ともいえる演奏を成し遂げている。僕にとってのカラヤンのベストCDは、誰が何と言おうがこの演奏である。

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