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micarosu さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/01

    ”歌”を聴かせる。
    本当の意味でそれができるバンドの1つがGOOD BYE APRILだろう。

    今回の1stフルアルバム「ニューフォークロア」はそんな彼らの全てが詰まった一枚だ。

    そのアルバムは始まりから驚かされる。
    「水色の夏」という曲は、バンドでありながらギターもベースもドラムも入らず、ピアノとバイオリン、チェロといったストリングスの音色で聴かせるのだから。

    ただこれにより、倉品さんの伸びやかな歌声と延本さんの深みのある詩の良さが際立って見えてくるのが大きく、そこで得た次の曲へのワクワク感を「君がいなきゃ」が全て受け止めてくれる。

    歌い出しから感じる名曲さ。
    流れるメロディがどことなく軽快に進んでいくが、聴こえてくる言葉の切なさが耳に届くと、この軽快さが言葉以上の切なさまで連れてくる。

    特にサビで繰り返される”君がいなきゃね”のフレーズは、回数を重ねるごとに切なさも積み重なっていくようだ。
    この詩とメロディ、そしてその構成はこうする以外ないだろうというくらい完璧な名曲。

    その余韻に浸ろうかと思っていると、温かく包み込むような「愛はフロムロンリーハート」や、エバーグリーなサウンドとメロディが印象的な「ユキノシタ」、走り出す気持ちを表すようなアップテンポな「太陽」のようなといった色を持った楽曲次々と迎えてくれる。

    中には「Bittersweet Christmas」のような季節を外れた楽曲もあるが、それも決して違和感なく聴けるのは、変わらないメロディセンスを発揮しているからだろう。

    フルアルバムという形で一つになった楽曲たち。
    GOOD BYE APRILというバンドが聴かせる”歌”を是非堪能してみてほしい。

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     2016/04/24

    歌声が見せる心の奥の感情。
    それは、耳に届いた瞬間から惹きこまれてしまうような不思議な力を秘めている。

    特にタイトル曲でもある「桜」を聴いたときは驚かされた。

    儚さを表すような疾走感。
    それだけでも愛おしいのだが、そこを行くメロディと歌声の渦が、桜をひらひらと舞い上がらせる様がなんとも美しく感じた。

    力強くあろうとする想いを込めた歌詞と繊細さを紡いだメロディもの存在はもちろんだが、やはりこれは歌声が持つ魅力が成せることなんだろう。

    ミニアルバムの中だと「恋桜 -Acoustic ver.」でもこの魅力を存分に楽しむことができる。

    歌声だけでもこれだけ魅力的なのだが、作詞作曲のセンスもまた素晴らしい。

    自身の弱さへの畳み掛ける言葉から弾けるようなサビへの展開が熱い「勝利」に、「今日も大丈夫。」のように優しく綴られた温かい言葉とメロディ、一歩一歩踏み出していくようなリズムに前へ進む意思を強く刻み込んだ「LET IT BE」、ほぼ英語詩で歌われる「Angel Sky」のダークな存在感も鳥肌ものだ。

    全6曲の中にあらゆる魅力を詰め込んだ密度の濃い一枚。
    是非一度手にとって聴いてみて欲しい。

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     2016/04/24

    ふと蘇るのは、懐かしさと温かさ。

    疾走感溢れるテンポに心をくすぐるようなメロディ。
    そのどこか懐かしい音楽だけで惹きつけられてしまう。

    そして、そこに更に深みを与える歌詞の存在。

    ”始まりは 青い春”
    歌詞に何度か登場するこの言葉は、そのまま青春時代の初々しい気持ちを思い出して欲しいとも取れるが、どちらかというとこれからの人生に新しい春=青い春が訪れますようにという願いを示している。

    その言葉が歌声から響いてきて、聴いているととても温かい気持ちになる。
    SUPER BEAVERは熱い楽曲が多いが、少しだけ熱量を落としたこういう温かさも彼らの新たな魅力となりそうだ。

