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なげわらし さんのレビュー一覧 

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     2009/09/15

    25年ぶりにオリジナル・メンバーが集まり、ツアーを開始した。そのツアーの中の日本公演を収録したもの。全体的に見れば演奏・サウンドは良質であり、演奏してきた熟年の素晴らしさがでている。しかし、細かくみればパワーが往年のようなダイナミックさがまるっきしなくなっている。やはりメンバー全員の高齢化のためだろう。パワフルさとテクニックさを売り物にしていたスティーヴ・ハウのギター・プレイはおとなしいもので激しさが無い。アコースティック・ギターでのソロも全盛期の頃のプレイは聴けない。ただ、ジョン・ウェットンのヴォーカルだけが全盛期と変わっていないところが凄い。しかし、こだわりを消して熟年のバンドとして聴くのであれば最高の高級感あふれるライブであろう。ダイナミックさはないがスケール感がある。楽曲もよいからなおさらだ。また、当ライブは最初DVDの方からすすめる。見ながら聴くのとCDで聴くのでは感じがまるで違うからだ。まずはDVDを見て感動しよう。そしてCDを買って聴こう(聴いているとき画面が頭に浮かぶはず)。両方もっていても損はしないライブだ。

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     2009/09/15

    オリジナル・メンバーで復活したアルバムだが、内容とすれば『アルファ』に近いところがある。『時へのロマン』あたりを期待したが、それらしいものはない。たんなるハード・ポップ・ロックとしか言えない。メンバーもかなりの年齢となっているためパワフルさがないし、スケール感やドラマテイックさもない。一番目立つのがスティーヴ・ハウのギター・プレイの劣化であり、昔みんなを驚かした激しさやテクニックさが無い。しかし、ジョン・ウェットンのヴォーカルだけは昔と変わらず健在なのには驚く。
    やはり年齢には勝てないかって感じだが、デビュー当時からのファンだと不満であろうが、そうじゃないロック・ファンであれば”凄いバンド”と感じるはず。演奏やサウンドはしっかりしているし、楽曲も良い。そこらへんの騒がしいロック・バンドより天と地の差がある。
    プログレシップ・ロックとはいえないが、大物アーティストによる良質のシンフォニック・ロック・バンドと言うべきでしょう。

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     2009/09/15

    当アルバムはUFOの最高傑作といわれているライブ・アルバムである。とにかくマイケル・シェンカーのギター・プレイはのりにのった凄いプレイであり、サウンド的にみれば全面に出ている感じで、そればかりではなく、他のメンバーのプレイも迫力満点のプレイ及びサウンドだ。ポール・レイモンド(サイド・ギター兼キーボード兼バッキング・ヴォーカル)とマイケルとのコンビネーション・プレイも抜群でカッコ良い。スタジオ・アルバムをアレンジしているわけではないのだが、あまりにも演奏が良くて、どの曲もカッコ良くアレンジしているように聴こえる凄いアルバムである。
    カッコ良いロック・アルバムを聴きたければ、当アルバムを聴きなさいと言いたいくらいだ。
    実を言うと、このアルバムは疑惑がもたれている。ツァー中にマイケルの失踪事件が多発していた。ひんぱんに発生するため、マイケルの影武者としてポール・チャップマンを起用してマイケルがいない時はポール・チャップマンがリード・ギターとして出演していた。そのため、ライブ・アルバム製作の時、ポール・チャップマンのトラックの音量を落とし、別トラックにマイケルの演奏を録音してミキシングしたという疑惑である。聴きようによっては他のメンバーのサウンドと比べるとマイケルのサウンドはアフレコしたように聴こえる部分が多い。その様に聴こえるだけかもしれないが....。しかし、当ライブはUFOのアルバムの中で一番カッコ良いアルバムに間違いは無い。   聴け!これぞ本物のカッコ良いロックだ!!

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     2009/09/15

    ミュージック・シーンがニュー・ウェーブの世界になっている中、ニュー・イングランドは自分たちの音楽スタイルを崩すことなく対抗していく道を選び、ニュー・ウェーブの世界にもアピールできる作品を作ることとなった。ファースト・アルバム『失われし魂』とセカンド・アルバム『果てしなき冒険』での良さを強く生かして進化させ、得意の泣かせようというメロディ展開を核とした曲を中心としたサード・アルバムの製作にかかった。この製作に対するプロデューサーにミュージシャンとしても活動しているトツド・ラングレンが迎えられた。しかし、これは大きな間違いであった。トッド・ラングレンはジャンルがアメリカン・ロックの典型的な分野が強く出ているアーティストであり、プロデュース作品に対しては自我が強く出て自分の音楽スタイルを他のバンドのアルバムへ影響させたりしていた。また、トッドはいつも過密スケジュールで忙しいという事とプロデュース料が高いという事もあり、場合によっては手抜きされる部分があった。曲作りとリハーサルは順調に進み、本番収録もスムーズに進んでマスター・テープの仕上げをトッド・ラングレンの手に委ねた。

