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千葉のアリアドネ さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/16

    32年前、私は、銀座で徹夜行列をして入手したチケットを握りしめ、高揚する気分を抑えきれずに文化会館へ向かった。モーツァルトとRシュトラウスには「腰を抜かした」が、ブラームスは95点。ベーム、VPOのこくのある響きは何とも魅力的で、1.2楽章の深い味わいには、この巨匠ならではの輝きが感じられ、大変感動した(この部分を聞くだけでも当CDの価値は充分だ)。が、私の頭の中で、75.1.30 BPOライブ(NHKで放送、CD-Rで出たこともあるようだ)の推進力豊かな演奏のイメージが出来上がってしまっていて、3.4楽章がその面で幾分物足りなかった(贅沢な注文と言えようが)。マイスタージンガーは唖然とする程の素晴らしさだった。皆さんベームのブラームスだから最高を求めてしまい、真価を伝えたいがために、録音にも厳しくなるのかな。これからもベームのブラームスが発掘されれば、貪欲に聴き続けたい(60年代のVPOとのライブが是非聞きたい)。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/15

    K622。ウラッハを推す人も多かろうがプリンツもそれに劣るものでは全くない。更にバックがベーム、VPOであることはこの曲の場合決定的。モーツァルト晩年の「透明感ある明るさ」の中の「陰り」「深み」を、様式感の完全に一致するソロ、指揮者、オケが三位一体、融合して描き尽す。簡潔にして優美な表現に潜むニュアンスの豊かさは驚くべきもので、意味深い響きの連続に感動を禁じえない。K313。作曲者22歳の作だが、トリップとベーム、VPOはこの曲を名技性に富む華やかな美しさではなく、しっとりとした含みのある美として表現している。第一楽章のカデンツァは特に見事で心にしみるものがある(本当に「木管」の「笛」の音!)。K191はツェーマンのファゴットの深みのある響きが魅力。晩夏から秋、休日の午後に是非この最高の演奏を!一番大切な方とご一緒に!。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/15

    77年9月録音。ベームには56年ザルツブルクライブ(モーツァルト生誕200年祭、Walhall)の他、76年ザルツブルクライブ(メンバーはほぼ当盤と共通)もプライヴェート盤で出たことがあるが、演奏機会は多いとは言えない。しかしこの演奏は近年再評価著しいこの曲の魅力を充分に表したものだ。83歳最晩年の収録だが緩みはなく、
    劇的な部分での合唱の扱い、オケの緊迫感など見事なものだ。また晩年期特有の慈愛ある情緒豊かな表現が、作曲者がセリアの枠を越えて表そうとした「人間感情」を余すところなく表現している。歌手陣も好演。ヴァラディ(36歳)マティス(39)シュライヤー(42)オフマン(40)いずれも脂の乗り切った名唱である。王子イダマンテは元はカストラートの役で、女性歌手が歌う場合が少なくないが、ここではテノール(シュライアー)が担当。セリアだからといって敬遠しないで、是非モーツァルト24歳の出世作に耳を傾けていただければと思う。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/01

    74年初出。私は名演と思うが、様々な意見の出た演奏。ベームの伴奏、「レコ芸」の志鳥栄八郎氏は「入神の技」、かたや「ステレオ」の福永陽一郎氏は「音楽の死骸」と断じた。吉田秀和氏は「肩の力をまったく抜いた、体操の名人の身のこなしのような演奏」(世界のピアニスト)と評価した。「2台」については父娘の様式の一致が素晴らしいとする吉田氏に対し、エレーナが足を引張っていると言った批評家も少なからずいた。まず「2台」だが私は吉田氏に賛成(というか私の耳ではどちらが父で娘だかわからない)。27番、ギレリスは鋼鉄のようなタッチが影を潜め、純粋でクリーンな音作りに徹している。寂寥感、孤独感というものは希薄だが、高潔な音楽がK595の高みへと通じていく。ベームも立派だが、バックハウスとの共演(55年DECCA)の境地は更にこれを上回る気がする。ベーム-ギレリスの共演はザルツブルグライブの皇帝(71年-Orfeo)、シューマン(75年-Andante)が知られているが「正規盤」は残念ながらこれ1枚だ。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/31