    3ヶ月連続リリースの作品の最後。
    その最後にこれだけの名曲を持ってきたら、これからの活躍が楽しみにならずにはいられない。

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     2016/04/03

    叫ぶような歌声。
    そこにはとてつもない熱情がこもっている。

    それでいて耳に馴染むメロディを聴かせるので、一度聴けば忘れることなんてできない。
    その最たるは「爆裂ロマンチック」だ。

    激しく掻き鳴らすサウンドと歌声が届ける熱さ。
    でも、どことなく繊細で臆病な一面も垣間見える。

    そのとき気づくだろう。
    この楽曲の表現そのものが「爆裂ロマンチック」だと。

    熱い日本語詩やメロディだけでも十分素晴らしいのだが、これら全てを含めて楽曲全体でロマンチックを伝えようとしていることが何より格好良い。

    「ロマンチックを叫びだす」というアルバムタイトルも、この曲を聴けば自然と納得してしまう。

    もちろんアルバムはこの曲だけではない。
    「ナナナ、アイロニー」、「パラメトリック」、「ダイヤモンド」、「散々通り」、「天国への手紙は届かなくても、僕らはたまにそれを書くんだろう」、「あの日を」と次々と攻めてくる。

    美しく熱い日本語ロック。
    その熱情を聴いて感じてみて欲しい。

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     2016/03/27

    より精度を上げた繊細さ。
    それを持ち合わせながら、型にとらわれない幅の広い音楽を聴かせてくれる。

    「あの夏のイリュージョン」のようなどことなく懐かしい爽やかな音楽に、「ダンス・ウィズ・ザ・ワールド」のような踊りだしたなるリズムに跳ねるようなメロディの楽曲、「花火」のような普遍的なメロディで耳に馴染むバラードと、聴けば聴くほど色んなタイプの楽曲に出会うことが出来る。

    その中でも圧倒的に印象が強いのが「あきらめの街抜けて」。

    「23:55〜あきらめの街〜」で街の雑踏の音が響く中で静かにアコギの音色を聴かせ始め、そこから「あきらめの街抜けて」の語るようなギターのイントロへと繋がっていく。

    混沌とした音色は今生きる世界を示し、歌声が連れてくるその世界の先へ行こうという気持ち。
    楽曲が伝えるその感情がとても繊細で、心に染み入るように伝わってくる。

    まさに聴かせる楽曲。
    この楽曲は今はもちろんのこと、何年経っても聴き続けられると言っていい。

    これだけの名曲と幅の広い楽曲を聴かせてくれる一枚を、聴き逃す理由はない。
    この一枚で荒井岳史さんの良さを感じてもらえればと思う。

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     2016/03/20

    久々に木山裕策さんの歌声が聴ける。
    ここ数年リリースが無かったこともあり、またあの歌声を聴くことができることが何より嬉しかった。

    今回はカバーアルバム。
    とはいえ、一曲目には新曲「旅立ち 〜home2016〜」が収録されている。

    「home」の名前が含まれていることからもわかるように、大ヒット曲「home」の続編とも言えるこの曲。

    綴られているのは大きくなった子供の成長を嬉しく思いつつ、一緒に生きてきたことへの感謝。
    それを歌う木山さんの歌声が優しく真っ直ぐ響いてきて、聴いていると守られているような安心感を与えてくれる。

    「home」の頃から感じていたが、木山さんは愛、特に家族への愛を歌うときの感情の溢れ方が半端ない。

    このカバーアルバムにも木山さんの歌声の魅力を感じる作品が多数収録されているが、やはり家族への愛を歌った曲が特に胸に響く。

    その最たるは「僕が一番欲しかったもの」と「誕生」だろう。

    「僕が一番欲しかったもの」は原曲より明るく爽やかな印象で、大切な人が喜んでくれることが何より嬉しいという気持ちが自然と染み渡るように感じることが出来る。

    「誕生」は生まれてくる大切な命への想いを綴った曲で、まさに木山さんの歌うテーマにぴったりの曲。

    想いの深さは「home」に匹敵するもので、自身の子供への想いをどこか重ねていることがどことなく伝わってくる。
    だからこそ、こんなにも聴き手の心に響き渡るのであろう。