    トッド・ラングレンのミキシングによりアルバムは完成し、1981年6月にサード・アルバム『ウォーキング・ワイルド』は発売された。不思議な事に、アルバム発売直前まで完成されたサウンドはニュー・イングランドのメンバー全員へ聴かされる事がなかったという。アルバムの内容はイメージ・チェンジと錯覚してしまうほど進化したニュー・イングランドの音楽の形である。一番目立つのは演奏時間が2〜3分代でコンパクトにまとめられたポップ色を強く打ち出したな曲ばかりであり、いろんなジャンルに挑戦しているという所だが、スタイルはあくまでもニュー・イングランド節である。また、セカンド・アルバムに何曲か見られたポップ色を強く打ち出した部分と共通する点も持っているが、これもまた素晴らしいニュー・イングランドの一面であると受け止めることができるし、ニュー・ウェーブの嵐であるミュージック・シーンに対抗する力を持っているという強い主張をしているともとれる。
    しかし、いくら素晴らしい曲・アレンジ・演奏ばかりのサード・アルバムでもアルバム自体の仕上がり度が良くなければ話にならない。仕上がり度を除いた部分はあまりにも最高なのだが、仕上がり度が最低であり、プロデューサーにトツド・ラングレンが迎えたのが裏目に出た。前記したとおり、トッド・ラングレンが自我の音楽志向が強く出されてしまったのとニュー・イングニンドというバンドをよく理解していなかった事が原因だった。各音源の音量バランスや音質調整がまずく、楽器のサウンドの仕上がり度を左右させるエフェクター調整や全体のバランス調整等もだめで所々ニュー・イングランドの命とも言うべき所をことごとく殺してしまった。結果的にシンプルな普通のポップス系アメリカン・ロック・バンドという感じに仕上がってしまった。これでは、素晴らしい曲・アレンジ・演奏等せっかくの良い出来栄えであるサード・アルバムのレコーディングがトッド・ラングレンによって台無しとなってしまった。自分たちのサウンドに合ったプロデューサーを選ばないと失敗する1つの例である。

    『ウォーキング・ワイルド』は発表当時全然話題にならず、日本でも発売権をとらなかったくらい悪評を食らった(現在では理解されている)。アルバム自体売れず、ライブ活動のスケジュールも組めない状態となり、エレクトラ・レコードはニュー・イングランドを不要のバンドと決めて契約を打ち切った。行き場を失ったニュー・イングランドのメンバーは話し合いの結果、解散を決意して4人は別々に新たなる道へ進んだ。
    トッド・ラングレンじゃないプロデューサーだったら絶対すごい仕上がりだったに違いないし、解散に追い込まれずに済んだかもしれない。
    ニュー・イングランドのアルバムに聴こえなくてがっかりするかもしれないが、十分に聴く価値がある。ニュー・ウェーブのミュージック・シーンの嵐に対抗した素晴らしいニュー・イングランド節の曲・アレンジ・演奏だからだ。ここの部分を重点的に聴いてほしい。

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     2009/09/15

    ニュー・イングランドのライブ・アルバムが正式な形で発売される事となった。もちろんブートレッグではない良質の収録状態であるサウンドだ。しかし、今まで正式にライブ・レコーディングしたことがなく、ハーシュ・ガーデナー(ドラム兼バッキング・ヴォーカル)が行ったすべてのコンサートに対するチエック用としてミキサーからラジカセやカセット・デッキ等へライン録音してるくらいだった。もちろん、サウンド・チエック用なのでライブ・アルバムを出せるようなもので花内容ではないそうだ。ブートレッグもかなり出回っていたが、前記で記載したとおりブートレッグの音源ではない。じゃあ、どこからきた音源なのかというとニュー・イングランドのメンバーの地元ラジオ放送局からの音源らしい。ちゃんとしたエンジニア録音じゃなく、放送局で簡単な器機を使用した放送用の収録だった様だ。各楽器やヴォーカル等のバランスやミキシング調整はなされていないが放送用と収録されたものなので音質は良い。

    収録されたのは1980年のサンフランシスコでのコンサートで場所は不明である。完全収録されたものかどうかも不明ではあるし、放送用に編集したかも不明である、ただ1つ言えることは当時ラジオ放送した内容をそのままアルバムにしている事だ。1曲目〜10曲目がメイン・セット・リストで11〜12曲目がアンコールだそうだ。12曲中9曲がファースト・アルバムからで残り3曲がセカンド・アルバムからの曲だ。疑問に思うのは、ファースト・アルバムからの収録曲が多い事だ。ファースト・アルバムがあまりにも有名になったのでラジオ放送局で編集したのではなかろうか。もうひとつ疑問がある。10曲目の『エクスプローラー・スイート』になると大変不自然に突然ライブ雰囲気が変わり、おまけに音質が落ちるのだ。これはどこからかのトラックからもってきて割り込み収録したのだろう。ライブ・アルバムとして大変不自然な流れである。しかし、音質が他より落ちるが演奏自体はスケールが広くてドラマテイックであり大変素晴らしい内容のものであるから、その理由で収録したかったのではあるまいか。10曲目が終わると音質やライブ雰囲気が元に戻る。

    ファースト・アルバム『失われし魂』ではもろにスケールの広いサウンドでドラマテイックな演奏と曲・アレンジで感動を与えたが、当ライブはそのようなサウンドには聴こえない。たしかにスケールの広いサウンドでドラマテイックな演奏なのだが、何かが足りない気がするし所々シンプルさを感じる。アルバムで聴かせたブ厚いコーラスは聴くことができず、音程が狂ったシンプルなコーラスだ。だが、演奏はドラマテイックである。何かが足りないと思ったら、キーボード・サウンドだ。スタジオ・アルバムで聴かせたスケールの広いストリングス音とオーケストレイション・サウンドが演出されていない。主としてオルガン・サウンドであり、スケールさを出す時はメロトロンやシンセサイザーを使用しているが壮大さがない。特にメロトロンの音は生の音でありエフェクターはかけていない様だ。そのため独特のスケールの広いストリングス音を出していない。また、演奏自体のアンサンブルもまとまっていないところがあるし、各楽器が独立して聴こえてしまい、サウンドがシンプルに聴こえてしまう箇所もある。以上ではあるが、絶対放送局の収録上の問題であり、正規の収録だったら絶対にスタジオ・アルバムと変わらない壮大なステージを聴くことができたに違いない。
    しかし、全体的に見るとアルバムを再現させようと力いっぱいドラマテイックに演奏し、スケール感を出そうとしている。スタジオ・アルバムと雰囲気がおちるが、かれらの素晴らしいライブを体験することが出来よう。なかにはアレンジを変えてより一層ドラマテイックにスリリリングになっている曲もある。『ナッシング・トゥ・フイアー』と続く『ドント・エヴァー・ウォナ・ルーズ・ヤ』は正にそれであり、当ライブの最大の聴き所である。正規の録音ではないが、当時のニュー・イングランドのライブを知上でも聴く価値の高い貴重な音源だ。

