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やっす さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/19

    どこか不気味でグロテスクなショスタコーヴィチの音楽。特に10番は政治的な背景も深く絡んでいると言われる。しかし、カラヤンはそんなことお構いなし。やはり、いつも通りの豪快な音とたっぷりなレガートでカラヤン流の美しい演奏になってる。ショスタコーヴィチにカラヤンの音楽造りはまるで水と油といえるかもしれない。しかし、どうしてだろう。これが圧倒的名演なのだ。確かにムラヴィンスキーのような恐怖的でザッハリヒとした演奏もすばらしい。だが、カラヤンの演奏は奏者の圧倒的余裕があり、この曲が本来持っているオーケストレーションの美しさをストレートに伝えてくれる。この美しさとグロテスクな音楽が絶妙にマッチし他の演奏にないすばらしい魅力を引き出している。美しいグロテスクほど味わい深いものはない。皮肉なことだ。まさにカラヤン/BPOだからこそ出来た演奏ではないだろうか。何度聞いても新しい発見があり、この演奏を聞くたびにしばらく10番にハマってしまう自分がいる。今ではムラヴィンスキーよりカラヤンの演奏を聴く方が多くなってしまった。自分にとって、まるで麻薬のような演奏だ。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/15

    充実した響き、深化を極めた解釈、素晴らしい音質。ついに待望のラトル/ベルリン・フィルのベートーヴェン全集が販売された。ラトルが前回、ウィーン・フィルと録音したものは弦楽器の響きが貧弱であり解釈もあざとく感じられた。それは決して何回も聞きたいと思うようなベートーヴェンではなかった。そのようなこともあり今回の購入は若干の不安を抱えてのものであったが、その不安は交響曲第1番の冒頭を聞いて一気になくなった。どうやらラトルは今回のベト全でノンヴィブラートを抑えめに演奏したらしい。なるほど、弦の音が実に豊かに聞こえる。特に低音が素晴らしい。やはり低音あってのベルリン・フィルだ。音が実にシンフォニックで豊かになってる。ウィーン・フィルとの録音とは大違いだ。やはり、私はオケを聞くなら室内楽的な響きよりも響きが充実した方が好きだ。さらに解釈も前回程、あざとくは感じられず、より自然に曲に馴染んだものになった。そこにラトルの円熟を伺うことが出来る。特に5番と7番は久しぶりに聞いて感動させられた。まさに天才ラトルとBPOだったから成せた演奏だろう。間違いなくこの演奏は21世紀を代表するベートーヴェンになるのではないか。過去の演奏にとらわれない新時代の美しいベートーヴェンを見せてくれたラトルとBPOに拍手。

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