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Kei さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/19

    皆さん書いておられるように、これは実に拾い物のCDである。本曲はスペクタクルな演奏をしようと思えば演奏効果は極めて高く、若きカラヤンが取り上げた理由は良く解るが、明け透けに言えば映画音楽のようなあまりお上品ではない演奏だった。しかし、もともと英国の指揮者とオケが得意としたことからもわかるように、節度をわきまえた演奏をすることがこの曲の品位と真価を発揮させるポイントだと思う。若きユロフスキーがそのあたりを実に良く押さえた演奏をしていることに驚いた。実に引き締まった、インテンポのきびきびした演奏であるが、歌うべきところは素晴らしいカンタービレをみせる。ライブ録音も優秀で、何よりこの新譜が1000円以下で買えるのだから、素晴らしい。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/11

    最近までこの曲は様々な古楽器演奏グループの過激な演奏が続いて、頭では分かっても心から楽しめる演奏はなかったように思う。この演奏はその対極にある。錚々たる各セクションのリーダーが大変若い奏者を率いて、伸び伸びとした演奏を繰り広げていて、本当に楽しく癒される。奏者が楽しく音楽すれば、聴く方だって楽しいのは理の当然。「小難しい理屈なんて脇に置いて、美しい音楽を楽しもうではないか」と言っているようなアバドの指揮ぶりである。アバドは評論家や「通」を自認する愛好家にはあまり評価されてこなかった指揮者である。しかし、こうして錚々たる名手も若者も惹きつけ、彼らに伸び伸びと腕を振るわせることのできるるアバドは、素晴らしい指揮者であると私は思う。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/07

    常々、ブラームスは重厚に演奏され過ぎる、という不満があって、ハーディングが以前、ドイツ・カンマー・フィルと録音した交響曲第3番、第4番はお気に入りの演奏だった。昨年末に来日したヤンセンとパーヴォ・ヤルヴィのバイオリン協奏曲演奏を聴いて、このように透明度の高い演奏を待ち望んでいたところに本盤がリリースされた。これは、ソロもオケもアスリートのような引き締まった演奏で、オケはスコアが見えるほど透明で音が良く整理されており、ファウストのソロは彼女のベートーベンのように繊細かつ強靭である。しかし、歌うべきところは十分に歌っているところが素晴らしい。ブゾーニのカデンツアもこのような演奏に良く合っている。やっと満足できる演奏が出た感じがする。録音は少し高音が硬すぎるが、まあ、許容範囲には入っている。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/03/01

    恐らくこの二曲の画期的な演奏だろう。ラプソディはこの演奏を聴くまでこれほど魅力的な曲とは知らなかった。ワンとマーラー室内管はシャープ、精緻かつしなやかな光彩陸離たる演奏を繰り広げる。次のコンチェルトはアバドの、それこそ一瞬一瞬を慈しむようなカンタービレをワンとオケが心を込めて歌い上げ、しかも演奏は優れた全体感と気品を失わない稀有な演奏になっている。ラフマニノフは大抵の演奏がどこか厚化粧をした大味の映画音楽のようになってしまうのだが、これほどラフマニノフの音楽構造を際立たせたうえで気品高く、馥郁たる演奏は初めてだ。アバドが触媒になって、ワンとマーラー室内管という若者たちの感性のしなやかさや瞬発力が思う存分発揮された結果であろう。アバドのもとでは演奏家がみな伸び伸びと楽しく音楽出来るようで、アバドは本当に偉大な指揮者になったと思う。コンチェルトはライブ録音であるが、音が硬くならないように上手くまとめられている。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/12/13

    最近のバイオリニストは高度な演奏技術を持っている人が多いので、技術的にはファウストが飛びぬけている訳ではない。この演奏の最大の美点は、曲全体のマクロな構造設計の素晴らしさではないか、と思う。全体を通して聴いた時の音楽の起伏の、ドラマチックでありながら必然性に満ちた流れが、曲を一気に聴かせてしまう。彼女の演奏を聴くと、このバッハの名作は、例えば、有名な「シャコンヌ」などをショーピース的に聴いただけでは絶対にその真価を発揮しないことを確信させられる。因みに、録音も優秀である。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/12/12

