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kadoshin さんのレビュー一覧 

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     2014/11/15

    この盤はヤンソンスの音楽づくりの特徴がよくわかる格好の1枚です。簡単に言うと「ヤンソンス・クレッシェンド」と呼ばれるデュナーミクが彼の音楽の本質です。大衆に分かりやすい演出のため、喝采を浴びるのは当然でしょう。「現代のカラヤン」といっていい存在です。
    決してけなしているわけではありません。こういう分かりやすい音楽をつくる指揮者がいつの時代も人気があるのは当然ですし、クラシック全体のけん引役であるのは間違いないでしょうから。ただし、私は彼の演奏で心の底から感動したことはありませんが。

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     2014/10/30

    分厚い弦のグランドスタイルによる「四季」。古楽器全盛の時代には「時代遅れ」と思っていたのですが、今あらためて聴いてみると、さすが聴かせ上手のカラヤンだけにどうしてなかなか聴かせます。
    シュヴァルベのヴァイオリン・ソロも素晴らしい。こちらも美音とテクニックでぐいぐい弾き進めていき、コンサートマスターのヴァイオリンというより、ソリストとしての風格があります。
    ソロも含めて人工的な「四季」ですが、こういうのもありかなと思います。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/10/30

    「ます」が名演。レヴァインの清澄感のあるピアノ、ウィーン・フィル首席たちの精緻かつ伸びやかなアンサンブルがあいまって、この曲特有の爽やかさを引き立てている。レヴァインのピアノは定評があるが、こういう室内楽をやらせると実にうまい。ピアニストが有名だと、ピアノが目立ちすぎることもある曲だが、レヴァインはアンサンブルに徹し出しゃばらない。といって消極的なわけではなく、締めるところは締める。弦も当たり前だが、精緻なアンサンブル。弾き崩すということがまったくなく、細かい刻み一つとっても首尾一貫している。それでいながらウィーンの奏者たちならではの、何とも言えない典雅な雰囲気を失わないのが実にすばらしい。
    「死と乙女」はアグレッシブな熱演。ただ、ややスケールが小さいというか線が細いというか、曲の深さや広がりがあまり感じられなかった。こじんまりとまとまった印象を受けた。

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     2014/10/27

    ウート・ウーギは通好みのヴァイオリニストですね。80〜90年代にRCAの看板ヴァイオリニストの一人として結構な録音を残しました。NHK交響楽団にも何回か来ましたね。ベートーヴェンの協奏曲(指揮者は忘れました)の美しい音色と端正な演奏をよく覚えています。
    そんなウーギのRCA録音が集大成されたのがこのボックス。一部持っていますが、重複も気にせず買いなおしました。
    全体を通して、やはり音が抜群に美しいですね。すごいヴィルトゥオーゾというわけではないと思いますが、技術的には全く不安はありません。演奏はかつての印象通り端正そのもの。特にバッハの無伴奏はその美しさと躍動感、精神性のバランスの高さが際立っており、グリュミオー以来の名演といって差し支えないのでは。
    弾き振りのモーツァルトはインティメートな空間が目に浮かびます。ベートーヴェン、ブラームスのドイツ系も好演。さすがに厳しさや呼吸の深さという点では物足りなさを感じる場面もありますが、それは端正なウーギのスタイルの裏返しなので仕方がないと思います。
    ベートーヴェンのソナタではサヴァリッシュのピアノも堪能できます。「指揮者のピアノ」というにはもったいないくらいの巧いピアノです。

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     2014/10/24

    1巻に続き、すばらしいピアノの音と優秀録音にまず驚嘆します。
    2巻はより内省的な曲が多いので、もう一歩の呼吸の深さや細部の多彩な描き分けが欲しい気もしますが、そういう方向でないところにこのピアニストの真骨頂があるとも思いますので、まあ仕方がないでしょう。
    1巻、2巻そろって統一感のあるコンセプトで、超優秀な録音でまとまったことを喜びたいと思います。まずは現代のスタンダードな名演といって差し支えないでしょう。これに少し変化球でバレンボイム、正統派でグルダ、別格としてグールドがあれば私には十分です。

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     2014/10/02

    いよいよ「ハンマークラヴィーア」登場。リリースを重ねるに従って、超近接録音にも慣れてきました。
    演奏も右肩上がりに調子を上げているような気がします。激しいところでやや叩きつけるような、音が濁る癖があったのですが、今回は長大なソナタのどの部分をとってもそういうところがなく、余裕をもって弾ききっている印象です。相当準備をしたのでしょう。緩徐楽章の息の長い感興の高まりには特に感銘を受けました。
    ベートーヴェン後期の入り口の愛すべきソナタ、28番もさりげないようで後期様式を完璧に再現した演奏。
    前にも書きましたが、いい意味で近藤の若さが前面に出ている演奏。聴いた後の充実感の一方、疲れないかというと、録音のせいもあってかお腹一杯という感想。もう少し息の抜いた、枯れた演奏に惹かれる面もあります。
    これから年齢を重ねて、表現がどう変化していくのか。興味が尽きません。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/26

