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タケセン さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/10/20

    常識はずれの異常に遅いテンポに面食らう。
    10数回聞いたが、聞くほどによくなる。
    克明でしかも重くないピアノと、それと同じくらい端正なエッシェンバッハの指揮にとても癒される。
    ブラームスの協奏曲として妥当な演奏ではないが、実に満足感が大きい。
    ソロも遅いが、だんだんと深く説得されてしまう。
    不思議な音楽体験で、気分がよい。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/10/10

    偶然、ジャケットデザインに惹かれて購入した輸入盤が、レイボヴィッツの指揮したサティの「ソクラテス」。その生々しい実在感のある美に触れて呆然自失。半世紀近くのクラシックファンのわたしですが、まったく知らない人でしたので、慌てて調べたら、ベートーヴェンの交響曲全集が出ているのを知り、それを購入、続けてこの13枚組(ベートーヴェンはだぶる)を買いました。
    ただただ感動で、口あんぐり状態です。第九は4回聴きました。交響曲の5番から第九まで通して聴いても感動感激が持続し、倍加されます。音がフレーズが音楽がいま作曲されたばかりという感じで、生きているのです。わずか61分の第九など鳥肌が立ちっぱなしです。1番2番も大変な名演ですし、エロイカも4番もみな快適快調で新鮮この上なし。シューベルトの9番もあっという間に終わってしまう。春の祭典は、昨年話題となった原点回帰のロトを半世紀近く前に実現させていたレイホヴィッツの先駆性に言葉もない。しかもフルオケの迫力のまま。
    とにかく、超モダン性と音楽の生気がみなぎるさまは、クラシックのダルさを微塵も感じさせない名演集。
    これが半世紀以上前の録音とは恐れ入ります。録音も超低域こそないが、まるで最新録音のよう。
    CD聴いてこんなに驚いた経験は初めて。レイボヴィッツは、作曲者=創造者の目と精神で楽曲を再現しています。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/09/21

    いよいよ来週からイブラギモヴァ週間が始まる!わくわくドキドキだ。

    それに先立ち、HMVで先行予約しておいたバッハのヴァイオリン協奏曲集が届いた。

    一昨日から繰り返し聴いている、いま、4回目の途中。

    とても気分がよくなる新しいバッハだ。

    自由で、豊かで、濃やかで、伸びやかで、パワフルで、若さの美質が満開!!

    今を生きる「私」の主観の全的肯定によるみずみずしいバッハだが、余分な思い入れ、主観への閉じこもりはまったくなく、晴れやかで癖っぽさは皆無。

    艶やかな美しさに惚れ惚れするヴァイオリンの音色。

    この演奏を好きにならない人は誰もいないだろう。個性的にして普遍的。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/06/12

    以下は、わたしのblog「思索の日記」からです。
    ルドルフ・ケンペの音楽は、十分にエネルギッシュだが、激するというところがない。
    強奏しても美しさを失わない。
    グラマラスではなく、筋肉質であり、響きは引き締まり適度な緊張感をもつ。
    落ち着きと悦びが一つで、健全な精神を現わす。
    内側から内発的に湧き出てくる音楽で、外面的効果を狙うのとは対照的。機械的なものや競争主義とはまったく無縁。愛とよろこびと自然。
    言葉の最良の意味でクラシック。

    生前は大変な人気だったが、現代の刺激に満ちた社会では少し忘れられがち。

    慢性肝炎悪化のため、1976年5月にわずか65才11か月で亡くなってしまったが、彼の晩年の録音を集めた10枚組のボックスが出た。名演と讃えられた有名な録音だが、入手が難しかった。

    グルダとのモーツァルトピアノ協奏曲もある。白鳥の歌の27番で大変な名演だ。
    ラストレコーディングの一枚となったブルックナー4番と5番は、鬼気迫るような力に圧倒される。8番も同曲屈指の名演で、ピュアなエネルギーに溢れた名演。痺れ、震える。
    得意のドボルザーク8番9番は、もうこれ以上はないほどの感動。新世界は別テイクの60年代のものもある。
    代表作のブラームス交響曲全集も。