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     2009/09/15

    この音源はブートレッグですが、数あるエイジアのブートレッグの中で最高の音源と評価されています。正式なライブ・レコーディングのライブ・アルバムと比べると若干落ちるような感じもしますが、それほど気にかかるほどではないと思います。大音量でフル・ステージを堪能してください。

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     2009/09/15

    5公演を収録したBOXセット。1公演につき2CDになっております。しかし、収録音源はブートレッグです。昔のブートレッグよりは音質やサウンドバランス状態が良いが、あくまでもブートレッグ。目を閉じて聴けません。
    熱心なファンかマニア向きですね。ちゃんとしたライブ・アルバムで聴きなれている方は購入しないほうが良いと思います。

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     2009/08/21

    当ライブは2006年7月15日に行われた第40回モントルー・ジャズ・フェスティバルのヘッドライナーとして出演した時のものである。その時のディープ・パープルはそのトリにふさわしい堂々たるステージを見せたということだ。このパフォーマンスはDVD版で既に発売されていた。しかし、なぜか『パーフェクト・ストレンジャーズ』がカットされていた。その後、CD盤が外国で発売され、内容は12曲収録した1枚物のダイジェスト盤だった。 そして、日本でもCD盤が発売される事となり、当日のステージを2枚のCDにフル収録されて発売された。フル収録といってもセット・リストを全17曲収録するため、曲と曲の間のMCが一部カットされているということだが、カットしているように聴こえず自然にステージの進行が流れていく。 演奏は実にうまい。長年やってきたキャリアにより実に脂ののった演奏をしている。この演奏陣のパフォーマンスの練度はむしろ1970年代の演奏をしのぐクォリティに仕上がっていると言っていい。スィーヴ・モースはテクニカルなプレイを身上としつつも決してテクニック一辺倒に終わらない幅広い音楽性を演奏するスタイルでやっている。イアン・ペイスのドラミングは往年と変わらない確実でキレとスウィング感をもってドラミングをしている。ロジャー・グローバーのベースもいつもと変わらぬスタイルであり、演奏する曲の雰囲気に合わせながらいろいろな奏法でバンドの肉付けをしている。ドン・エイリーはジョン・ロードの後継者として加入したメンバーだが、ジョン・ロードがいたディープ・パープルを強調させた演奏をして決して自我を出さない。ここぞという場面ではドン・エイリーの武器である驚異的なプレイが光る。イアン・ギランのヴォーカル自体はさすがに高年齢のためか往年の鋭さが感じられなくなっているが、多くのライブをこなしているからこそ当ライブでは歌いこなせる独特の技が光る歌唱している。以上5人の当ライブでの印象だが、いつもと変わらぬスタイルにいっそう磨きをかけた熟練の演奏である。余裕でやっている印象もあるが、ディープ・パープルだからこそ当たり前の事なのだと思う。 普通30年以上もバンドをやっていると、どこかに経年劣化してしまう部分が出てくる。すなわち、高くなった年齢には身体的に勝てないということだ。演奏能力やテクニックや歌唱の低下及びパワーの低下などいろいろである。しかし、ディープ・パープルは違う。イアンの歌唱低下は前記で記載した部分にあてはまるのだが、彼は劣化の部分を独自の歌唱法でカバーして克服しているのだ。ギランを含め、高年齢のわりにはパワフルでかつ健康であり、ましてや演奏が劣化するどころか逆に年とともにレベルが上がっている。その事により全体的にはキャリアならではの重みと深みがしっかりと感じられるし、実に味わいのある演奏を聴かせてくれる。 サウンドは重圧でパワフルである。スィーヴ・モース色が強くなってきているが、これは当たり前である。リッチー・ブラックモアがいたディープ・パープルはリッチー色があまりにも強かった。しかし、スティーブはディープ・パープルというバンドのイメージを壊すような演奏はしていない。するわけがないのだ。スィーヴ・モース色が強くなってきていると記載したが、ディープ・パープルの持ち味をいかしつつ、スティーブの持ち味を加えたプレイをしているだけなのだ。 全体的に見て、どの曲もそれほど長く演奏していない。演奏パワーが落ちたわけではないので、演奏自体と曲自体を重要視しているためだと思われる。とにかくどの曲の演奏も素晴らしく、メンバー全員楽しんでいるようだ。アルバム自体の音質も良く、以前と変わらぬパワーを楽しめるライブである。年なと感じさせないパワーと熟練のディープ・パープルを是非とも皆に聴いてほしい。当アルバムは本当に素晴らしい演奏を聴かせてくれる。また、いかにも彼らは一生涯パーフェクトなバンドで突き進むであろうし、この先もファンをより一層楽しませ続けてほしい。尚、音質の良い当ライブ・アルバムだがSHM-CDで再発となった。ステージの臨場感が増し、素晴らしい演奏がより一層味わいながら良質の音質で聴くことが出来る。

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     2009/08/21

    ジョン・ロードが在籍していた第7期ディープ・パープルが出演した1996年7月9日と2000年7月22日に行われたモントルー・ジャズ・フェスティバルの各公演から抜粋・収録したDVDが発売された。このDVDは始めに1996年公演からの11曲が収録。その後に2000年公演から5曲を収録した構成だ。すなわち、2つのモントルー・ジャズ・フェスティバルに参加したディープ・パープルのライブを1つにまとめたダイジェスト版だ。

