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Verdi さんのレビュー一覧 

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     2021/07/01

    タイトルがまぁ直球というか何というか。刺激的というか、さすが文藝春秋、さすが片山杜秀といったところか。但しどちら向きにせよある種のイデオロギー的なものを予見するのは見当違いと言っていい。むしろ周到に一歩引いたところから「皇国史観」というものの変遷を読み解いており、取り上げられている論者は江戸時代から平成にまで至る。そう、これは「皇国史観」史と呼ぶべきものであり、その中には「この人は”皇国史観”の人なの?」と思うような人も入っている。だが、著作の中で、特に最後に著者が触れている通り、「皇国」というものがあって、それは何であるか、と考えれば、なるほどこういうことなのか、と腑に落ちる仕掛けになっている。面白い。

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     2021/06/30

    率直に言って、筆者が宗教学の研究者であるということから、ある程度割り引いて読んでもいいのだとは思うけれども、しかし、この本の中から立ち上がってくるアメリカのイメージは、日本人が一般に抱いているイメージとはかなり違うのではないだろうか。だが、確かに、言われてみればそうなのだ。アメリカという国は、キリスト教を原動力として生み出された国で、しかも、ピルグリム・ファーザーズによって作られた、的な単純な話でもないのだ。そしてここに出てくる人々の宗教的情熱はどうだろうか。ともあれ、この本を読むと、アメリカという国の、時に我々が感じるある種の違和感の理由というか拠って来たるところが少しは窺えるのではないだろうか。

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     2021/06/29

    元々の「物語消費論」は1989年初出で、その後文庫化された際に「定本」として出たのだけれど、この「改」はほぼ別の本になっている。要は、自著「物語消費論」それ自体を2010年代の時点で改めて自分で批評しながら現代状況に即して書いた本であって、まぁ、大塚英志らしいといえばその通り。内容がつまらないかというと決してそんなことはないのだけれど、ただ、昔の自著を批評して上書きしようとするかのような態度は、個人的にはあまり感心しないのですよね。いや、最初からそういう本だと思って読む分にはいいのかも知れないけれども。そして、来月、「物語消費論」が改めて星海社から出るという話なので、じゃぁこれはどうなのよ、とも思うので、星は減らさせて頂きました。いや、内容的には、ある種鬼才の大塚英志らしく読むに値するんですけれどね。

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     2021/06/29

    40年以上前に出た本ですが、未だに名著としての地位を保っていると思います。40年前は小学生のお小遣いで買えたと思うのですが、ここだけは時代ですね。内容的には、確かに今から見ると時代を感じさせる作品も無いではないけれど、決して古びていないと思います。なにより、決して「子供向け」ではないのが素晴らしい。「子供向けの詩の本」を編む時に、普通、死について、それも、劇的な死ではなくて、老いて、死んでいく、そんなものまで入れようとするだろうか?でも、茨木のり子は、ちゃんと入れたのだ。そういう視野の広さ。読み継がれ、読み続けるに足る由縁だと思います。

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     2021/06/29

    現代史というのは難しい。というのは、それを論じている人間との時間距離が無いので、生身の自分との関係を抜きに語るのが困難だからだと思う。約30年前に東ドイツを皮切りに所謂東欧諸国の社会主義体制が崩壊していった時、それを「客観的」に評価することは難しかった。まして、東ドイツという国は、それら東欧諸国の中で唯一「消滅」した国である。他には、ユーゴスラビア連邦やソビエト連邦のように「連邦」が解消した国、チェコスロヴァキアのように分離した国はあるけれど、国が丸ごと無くなって吸収されたというのは無かった。それは勿論「ドイツ」という国民国家が分断されていたから、という個別的な理由ではあるのだけれど、その意味で非常に特異な国であった「東ドイツ」の歴史。なにしろたかだか45年程度の「歴史」しかあり得ないので、同じ中公新書の「物語xxの歴史」シリーズから見ても、現代史の領域が殆どという異色作ではあるのだが、ここはむしろ30年前にピリオドを打った出来事が「歴史」になっているという事実を感じるべきなのかも知れない。思えば、40年前に、「社会主義体制は皆崩壊する」とリアルな現実で思っていた人はまずいなかったと思う。そういう意味では「あちら側」の人達の歴史は「こちら側」の歴史の合わせ鏡でもあるのであって、その頃「こちら側」(必ずしも西ドイツでは、ということでなく、我々自身という意味でも)がどうだった、というのを思いながら読める本でもある。ただ、そうした意味でのリアリティ、というのも、いずれは薄まって、全て「歴史」に埋没していくのかも知れない。ただ、現実の旧東独地域の現状は、「東独であったこと」が何の影響も感じられない、というようなものではなく、そういう意味では「歴史」になる日もそう簡単にはやってこないのかも知れない。本の内容としては、新書で千円そこそこでよく纏まっていて、必読と言っていい本だと思います。

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     2021/06/29

    もう亡くなって四半世紀、山際淳司の出世作「江夏の21球」を収録した、氏の代表作と言っていいと思います。勿論、後発の数多あるスポーツドキュメントの出発点になった「江夏の21球」も今読んでも面白いのだけれども、実は、表題作も含めその他の、そう言っては失礼だけれども、そこまで有名と言う訳でもないスポーツ選手達の話が無性に面白い。山際淳司という人には確かに文才があったのだと思う。文才というよりは、むしろ、詩才なのかも知れない。文体も著作の形も勿論韻文のそれではないのだけれども、対象の底に隠れている抒情的な何かを掬い上げることが出来る稀有な人だったのではないかと思わせます。