    とにかく一等賞、一番、とか、突き詰めて精緻の限り、とか、現代のどこかヒステリックな精神とは無縁。ほんとうの強さ=自然性をもつ健康な音楽だ。

    そう言えば、彼は、英国女王にもタクシードライバーにも態度を変えないナイスガイとしても有名で、その点は、巨人クレンペラーと同じ。クレンペラーも二階のボックス席(特別席)に娼婦たちを招待し、新聞等で非難轟々!で、彼は「なに?どこが問題なのか?同じ人間だ!」とやり返し、平然。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/09/16

    マゼール追悼の30枚組CDボックスセット、残すはシベリウスの交響曲の半分他で、ほぼ聞き終えました。

     チャイコフスキー4〜6番と管弦各曲、 序曲1912年は、二通りの演奏で、一枚は合唱付き、艶やかで響きは見事にコントロールされ充実、実に美しい。クリーブランド響の合奏力は唖然とする上手さで、完璧。ただし、オーケストラトレーナーだったセルのような冷たさは皆無。

     ホルストの惑星は、曲が高級になったように聞こえる、素晴らしい分解能の録音と相まって圧倒される。フランス国立響の見事なアンサンブルとパリッと粋な音色で、曲も都会的に。実に面白い。おまけのボレロも、ウィーンフィルとの演奏とは大きく違い、スッキリ透明で気持ちのよい演奏。

     ラヴェルの管弦楽曲を集めたウィーンフィルとの演奏は、粘りがありユニークで面白く、楽しい。最後のボレロは、途中で大きくテンポを揺らし、意表をつく。大きく異なる二通りのボレロに、思わずニンマリ。全曲が名演。ラヴェルの精緻な楽譜を余裕シャクシャクっで楽しんでいるマゼールの姿が見える。 ドビュッシーはこれから。

     すべてに言えるのは、音響は、まるでクリスタルガラスのような輝きと透明さで、逡巡とは無縁、隅々までマゼールの意思が貫かれ、余裕のある堂々とした音楽。エネルギッシュでパワフル。色艶のある魅力たっぷりな名演揃い。なので、シュトラウスの数枚が最高なのは聴く前から保証されたようなもの、期待を裏切らない愉しい演奏で、同時に楽譜が見えるように明晰、呆れるほどに。

     現代に近くなるとマゼールの棒が冴え、通好みのようなストラヴィンスキーの二枚(三大バレエ以外)の楽しさは無類。いや〜、マゼールってほんとに天才。


     ところが、ここから信じられないことになります。

    ベートーヴェンの交響曲全曲が、なんとも形容しがたいほどにダメなのです。縦割りでソッケナク曲が進み、情緒はすべて切り捨て、どの曲も最後まで聴くのはかなり疲れ、苛立つほど。 車に積んで聞いてもみましたが、事故を起こしそう(笑)。ベートーヴェンの大きさ・広がり・豊かさが消え、ただ強引なキツサばかりで、同じ人間の指揮とは信じがたい。

    思うに、マゼールは、ベートーヴlェンのイデー(思想=楽想)に全く共感していないのでしょう。誰よりも強く、大きく、広がりゆく音楽をもたらしているベートーヴェン独自の「和声」を、マゼールの天才は拒否しているように思えます。


    これほどの落差、他の艶やかで余裕のある名演と、苛立つような全く面白味のないベートーヴェンの交響曲。天才マゼールが、ベルリンフィルの常任になれなかったわけが、深くナットクできます。

    うむ。  でも、か、だからか、愛すべきマゼールではあります。


    追記

    おそらく、マゼールにとって、ベートーヴェンの精神ないし思想を追体験しようという発想はないのでしょう。
    手元に、80年にウィーンフィルと来日したときの名古屋での5番がありますが、テンポも表情もまるで異なります。クリーブランドとの演奏も時期はあまり変わらいので、不思議です。
    どうとでも演奏できてしまうマゼールにとって、哲学的理念=精神性を要求してくるベートーヴェンの楽想は扱いにくいのでしょう。この全集は、一言でいうと、『バロック音楽化したベートーヴェン』です。 たぶん、実演では名演もあるでしょうが、それは、特定の状況が彼の通常の意識を超えてミューズの神に支配されたときのものと思います。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/07/01

