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たーさん さんのレビュー一覧 

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/30

    わたしはこれらの曲を2枚のLPで持っているが,協奏交響曲についてのみ書き記したい。
     陰翳に富むモーツァルトと並べて「軽く」見られがちのハイドンだが,それは二人の違いを表層でみているだけではないだろうか。ハイドンに屈託を感じることはあまりないが機智と歌の豊かさは無類と思う。
     さて協奏交響曲。わたしはこの曲がとりわけ好きだ。親密さと幸福感に満ち,時にごく軽い翳りが立ち昇ってくるところがとてもいい。ベームの演奏は当初物足りない感じがしていたがいろんな録音に接した後で改めて聴いてみると味わい深い。ヴィーン・フィルはのちにバーンスタインとも録音していて,それもなかなかのものだが,わたしとしてはベームの少しく引き締まった響きをより好ましく思う。キュッヒルはさらにアダム・フィッシャー指揮の下でも弾いているが,ここでの演奏が最も伸びやかに聞こえる。
     ついでに。あまり注目されていないようだが,ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団(NAXOS)の演奏も一聴の価値あり。ベームとは好対照と言える。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/28

    2010年3月25日,この「ヴィーン・フィルの第九」を聴くことができた。予約でとれたのは立ち席だったが,前の日に幸運なことに座席の切符が手に入った(定期公演ではなく,楽友協会主催の演奏会)。
     オーストリアやドイツでの規範的な演奏の範疇に属すると言っていいだろうが,「いまどきこういう演奏をするのほかにはバレンボイムくらい」とはすぐ近くの席にいた人の終演後の話。わたしがフルトヴェングラーを勝手に思い浮かべたのと共通するらしかった。「聴きどころ」でテンポを落とすのはごく自然な流れで,聴いている側にとって意表をつかれるということがまるでない。作為がないということか?それとも“完璧な”作為のせいか。いずれにせよこちらは演奏に惹きこまれていたというわけだ。最後の音が消えてもすぐには拍手ができなかった。
     ヴィーン・フィルも熱演。キュッヒル氏など顔を紅潮させて弾いていると見えた。つけたしながら,ラトル,アーノンクール,ゲルギエフといった全く異なる「芸風」の指揮者たちとも共演を重ねているこの楽団の強かな力もまた思い知った。
     さて,我が家の機器でどれくらい「再生」できるだろうか。ただ希有の体験を思い起こすことはできるだろう。それと他の曲を視聴きする楽しみもある,というわけで期待値の五つ星。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2011/03/21

     紹介文のとおり,この組み合わせのLPは何種類かあって『レコード藝術』誌も“名曲決定盤”で取り上げたりもした。「お薦め」としてはヴァルターが一番手で次がミュンシュだったかな。ほかにライナーやセルなど。あるいはこの組み合わせは当初アメリカ原盤のものばかりだったのか。クレンペラーやクリュイタンスは?。カラヤンのは日本からの要請で『未完成』が録音されたとかで後からの参入だったはず。バーンスタインはもっとあとだったろう。
                                       初めて聴いて以変わらないのは『未完成』での,情緒に深入りしない演奏が却ってこの曲の美質を浮き彫りにしているという印象。とくに第2楽章はヴァルターとは好対照である。ベートーヴェンは第1楽章のきびきびした運びの後,第2楽章のややゆったりした始まりに驚かされる。そのあと音楽がじわじわと熱を帯びてくるのはテンポの微妙な変化による緊張と弛緩の織り交ぜ方の巧みさのせいだろう。興奮させられるのではなく心が深く揺り動かされる演奏。
                                       ミュンシュのLPにしたのは,当時1200円と一番安かったからである。ビクトローラという廉価盤の一つだった。“ミロのヴィーナス”のモノクロ写真のジャケット。いまでもそれで聴くのだがCDだといい音なのかな。LPではベートーヴェンのカッティング・レヴェルが低いような。

