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黒熊怪 さんのレビュー一覧 

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     2011/01/17

    クーセヴィキーがボストン交響楽団をミュンシュと交代後、彼の没年、1951年に特別に録音されたシベリウスの第二番は、演奏史上希有の歴史的名演として知られていた。この演奏には、それまで彼に反対の人々も非常に驚愕したという。特に最終楽章の圧倒的高揚は比類がなく、他にフルトベングラーのシューマン第4のクレッシェンドが匹敵するのみ。当時、米国随一といわれたボストン響の音楽性と共に、心技体が一体となり融合し、解脱の境地に達した、巨大な炎のようなスケール感は、言葉につくし難い壮大なもので、噂に聞くこの指揮者の超越的な演奏芸術の姿をあますところなく描き出している。また晩年に、かってワルター協会版のチャイコフスキーの4番の実況録音が残されていたが、専門家の間では、オーケストラから出るはずがない響きが生まれる、同国人にしか理解出来ない、作者の心の動きを、直接生き返らせた驚異的演奏と目されていた。是非とも若い人達に聞いてもらいたい、20世紀の伝説的演奏。

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     2011/01/14

    Bethoven晩年の31番の心の澄み切ったこの演奏は、驚くほど出来がよい。ビアノ録音が技術的に手強いのは解るが、この頃のレッグのプロデュースの慧眼には全く感服する。ドイツ流のアプローチとやや距離を感じるが、アラウのBethovenは本国ドイツで極めて高く評価された。この曲を作曲した作者の年齢と奏者の年齢が同じ頃で、技術的にも解釈的にも均衡がとれ、響きは美しく透明。もう耳の全く聞こえなかったBethovenの、若い頃から人生を生きる心の糧であった、ピアノにかける深い想いと、それでもなお、ピアノ演奏の極限を超えるような作品に立ち向かう、純粋思弁の世界で永遠に鳴り響く、壮大な哲学が伝わってくる。

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     2010/12/26

    19世紀バイロイト開幕時のR.ワグナーの歴史的解釈に近いと言われてきた決定的な演奏。R.ワグナーその人が第九の指揮をとったその日、ドイツ中から選り選った奏者の中には、若きニキュッシュ(VPO)も加わり、その深淵を極めた哲学的解釈は、ワグナーの指揮下にあった人々によって記憶され、後々まで語り伝えられたらしい。その意味であの巨匠ニキュッシュの後継者であるフルトベングラーのベートーベン第九のこの演奏は、3人の天才音楽家の心から心へ受け継がれてきた、壮大な音楽の世界を創り上げる、奇跡のような驚くべきドイツ指揮芸術の姿を21世紀の今日に伝えている。

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     2010/11/23

    ストラビンスキーがはじめてベトルーシュカを振った、ウィーン国立歌劇場での演奏会では、偉大なるVPOの母体となるオーケストラからは、作者の耳にはいるほどの否定的な言葉が上がり、聴衆も含めて強力な抵抗があった。初日は、完全な不成功に終わり、全く意気消沈して作者が舞台裏にたたずんでいると、立派なカイザー髯をたくわえ、幕の上げ下げをしている年老いた舞台係が通りかかり、若きストラビンスキーの肩を元気づけるように叩いていったとゆう。自分はもう55年もここにいるが、かって、リヒャルト・ワーグナーの、あのトリスタンの時もこれと同じことが起こったと。半世紀後、ブーレーズによって、年老いた舞台係の言葉は真に実証された。今では、全世界のコンサートホールで鳴り響いているこの曲を、素晴らしい切れ味と生命力で創造した、知的クオリティーの極度に高い演奏だった。NY時代のボックスの価値の高さは、これに比較出来るものがない。

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     2010/11/14

    演奏は、記録映画が残された録音より、こちらの方が素晴らしい。ゲネプロ録音ではないかとの印象を受ける。おおむね同時期のメンゲルベルグのアセテート盤と同程度の音質。概してフルトベングラーは、テンポがゆっくりしている時の方が、構想は深く、大きなスケールを得ることに成功している。それにしても、バイロイト54年の第9の生録音テープや、51年BPOとのベルリン音楽祭での消去されたと伝えられる第9、54年最後のベートベンの2番、50年代のオーレル・ニコレが参加したと云われるバッハの管第2番、バルトークのO協奏曲、スカラ座のパルシファルと名歌手のテープ録音の存在を信じて疑わない。

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     2010/11/01

    おそらくこの曲の最も繊細な解釈、しかも雪解け前の東欧で育った指揮者による決定的な名演。特に第3楽章が、出色の出来で極めて優れている。粛清が吹き荒れたロシア東欧世界の緊張感と寂寞とした世界が、VPOの響きによって見事に蘇っている。このような演奏は、主観性が強すぎると批判が多いシルベストリではあるが、やはり彼にしかできない。この時代の真髄が伝わってくる驚異的な演奏だと思う。

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     2010/10/27

    この曲の究極とされてきた演奏で、これをしのぐものはない。多感なウィーン時代をマーラーと共に生き、その晩年の精神的世界を知っていた人の手による奇跡的な演奏。ガンで亡くなる前の美しいフェリアーと、ワルターと音楽的に最後まで緊張があったという、古強者の揃ったVPOによって、この幽玄な世界への到達が可能になった。ワルターとVPOの組み合わせは常識を超えた何事かが起こる演奏が可能であり、全ての音楽愛好家の胸を高鳴らせる。