    この演奏は、20年ほど前に新星堂から出ていた廉価版(輸入CD)で聴き、衝撃を受けたもの。
    4楽章の悠然としてかつ緊張感の強い解釈には、全身に鳥肌が立ちました。
    人類の悲劇や人間の悲哀を真正面から見据えるかのような張りつめた空気は、曲のイメージを一変させてしまいます。
    わたしは、この演奏に震えるほどの感銘を受け、幾人かの音楽家の方にも聴いてもらいましたが(自宅の大型の装置で)、みな、一様に言葉を失いました。
    しかし、このCDは売り切れで人に勧めるにも購入できずにいたところ、此度、HMVで輸入版を見つけ、一枚購入しました。音質は新星堂のものより優れていて魅力を増しています。
    真に優れた芸術のみがもたらすカタルシス。痺れます。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/06/23

    新鮮、シャープ、快感を呼ぶ演奏で、一日で三回も聴いてしまいました。春の祭典を連続で何度もというのは、始めての経験です。春の祭典には、いろいろなアプローチにより優れた演奏が多数あります。それぞれに独自のよさがあり、どれか一つと言いうわけにはいきませんが、この初心に戻ったロトの演奏は、実に刺激的で面白く、とてもお勧めです。二曲目の「ペトルーシュカ」も初演時の1911年版によりますが、明るく透明な音で、冴えたリズムと、楽しさに溢れる素晴らしい演奏です。ストラヴィンスキーは改定などする必要はなかったのです。初版が一番刺激的で面白い!

     なお、ロトのつくる生き生きとした新鮮な音楽を聴いていて、イギリスのガーディナー指揮による時代楽器を用いたベートーヴェン(交響曲全集と合唱幻想曲)の快演を思いましたが、解説を読むと、彼は、ガーディナーのアシスタントを務めていたとのこと! 似ているわけですが、ガーディナーは、革新的ですが、やはりイギリス人、コモンセンスを感じさせます。ロトは、より明晰性が強い、evidence!

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/05/25

    最初のレビューである村井翔さんの解説・批評は素晴らしいもので、感服しました。
    わたしは、この曲の最初の録音(コリン・デイヴィス指揮 コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団1969年・日本盤発売は71年)のLP5枚組を学生の時に購入して以来、40年以上の間、愛聴してきました。
    「トロイアの人々」は、想像力の権化のような天才ベルリオーズの晩年の傑作ですが、あまりにも見事な(高貴な)音楽がオペラの形式を超えているようで、なかなか演奏されませんでした。
    CD時代になってからも新盤は出ず、同じ演奏の輸入盤を購入しました。後に、ようやくデュトワ、そしてレヴァイン(はじめての映像)の新盤がでましたが、デイヴィスの知と情がバランスした熱くかつ「古典的」な演奏には及ばず期待外れでした。
    Blu-rayは、平板な新演出(パドリッサ)にガッカリでしたが、この新盤は演出演奏共に素晴らしく、はじめての日本語字幕付です。最初の全曲録音から43年、ようやく「トロイの人々」が市民権を得た、との思いで感無量です。なお、わたしは、ガーディナーのもの(日本語字幕はない)は、未視聴です。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/03/31

    いや〜、実に面白いマーラーです。
    80才を超えたかつての神童=マゼールのパワフルで若々しく粘りのある演奏に脱帽!天才の演奏ですが、努力の人でもあるのは、かつてのウィーンフィルとの録音とはケタた違いの説得力が証明するところ。
    大胆不敵、柔軟で自由、聴いていてウキウキしてしまいます。
    「大家」にならず、growing young の見本のようなマゼールに拍手喝さい!来日演奏が楽しみです。
    ライブですが、録音も優秀。バランスがよく聴きやすい。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/09

    ケンペの「5番(運命)と6番(田園)」を通して聴くことで分かるベートーベンの精神。

    以下は、わたしのブログー『思索の日記』です。2012-11-09

    EUからの輸入盤では、ケンペのベートーベンの交響曲は5番(運命)と6番(田園)が一枚のCDになっています。
    LP時代はもちろんのこと(田園は40分かかるのでLP片面には入らない)、CD時代になってからもこの二曲を一枚のCDにすることはなく(全くゼロかどうかは分からない)、従って、二曲を続けて聴く機会はありませんでした。

