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ライネケ さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/03/28

    聴いたのはGrand Slam盤(GS-2285)で、これがこの演奏の初体験ですが、個人的に大当たりの1枚です。平林氏の言うように、独奏チェロは、異形といえば異形なのでしょうが、濃密な表現をしても、曲の流れに水を差さないので、特に違和感を感じませんでした。これは、きちんと意思統一が図られていて、独奏をその雰囲気に呑まれることなく支えているオーケストラの寄与も大きいと思います。また、チェロをクローズアップし過ぎない録音も素晴らしく、音が耳に突き刺さらないので聞き心地がよいのはもちろん、大オーケストラと渡り合う老チェリストが醸し出す熱気や、響きのバランスに対する演奏者の意図を、かえってよく捉えていると思います。素晴らしい復刻に感謝です。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2022/07/26

    質実剛健とした自然体の演奏という印象です。冒頭の和音2発の間が少し長いのと、3楽章の中間部に入る前に溜めが入るのに少し戸惑いましたが、あとは、細部に拘るでもなく、かと言っていい加減に流すでもなく、当たり前のように鳴る音が当たり前のように目の前を通り過ぎていく演奏でした。聞いていてホッとしました。モノラルですが聞きやすい音質で、マイクがオーケストラからやや遠めなのか、残響が多めで全体の響きがつかみやすいのも好みです。なお、私が聞いたのはGrand Slam盤であることをお断りしておきます。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/08/20

    知る人ぞ知る、ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルのアルプス交響曲。河島みどり氏によれば、ムラヴィンスキーは、この作品を、人生を描いた深い内容を持った曲、と評していたそうです。最初から最後まで弛緩することないオーケストラによって、曲の輪郭が明瞭に描かれるので、聞きやすいし、音量の巧みな変化と多彩な音色により、各場面ごとに深い味わいが加味されるため、退屈しません。確かに、青年期、全盛期、成熟・老齢、死と曲が構成されているような気がしてきます。録音は古いですが、リマスタリングの技術が向上したのか、モノラルながらそこそこ奥行きのある聞きやすい音質と感じました。知る人ぞ知るで終わらせてはもったいないと思います。この再発を機に、多くの人に聞かれますように。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/07/15

    ジャケットに書かれている往時の批評を読んでみると、みなけちょんけちょんにけなしていますが、今聞くと、もっと酷い録音にさらされて耳が慣れているせいか、復刻が素晴らしいのか、再生技術が進んだからなのか、そんなに悪い音には聞こえません。音量の強弱もよく捉えていると思いますし、彼らが放散する熱気まで伝わります。特に驚いたのが「白鳥の湖」のワルツで、出だしのあまりの速さに仰天。音の強弱を生かしたこのオーケストラ特有の表現力に圧倒され、最後は大胆な加速とクレッシェンドで、えもいわれぬ高揚感に包まれます。全体として、オーケストラは破綻せず、ガウクの棒によく付いていっています。素晴らしい。思い切ってプロデュースして下さった平林氏には感謝です。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/01/15

    この演奏は、Grand Slam盤で初めて聴きましたが、クリアーでニュアンスも細かく伝わる、いい録音だと思いました。他の盤と比較してどうかは分かりませんが、十分なクオリティではないでしょうか。ブックレットに収められた往年の解説には、この演奏は繊細だが雄渾さが無いと記載されていましたが、私には十分繊細で力強い演奏に思えます。

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     2017/03/05

    この本は、主にHMVオンラインに掲載された、CD・LP・コンサート・書籍などの著者の批評に、一部書きおろしを加えて単行本にしたものです。 私はこの人の批評が好きで、雑誌に掲載されたコラムを折に触れ読んでいます。現代を考察し、平明に伝えようとする努力が伝わってきます。何より視点がユニークで、こんな考えがあるんだという気づきが沢山あって刺激的です。生活が楽しくなります。以前に比べて氏の文章を目にする機会が減っているようで残念に思っていますが、1つの文章によりじっくり取り組んでおられるのかもしれません。 単行本の良いところは、過去の文章が読みやすくなるので、書き方のスタイルや思考内容の変遷を追いかけやすくなることです。この本を読んだところでは、2011年から2016年にかけて、スタイルに大きな違いは見られないと思いますが、演奏や作品の背景により深く迫ろうとする意欲が強くなり、時代や社会情勢により関心の重点が移ってきている印象を受けました。 「モーストリークラシック」誌や、「ステレオサウンド」誌の氏のコラムも書籍化されたら嬉しいです。