    元々名曲ではあるが、木山さんの歌声が乗ることでより名曲になっていることが素晴らしい。

    このカバーアルバムを聴いて改めて感じた木山さんの歌声の魅力。
    そしてそれと同時に、また新しい曲も聴いてみたい、そう思わせてくれる渾身の一枚だ。

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     2016/03/06

    聴けば聴くほどに呑みこまれていく。
    まさに「底なしの愛」の姿がそこにはあった。

    軽快なテンポとメロディの構成からは明るいイメージを持つのだが、聴こえてくる歌詞の言葉からは切なさが滲み出てくる。

    いつも通りだけじゃ物足りない。
    もっと深い愛=底なしの愛が欲しいという正直な想いこそがこの曲の真髄で、それをこういうテンポに乗せる事で、その求め続けている貪欲な気持ちがより伝わってくる味わい深い一曲だ。

    この曲はもちろんだが、今作では歌詞だけでなく、音の表現力が確実に増しているのもわかる。

    「負け犬と呼ばれて」のイントロのギターの圧倒的なインパクト、そしてサビのほとんどでコーラスが入るという構成も印象的で、一度聴けば頭から離れない。

    「クラゲ」のような現代の混沌とした音の世界観はそれだけでも聴き入ってしまうものだが、歌詞の内容に合わせるように少しずつ歌声にも音にも光が見えてくるので、とても心地よく聴くことが出来る。

    アンテナの良さである深い歌詞とメロディはそのままに、これだけ表現力を増されてしまったら、素晴らしい以外の言葉が見つからない。

    毎作名盤だと思っていたが、今作もまた名盤だ。

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     2016/02/28

    そこにあるのは日常。

    「キッチン」や「君の斜め後ろの席で」、「ROOM」のように直球な場面描写はもちろんだが、「EPOCH〜始まりの詩〜」、「Good Morning」のように断片的な描写が静かに、でも鮮明に聴き手の心に景色を映すのも聴いていて心地が良い。

    こういう良さを持ちながらも、一辺倒にならないのがまた面白い。

    「Bibbidi-Bobbidi-Boo」のような遊び心溢れる曲に、「プライスレス」のように軽快なテンポで引っ張っていく曲。
    「カメレオーン」の印象的なメロディと言葉に酔いしれされたかと思えば、「許して頂戴」の軽快なリズムに乗るちょっと情けない言葉に自然と笑みをこぼれさせる。

    これらの中でも特に存在感を放っているのは「君はファンタジー」。

    イントロのアコギとピアノの音色を響かせた瞬間から変わる空気。

    ファンタジーの言葉が示すような幻想的な雰囲気と少しの懐かしさを纏いながら、綴った言葉を編み上げるような二人の歌声が空へと放っていく。

    そこから生まれる華やかさと心地よさは、耳に届いた瞬間から良いと感じられるもの。
    こういう曲はいつまでも聴いていたいし、いつまでも残したい。

    歌詞、メロディ、そして個性的な二人の歌声のハーモニー。
    どれもが魅力的だが、これだけ色んなタイプの曲を聴かせてくれると、その良さを自然と感じずにはいられない。

    サンドクロックの良さを感じるには十分な一枚だ。

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     2016/02/21

    こんなアルバムを待っていた。

    「純愛、故に性悪説」、「空想片恋枕草子」、「GPS」、「僕が雪を嫌うわけ/私が雪を待つ理由」とリリースを重ねるごとに楽曲の幅とクオリティが上がって行くのが見えただけに、この2ndフルアルバムには期待をせざるを得なかった。

    そして聴いて驚いたのが、その期待通り、いやその期待以上の作品をリリースしてきたことだ。

    まず「ミュージック」。

    どことなく終わりを感じさせる寂しげなメロディは聴き始めた瞬間には切なさを与えるが、聴き進めるうちにその感情が前を向いていくことに気づくはず。

    この切なさは自分自身の弱さを表現したもの。
    そして歌声が届けたのは、この弱さに打ち勝つために自分を鼓舞する強さ。

    それが一体となって押し寄せてくる曲を聴いて、心を揺さぶられないはずがない。
    こんなとんでもない力を持った曲が最初にある時点で、アルバムが只者ではない予感を漂わせる。