    33年前の76年夏、大学1年生だった私は高校時代の友人T君(75年ハガキ応募の来日チケット入手の恩人)と銀座で徹夜行列、2階最前列に近い席を入手した。演奏について私ごときが付け加えることは何も無い。田園は勿論、運命もレオノーレも一生忘れ得ないというだけだ。クラシック音楽を好きになったことを本当に幸せに思えた。是非若い音楽ファンの皆さんに、無心に(一部の世評-田園は最高だが運命はダメとか-に惑わされることなく)耳を(目を)傾けて欲しいと思う(CDより音は実感に近い)。ところで75年のグレートやジュピター、火の鳥はDVD化されないのだろうか。当時何度も再放送されたと記憶する。もし少々の傷があっても少しも構わない。DVDを世に出して欲しい(CDも再発を!)。思い出を新たにする人にも、初めて聴く人にも深い感動を与えるであろうから。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/31

    この曲の世界初全曲録音。ハース版出版後僅か3年、36年の録音である。なぜレコード会社が、SKD監督に就任したとはいえ、42歳の若手指揮者を起用として、SP9枚18面の大曲録音に踏み切ったかは明らかではないが、演奏は驚くべきものだ。改訂版がはびこっていた時代に「現代に通じる演奏」を成し遂げている。テンポは早めな部分が多いが、曲の構成(見通し)が明確で、やや淡泊ながら情感にも不足していない。録音が良ければ(SKDの響、現場で聴いてみたかったものだ)現在の演奏で十分通用する。この曲の真の姿を伝えたい、世に問いたいという若きベームの意欲、覇気が感じられる演奏でもあり、第3楽章など颯爽とした格好良さがある(42歳でこんなに充実したブルックナーを指揮できる指揮者が今いるだろうか)。録音はこの時代としては聴きやすい(第二楽章以降の方が音が良い)。ブルックナー協会から交響曲の普及の功績でリングを贈られているベームなのに、録音が少ないのは誠に残念。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/31

    当時私は高校2年生。友人T君はクラスメート全員を説得。本人、家族の名前で応募の葉書を出し、クラス4人のクラシックファンは倍率18倍のプラチナチケットを入手できた(私が行ったのは3/17、ブラームスの日だ)。4人は演奏会の様子を熱につかれたように語り合いベームの、VPOのナマの凄さを確認した。(ベーム人気が75年来日で「火がついた」のは事実だが、それ以前からLPやNHKFMのザルツブルク他のライブを通じ、間違いなくドイツ系鑑賞の中心的存在だった。)演奏後の会場のただならぬ高揚が、日本だけでないことは、多くのライブ録音や証言から明らかだが、音楽そのもの姿、美を懸命に伝ようとするベームの「心」、真摯、白熱の演奏が、世界の人々の「心」に伝わったからだろう。まさに「心から心へ」(オーラとかカリスマとかいう下品な言葉ではなく)、有名な若者のステージ前への押しかけもごく自然におこった。ああやって彼らは感動と感謝を表そうとしたのだ(私も3階の一番下まで降りてスタンディングオベイジョンを続けた)。音楽の素晴らしさを教えてくれたベーム。没後30年近く経つ今も、そしてこれからもその「心」は私達の中に生き続けると確信する。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/24

    ベームはなぜこの時期にパリ交響曲集の後半だけ録音したのだろうか(当時DGではヨッフム、LPOのザロモンセットが進行中だったが)。この美しいジャケットは初出(75年来日記念盤のうちの1枚)当時のものと記憶する。評価は高かったが曲が地味ということで大評判にはならなっかたと思う。だがこれは70年代のベームの傑作でありモダン楽器のハイドンとして極めて高水準のものだ。92番も耽美的ではないが優雅な表情、VPOの抜群の音色美とハーモニーで聴く者をモーツァルトとはまた違ったハイドンの古典の美にいざなう。協奏交響曲の素晴らしさ!あとせめて有名な曲だけでも、あるいはせっかくLSOと録音するならチャイコフスキーではなくてザロモンセットを録音してほしかったなどと思うのだが、今やかなわぬ夢。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/24