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     2021/06/29

    岩波新書青版の古典と言っていい本かと。魔女狩りに関する本も少なくないし、なにしろ半世紀前の本ではありますし、今から見ると時代を感じさせる部分はあるけれど、新書レベルとしてはよくまとまっているいい本だと思います。

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     2021/06/27

    「ブレードランナーの原作というか元ネタ」と言った方が通りが良くなってしまい、遂にはこれ自体もよく知られるようになってしまった作品。とはいえ、訳がこなれているからなんとなく読めてしまうけれど、これは恐ろしく厄介な話ではあります。SFというカテゴリーにあるから安心して読んでいられるけれど、実はかなり怖い話ではあると思います。映画よりもよほど苦い。それは、結局、「人間と人間でないものとの違いは何か?」ということを自分にも適用して考えなければならなくなった時、人はどうなるのか?と言う問題だからだと思います。そして、今のところ、まだこの問いはそこまで深刻化してはいませんけれどね。でも、そろそろぼつぼつ迫って来ている気がします。

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     2021/06/27

    なんというか.....いじりすぎですよね。そもそもオリジナルが出た当時は原作と全然違うと言われながら、独特のディストピア的な世界観で強烈に熱狂的なファンを惹きつけた、というところまではいいんですが、その後幾つもバージョンが出てしまい、最近では監督自らも含めて解説付きのディスクセットが出て、解説の方が長いという.....その割に、オリジナルは「クロニクル」で観るしかない、というのもなんというか。ちょっと「語られ過ぎ」のような気がします。昔は良かったと言っているつもりではないけれど、こういうバージョン出したりしてあれこれいじらなくてもよかったんじゃないかという気がします。

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     2021/06/27

    いしいひさいちの本を講談社学術文庫で読む日が来ようとは。そして、おそらくはいしいひさいちの本の中でも最も難解であろう本。いや、これだけめんどくさい人達を料理しているものだから、まぁ読むこちらも読むだけでも大変ですね。概ねその思想を上っ面だけでも触れてないと笑えないというめんどくささ.....サラッとカントダウンなんてくっだらないけど著作の題名知らないと何が何だかわからないなんていうのをオマケマンガに置いておくとか。

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     2021/06/27

    まずタイトルがよくない。まともにきちんと法学部で学問としての法学をやった人間なら、この程度のことは普通に考えている筈。これを「常識に楯突く」とかいうのは、法というものをきちんと考えたことがない人だろうと思う。言い換えると、クセのある内容ではあるけれど、それほどとんでもないわけでもない。ただ、では、入門になるかというと、率直に言えば法哲学のテキストの類を読んだ方がいいとは思う。お手軽ではありますね。

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     2021/06/26

    名前の割に実情があまり知られていない感のある平将門、その反乱を取り上げた本で、確かに読み易く纏まってはいるのだけれど、著者の個人的見解の積み重ねがあまりに多過ぎる。決して妥当性が無い訳ではないけれど、こういう言い方をしてはなんだけれど、講談社現代新書に入るにしてはちょっと脇が甘過ぎませんか、といったところかと思います。まぁ、今時の「歴史ファン」の類は「歴史ファンタジー」好きなのだろうから、これでいいのかも知れませんが、例えば今から見ると色々古過ぎると言われるであろう、岩波新書の青版などの方が、同じようでありながら著作としては完成度が高いと今更ながら思います。

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     2021/06/26

    元は中公新書で出ていたものの再発。もう40年前の本、著者も鬼籍に入られて久しいですが、独特の視点で様々な「泰西の名曲」(こういう言い回しももう死語ですよねぇ)を何故に名曲たり得るのか分析した著作です。作曲家であった諸井誠ですが、この本では楽曲分析というようなことはあまりないのですが、それでもその種の分析では何故かわかりやすいのが面白い。

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     2021/06/26

    敢えて言うと、昔ながらの戦争映画ではあるのは、昔々作られた第二次大戦ものの発想を実は超えていないから。なんとなく冒頭やラストシーンなんかでドラマ性が強くなっているようには思えるのかも知れないけれど、正直、ストーリーに対して戦闘描写のエンターテインメント性が勝ってしまっている感は否めないような。そう、これ、ヒューマンドラマみたいに思われているかも知れないけれど、むしろ伝統的エンターテインメント戦争映画だと思います。スピルバーグが全力を傾けて作っただけあって迫力はあるけれど、逆に、良くも悪くもスピルバーグ、といった感はあるかなと。

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     2021/06/26

    作品そのものが重い重い。そもそも1978年の作品だから、まだヴェトナム戦争自体終わって5年も経ったかどうかという頃。あくまで田舎のアメリカ市民の視点で描かれたものだけれど、それだけに、平版な反戦にも、後に連発されるエンターテイメントにも陥らない苦さに溢れている、といったところかと。本編の圧倒的な存在感を思えば、特典映像とかの類は割とどうでもいいよね、とは率直に思うのだけれど、ヴェトナム戦争というものがそこにあった、ということがリアルではない人が多くなった今となっては仕方がないことなのかも知れません。

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