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Seiru さんのレビュー一覧 

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/03

    ワインガルトナーの交響曲の中でも特に大規模な第3番。演奏時間が長めな純絶対音楽で、ホ長調が主調であることも手伝って旋律の軽やかさの割にはやや難解な曲となっています。それを明快に紐解いたレトーニャ、そして作曲者と縁の深い伝統あるバーゼル響の美しい音色。第三楽章の後半、オルガンが明確に聴こえる箇所は非常に感動的に歌い上げられていますし、第二楽章スケルツォの主部の軽快さも非常にとっつきやすい良盤となっています。そして面白いのは愉快な序曲。一転してウィーン風のシュトラウス一家的な序曲かと思いきや、おどけた行進曲が出てきたりと、楽しませる音楽となっています。ワインガルトナーの交響曲は7番のみ未だに録音がなされていないようですが、首を長くして録音が発売されるのを待っています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/03

    最近思うようになったのは、オーケストラによって、ゲルギエフとの相性が甚だ異なるということです。例えば評判の芳しくないVPOとのチャイコ後期交響曲集など、輝かしく気品のあるゲルマン系の音は彼にはおよそ合わないのでしょう。そう考えると、彼がLSOに招かれたことは非常に大きな一つの転機になったように思えます。精緻かつ美しいアンサンブルを持ちながら、終始理性的に演奏するVPOとは違い、本能までえぐり出せる楽団でありますから(ハチャトゥリアンはVPOの本能をえぐり出しましたが)。マーラー・チクルスは期間の短さからか出来不出来が分かれましたが、それ以外の単発の曲についてはスコアの深読みが果たせているのか、LSOを手中に収め素晴らしい音楽を展開しています。提示部繰り返しという独特さはありますが、解釈やテンポは非常にオーソドックスなもので、かつ旧盤と比較し歌い上げに深みが生まれた演奏です。特段美しいのは第三楽章コーダ。決して情緒過多には陥っていないのに、非常に心地よい陶酔感が味わえます。非常にロシア情緒豊かな有名なスヴェトラーノフ、また私が以前評価しましたスラットキンとは微妙に違う演奏になりますが、これが現代の「ラフ2」の模範となるのは間違いないかと思われます。LSOに招かれてからはマリインスキーも順調ですし、今後のゲルギエフの再躍進に大いに期待したいところです。

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     2010/05/29

    ジェイムズ・ジャッドはNaxosに録音されているヴォーン・ウィリアムズのピアノ協奏曲によって知り、注目しています。これはドイツものですが、この曲の持つ魅力をふくよかに発揮しています。ある意味ではこのような曲には、牧歌的な表現が得意なイギリスのオケは非常に相性が良いのかも知れません。ドイツの贅肉を落としたオケだと、やや息苦しくも感じられてしまう点、RPOは非常に美しく表現出来ています。そして演奏の綻びも一切ないジャッドの手腕も、SACDによる楽器の一つ一つまで聴こえる良音質も、そして非常に安い値段も、それにしてはケースなどまでしっかりした物が使われている点も好印象。初めて聞く方にも勧められる良盤だと思います。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/29

    ビシュコフは最近日本でもN響に客演し注目を集めましたが、そんな彼がProfilレーベルに録音しSACDとして発売されている演奏はどれも名演ばかりです。彼はレパートリーからも伺えますが、叙情的であったり感情的であったり激しかったり、そのような表現が非常にうまい「爆演型、オペラ系」の指揮者であることがわかります。その中の一枚の「ヴェルレク」。彼の特性が遺憾なく発揮された名演です。ソリストも非常にクリアな性質を持つ方々ばかりで表現、声量にも一切の不満なし。オケは非常に整い綻びを見せず、かつビシュコフの求める表現にも上手く応え、Dies iraeのバスドラムは大砲かと思うくらい…!そして圧巻は合唱。何よりTuba mirumとLibera meの素晴らしさは特筆に値します。値段が少々高めですが、損する買い物にはならないと思われます。音質も非常に良いです(但し、SACD2chでの再生環境しか持っていないので、マルチでの再生の評価はしませんが…)。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/29