    ここからがいよいよ本領発揮。
    「春恋、覚醒」の躍動感の中に見せる切なさ、「物見遊山」のデジタルなサウンドを織り込んだ独特な浮遊感と現実感、「容れ物と中身」の見た目でなく中身の大切さを綴った言葉と迫り来る展開に圧倒されていく。

    「純愛、故に性悪説」の圧倒的な存在感を聴いた後に、「不在証明」というバラードを置くことで、それぞれの良さが際立つのもすごく良い。

    「Silver Bullet -instrumental-」を挟んで一度落ち着いたかと思えば、「ワーカーズアンセム」の踊りだすようなリズムとビートで新たな驚きを与えてくれる。
    このタイプの楽曲には彼らには珍しく、普通に並べてしまうと目立ちすぎてしまうが、インスト曲を挟んだことで自然と楽しむことが出来る。

    「新機軸」、「僕が雪を嫌うわけ」と岡田さん作曲の優しく真っ直ぐなメロディと格好良く力強いサウンドが響き渡らせたかと思えば、お洒落なリズムが心地よい「フロントマン」を聴かせ、空想委員会らしさ全開の「桜色の暗転幕」でアルバムは終わる。

    ここでもう一度最初から再生すると「ミュージック」の終わり感が待っているので、違和感なく何度でも再生できるという点もこのアルバムの面白いところ。

    楽曲の幅、秀逸な構成、それぞれの楽曲に込めた想いの真摯さなど、どれを取っても素晴らしい以外の言葉が出てこないアルバム。

    一言で言えば名盤。
    それに尽きる。

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     2016/02/14

    すごいメンバーが揃った。
    畑亜貴さん、田代智一さん、黒須克彦さん、田淵智也さん(UNISON SQUARE GARDEN)という、アニソン界隈で一度は目にしたことある名前の人たちが集ってできた”Q-MHz”というプロデュースチーム。

    今まで彼らが手がけてきた楽曲を考えれば、良いものが出来上がることは自然とわかってしまう。
    アルバムの前半はまさにそれ。

    「LiVE DiVE MHz!!(featuring LiSA)」はLiSAさんらしい攻撃的な曲だが、言葉の辛味と曲の展開など、今まで以上に攻めてきていることがわかる。
    タイトルにMHzの言葉を入れていることからも、このチームの色を出してきた曲と言える。

    そんな曲の後に「ふれてよ(featuring 小松未可子)」というミドルバラードを持ってきているのは面白い。
    よほど自信がなければこの展開はできないが、その自信を裏付けるような凛とした姿が目に浮かぶ名曲となっている。

    今作のゲストボーカルの中で唯一メンバーの楽曲提供がなかったこともあり、この組み合わせの未来を感じさせるという意味でも重要な曲になっている。

    「星の名は絶望(featuring 鈴木このみ)」は鈴木このみさんのデビュー曲「CHOIR JAIL」を彷彿とさせる重厚感のある世界観が印象的。
    とはいえ、デビュー当時より遥かに厚みを増した歌声は、この曲の重厚感をさらに高めていて、とても聴き応えがある。

    続く「手探りで今のなかを(featuring 東山奈央)」。
    東山奈央さんは今回のゲストボーカルの仲で唯一キャラソンではなく本人名義でのリリースが無いだけに、どんな曲になるか楽しみにしていたところ、選んだのはストレートなバラード。

    元々きれいな歌声を持っていた方なので、この曲の透明感には惹き込まれる。
    飾りすぎない音が歌声を引き立たせているの魅力。

    「La fiesta? fiesta!(featuring 南條愛乃)」はデジタルな民族調の音楽に溶け込む歌声が耳に残る一曲。
    歌詞の面で日本語、英語、スペイン語と色んな言語が出てくるところもこの楽曲の謎めいた魅力に拍車をかけている。