    個人的な話ですが、虫の音が聞こえ、秋風が立ち始める時期になると、そこはかとない寂しさの漂うこの曲の第1楽章第2主題やブラームスの第3交響曲が聴きたくなります。
    好きな指揮者のドホナーニが録音していたのは知っていたのですが、ずっと廃盤中で、ようやく再発売されたのを知り、すかさず買いました。
    ドホナーニらしく楽譜に即したドライな表現が徹底されていますが、クリーヴランドとは違ってウィーン・フィルの厚み、温かみのある響きによって、ドライな音づくりがかなり緩和されています。そこを中途半端とみるか、両者の良いところがミックスされたとみるかは分かれるかと思いますが、私としては曲想からしても好ましいと感じました。
    ドホナーニは基本的にイン・テンポで、歌わせるところもあっさり行きますが、ウィーン・フィルの歌い方がどうしても表れるところが何とも言えない魅力があります。1812年も最後の盛り上がりなどは十分にドラマティックですが、静かな部分での室内楽的なアンサンブルが実に美しい。ただ、演奏にもっとハッタリがないと持ちこたえられない作品ではありますね。
    ウィーン・フィルの弦と木管のソロは本当に魅力的ですね。ティンパニが結構マイクに近接して録音されているのも好みでした。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/08/26

    全曲新録音といううれしい5枚組。老いてますます盛んというか、持ち前のスタミナに衰えはまったくないというのが、数曲を一聴しての感想です。
    まず音が抜群に美しいですね。過去に録音してきたバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンなどで感じてきた、ピアノの音と音色の変化だけで勝負できるテクニックは健在。バレンボイムのピアノというと、この腕(体力?)に任せて言葉は悪いですが弾き飛ばしてしまい、やや細部の詰めの甘さを感じることもままありましたが、この録音は時間を十分取ったのでしょうか、そういうマイナス面は感じません。どの曲も丁寧な仕上がりです。
    シューベルトにしてはやや意志的、ドラマティックに過ぎるという批判はあるかもしれませんが、私はこうしたシューベルトもありかなと思います。彼岸の世界と紙一重の最後の3曲も、バレンボイムの手にかかると起伏の大きい山あり谷ありの世界。最後の21番も内田光子の灰色一色の諦観とは対照的に、あえていえば色彩感豊かな演奏となっているのがバレンボイムらしくて微笑ましくなりました。
    ファースト・チョイスとしてよりもいろいろな演奏を聴いた方にお勧めしたいです。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/07/23

    待ちに待ったアーノンクールのモーツァルト。やはり最高でした。特に40番はコンセルトヘボウとのテルデック盤を聴いたときの衝撃が忘れられす、どうかな?と危惧していましたが、衝撃度はむしろこっちの方が上。ヘボウの上手さは認めるものの、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの響きの方がよりアーノンクールの意図を生かしていると感じました。1楽章の独特のアーティキュレーション、2楽章のワルツのようなたゆたい、峻厳なメヌエット、そしてフィナーレ展開部冒頭の暗い深淵を覗き込むかのような表現…、どこをとってもアーノンクール節満載で、久しぶりにモーツァルトの40番を堪能しました。
    39番、41番についてもヘボウ、ヨーロッパ室内管との演奏をさらに過激にしたような演奏で、細かい聴きどころを挙げればきりがありません。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/01

    前作の4〜6番に比べて、さらに指揮者、オーケストラともども自信を持って演奏している様子がうかがえます。
    ブルックナーの初期交響曲は、凡庸な指揮者にかかると単に交通整理だけに終わってしまう危険性のある難曲ですが、小泉にその心配は無用。どの曲も自家薬籠中のものとして手の内に入れている「手堅さ」を感じます。オケも中規模編成をものともせず、というか薄い響きを生かして透明感のあるオーケストレーションのテクスチャーを描き出している。コントロールの利いていない大オーケストラのハリボテ、絶叫型の響きよりもよほど聴いていて心地良いです。
    緩い楽章で味が薄くなる気がするのですが、それを補う叙情性がありますのでそれほど気にはなりません。
    小泉はこのオケを退任するようですが、何とか7〜9番も録音して、全集を完成してほしいです。(できれば0番も)