    以前にお勧めしたケンペのボックスセットでも、一枚ものとして出ているCD(共にEUからの輸入盤)も、この二曲がセットですが、ケンペの演奏ほど内声部が細やかに聴き取れ内から自然に湧き上がる演奏は他にありません(クレンペラーの演奏もそうですが、彼の演奏は巨人族のものでケンペは等身大)。実に清く音楽的にふくよかですので、5番の後に6番をそのまま聴いてしまいます。こういう体験は今までありません(できません)でした。

    そうして幾度も聴いて(流して)いて、あっ、と気づきました。ベート―ベンは、『ハイリゲンシュタットの遺書』
    (・・・・人との社交の愉しみを受け入れる感受性を持ち、物事に熱しやすく、感激しやすい性質をもって生まれついているにもかかわらず私は若いうちから人々を避け、自分ひとりで孤独のうちに生活を送らざるをえなくなったのだ。耳が聞こえない悲しみを2倍にも味わわされながら自分が入っていきたい世界から押し戻されることがどんなに辛いものであったろうか。しかも私には人々に向かって「どうかもっと大きな声で話して下さい。私は耳が聞こえないのですから叫ぶようにしゃべってください」と頼むことはどうしてもできなかったのだ。音楽家の私にとっては他の人々よりもより一層完全でなければならない感覚であり、かっては私がこのうえない完全さをもっていた感覚、私の専門の音楽畑の人々でも極く僅かの人しか持っていないような完璧さで私が所有していたあの感覚を喪いつつある、ということを告白することがどうして私にとってできたであろう・・・・)
    を書いた後で、この正反対と思われる二曲を同時に作曲し発表したのですが、その意味が分かりました。知識として知っていただけで分かっていなかった意味が突如浮かび上がりました。

    「運命」との闘いに勝利した後の「田園」による癒しと解放――新たな世界への旅立ち。

    ケンペのまったくどこにも無理のない音楽的に豊かな演奏で聴くと、少し低く見られることもある「田園」が眩い輝きをもっていることが分かります。この「田園」は単独でも同曲中最高の名演ですが、「運命」と同時に聴くことでベートーベンの精神を追体験できます。得難い時間のプレゼント。みなさんもぜひ。

    武田康弘

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/12

    以下は、ブログ「思索の日記」のコピーです。

    うーーーん、これは素晴らしい!

    いま、先行予約しておいたペライアのCD68枚+DVD5枚の大全集が届き、聞きながら書いています。わたしの敬愛するペライアの全集が出るとは夢にも思っていませんでしたので、現物を手にして興奮しています。
    死後というのではなく、まだ壮年期のペライアの73枚!という大全集(今までに発売された全録音)ーー2ケ月前に先行予約の案内を見た時にはビックリしました。

    音を出して、ますます感激!
    リマスターされているようで、元々よい録音が更によい音で鳴っています。
    紙ジャケットは一枚一枚すべてオリジナルを再現、CD盤のレーベルもオリジナルデザイン。写真の通りとても心のこもったつくりのBOXセットで、メーカーの力の入れようが伝わります。

    手持ちのCDと10枚以上はダブってしまいますが、そんなことは全然気になりません。この見事な全集は驚くほどの低価格、オンライン特価11990円です。

    彼の演奏は、豊かさと気品に満ち、独創的なのにふつう。明晰で、神経質さがありません。繰り返し聴きたくなる魅力に溢れるものですが、これが丁寧につくられたBOXに収められて、見ているだけでも楽しくなります。
    ピアノ音楽好きの方には貴重な宝物になります。売り切れないうちにぜひどうぞ。独奏曲だけではなく、室内楽や、協奏曲もみな含まれています。まだ見ていないDVDも楽しみです。

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    (追記)

    10月5日から1週間で15枚ほど聴きました。
    ペライアはわたしが一番敬愛するピアニストですが、ますます好きになりました。

    音の美しさ、
    丁寧さ、
    リズム感のよさ、
    推進力、
    品位の高さ、
    音楽の豊かさ、

    至高の時間が続きます。
    彼のピアノは魅力の塊です。

    少し詳しく言うと、
    音の美しさと丁寧さは、心の内で感じる抒情的世界への慈しみが生む内的な美ですし、
    リズム感のよさと推進力は、外からではなく心身の中から湧き上がる自然な力です。例えて言えば、エンジンの力で走るクルマのリズムや推進力ではなく、生身の人間がもつ内なる力がつくるものです。外なる価値や機械に頼るイヤらしさとは無縁です。
    品位の高さと豊かさは、ペライアの人間性―善美への憧れが生む落ち着きと、深々とした真摯な心がつくる内から滲み出す豊饒です。