    ここから後半になるわけだが、同じボーカリストでも前半とはまた違った楽曲で魅せてくれる。

    いきなり驚かされるのが「I, my, me, our Mulberry(featuring 東山奈央)」。
    一人の楽曲のはずなのに何故か二人の歌声が聴こえてくるのだから。

    これは二人ではなくどちらも東山奈央さん本人。
    一人でこういうアップテンポの掛け合いの曲を聴かせるのは何とも面白い。

    「JURASSiC KiSS(featuring LiSA)」も印象を変える曲だ。
    ジャジーで大人びた艶っぽさを感じさせる曲はLiSAさんには珍しかったが、想像以上にはまっている。

    こういった楽曲を本人の作品でも聴いてみたい気持ちにさせてくれた。

    「愛シカタナンテ知ラナイ(featuring 南條愛乃)」は少し90年代の感じがある耳に馴染むメロディがたまらない。
    浮遊感あるサウンドを醸し出しながらも、芯のある歌声が突き刺さる構成も素晴らしい。

    「short hair EGOIST(featuring 小松未可子)」はイントロから田淵さんらしい攻め方で一気に惹きこんでいく。
    トリッキーな音構成に耳が行きがちだが、キャッチーなメロディと明るいテンポとの組み合わせにより、聴くのが楽しい楽曲になっていることを強調したい。

    最後は「「ごめんね」のシンデレラ(featuring 鈴木このみ)」。
    この曲ほど最後にふさわしいものはないというくらい最高の名曲。

    少し懐かしさを感じさせるイントロから、つい口ずさみたくなるメロディ、爽やかで自然なサウンド。
    そして、鈴木このみさんの力強くも優しく歌い上げる声に、心が満たされていくよう。

    この個性的なメンバーであえて特別ではなく、王道を目指すとこんな名曲が生まれるのか。
    それを最後の最後に感じた。

    それぞれのボーカリストの個性を大事にしつつ、このチームだからできることを詰め込んだ楽曲達。

    新たな魅力を感じるも良し。
    より深い部分を感じるも良し。

    とにかく聴き手が楽しんで聴くことができる一枚。

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     2016/02/07

    触れたら壊れそうなほどの繊細さを持ちながらも、芯の強さも感じさせる。

    儚げな歌声から溢れる繊細さ。
    その繊細さを聴き手へ導くメロディと、それを彩る浮遊感と現実感を兼ね備えたサウンド。

    ここから生み出される世界には、とても不思議な力を秘めている。
    一度聴いたら何故か耳から離れないだけでなく、また何度でも聴きたくなってしまうような力が。

    それを知ろうと聴き進めると、更にその世界に酔いしれることになる。

    力強い歌声から始まる「Cage」。
    憂いを帯びた疾走感と、畳み掛けるメロディと歌声に乗る感情に思わず唸ってしまう。
    絶妙なコーラスに間奏のピアノの焦燥感など、巧みな音構成も魅力的だ。

    アコギの音色が印象に残る「嘘」はミディアムテンポのシンプルな構成の曲で、陰のあるメロディの良さが引き立つ。
    一つ一つの言葉静かに、でも確かに響くのが何とも心地よい。

    「Rain」もアコギの音色が印象的だが、「嘘」より重い空気を演出している。
    それはタイトルにもある雨の冷たさや哀しさを示している様で、それにより歌声の儚さがより映える。

    カップリングを含めたこの4曲はどれがシングル表題曲になってもおかしくないクオリティで、どれも名曲と言っていい。
    それを収めたこの一枚は、シングルとは思えないほど充実の内容だ。

    今作が1stシングル。
    この先どんな曲を聴かせてくれるのか、楽しみで仕方がない。

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     2016/01/31

    ゆずのアルバムだ。

    何を当たり前のことをと言われそうだが、アトラクション色が強く華やかな印象の「LAND」、懐かしく新しいという挑戦をした「新世界」と、近年リリースしてきたアルバムは独特のコンセプトを出してきていた。

    今作はそれとは違い、ゆずとして未来に何が残せるか=永遠に残るようなアルバムを作ろうとしているので、前2作と違いもう少し自然体でアルバムを作った印象が強い。
    だからこそ、どこまでもゆずらしいアルバムなのである。