    実はこのDVDはディープ・パープルが正式に出したものではなく、マネージメント側とレコード会社が収入源目的で出したものなのだ。

    のち、CDでも発売されることとなったが1996年公演の方からは『カムケイズ:アイム・ノット・ユア・ラヴァー』、2000年公演の方は全曲カットされた。このCDは外国のみ発売された。

    その後、日本でもCD盤を出す事になった。1996年のライブの方は外国盤と同じくDVDから『カムケイズ:アイム・ノット・ユア・ラヴァー』の1曲がカットされたままだが、2000年のライブ5曲を全曲カットした代わりに同ライブから別な曲を2曲追加収録。そして、スタジオ・アルバム『ラプチャー・オブ・ザ・ディープ』の2枚組デラックス・バージョンの2枚目に収録されている2005年10月に行なわれたロンドンのハード・ロック・カフェ公演からの抜粋5曲から2曲をもってきて追加収録したが、このライブはジョン・ロードからドン・エイリーに交代した第8期ディープ・パープルのライブである。最終的に2枚組のライブ・アルバムとして日本のみの発売となった。

    この仕様をまとめると、DISC1の1〜10曲目は1996年のライブで11〜12曲目は2000年のライブ、DISC2は2005年のライブが2曲収録された形である。

    あと思う事はDISC2の収録が2曲のみなので容量がスカスカだという事だ。2曲とはいわず5曲全部収録してほしかったと思う。また、DISC1に2つのライブが入っているが、ちゃんと区切っている。1曲目から10曲目はMCでつながっているが、10曲目が終わるとフェード・アウトしている。

    全体的に見て演奏は抜群だし、迫力もあっていつもと変わらぬディープ・パープルである。スティーヴ・モースもますます磨きをかけ、ディープ・パープル・サウンドに貢献している。イアン・ペイスも確実なドラミングだしロジャー・グローバーはのりにのっているベース・プレイをしている。ジョン・ロードは相変わらず凄いテクニックで弾きまくり、サウンドの特色をフルにだしている。シアン・ギランも年のせいか声がでなくなってきているが、ブローしないようにパワフルにシャウトしている。とにかく3つの年代を聞き比べてみると、すべてが全然変わりがなく、ただ凄い演奏とパワーが年齢関係なく続いているという事に脱帽してしまう。まさに超人的なメンバーだ。

    フル・ステージで聴きたいものだが、そういったってどうしようもないけど当アルバムは過去に発表されていない音源なので買う価値があるであろう。抜粋盤はいやだと言う方は別であるが。私だって抜粋盤はいやだが、1996年の質の良いライブを聴くだけでも価値がある。めったに聴けない曲の1つとしてアルバム【ファイアボール】収録の『ファイアボール』や『誰も来ない』が聴ける。特に『誰も来ない』は何かが迫ってくるようなスリリングのある演奏をしている。また、アルバム【マシン・ヘッド】収録の『ピクチャーズ・オブ・ホーム』やシングル・カットされた『ネヴァー・ビフォア』のB面曲でありアルバム未収録の『ホエン・ブラインド・マン・クライズ』も普段聴けない曲だ。定番曲ももちろん入っており聴き所満載だ。演奏自体も安定しており、いつものパワーがあるため十二分に楽しめる。また、近年のディープ・パープルの現役感あふれるプレイも堪能できる1作として是非とも皆に聴いてもらいたい。

    余談となるが、DISC2に収録されている第8期ディープ・パープルによる2曲のライブだが、ジョン・ロードと違和感のないドン・エイリーの演奏には脱帽だ。まるで、ジョン・ロードが在籍しているディープ・パープルの様だ。

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     2009/08/20

    スタジオ・アルバム1〜3枚目のディープ・パープルは幻想的で聴きやすいプログレ風な音楽であり、ジョン・ロードのクラシカル的な要素が強く出ており、ジョンのソロ・アルバムとも言える。この頃のリッチー・ブラックモアのギター・プレイと音はバンドとかみ合わない雰囲気があって協調性がない感じだ。すなわち、最初からハード・ロックをやりたくてウズウズしていたのではなかろうか。

    気持ちをとうとう爆発させたのか、リッチーがハードなロックをやりたいという意志をジョンに強く訴えた。その方向に進むためにはリッチーから見て力量不足と思われるヴォーカルのロッド・エヴァンスとベースのニッキー・シェンパーをクビにして新しいメンバーを入れようということも強く説得してきた。ジョンは十分考えた結果、リッチーの意見を取り上げる事とし、ジョンは言いたくなかったけどリーダーという立場上仕方なく2人にクビを言い渡した。それで最もふさわしいと思われるヴォーカルのイアン・ギランとベース・ギターのロジャー・グローバーを加入させた。

    当アルバムはリッチーが追求した大迫力で激しいハード・ロックを実現させたものだ。また、ディープ・パープルが激しいハード・ロック・バンドという道へ音楽性の方向転換したものでもある。
    当アルバムの内容は第1期ディープ・パープルの頃とは全然違う。リッチーのプレイは凄まじい勢いでワイルドに弾きまくっている。ロジャー・グローバーもリッチーに食らい付くように超人的なプレイをし、重圧で唸るようなサウンドだ。イアン・ペイスも全身パワー全開で確実な迫力あるドラミングをしている。ジョンも過去のアルバムで聴かれない弾き方をしており、完全にハード・ロックという迫力のバッキングやソロのプレイをしている。イアン・ギランの歌唱はもの凄く、ハードなサウンドに負ける事無く見事に歌いこなしている。ぜったいブローせず広い声域でパワフルにシャウトしている。
    アルバム全曲ハードなものばかり。ただパワフルにしたものではなく、楽曲をよく練ってヘヴィな演奏に合うメロディ・ラインとなっている。すなわち、各メンバーの演奏を生かし、いかにカッコ良くメロディを演出するかという事をよく考えて製作されたものだ。
    収録曲を抜粋して軽く説明しよう。
    1曲目の『スピード・キング』からすさまじい迫力とスピードでこのアルバムは始まる。各メンバーの演奏はとにかく凄い迫力だ。特にリッチーのギターはあまりにもワイルドである。それに負けずとイアン・ギランの連続シャウト・ヴォーカルも凄い。『チャイルド・イン・タイム』は説明いらないほどの名曲だ。ギター・ソロに入る前のイアン・ギランの声域の広いハイ・トーンによるハーモニー・ヴォーカルが素晴らしい。ギター・ソロのメロディ等全体的に当アルバムのテイクが良いと思う。ライブでのギター・ソロのメロディーは演奏するたびにかなりちがっているが、この部分はアドリブの箇所だというから仕方がない。