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     2011/03/14

     むかし,銀座・コリドー街のハルモニアというレコード店で手に入れた輸入盤は,小豆色の布張りに金文字が押された上に,大きめのヴァーグナーの肖像画が配された函に入っている。この造りは再建なったNationaltheaterの初日を祝ってということだったのだろう。これはいまや美術品と言えるほど。このCDの函も舞台写真で飾られこの録音の意義を伝えているところは,無味乾燥な国内盤とは大違い。
     演奏?歌手についてご不満の向きもあるようだが,わたしはカイルベルトの大掴みで悠揚迫らぬ指揮ぶりを楽しむ。とは言うものの全曲を通して聴くのは体力がいる。で,最近は前奏曲〜テ・デウム〜ヴァルターとエーファの対面あたりと,ザックスの大演説〜終幕というキセルを決め込んでいるが。
     わたしが買ったころに比べるとずいぶん安くなっている。それもあってお薦め。

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     2010/10/13

     表題になっている「舞踏への勧誘」には,トスカニーニのそれこそ胸のすくような快演があるが,クナッパーツブッシュのは,わたしの知る限りそれから最も遠いところに位置する。ほかの曲も含めて珍演,怪演,名演のどれも当てはまらない。もちろん凡演,駄演などであるものか。では巨大か?そうでもない。洒落ているとも言えない。クナッパーツブッシュは何をしている?さあて。ヴィーン・フィルは?さて。ほんとうに「何とも言えない」。その何とも言えなさに惹かれるというわけ。
     勝手な想像で言ってしまえば,これは指揮者も楽隊も気乗りしないでやっているのだろう。が,凡庸な棒振りが臨時編成の楽団とやってもこうはできない,クナッパーツブッシュがヴィーン・フィルを相手にしたからこその演奏なのだというほかあるまい。つくづく音楽と演奏の不思議を感じてしまう。
     わたしが持っているのは,イギリス・デッカの2枚組盤だから聴く楽しみはたぶんこの盤の2倍...以上だが,本盤でも十分楽しめよう。あれこれ考えないで聴くのがいちばん。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/24

     むかし(と言ってよいだろう),オープンリールデッキを買って初めてFM
    放送のエア・チェックをしたのがここに入っているK.239とK.364。このCDを手に入れたのはおそらく発売されてすぐ。デッキはとっくに壊れてテープも聴けなくなっていたから飛びついたはず。「そうそう,こんなふうだった」と懐かしがった時からでさえ20年近くたっている。
     わたしの大好きな曲である協奏交響曲は何だかいやいや始めているみたいだがこれはベームの棒が妙なはね方でもしたか。それは3小節めの頭まで。
    あとは気心のあった人たちの奏でる伸びやかなモーツァルト。中間楽章のヴァイオリンとヴィオラの「対話」の親密さと言ったら!

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/12

     この演奏の声楽にわたしは不満を感じない。たとえば張りのある,朗々としたバスを期待すると肩透かしを食らった気分になるということもあるかもしれないが,前3楽章が物々しさと無縁であること,終楽章がいくぶん遅めでしかもインテンポであること,「歓喜の主題」が低弦で何とも平明に現れることなどなどを併せ聴けば合唱もまたモントゥーの求めに十分に応えていると言えるのではないか。「無為にして化す」見本のような演奏。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/12

     帯に書いてあるようなヴィーンにアイデンティ云々というのは違うのではないか。こういう「遊び」が殆んど感じられないキリリとした演奏はワルツ本来のものとは異質のものなのだろう。しかしこの胸のすくような合奏から得られる愉悦は特別なものだ。「春の声」が特に,そしてそれに続く「オーストリアの村つばめ」がいいな。

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     2010/07/26

     この演奏に初めて接した時は高校生。大晦日にNHKが放映した時だった。このころカイルベルトの評価はそれほど高くなかったように思う。夕食中でチラチラと目をやながらの聴き方だったせいか特別な高揚や耽溺もなく淡々と進行する印象の演奏だった。ところが,最後の音が消えたとたん,体のなかで何か大きなものがグラリと動いたような感じがした。この不思議な体験から「第九」が名曲だと悟った次第。星5つはそういう記憶の故かも。

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     2010/07/25

     「岸壁の母」は実はこちらが「本家」だと知る人はもう少ないのではないか?わたしにはあのセリフ入り版はどうも過剰に感じられて仕方ない。この歌のモデルとされる人のほかにも多くの「岸壁の母」たちがいたことに思いを馳せるにはこちらがいい。
     「星の流れに」にも胸を打たれる。あの時代にこういう「女」たちがいたことを心に刻しておくことは大切なことだ。この歌を聴いてそう思う人が多いことを願う。

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