    シングルにもなっている「終わらない歌」、「ポケット」、「OLA!!」は耳にする機会も多かったと思うのであえて割愛して、アルバム曲の話をしてみよう。

    配信限定リリースで、紅白歌合戦でも歌われた「かける」。
    ゆずは誰かを応援するような曲を作るととてつもない親和性を見せる。

    この曲ではtofubeatsさんがBeat & Rhythm conductorとして入っていることも有り、新鮮なリズムが楽しめる。

    続く「みそら」はメロディだけで泣かせてくれる。
    巧みなアレンジなども良いが、やはりこうシンプルに良いと言える曲があるのは往年のファンとして嬉しい。
    この感じは後に出てくる「いっぱい」にも言える。

    「た Ri ナ ぃ」は聴かせるだけでなく、楽しませるというゆずらしさ。

    一度聴けば覚えてしまうメロディと印象に残るタイトル。
    こういう曲にも思わずにやけてしまう。
    にやけてしまうのは「いつもの病気」の岩沢さんらしい独特の空気漂う曲でもそう。

    そして、アルバムのタイトル曲である「TOWA」。
    この曲のインパクトは半端ない。

    独特の浮遊感と地に足が着いた歌声の絡み合い。
    サウンドの混沌とした感じは現在であり未来への不安を表しているようで、そんな世界でも永遠に歌い続けていこうという二人の意思がアコギの力強い音色と歌声から痛いほど伝わってくる。

    上述の通りインパクトはもちろんだが、聴かせる曲としても素晴らしい一曲。

    そんな曲の後に控える「夕焼け雲」の安心感は流石の一言。

    それもそのはず。
    作詞作曲が岩沢さんで、編曲には寺岡呼人さんという初期のゆずそのままの楽曲。

    自然と目に浮かぶ情景と風、そして夕焼け。
    あぁ、今ゆずの曲を聴いているんだなと改めて認識させられる。

    「二人三脚」は二人で“弾き語り楽曲”として共作した初めての作品であり、2人の良いところと新鮮さが存分に味わえる名曲。
    それぞれが個性的なソングライターであるので、その二人が組めばこんな名曲が出来るのだなと思った。

    シングル「終わらない歌」にも収録されていたが、今回はAlbum Sessionということでより洗練された音と臨場感が感じられる。
    ツアーを経て一番大きく成長した楽曲なのではないだろうか。

    最後は「終わりの歌」。
    「終わらない歌」と対になるこの曲は、アルバムの終わりと同時に今日の終わりを綴った歌。

    アコギ2本で歌い上げる優しい切なさは、そして”それじゃまたお元気で”で締めくくられるあたりがゆずらしい。

    でも、このゆずらしいという言葉がアルバムを聴き終えたときに出てきたのは久々だ。
    それほどまでにゆずらしさが出たアルバム。

    昔から知っている人も最近知った人も楽しめる。
    そして、この先もずっと楽しめるだろうというくらいゆずを詰め込んだ素晴らしい一枚。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2016/01/24

    椎名慶治の王道。

    SURFACEの解散からソロ活動を開始して5年。
    その経験を踏まえつつ、改めてらしさを追及しようとした気合をひしひしと感じる。

    何と言ってもその最たるはタイトル曲でもある「MY LIFE IS MY LIFE」。

    今までのシングルやアルバムのリード曲を考えてみると、「取調べマイライフ」、「I Love Youのうた」、「お節介焼きの天使と悪魔と僕」、「人生スパイス-go for broke-」とどれもポップでキャッチーな曲だったことに気づく。

    ところが今回はミディアムテンポにドラマチックなサウンドと聴かせるメロディ。
    そして、誰かに対してではなく自分自身へと言い聞かせる言葉を綴っている。

    そのじんわりと流れ込む感情は新鮮であるの同時に、この曲とアルバムに対する気合の入れ方が違うことに気づくはずだ。

    だが実はこの曲は7曲目に収録されているので、ここに辿り着く間にいつもとの違いに無意識に気づいてしまっている。

    完璧と言えるインスト曲「HIGH & HIGH」から「人生スパイス-go for broke-(Horn Mix)」の流れ。
    ここから「言いたくて言えなかった」の甘酸っぱい切なさへのギャップへの流れにはキュンとならざるを得ない。