    RVWの交響曲は初聴ですが、6番を終楽章まで聴いて衝撃を受けてしまいました。
    クラシック音楽初心者の頃に聴いたマーラーの「復活」とベクトルは違いますが、大きさは同じくらいです…
    最初は「管弦楽法の巧いショスタコーヴィチの5番」のように聴いていましたが、終楽章…生命もない、温もりもない、瓦礫と塵だけの暗澹たる静寂の世界が広がっていくのが見えました。深夜に聴いていたからか、怖くなりました。音楽を聞くことも出来ず、夜明けまで震えるほかありませんでした。大げさに見えますが、本当です…(笑)。
    34分程度の世界に、恐ろしく凝縮された内容が詰まっています。RVWは貴重なラヴェルの指導を受けた作曲家ですが、今まで聴いたことのあるピアノ協奏曲、すずめばち組曲、揚げ雲雀と同様、非常に巧みな管弦楽法が凝らされ、特に先述の6番終楽章のように、「静寂」の表現の巧さは特筆すべきであると思います。
    他との演奏は比較するべくもないですが、アンサンブルは非常に整っており、上質な演奏であるとわかります。録音も打楽器の一つ一つまで聴こえる秀逸さ。特にマーラーやショスタコーヴィチを交響曲の終着点だと思う方には、一度聴いていただきたい作曲家です。これを聴き、ヒコックス指揮のその他の交響曲も購入してしまいました…楽しみです。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/24

    テンポが遅く、名盤との声も高いあのジュリーニの演奏よりも40秒前後遅いという非常にゆったりとした第9交響曲です。ただし何方かがジュリーニ盤で仰られた「巨象がゆっくりと歩を進めるような…」といった印象ではありません。テンシュテットなどによくある、慟哭に駆られ、狂気に取り憑かれ、駆り立てられ、そして死へと一直線に…といったエグイ演奏でもありません。死期を悟ったマーラーの、温かい感傷の海へ、ゆったりと沈んでいく…そんな透明感のある、救いのある…闇へ沈んでいくなか、最後に微かな光が見える…そう形容したらよろしいでしょうか。アダージョの最後の弦がゆったりと静寂に消えていくまでの89分が、あっという間に過ぎ去った演奏は初めてでした。マーラーチクルスの一角にしては出来が非常にいいです。恐らくトップを争える名盤となるでしょう。MTTに心からの賛辞を。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/15

    近頃新調したSACD2chで聴いてます。ジンマンのマーラーはこれが初聴になりますが、今までこのチクルスに全く手を出していなかった自分が恥ずかしくなりました。それくらい素晴らしい演奏だと思います。何より魅力なのが、テンポ配分や雰囲気作りの巧さ。「棘々しくもあるマーラーの魅力」が損なわれないまま、身体に、耳に、脳に、心地よく入ってくるのです。録音が非常に良いのも相まって(RCAはさすがですね…)、夜中に小さめの音量でゆっくり浸ることができたのが私としては嬉しい限り(笑)。テンシュテット(EMI、BBC、LPO)、沼尻、クレンペラー他と聴いてきましたが、ジンマンの演奏は、言うなれば「曲に真摯に語らせる演奏」であると思いました。圧倒的な説得力で聴かせるテンシュテット、別世界を構築したクレンペラーとは別ですが、万人に勧められる非常にバランスのとれたものだと思います。まだ続いている本チクルスですが、特に9番には期待したいです…!

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/02

    「悲劇的」といえばやはりテンシュテット/LPOの1991年ライヴ盤が有名であります。がしかし、私は録音の問題からかテンシュテット盤にはそれほど惹かれませんでした。最近になって手にとったこの演奏は素晴らしい… 悲劇的か、という問に答えるならば確かに「NO」であるかもしれません(テンシュテットの演奏は確かに英雄が血の中に倒れこむ凄まじくエグい演奏)。それに比べれば非常に明快で、エグいというよりひたすら勇壮です。しかし何故だかはわからないけれども入れ込めます。更に録音の良さ、アンサンブルの整いはこれを抜く演奏は現れないでしょう。そしてフィナーレは素晴らしい。ノイマンのEXTONシリーズでは、3番と並ぶ凄まじい出来の良さです。お勧め!