    『フライト・オブ・ザ・ラット』でもリッチーのギターがハード・プレイを続けているスピードあふれるかっこいいハードロックとなっており、全体的にスリリングな曲だ。『ハード・ラヴィン・マン』はパワー全開曲だ。スピード感があり大迫力で、メロディーや演奏が大変良い。また、スリリングでダイナミックな展開の構成であり、特にリッチーのバッキング時がカッコイイ演奏とメロディだ。また、2つのソロ部分が凄い。1回目はジョンで耳が刺激するほどの狂気化した音と演奏だ。2回目のソロはリッチーで、ジョンに負けないくらい狂気な音と演奏をしている。エンディングは激しいバンド演奏がつづき、そんな中リッチーは狂気化ギター・ソロをしている。バンドの演奏が終わってもリッチーは狂気化プレイをしばらく続けて終わる。たぶん、狂気のギタリストと呼ばれ始めたのはこの『ハード・ラヴィン・マン』からではあるまいか。これぞディープ・パープルの真の力と思わせる曲だ。

    当アルバムはハード・ロック・バンドとしてのディープ・パープルを本当の姿で聴く事のできるスタジオ・アルバムだし、最高の演奏と曲を聴くことができる。発表した時代にこんなアルバムが出現したのは驚異的だ。

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     2009/08/19

    アメリカ進出にはゲイリー・バーデンだけでは役不足のため、マネージメントの方でデレク・セント・ホルムズというヴォーカル兼サイド・ギターをMSGへ加入させて6人編成となった。スタジオ・アルバム『限りなき戦い』はアメリカ向けにマスター・テープを補正させ、マイケル・シェンカーのギターの音や全体的なサウンドが丸みの帯びた仕上がりになってしまったが、アメリカでは大ヒットした。しかし、マイケルは激怒したという。
    6人編成のMSGが1983年10月22日と23日に行ったロンドンのハマースミス・オデオン公演をノー・カットで収録し、セット・リスト順に基づいて1枚のLPに収まるように数曲カットして収録したのが『ロック・ウィル・ネバー・ダイ』である。のちCD化となった。
    演奏はかなりまとまっており、サウンドも重圧だ。メンバー全員のりにのっている感じであり、そのためなのか演奏する曲すべてがスタジオ・アルバムの感じよりカッコよく聴こえる。大幅なアレンジをしているわけではないのだが、メンバーの意気込みのために実に良く聴こえるのだ。曲によっては部分的にアレンジしているのもあるが、それがまた曲を素晴らしくしている。たとえば『ロック・ウイル・ネヴァー・ダイ』とか『メイク・ユー・マイン』なんかは実にスリリングな展開で鳥肌が立ちそうだ。もちろん他の曲もそうだ。観客の雰囲気もいい。マイケルのプレイも絶好調であり、バッキング時もソロ時も抜群である。アメリカ仕様のサウンドにした『限りなき戦い』のサウンドと違い、ここで聴くMSGはいつもの迫力あるMSGサウンドである。それも脂がのりまくり、パワー・アップしたMSGの演奏だ。 『ワン・ナイト・アット・武道館』と比較にならないほど見事なステージである。ただ、残念な事にゲイリーの不調ヴォーカルが目立ってしまう。聴いた感じは声域がせまく、ハイ・トーンの声が出せなくてかすれたりブローしたりしている。せっかくの良い演奏とサウンドがだいなしと言いたいところだが、あがり症のためしょうがないか...。
    当ライブは6人編成なのに5人編成のライブに聴こえる。デレクのサイド・ギターの音が聴こえないのだ。ヘッドホンでボリュームをあげて聴くと微かに聴こえる。はっきりと聴こえる箇所がたまにあるが、全体的に聴こえない。調べてみた結果、あることがわかった。全英ツアー終了後にデレクはMSGを脱退した。その関係により『ロック・ウィル・ネバー・ダイ』を製作している段階でデレクのギターの音量を下げたらしい。そしていつもの5人編成のMSGでいつもの演奏とサウンドをファンに聴かせたいという思考があったという。

    収録曲のラスト『ドクター・ドクター』だが、なんとスコーピオンズのクラウス・マイネ(リード・ヴォーカル)とリドルフ・シェンカー(リード・ギターでありマイケルの兄)が飛び入り出演している。歌詞の1番をゲイリーが歌い、2番をクラウスが歌っている。実にクラウスの歌は上手い。曲の後半はどんどん盛り上がってゆき、ドラマティックにクライマックスを迎えてマイケルのギター・ソロで締めくくって曲が終わる。今までにないパターンというか聴いたことがない『ドクター・ドクター』の構成だ。非常に素晴らしいアレンジだ。