    「フラストレーションNo.5」はどことなくSURFACEらしさを感じるメロディが好印象。
    ソロになってから意図的にSURFACEの頃にやってこなかった曲を中心にやっていた感じだったが、こういうSURFACEらしい曲はやはり堪らない。

    「MY LIFE IS MY LIFE」後の「絵空事に」の静かな音色と歌声に癒され、「ウェザーリポート」の和やかなテンポでアルバムの終わりを感じさる。

    でもここで終わらせず、最後に「シャクシャク」という疾走感のある曲が駆け抜けてさせていくのがなんとも椎名さんらしい。

    ポップでキャッチーで、でも時に静かに、時にしみじみと、時に嬉しい懐かしさも感じさせてくれる珠玉の一枚。
    椎名慶治さんはやはり只者ではない。

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     2016/01/18

    別れのときに二人が見た雪。
    それぞれの感情に強く残った雪が見せる二人の想いの物語。

    「僕が雪を嫌うわけ」は男性目線で描かれた曲。

    別れを切り出された日に雪を見たことで、雪を見るたびに責めたてられる心。
    今でも好きなのにそれがもう届けられないもどかしさ。

    その切なさを力強いサウンドの中に重ねつつ、疾走感の中ににもどかしさも連れて聴かせてくれる。
    詩の内容だけでも切なくなるのに、このメロディと歌声、サウンドが加われば、その想いがよりしみじみと響いてきてしまう。

    一方の「私が雪を待つ理由」は女性目線で描かれた曲。

    繊細なメロディに弦楽器の広がりのある音が聴かせるのは、あなたへの想い。

    離れてから相手の大切さを気づきつつも、まだきっと私を嫌いになったままなのだろうという不安。
    それでもまた雪が降ったら、もう一度想いを伝えたい。

    それぞれ雪に対しての想いは違うが、互いを想っていることがわかる。
    一曲一曲も素晴らしいのだが、この2曲は続けて聴くことでよりお互いの良さが見えてくるだろう。

    言うならば、2曲だからこそ意味のあるシングル。
    聴いてみて是非その意味を感じてみて欲しい。

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     2016/01/10

    心に届いた言葉。
    それが希望を与えてくれた。

    まずは「光へ」。
    素朴さと懐かしさが融合したこのミディアムナンバーは、タイトルが示すように直球で爽やかな言葉がとてもよく響く。

    シンプルな楽曲ではあるが、聴いた瞬間から好きになってしまう不思議な魅力がある。
    これは、少年と大人の間のようなアリマヒロキさんの歌声によるところが大きい。

    続く「サヨナラ世界」も素朴な雰囲気は変わらないが、サビの”サヨナラ世界”の言葉の中に綴られたもの以上の想いを感じさせる深さがある。

    ここまで素朴な楽曲が続いたが、「Afterglow」では疾走感溢れるロックサウンドを聴かせてくれる。

    離れ離れになった人への想いを綴っているのだが、哀しい気持ちが少しずつ強い気持ちに変わっていく姿には、勇気をもらわずにはいられない。

    「金手川」も近いテーマではあるが、「Afterglow」より繊細に気持ちをメロディとサウンドで綴っているのが印象に残る。

    そして、最後の「群青より」。
    これまでとは違い、深く重厚感のある世界が一気に押し寄せてくる。

    不器用なりに生きていくことの大切さ。
    それを心の奥の叫びのように綴り歌い上げる声に、惹きつけられてしまう。

    言うならば歌声が朝日を引きずり出してくれるような力強さ。
    それがこの楽曲にはある。

    全体を通して希望を感じることが出来るが、その形は様々だ。
    でもどれも間違いなく希望を感じさせる力を持っている。

    一度聴けばその意味がわかると思う。

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