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/30

    なんといってもピアノ協奏曲が絶品。ヴォーン・ウィリアムズの作品としては第三楽章など激しい曲想や不安定なワルツが有るのが珍しいくらいではあるものの、それすらも素晴らしくまとめあげています。そして何より調性がやや不安定であるのに染み入る第二楽章のロマンツェが美しい。近代ピアノ協奏曲としての完成度は非常に高く、もっと評価されるべき一曲でしょう。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/24

    美しい。ただひたすらに美しい。それよりも、他の奏者では退屈ですらあったこの交響曲の素晴らしさを気づかせてくれたこの盤は、ずっと手放すことなど出来ないものになりそう。第一楽章冒頭から圧倒されてしまう演奏など初めてです。そしてポストホルンも美しすぎて泣けてくる。気づくといつの間にか95分が過ぎている「のめり込める」演奏。ああ、このような演奏が7番、8番だけなされず逝ってしまわれたのが非常に惜しい… 録音状態も最高です。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/24

    高名なショパン弾きというのは、「ロマン派」としてのピアノコンチェルトに最も合うのかもしれません(K.ツィメルマンなど)。このCDもルービンシュタインのショパン弾きとしての繊細なタッチが非常に際立った演奏です。リヒテルは性格で冷徹、アシュケナージはあまり「味がない」のに対して、弱音や強奏のひとつひとつが繊細で美しい。ラフマニノフのオーマンディはモチロンのこと、チャイコのラインスドルフも見事に「ハマった」演奏を見せてくれます。チャイコフスキーはこのCDで初めて感動出来ました。最も良い盤は人それぞれだと思いますが、バランスの良さや美しさでは非常に勧めたいCDです。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/24

    エルガー以前のイギリスのロマン派シンフォニストとしては、彼とスタンフォードがいますが、どちらも交響曲として素晴らしい物を残しているにもかかわらず、今日まで決して高く評価はされていません。
    これはそんなパリーの交響曲全集です。エルガーまで繋がるイギリスのシンフォニーとしての価値どころではなく、どれも素晴らしい作品です。作風としては非常にクリアで心地よい管弦楽法と和声が作品全体を支配し、力強い旋律も素晴らしい。後期ロマン派としては明快な作品ぞろいですので(ここが逆に評価されなかった一因か?)、非常に聴きやすく吐き気のするような濃いロマン色も見受けられません。特に三番が素晴らしい。音楽を聞いてすっきりとしたい時にオススメです。演奏もさすがはLPOといった感じ。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/21

    指揮者として高名だったワインガルトナーですが、シンフォニストとしての才能も有り余るものがあり、彼の作品はもっと評価され、演奏されるべきでしょう。
    その中でも交響曲第一番は彼の作品中では演奏時間が短いもののとても聴きやすい交響曲です。欧州に流るる風を感じる第一楽章。歯切れのいい主部と旋律がとても美しい中間部を持つ第二楽章。朝の自然を感じるスケルツォ。そして喜ばしく躍動感の有るフィナーレ…美しい旋律を以て、同じ名を持つメンデルスゾーンをさらに進歩させたような、マイナー交響曲の中でもかなりの名作です。
    「リア王」も、構成が素晴らしく、R.シュトラウスのような姑息な描写も用いていないのに、場面が浮かんでくるこちらも名作交響詩です。ワインガルトナーの音楽を聴くにしても、マイナーなものに手を出すとしても、まずおすすめしたい一枚でしょう。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/01

    hmv店頭で流れていたのに感銘を受けて店頭購入。
    スラットキンの旧盤は聴いていないのですが、それでもこの曲を非常に情緒豊かに歌い上げています。やや独特のテンポ配分が美しい旋律をさらに引き立てており、楽器の音量も内性部まで聞こえてきてまさしく「1音の無駄もなし」。録音も最新で非常に良く、この曲の良さを再び見つけることができる一枚になるでしょう。Naxosであることが少々驚きですが、非常によいCDです。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/01

    これぞ、求めていた完璧なる復活であることに間違いありません。
    今まで(録音、演奏、合唱を総合して)全てが完璧な演奏というものはありませんでした。ショルティやメータは録音、小澤SKOは合唱、ノイマン・チェコフィルは解釈やテンポによる低弦の一部合奏崩壊、バーンスタインはこれとは違いやや冗長に感じる部分が見受けられる、など。
    しかしながらこの盤。テンポが遅いのに全てが完璧。録音も最近のスタジオ録音すら抜く鮮明さ。もはやこれ以上の復活などあり得ないのでしょう。
    ただ黙して聴くのみです。テンシュテット、そしてLPO、ここに極まれり。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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