    この『ライブ・アット・ハマースミス・オデオン』が最新デジタル・リマスターによる新企画で発売されることになった。今まで9曲のみの収録だったが、当初カットされていた曲の内、6曲を当時のセット・リスト順の元の場所へ追加して全15曲収録された仕様となった。
    以前ライブ・ビデオで『ライブ・アット・ハマースミス・オデオン』というものがあったらしい。今回の再発盤はライブ・ビデオ版と同じ内容だという。収録曲から曲順やMCまでまったく同じらしい。
    追加になった6曲とは『クライ・フォー・ザ・ネーションズ』『ロック・ユー・トゥ・ザ・グラウンド』『飛翔コンチェルト』『レッド・スカイ』『ルッキング・フォー・ラヴ』『アーム・アンド・レディ』だ。しかし、気になるのはこの6曲に関してはデレクのサイド・ギターの音がはっきりと聴こえるのだ。他の9曲は以前と変わらずデレクのギターの音が小さいか聴こえない。不思議である。

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     2009/08/13

    スタジオ・アルバムを2枚発表後の1981年8月12日に行われた日本武道館公演をセット・リスト順に収録したものだ(当初はLP2枚組)。メンバーは、リード・ヴォーカルのゲイリー・バーデン、リード・ギターのマイケル・シェンカー、サイド・ギター兼キーボード兼バッキング・ヴォーカルのポール・レイモンド、ベース・ギターのクリス・グレン、ドラムのコージー・パウエルの5人で実に豪華な顔ぶれだ。メンバー全員一体となったのりにのったパワーのあるステージで演奏や曲自体のアレンジがスタジオ・アルバムよりも感じが良く、ドラマテイックでスケールもあってライブ自体全てが一段と素晴らしく、特にマイケルの突き刺すようなワイルド・サウンドによる自由自在に操るテクニカルでパワーのある絶好調のギター・ワークやコージーの全体にわたっての怒涛のごとくのパワー・ドラミングやドラム・ソロが凄かった。

    実は当アルバム製作中に、コージー側のマネージメントとレコード会社から連絡があり、コージーとソロ契約している以上、コージーのソロ・アルバムの中に入っているドラム・ソロをカットと言うことだ。あとドラム・ソロの前に演奏した『テイル・オブ・ミステリー』もカットしろという事だが不思議だ。

    1998年4月に発生したコージー・パウエルの交通事故死から3年後。2001年に『ワン・ナイト・アット・武道館』を製作しなおすことになった。マスター・テープをデジタル・リマスター処理し、当初カットされた『テイル・オブ・ミステリー』とコージー・パウエルのドラム・ソロをセット・リスト順の正しい位置へ挿入して2枚のCDに収録。完全盤という形で再発された。

    来日公演時のコージー・パウエルは体調が悪化した状態であり、日本武道館のドラム・ソロの出来栄えは不調だった。不調と言っても、そこらへんのバンドはコージーのかんばしくないドラミングの足元にも及ばない。なぜかというと、全体にわたっての怒涛のごとくのパワー・ドラミングやドラム・ソロが凄く、とても体調悪化を思わせない脅威のプレイだったからだ。当時の来日公演は3回だったが、その中で大阪公演(夜の部)のドラム・ソロが一番内容が良かったので、その日の『テイル・オブ・ミステリー』とコージー・パウエルのドラム・ソロを収録することになった。元のアルバムの内容に追加する方法を取るわけだから不自然なつなぎ合わせにならないように十分注意してつないだ。

    完全盤となった当アルバムは実に素晴らしい。マイケル・シェンカーのギター・プレイはソロ時もバッキング時も絶好調であり、のりにのっている最高の凄いプレイだ。マイケル・シェンカーとポール・レイモンドのギター・コンビネーションも抜群にいい。やはりUFOで一緒にやってきた関係上であろう。コージー・パウエルだって体調が悪いのを思わせないほど超人的なドラミングでバンド全体を盛り上げている。クリス・グレンも負けずにテクニカルなプレイでマイケルのプレイに食らいつくだけじゃなく、全体のサウンドを強力に厚みをかけている。あがり症のゲイリー・バーデンだって不安定なヴォーカルだが会場の雰囲気と観客を盛り上げながらがんばって歌唱している。この凄い5人の演奏に対するアンサンブルがとても素晴らしく、スケールの広いダイナミックなスリリング感のある迫力演奏である。ただ迫力があるわけではなく、じっくりとバンド全体の演奏と曲を聞かせてくれる。そのため、ライブ自体最高の演出をしているのがよくわかり、最高に良い時期だった事を物語っている。これは2枚目の『神話』からの曲の演奏である。1枚目の『神』ではスピード感あふれるマイケルのギターの真髄をフルに出したものだったが、2枚目の『神話』では勢いが薄れ、プログレ的でスロー・テンポの曲が多かった。しかし、このライブでは『神話』の曲をイメージを変えてドラマテイックだったりスリリングだったりで大変素晴らしく演奏しており、スタジオ・アルバム収録曲と別物みたいに最高の出来栄えを見せている。1枚目の『神』からの曲の演奏と違和感がまったくない。いかにバンドのメンバー全員のセンスが絶好調だったかだ。マイケル自身も”お気に入りの1枚”と言っているらしい。

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     2009/08/13

    当ライブが収録された公演は全米公演の終盤である1989年9月9日に行われたカリフォルニアはマウンテンヴューにある大型の野外アリーナー会場『ジョアライン・アンフィシアター』公演の模様をノー・カット収録したDVDの2枚組CD版だ。
    屋内会場と違い、屋外コンサートの場合は音響設備の設置場所や調整が非常に大変で、バランスのとれた良いサウンドを聴衆に聴かせるのはきわめてむずかしい。ましてや、上記に記載した大型野外シアターの『ジョアライン・アンフィシアター』である。そういう場所で収録した当ライブはヴォーカルや各楽器の演奏がバランスよく聴こえ、スケール感があるサウンドで収録されている事には驚かせる。大変しっかりしたサウンドで、よほど技術力のあるエンジニアによるものと思われる。