    言葉で言えぬほど素的な全集を出してくれたペライア本人とソニーレコードに深く感謝します。レコード人生40数年で一番嬉しい贈り物です。わたしの最高の還暦祝いになりました。どうもありがとう!(すでに3組購入しました)

    武田康弘

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/08/26

    「カルメン」の革命―サイモン・ラトル、恐るべし。

    今日(8月22日)、HMVで先行予約しておいた最新録音のビゼー『カルメン』(CD2枚組・EU輸入盤)全曲が届きました。イギリス人のラトルがベルリンフィルを用いてフランス人が一番敬愛するビゼーの代表作『カルメン』を演奏!なんとも珍妙な取り合わせ。下手物の『カルメン』かな、と興味半分で購入しました。

    今日は定休日。メールやコメントへの返信などをしながら聞き始めましたが、最初は、「ずいぶん大人しいカルメンだな、やはりベルリンフィルではフランス音楽は無理だよな」と思いつつ、そのまま流していました。

    暫くして、あれっ、これは、全く新しい解釈によるラトル版『カルメン』なのだな、じっくりと落ち着いて音楽の内容を聴き取ることができる。プリマドンナのためのカルメンではないし、歌手のためのカルメンでさえない。かつての名盤、カラスとプレートルの華やかで情熱的で湧き立つようなオペラではなく、明瞭な主張をもつ音楽劇で、時代に挑戦した天才ビゼーのイデーに焦点をあてた革新的な演奏かもしれないという気がしてきました。

    さらに聴き進むと、これはとんでもない『カルメン』で、革命だな、と確信するようになりました。全体は有機的に一体で、2時間30分の物語は、主人公のカルメンのためにあるのではなく、普遍的な「人間の物語」になっているのです。うーーん、やはりラトルは凄い!と感心しながら聴き進めましたが、時間がないので一枚目で終わりとしました。

    夜遅くなり、再び聴きましたが、2枚目はさらに素晴らしく、もう完全に虜になりました。終曲の4幕を聴きながら、これは、「人間とは何か」を追求した音楽による「哲学物語」のようだ。しかも、哲学書のような晦渋とは無縁で、分かりやすく面白い。ラトルの明確な理念は、ベルリンフィルの名技もあり、実にスムースに気持ち良く展開し、何度も痺れるような快感におそわれます。演奏と同質のクリアで美しい録音も特筆ものです。

    聴き終えての感動は、ベートーベンの交響曲にも劣りません。『カルメン』というオペラには、これほど普遍的で深いメッセージがあったのだ! 素晴らしい音楽体験をして興奮で眠れずにこれを書いています。凄い曲!凄い演奏!なかなか眠れそうにありません。

    武田康弘

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/05/30

    クレンペラーの恩人であったマーラー自身の演奏、というより、「曲」さえ超えるような比較を絶した名演揃いですが、このフランス盤の音のよさには、正直、度胆を抜かれました。きめ細やかで明晰、響きが豊かで、ナマナマしく、同じ音源?と疑うほど日本盤とは差があります。
    オーケストラも声も生っぽく美しい音です。どうしてこの価格なのでしょうか(笑)。
    なお、装置は、SPはティール、真空管出力のSACDプレーヤーとアンプ、部屋はコンクリート造の14畳です。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/28

    洒落の極み、強靭かつ優美、現代の偏差値音楽家の「つまらなさ」と対極にあるエスプリに満ちた音楽。ダンディズム&エロースとでも言いましょうか、大人の色香と子どもの無垢が合わさったかのようなドビュッシーのイマージュ(管弦楽のための映像)と、
    美そのもの、発売から40年以上にわたり同曲のベストとされてきたフォーレのレクイエムの組み合わせ、
    フランス音楽の20世紀最高の指揮者であったクリュイタンスの生む硬質で品位の高い名演奏は、聴くたびに感動を新たにします。
    また、この輸入盤は、わたしが以前に購入した日本盤よりずっと音がよいです。繊細でかつ豊か、音の鮮度が高く、生き生きと音楽が再現されています。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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