    ベームのハイドンといえばオラトリオ「四季」(VSO、67年、DG)が唯一のものだった。ハイドンを多くとりあげてきたとは言えないベームがなぜ四季を録音したか不明だが、精気あふれた剛毅な演奏は高く評価され、各国のレコード賞を受賞。そのイメージで聴きだすとあまりの優美さに面食らうかもしれない。構成はしっかり配慮しているのだが、V字の第二楽章など実に情緒豊か。有名で無い曲も含めハイドンがこれほど美しく、魅力があるとあらためて感じいった次第。是非お勧めしたい。60年代のこのコンビはどんなハイドンを聞かせてくれたのだろうか。聞きたかった。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/17

    録音当時(76/4)ベーム81歳、ポリーニ32歳。共演のニュースには驚いた。人気者を組み合わせて稼ごうというDGの商魂戦略などと言った批評家「風情」もいた。ポリーニは老巨匠をヨーロッパ音楽の最も深いところを知る人として尊敬。ベームも
    若き天才に深い愛情を注いだ。思えば、構造的に精緻な音楽の作り方、主情的感情表現の抑制、それでいながら歌うことへの抜群の感覚と言葉を並べれば両者の一致点は明らかだ。結果は素晴らしい23番。加えて当時評論家で詩人の吉井亜彦氏が書いた様に、ここでのポリーニは「幸せそう」だ。ショパンなどでの強烈な緊張感が後退し、信頼する大指揮者のもとで無心にモーツァルトに取り組んでいる。第二楽章も両者の奏でる至純な音が深い感動を誘う。私はいつもこの演奏を聴くたび、次第に指揮者のことも独奏者のことも忘れ、ただただ音楽の純粋な美しさにのまれてしまう。許光俊氏が「世界最高のクラシック」の中で絶賛しているのもむべなるかなと思う。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/17

    評価点をつけるのは難しい。演奏内容5点、歴史的価値5点だが、映像は低レベル。といっても巨大な感動に包まれた伝説の公演の雰囲気を知ることは充分できる。78歳のベームはまだ指揮の動きも比較的大きく60年代と変わらぬ指揮ぶり、ニルソンは55歳だが強靱な声に衰えはなく第3幕など神々しいまでの存在感、ヴィッカース(46歳)ややクセのあるところもあるが悩めるトリスタンを好演。演出のレーンホフはヴィーンラント.Wの弟子らしく?光線主体の演出(古代ローマ劇場の舞台では他にやりようが無い?)。尤もアップ映像が多く演出の全体像が掴みにくい面も。欠陥はあってもベーム-ニルソン唯一の「動く」トリスタンであり、フランスでのベームへの熱い支持-ここでも聴衆の熱狂が凄い(フランス人はベームの「明晰さ」を好んだのか、ワーグナーはじめレコード賞の授与も多く、72年、73年パリオペラ座でのシュトラウス公演でのセンセンショーンは我が国にも伝えられた-後者のエレクトラはCDにもなっている)を今日に伝える映像としてファンにはかけがえのないものとなるだろう。