    セット・リスト曲は『閃光』の収録曲とイエスの曲の両方をやっており、どっちかと言うとイエスの曲が多く、イエスの曲でも全盛期の頃の曲ばかりだ。これは”イエス”という名を名乗ることに対する訴訟まで起こし、クリス・スクワイア率いるイエスに敗訴したジョン・アンダーソンの意地であり”我々こそが真のイエスだ”という事を主張しているわけらしい。その意地に対しての当コンサートに対する演奏は完璧である。クリス・スクワイア率いるイエスと全く比べ物にならない。オリジナル・メンバー4名の他にレギュラー的サポート・メンバー3名を加えた計7名の当コンサートは大変素晴らしく、演奏及びアンサンブルが良すぎると言っていいほどだ。スタジオ・アルバム『閃光』の曲は、まったく違和感なく完全再現されており、それだけじゃなく雰囲気まで同じでありながらスケール感とドラマテイック感がある。イエスの曲は多少はアレンジしている部分があるが原曲のイメージを殺さないで完璧に近い形で再現しており、『閃光』の曲を演奏している時と同様にスケール感とドラマテイック感がある。『危機』の完璧さやスケール感及び迫力には圧倒させられるし、『燃える朝焼け』のスリリングさも凄い。イエスの傑作アルバム『イエスソングス』で聴くライブとはまるで違う。とにかく、イエスの曲に関しては、今までライブでやってきた時の頃と比べ物にならないほど素晴らしい演奏だ。迫力・アレンジ・演奏技術・各メンバーとのアンサンブル調和等どれをとっても良い。これじゃ、以前のイエスのスタジオ・アルバムやライブ・アルバムなんて二度と聴けないくらいだ。

    ABWHを結成するにあたり、かなりの時間をかけて厳選したレギュラー的サポート・メンバー3名(スタジオ・アルバムだけではなく、ライブにも同行する)、ミルトン・マクドナルド(リード兼サイド・ギター)とジュリアン・コルベック(キーボード)、トニー・レヴィン(ベス・ギター)だが、当コンサートを聴いていかに素晴らしいミュージシャンかわかったであろう。ありきたりのミュージシャンだったら当コンサートは全体的に完璧な演奏をできなかったはずだ。
    しかし、トニー・レヴィン(ベス・ギター)についてだが、ツアー前から体調不良のため、不調が悪化したときの為に実力派のジェフ・バーリン(ベース・ギター)を同行させた。案の定、トニーの不調が悪化してジェフが替わりにベース・ギターを担当した。当ステージでもジェフが替わりにベース・ギターを担当している。

    発売当初はタイトルが『イエス・ミュージックの夜』の2枚組CDだった。しかし、3曲がCD収録時間の都合上によりカットされたのが残念だった。のち、ステージ全体を収録したマスター・テープを最新技術によってマスタリングし、前回カットされた3曲の内『アイヴ・グッド・ピープル』と『スターシップ・トゥルーパー』の2曲が収録となり、最新リマスターを生かすためにSHM-CDにしてダブル紙ジャケットとして再び再発したものだ。音質が全然違うし臨場感や迫力があるライブ・アルバムがもっと強調されている。

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     2009/08/11

    リード・ヴォーカルのデビット・カヴァアーデイルとベース・ギターのグレン・ヒューズが加入した第3期ディープ・パープル最初のライブが1974年5月22日ロンドンのキルバート公演にて行われた。この模様をBBC放送局がFMラジオ番組『IN CONCERT』用として完全収録したマスター・テープからのものある。 当初はLP1枚物で、完全収録する予定だったがLP片面に対する収録時間制限の都合上により『スペース・トラッキン』はカットされ、MCも数箇所カットされた。のち、CD化で何回も再発されたが内容はLPの時とまったく同じであったが、デジタル・リマスターされたCD2枚組のものが再発された。DISC1に今までと同じ内容が収録され、DISC2にはカットされていた『スペース・トラッキング』のみが収録。だが『スペース・トラッキン』の音質等は実に不安定であり、MCがカットされていた部分は復元されていなかった。 その後、最新のデジタル・リマスター機器を導入して2枚組の完全盤が発売された。カットされたMCが完全復元されており、録音状態の不安定だった『スペース・トラッキン』がバランスの良い状態になっている。これで当日のステージを良質の状態で完全に聴けることになった。この完全盤は外国盤のみの発売である。ここで紹介しているアイテムは外国盤のみ発売したものの1つである。他のレコード会社で違うジャケットで発売しているものも数多く出ているので勘違いして重複購入しないよう注意が必要だ。この完全盤が日本で販売しなかった理由は、完全盤を製作中に原音を忠実に再現する最新高技術機器であるK2HDシステムが出現したためで、上記の機器で復元させた新マスター・テープをK2HDシステムで再処理して製作。これを日本限定で発売するためであった。 当ライブ・アルバムの内容は実に良い。演奏・ヴォーカルとともに充実しており、スタジオ盤『紫の炎』よりも曲の感じが数段上であり、ミキシング状態も良くてバランスのとれた迫力満点のサウンドだ。曲のアレンジも原曲をパワーアップさせて長めの演奏となっている。そのため、二度とスタジオ・アルバム『紫の炎』を聴きたくなくなるほどだ。デビット・カヴァーデイルも加入したばかりなのか、大変落ち着いて綺麗に歌っている。気のせいか第2期の頃よりもリッチー・ブラックモアのギター・プレイや音色が凄まじい。グレン・ヒューズのうねる重低音ベースも心地よく、パンチがあってのりの良い演奏をしている。このベース・プレイのためなのかリッチー・ブラックモアのギター・プレイがやたらとカッコ良く聴こえる。もちろん、ジョン・ロードのキーボードは定番のテクニカルなプレイではあるが、以前よりも一味違ったスタイルをみせているけどかなり効果的であり、バンドに厚みと迫力を加えている。イアン・ペイスは相変わらずパワフルで正確なドラミングをしている。とにかく5人全員の演奏とヴォーカルはバランスの良いアンサンブルであり、ダイナミックで重圧なサウンドなので全てが大迫力だ。第3期ディープ・パープルの真のパワーはライブで100%発揮されると言われているが、アルバムを聴くと正にそう思う。スタジオ・アルバムでは味わえないパワーと実にカッコイイ演奏・アレンジ及びサウンドだ。 『ハイウェイ・スター』がカットされているが、この曲はメイン・セット・リスト曲ではなく、アンコール曲として演奏された。もちろんマスター・テープにも収録されている。アルバムに収録されなかった理由だが、『ハイウェイ・スター』は第3期からアンコール曲兼ギター・クラッシュ用としており、当コンサートでもギター・クラッシュが行われた。『カルフォルニア・ジャム』では『スペース・トラッキン』の演奏途中でギター・クラッシュが行われ、CD版では雑音にしか聴こえない。当ライブでも曲の途中からギター・クラッシュをしたため雑音の嵐だったので収録しなかったという。『カルフォルニア・ジャム』CD版の関係上、収録するか外して正解だったかは賛否にわかれる。 余談だか、MCのなかでジョン・ロードによるメンバー紹介があるが、この雰囲気が実にいい。メンバー紹介が収録されているのは当アルバムだけだ。