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/04/01

    従来のこのNHK交響楽団シリーズの録音と違い、ややオンマイク気味でノイズもあまり取り除いていない臨場感のある音質です。好みは分かれるかもしれませんが、FMっぽくて私は好きです。
    アニー・フィッシャーは通好みのピアニストだと思いますが、この3曲はどれも素晴らしい演奏です。3曲とももっと若い時期にスタジオ録音を残していますが、ライブらしい感興の高まり、録音の良さの面でこのディスクを取り出すことが多くなりそうです。
    クレンペラーとの録音で知られるシューマンは、ライブらしい感興の高まりと技巧の素晴らしさで聴かせます。ぺリックの指揮はN響の音ともどもやや雑で固さが残る感じがちょっと残念。
    これもスタジオ録音のあるモーツァルト(スタジオ録音の指揮者はサヴァリッシュでしたか記憶があいまいです)は、アシュケナージやペライアに代表される珠を転がすようなピアノとは正反対に、粒立ちのはっきりした音で重厚さもあり、ベートーヴェン風の威容を感じさせます。ライトナーのきめ細かな指揮はさすが。N響も実に瑞々しい演奏を聴かせます。
    ベートーヴェンはフリッチャイとの録音が有名。これは今回の3曲の中では一番新しい録音ということもあり、やや技術的に綻びが見られます。しかし、キレのある音、推進力に全く衰えはなく、ベートーヴェンの真髄に迫るような迫力に満ちています。手堅くまとめながらN響から気品のある歌を引き出したカリーディスの指揮もなかなか見事でした。
    このベートーヴェンは、中学生の頃会場で聴きました。後日テレビで放送されたものを録画して、繰り返し見たことを懐かしく思い出しました。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/02/10

     解説書にアバドとアルゲリッチの若い頃の写真も収められていますが、数十年にわたる共演を経て、ジャケット写真のような風貌になったのかと感慨深いものがあります。
     おしもおされぬ2人の大家が、モーツァルトの音に遊びつつ、魂の触れ合いを楽しんでいる風情。死去の報に接した後に聴くということもあるかもしれませんが、このアバドの無心さはいったいどうしたことでしょう。25番は堂々としたベートーヴェン風というより愉悦感や繊細さを強く感じました。ドラマティックな20番も声高に絶叫するのではなくあくまでも歌と声部のバランスを丁寧にすくいとっていく風情。フィナーレの冒頭などかつてのような煽りは一切見られません。
     小編成のオケの純度がきわめて高く、木管を重視(偏愛?)するところに若い頃からのアバドの個性を感じ、「こういうところは一生変わらなかったな」と微笑ましく思いました。随所にみられるピリオド的なアプローチも効果的です(好みは分かれると思いますが)。
     アルゲリッチの方はアバドにつられたのか、彼女の演奏にときどき感じる表現意欲の強さやとんがったところをあまり感じさせません。音楽的センスの良さと小気味良いテクニックは相変わらず。緩徐楽章でのインティメートな対話など、こういうのを「ミューズの神が舞い降りた」というのでしょうか。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/25

    これはちょっと凄い演奏です。シフラといえばリスト弾きとしての認識はありましたが、これほどの技巧の持ち主とは不勉強で知りませんでした。
    チャイコフスキー、リストとも圧倒的な切れ味のテクニックを見せ付けます。テクニック一辺倒ではなく、叙情的な部分のニュアンスの込め方も一級品です。
    若き日の岩城の才気煥発ぶりも堪能できました。
    録音は時代相応の古さを感じましたが、大きな不満は感じませんでした。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/11

     ペライアのこの録音、昔何かで聴いて、なよっとして流麗すぎると感じ、敬遠していたのですが、今回聴いてみたら実に良かったです。特に初期の曲など溌剌として気持ちいいですね。オケがアシュケナージやバレンボイムと同じイギリス室内ということで、勝手に彼らの2番煎じみたいにイメージしていたのを反省しました。
     指揮も意外にかっちりしていてリズム感も良く、対旋律の生かし方など独自の表現も所々に聴かれ、本当に見直しました。
     名演のひしめく後期の曲では、「ペライアでなくては」という部分が少し弱いかなと感じましたが、初期から中期の曲に関しては、私の好みではブレンデル・マリナーに匹敵する名演だと感じました。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/08

    まず最初に、演奏内容のことではないのですが、「牧童の笛」さんのレビューがそっくり、「クラシック音楽ぶった斬り」というブログに掲載されています。筆者が同じだったらいいのですが、常連の「つよしくん」さんのレビューもよく同ブログに転載されているので、気をつけたほうがいいと思います。
    演奏については実演とCDではかなり印象が違うのではと感じました。CDで聞くと、第1楽章の第2主題など止まってしまいそうではらはらしましたが、実演ではかなり感動的に響いたことでしょう。第2楽章の冒頭もテンポが定まらず冷や冷やします。第3楽章はかなり持ち直してきて、感動的に締めくくりますが、ときすでに遅しといった感じ。
    朝比奈のブルックナー9番なら、私も東響盤かN響盤の方が良いと思いました。実演は聴いていません。あくまでもCDの感想です。

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