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waldmorgen さんのレビュー一覧 

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     2020/06/12

    全集版やブリリアントボックス版とも違う、新しいタッチの演奏。1990年以降丸みを帯び始めたロジェヴェン氏の音楽性が、このショスタコ10番という曲で、円熟した演奏へと結実するとは思わなかった。
    鳴らすところはとことん鳴らし、締めるところは締める、そういうメリハリの上手さは既存音盤でも健在だったが、録音の悪さとオケの音の悪さがこの曲にとってはかなりマイナスに働いてしまっていたと思う。(他の交響曲であればそうしたマイナスも、ロジェヴェン氏の手腕でプラスに変えることができていたが。。)
    そこで本盤は、現代の録音とオケにより上記マイナスがなくなっただけでなく、最晩年のロジェヴェン氏の音楽性が、この曲の”新”価を伝える良盤だと思う。特に第四楽章はゆったりとしたテンポの中で楽想とリズムが鮮やかに提示され、他の演奏にない表現が繰り広げられている。ロジェヴェン氏のファン、ならびにこの曲のファンには是非聞いてほしい。

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     2017/06/08

    新盤のミネソタと旧盤のラハティとでは、弦の厚み、管の強奏時の音色など違う部分はやはり多い。同じヴァンスカ指揮の演奏でも、新旧でかなり印象が違う。3番はミネソタの機動力のおかげで旧盤よりもかなりシャープで聴きごたえのある演奏だった。6番に関しては、けしてミネソタが悪い演奏をしているというわけではないが、北欧フィンランドの空気、自然に触れられるようなラハティ盤(特に第3楽章が良い)のほうが断然好み。そして7番。新盤は弦が非常に安定しており、楽譜に書かれた音を逃すことなく鳴らしきっていた。特に前半部が非常に充実した演奏となっている。ヴァンスカの基本的な解釈、音楽の作り方はほとんど変わっていなかった分、オーケストラの実力はミネソタが一枚二枚上のように感じた。しかし、旧盤ラハティは終盤のハ長調に戻ってくる部分の音色及びクレシェンドが、神が下りてきたかのように効果的だった。新盤はその部分がそこまで印象的ではなかったのが少し残念。以上の通り新盤旧盤ともに良いところがあり、今後も私の愛聴盤であり続けるだろう。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/06/08

    2番が素晴らしい。ブニアティシヴィリの疾走するピアノにオーケストラがうまく合わせ、切れ味鋭い爽快感のある演奏に仕上がっている。フレーズのニュアンスや全体の流れもよく、音楽としてちゃんと腑に落ちる表現ができている。問題は3番。終始流麗で流れの途切れない2番と違い、緩急が激しくピアノの技巧を限界まで駆使する必要がある3番では、ブニアティシヴィリのピアノ表現に迷いを感じる部分が多く聴こえた。特に第1楽章カデンツァ(大ossia)に打鍵の乱れによる音抜けが多く見受けられたのが残念。3番についてはピアノよりもヤルヴィ&チェコフィルの多彩な表現、サポートに耳を傾けるべき。今後の演奏に期待したい。

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     2012/06/14

    いわゆる「エスプリ」的な演奏ではないが、なぜかとても説得力のある演奏。タッチはとても繊細で暖かく、それでいて明晰。破綻や冒険は一切なく、ただただ美しく音を紡いでいく有り様に感動を覚えた。素晴らしい。

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     2012/06/14

    音楽がそのまま語りかけてくるかのような印象を感じられる至高の演奏。この人の卓越した色彩感を改めて思い知らされたCDだった。他の新ウィーン派のCDも聴いてみたい。

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     2012/05/23

    紹介文にあった通り、バルシャイによるメロディアのスタジオ録音やモスクワ初演盤に比べ、非常に音が良い。このコンビの驚異的なアンサンブル能力を改めて感じ取ることができた。録音が1975年ということで、初演から約6年。そのせいか前の二つに比べかなり腰を据えた演奏を行っている。初演盤のような鬼気迫る演奏を期待している方には物足りないかもしれないが、このコンビにしか表現できない冷たさと緊張感は健在だ。ソリストは両者とも雄弁でこの曲にふさわしい立派な歌唱が好感を持てる。特にネステレンコが非常にドラマティックで、後半楽章ではとても魅せられた。これらの点では他の演奏の上を行く素晴らしい内容である。しかし、非常に惜しいのであるが、演奏(ライヴ)自体の傷が結構大きい。第七楽章ではネステレンコがまさかの大ミス。それ以外にもちょこちょこミスがあり、これらの傷がなければ星5つどころか7つくらいつけたいレベルの演奏なのだが、4.5くらいが演奏に対する評価として妥当であると思った。しかし、この盤の持つ歴史的価値を享受できた喜びを考慮するとやはり星5つか。なによりこの演奏を世に出してくれたTokyo FMには感謝せざるを得ない。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/12

    ---ショスタコーヴィチはようやく亡くなった。---
    この曲の革新的な演奏が生まれた。この作品は全ての交響曲の中で最も難解なものであるがゆえ、これまでの演奏はバルシャイ・ロストロポーヴィチに代表される過激なソビエト流解釈と、オーマンディやキタエンコのような淡々と楽譜に書かれたことを描く解釈の二つしかなかった。しかし今回のような、「楽譜や文献から」作曲家の心境をくみ取り、「表情付けをしっかりとつけた」演奏というのはこれが初ではないだろうか。特に第6楽章と第8楽章の声楽陣のテキストに対する感情移入っぷりはさながら演劇のようである。ここに私はこの曲に対して非常に客観的な立場から本質をえぐり出そうとするエネルギーを感じる。それは過去の演奏におけるひどく主観的(作曲家に近い存在による視点)な演奏や、ひどく客観的(交響曲という純音楽の再現という視点)な演奏とも違う、新たなこの曲の基軸となる解釈である。もちろん前二つの解釈そのものを否定しているわけではない。当時は作曲家本人がご存命であったり、資料が少なかったりとするわけで、解釈が限られるのは当然である。しかし、この演奏の登場により、ようやくショスタコーヴィチは現世の呪縛から逃れられ、真に亡くなったのではないか、と感じざるを得ない。そうした意味あいでこの演奏は歴史的大名演だと私は考える。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/05/20

    さすが合唱王国リトアニアだけあって、非常に澄みきった合唱です。フォルテも決して叫びません。神秘的な響きがします。呪われた者の女声(天国からの声)が特に。オーケストラにも不満はありません。
    惜しむらくは録音でしょうか。ノイズはありませんがやや不鮮明です。
    これが西側での録音だったらと思ってしまいますが、西側ではこのような演奏は決して現れないと思うので「最高」の評価で。

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