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     2010/09/25

    この録音は、大火傷で再起が危ぶまれたクレンペラーの、真に偉大な復帰録音だった。20世紀最大の音楽アントレプレナー、レッグの手腕はさすがだと思う。EMIのこの録音によって、クレンペラーの評価は、決定的になったといわれる。ワルハラ入城とパルシファルが、驚くべき世界を描いた出色の演奏。特に、後者の全曲盤が望まれる。ヴィーラント・ワーグナーに、ドイツ人以上のドイツ人といわれ、バイロイト出場が渇望された大指揮者。ただ彼は、あのマーラーの高弟であって、ワーグナーと極めて深く共有するものがあるとはいえ、ワーグナーの門弟ではなかった。しかし巨大な石造神殿のような演奏は、本物と言わざるおえない

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     2010/09/25

    このバッハは、長い間CD化が渇望されていた。特に無伴奏3番第1楽章の深い哲学的な瞑想は比類がなく、さすがにブッシュだと思う。たった一つのバイオリンが20分以上にわたり奏でる壮大な音響の世界と、その背後に拡がるバッハの精神的実在が、聴く人の心の中に蘇ってくるような素晴らしい演奏。米国でのブッシュは時に健康を損ね痛々しく、バルトークと同様に時代的にも不遇であったが、その真摯で求心的な妥協を許さぬ演奏芸術には、全く頭が下がる。

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     2010/09/24

    ルンツェルンのシリーズは、指揮者と祝祭管弦楽団の相性が極めてよく、圧倒的な迫力がある。特に、辛酸をなめた非ナチ化裁判後の47年のブラームス1番の悲壮感が漂うスケールの壮大さは、フルトベングラーが一回りも二回りも大きくなり、非常に深いドイツ的なものが自然に映し出された、素晴らしい出来となっている。驚くべきは、シューマンの第4で、最終楽章の巨大な拡がりは、伝説のBPO盤よりも白熱している。指揮者が踏み外したかと思うような、神懸りの状態を、オーケストラが夢中になって追いかけてゆく様は、まさに山をも崩すといわれた巨大な演奏。

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     2010/09/24

    VPOのベームの治世と呼ばれた時代の総決算的な演奏。Lp発売当初は、盤面が不安定でその全貌がつかめなかった。フルトベングラーやクナーのように度はずれたスケールで演奏する人ではないが、シューベルトヤモーツアルトの極めて純粋でディモーニシュな、深い音楽の真実を自然に映し出す体質を備えていた。そのため、自ら信じる音楽を前にすると我を忘れることがあるらしい、真摯と異常が結合した指揮台上のジキル博士とハイド氏として恐れられたという。後年は見事に円熟し、さすがにこのブラームスは、安心して聞ける玄人好みの立派な演奏で、練達のVPOの我らのブラームスという趣がある。

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     2010/09/18

    フルトベングラーのベートーベン解釈の深淵として、極限に君臨するのがこの大フーガであると思う。ベルリンフィルの創立記念日に演奏されたこの録音は、最晩年のベートーベンによって構築された、この曲の深層に存在する現代音楽に至るイノベーションの本質が、フルトベングラーという天才の解釈によって見事に描き出されている。弦楽四重奏曲として作曲された当時から、特別な扱いを受けていたのもうなずける。これだけの高みに到達できるのは、伝説のハンス・フォン・ビュローとマイニゲン宮廷管弦楽団以来ではないだろうか。この高品質CD復刻の意義は極めて大きい。”

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     2010/09/18

    フルトベングラーを助け、バルトークを支えたメニューインの人柄には感謝してあまりあるものがある。この人がいなかったならば、稀代の傑作、無伴奏Vnソナタは生まれなかっただろう。このような壮大な構想で、無伴奏のバイオリンが30分にわたり鳴り響き、巨大な音楽の世界を創り出すことは、あの大バッハ以来、絶えてなかった。今まで音楽では表現出来なかった、現代の人間の心の深層にバルトークは到達した。歴史的な初演の日以来、もうこの曲を何十年も演奏しているがと、作者を想い出し、目に涙をためて語っていたメニューインの姿をわすれることが出来ない。正に人類の遺産であると思う。

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     2010/09/18

    バルトークとコダーイは、共に現代音楽に突破口をあけた、20世紀音楽の旗手であった。ハンガリーという、音楽がイノベーションを起こすときに大きな影響を及ぼす、古くは東洋の音楽に通じた血筋の国。バルトークが没して、御子息ペータの手によって録音された戦友コダーイの無伴奏は、マイクをチェロの中に入れたのではと云われたほど、モノラール録音の極致ともいえる無類の傑作だった。曲自体はやや構成が弱いが、虎や豹の動きを見るような、東欧の人々の力動感と生命力は、コダーイの弟子シュタルケルによって完全に蘇った。これは、正に生一本という驚くべき演奏だと思う。

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     2010/09/07

    初日、開幕の悲劇的序曲は、この演奏会を、世紀の演奏会にさせた。驚くべき集中力で、しかも、室内楽を聞いているのかと思うほど、余分なものは一切ない。静かな落ち着きを得ていながら、巨大なスケールと圧倒的な推進力を備えた、正に静と動の極致を見る想いだ。この人は、スカラ座、VPOもそうであったが、客演の時は、極めて魅力的。黄金期のPO、極度の緊張の中で開始される感動的な国歌演奏、レッグとの関係も素晴らしい、いわゆるプロが唖然とする、ロンドン52年の伝説的演奏会。

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