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     2009/08/11

    当ライブ・アルバムは1987年に行われたワールド・ツアーでの各公演を収録したトラックから抜粋して収録したもので、1つのステージとして仕上がっているのではなく、あくまでもワールド・ツアーの抜粋版としての構成となっている。そのため、1曲ごとに曲が始まる前はフェード・インして曲が終わるとフェード・アウトとなっている。

    アルバムに収録されている全ての曲に対するテイクや演奏が抜群に良く、第2期の頃みたいに極端に長い曲はなく、楽曲自体を大切にしているようだ。そのためバンド全体のアンサンブルやアレンジが見事に楽曲に対してうまく調和されている。また、以前は緊迫した雰囲気だったのだか、ここで聴くライブでは楽しく演奏しているのが伝わってくるし、気のせいか観客の歓声も凄くなっている。

    アルバム全体を聴いてみると、再結成前のライブ・サウンドと違う事に気が付く。大変クリアーな聴きやすさであり粗さがないハード・ロック演奏だという事だ。だからといってディープ・パープル特有のパワーが落ちたわけではない。ただスタイルが少し変わっただけなのだ。第2期では原曲をアレンジしすぎたばかりじゃなくソロばかり長く演奏していたが、再結成のライブは原曲を余り崩さずにスタジオ・アルバムの感じ以上にじっくりと良く聴かせ、観客と一体となった楽しいステージをしているのである。これはディープ・パープルならではの業であろう。とにかく、各公演から収録されているトラックはメンバー全員変わりのないベストな演奏とヴォーカルで大変良くてのりまくりのステージばかりだ。
    聴くたびに、このワールド・ツアーから1ステージ収録した複数の公演のライブ・アルバムを出してほしかった思いがこみ上げてくる。

    収録曲のなかにはミスったりおかしくやったりやってる曲も収録され、その他お遊び演奏を入れたり等非常におもしろい箇所があったりする曲も収録されている。しかし、充分にご愛嬌ととれ楽しめる。この感じのトラックが結構収録されているが、逆に貫禄というか余裕というか凄さを感じてしまう。また、おもしろいことに、1つの曲に対して2ヶ所の公演のテイクをつなげて編集し、1つのトラックとしているのが2曲ある。これがまたすばらしく、つなげたという感じがしない。かえって、それをやることに対して曲が素晴らしく仕上がっていることだ。『チャイルド・イン・タイム』『ブラック・ナイト』がそれである。 また、普通はベスト・テイクを収録する場合、最高の出来栄えだったのを選んで収録するものだが『ノーバディーズ・パーフェクト』ではそうゆう固定観念を無視しているようだ。出来栄えの良い悪いを関係せず、ミスなどをした演奏をおかまいなしに加工せずそのまま収録し、とにかく良かった演奏・気持ちよかった演奏・楽しかった演奏等を選んでいる感じがする。

    アルバム・タイトル『ノーバディーズ・パーフェクト』、このタイトルは上記の意味で付けたのではなかろうか。すなわち”完璧な奴はいない”という意味ということで。

    ライブ収録じゃないのが1曲収録されている。ライブ・アルバム『ノーバディーズ・パーフェクト』のラストに収録している『ハッシュ』だ。もともとディープ・パープルのファースト・アルバムに収録されたもので、シングル・カットしてヒットしたものだ。ライブ・アルバム『ノーバディーズ・パーフェクト』を製作するにあたり、以前から気に入っていたこの曲を取り上げてアルバムのラストへ収録する事にした。恐ろしい事にリハーサルなしでのスタジオ一発録りしたものだという。余裕というか何というか、彼らの凄さが非常にわかる。曲の仕上がりも大変良い。

    当初は3種類のアイテムで発売され、『デッド・オア・アライブ』『バッド・アティイュード』『スペース・トラッキン』がアイテムによって収録・未収録だった。

    そのあとCD盤はデジタル・リマスターされて再発されたが上記の3曲は残念ながら収録されなかった。しばらくして上記の3曲が収録された完全版として2枚組仕様で再発された。この再発盤によりライブ・アルバム『ノーバディーズ・パーフェクト』の全容を聴くことができるようになった。

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