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     2009/10/11

    「家庭」目当てに購入。「破滅こそ芸術だ」という向きには、家庭の幸福と結婚の神聖を讃える「ドイツ教養主義」は相手にされそうもないが、シュトラウウスは大真面目だった。自身の家庭がモデルとされるが、指揮するベームはパウリーネ夫人(本当に悪妻だったんだろうか。ホフマンスタールは苦手だったらしいが、ベームは夫妻の愛情を好意的に自叙伝で語っている)、フランツ君を想い浮かべていたのだろうか、それとも愛妻テア夫人とカールハインツ君だろうか、そんなことを思わせる。壮年期のベームの隙のない構成感が実に見事。オケも熱演。少々のミスはあるが高水準。質朴とも言えるベームのアプローチから「古き良きドイツの家庭」が浮かびあがり、いつしか自分の家族のことも想いつつ、ほのぼのとした気分にさえなる。名演だ。他の曲ではイタリアの名手マイナルディのハイドンが大らかで格調高い好演。ベームはナイマルディに合わせている感。ケンプとのモーツァルトはかなり重い。ベートーヴェンは録音状態もあり、後年の条件の良い演奏を推したい。

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     2009/10/11

    まずHMVさんにお願い。63年、伝説の東京公演のCDだと解りやすく表記してください(私はもう入手不可能かと諦めていました)。偶然レビューをを見て気がついたのは幸運。先輩方の衝撃、興奮、感動がダイレクトに伝わる素晴らしい内容だ。69歳全盛期のベームの指揮は緩急自在。ベリー(34歳)のフィガロ、もう飛ぶまいぞ」などやや癖のある歌いぶりだが、プライとは別の魅力あり。F=D(38歳)後年の巧さより若々しいとの感。グリュンマー(52歳)ベテランの落ち着き。ケート(36歳)年齢の割に歌唱スタイルが古い?やや不安定な感もある。マティス(25歳)初々しい(清純過ぎる?)ケルビーノ。ベームの緻密なモーツァルトの美を味わうならやはり68年のDG盤だ(強奏の所ではオケの細部がわかりにくい・・・が63年当時これだけの一発ライブを残した録音スタッフを賞賛すべきだろう)。しかしこの活き活きとしたオペラ=芝居の感興は何とも魅力的だ。今日フィガロを聴こうというときどれを選ぶか、悩みを増したのは確かだ。

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     2009/10/04

    第二集はWien-Filmでのスタジオ収録中心。36番(74年)はムジークフェラインのライブだが文句なく素晴らしい。76年〜のVPOとのCDはベームの死去により実現しなかっただけに尚更貴重。78年のセッションではまず38番が秀逸。第一楽章提示部が
    幾分重いがアレグロに変わってからは誠に快調。特筆すべきは1番。第二楽章
    ジュピター音型で有名なこの楽章のメランコリーをベーム、VPOは誠に「愛情豊かに」表現する(ベームの思いのこもった表情に注目-尚第三集のドキュメントにおけるベームのコメントも参照)。25番、第三楽章までは絶品だが第四楽章は極めてゆっくり。BPO(69年)、NHKで放送された40年代のVPOも遅かった。ヒステリックな疾風怒濤はご免だが私はもっと早い方が良い(当演奏6分44秒、BPO6分36秒、クレンペラー4分58秒)。31番は壮年期のBPO(66年)に軍配をあげる。ボーナスのアイネクライネはニュアンスの誠に豊かな美演。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/10/04

    超弩級の演奏、この収録曲数・内容(CD2枚分以上)、価格。星5つではとても足りない。メーカーの英断に敬意。この第1集は全てムジークフェラインにおけるライブ収録。34番を除き同じ70年代のVPOとのCD(DG)があるが、収録時期はDVDが早い。29番(73-80年)、40,41番(73-76年)、35番(74-80年)。テンポはDVDが概して速く(特に終楽章)ライブの盛り上がりを感じさせる(私の中では35,40はDVDが上、29,41は互角)。じっくりと歌わせた29番(東京での実演も素晴らしかった)、古典美の中に悲愴感が滲み出る40番と秀演ぞろいだが、やはり気宇広大なジュピターにとどめを指す。20世紀後半、モーツァアルトの地位向上に果たしてきたベームの功績はまことに大だが(今でこそ「モーツァルト最高!」という感があるが、60年代ですら「ベートーヴェン偉大」の方がまだまだ主流だったと記憶する)、ここにその精華を見る。

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