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     2016/02/14

    凄い録音が残っていたものです。聞き逃す手はありません。フランスのオーケストラらしく、響きが明るめで重心がやや上にある感じの合奏ですが、非常に密度の濃い、表情の変化が豊かな、それでいて端正な演奏です。かなり厳格なリハーサルが行われたに違いありません。もし、マルティノンのセッション録音がいまいちであるとか、フランス国立(放送)管てあまり上手くないんだよな、という理由で食指が動かないという方は、騙されたと思って是非聞いてみてください。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/28

    Scribendumから出た「コンヴィチュニーの芸術」で購入。衒いの無い、造形のしっかりした、美しい良い演奏だと思う。音質面でも聴きやすい。名盤ガイドの類で紹介されているところをあまり見かけないが、もっと評価されても良いと思う。ベートーヴェンの交響曲が好きな方、コンヴィチュニーが好きな方、だけで終わってはもったいない。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/05/25

    なぜ今頃になってこんな録音が出てきたのだろう、本当に彼らの演奏なんだろうか、と訝りながら購入。しかし、音の鳴らし方は紛れもなくムラヴィンスキーとレニングラード・フィルのものであり、音源は本物だと思う。躍動感と絹のような滑らかさの歌にあふれたオベロン序曲。未完成1楽章第2主題の、クレバスの底に叩き落されるかのような強烈な音量対比、その後の展開部から終結までの不気味な静寂感。第二楽章の、清潔な明澄さ、凄まじい弱音美の後に現出する平和。くるみ割り人形の、冬の森の柔らかく抱かれたような優しさと何かに向かって必死に手を伸ばそうとするトランペットの絶叫、雪片の踊りの神秘的な音色の乱舞、凛としたしかし心中熱い思いが秘められているかのようなパドドゥ、新たな世界への出発を示唆するような堂々たる和音で終結する終曲、いずれも彼らならではの音の世界が堪能できた。会場のせいかやや音が飛ばない印象だが、ニュアンスはよく伝わる。オケが不調とのご指摘があるが、私は特に気にならなかった。金管楽器も耳にキンキン響くことはなく、多くの人に聞いて欲しいと思った。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/11

    SACDになり、CDに比して音にこめられたニュアンス、特に弱音部の音の表情がより豊かに伝わるように感じた。特に、2楽章が意外と歌心のある演奏に聞こえて新鮮だった。音像の広がりにやや乏しく、オーケストラ全体の響きの変化があまり伝わらないのはショスタコーヴィチと同様。しかし、CDに戻ろうという気が起きなくなるだけの改善は確かにあると思った。
    ところで、後年の来日ライブも何とかSACDにならないだろうか。

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     2012/11/11

    この演奏のCDを初めて買って聞いたとき、おもちゃのような貧弱な音がして大変ショックを受けた。これが本来のレニングラード・フィルの印象に近いという評が多く、以来トラウマのようになってしまった。途中で一度発売しなおされだいぶマシになったものの、空虚な感じが抜けなかった。今回のSACDでは、各楽器の表情がよく聞こえるようになり(特に金管楽器が伸びやかに聞こえるようになった)、貧弱な感じはしなくなった。また、奏者が真摯に演奏している様子がよく伝わった。ここでこう演奏するなら次はこう来るな、という音楽の流れに随所で納得がいった。強奏部の音の重なりもきれいだった。ついでに、前回のCDではエコーが加えられていたことも分かった。オーケストラ全体の呼吸が聞こえにくいのは、もともとの録音がそうなんだろう、仕方がない。音質は、音楽の成分を損ねているという意見もあるが、私にはむしろ耳に優しい音のように聞こえた。演奏は、感情移入を避けながら、しかし十分に叙情的な味わいもあり(弱音部の雪を静かに踏んでいくような寂寥感)素晴らしい。後年の来日ライブもSACD化されたら嬉しい。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/25

    初めてムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの演奏でこの曲を聴いた時(84年のライヴ)、本当に勝利の交響楽のように聞こえてびっくりした経験がある。ただしそれは、社会主義イデオロギーの勝利というよりは、「私たちはまだ生きている、さあ歩まねばならない」みたいな勝利。73年のこの録音でも、印象はあまり変わらない。
    音質がすばらしく、同年の日本ライヴ(SACDではなくてCDの方)や、リハーサル集に含まれていたCDでは抜け落ちてしまっていた「何か」がしっかり記録されているように思う。今後、既出の他音源についても、このレベルのマスタリングがなされれば嬉しい。ただ、私も、4楽章の録音は素直に全集のセッション録音と同じ音源を使用すればよかったのに、と思う。それで再発されたら買い換えようかな。

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