    20歳代後半の若いピアニストのヘルムヘンをリーダーとする若い奏者中心のチームによる演奏であるせいか、瑞々しい情感に溢れている。Vnはテツラフが少し線は細いが厳格な演奏で全体をキリリと引き締め、20年前のレヴァイン、ヘッツェル盤でもコントラバスを務めたポッシュが痩せ過ぎないように低音を支えていて、全体としては大変良いバランスになっていると思う。何と言っても、シューベルトには若々しい感性が似合う。録音は、このレーベルの常で、大変優れている。演奏、録音とも、このシューベルトの名作の名盤の名に恥じないSACDだと思う。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/12/12

    この若いピアニストの、緩急や間合いの取り方、強弱法はかなりユニークである。聴き始めると直ぐに「おやっ」と思ってしまうほどであるが、バラードではそれがプラスに働いて新鮮な印象を与える。普段はツィメルマンの演奏を聴いているが「偶にはこんな弾き方も良いな」という気にさせてくれる。一方、協奏曲の方は、そこまでの説得力を感じなかった。あくまで、バラードを聴くCDであろう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/30

    ブラームスを渋くて重厚な音楽と捉えればこの演奏はまさにぴったりだが、しかし、ブラームスの本質はナイーブで最後まで大人になりきれなかったロマンチストだと思っているので、やはりもっと熱く滾るようなSKDとの演奏の方が素晴らしいと思う。その意味では、このベルリン響との演奏中一番曲想に合っているのは第4番だろう。ザンデルリングは得意レパートリーのひとつであるブラームスをデジタル録音で残したかったのではなかろうか?残念なことに、この新盤は、少なくとも以前のカプリッチョ盤では、それほど良い録音ではなかった。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/21

    マーラーの音楽は、オケの響きが混濁していてはその美しさが表現できないが、かと言って、矢鱈に精緻なだけの演奏でも伝えきれない何かを持っている。快速演奏だったベートーベンとは違って、ブルックナーやマーラー等の後期ロマン派の曲をヤルヴィはじっくりと腰を落ち着けて演奏する。このマーラーも演奏時間は長い方で、瞑想的な曲想はこの上も無く繊細、耽美的に、激しい曲想は実に力強く、ダイナミクスの幅の大きな演奏である。しかも、そのような中に一貫しているのは鋼のように張詰めた音の密度と品格の高さであり、この20年間、ブーレーズやジンマンが追及してきた精緻で客観的なマーラー演奏から更に一歩前進した次世代の名演奏と言えるだろう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/21

    ハーンの演奏は実にデリケートで、ふわりとした柔らかさが特徴的であり、バイオリンの音色もしみじみと心に訴えてくるものだ。しかし、良く耳を澄ますと、その演奏は一音とて忽せにしないほど完成度が高く、畳み掛けるべき場所はちゃんとそうしているのである。ハイフェッツのように猛スピードで、あるいは、激しいメリハリをつけながらバイオリンを扇情的に唸らせ、オケも豪壮に盛り上げるといった、大向こうを唸らせる、ある意味下品なこれまでのチャイコフスキーの演奏の対極にあると言ってよい。現役ナンバーワンの演奏技術を誇る彼女がその持てる技術を只管曲の「表現」に奉仕させている余裕が、逆にこの演奏の凄みになっている。前回のシベリウス/シェーンベルグの時のサロネンといい、今回のペトレンコといい、相方の指揮者の選び方にも彼女の思慮深さがよく現れている。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/21

    「アランフェス協奏曲」は、フラメンコ奏法等が出来ないハープの特性を考慮に入れた編曲をしているが、やはりオリジナルでそのような奏法を前提としていた激しい曲想の箇所はハープだと多少迫力不足になる。しかし、有名な第二楽章は、ギターより遥かに澄んでよく響くハープの音が素晴らしく、ギターを使ったオリジナルよりも魅力的とも言える。「アルハンブラの思い出」は最初から最後までトレモロに終始する名曲で、ハープでは難しいはずのトレモロをメストレは如何にもそれらしい演奏を披露して聴き手を驚かせる。この演奏はギターよりずっと繊細で典雅な響きで、これまたオリジナルより魅力的であった。ということで、一聴の値するCDである。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/21

    古いクラシック・ファンはウラッハによる高名なモノラル録音を愛し、それより若い世代の私はせめてステレオで聴きたいと、プリンツがウィーンフィルの仲間と演奏したデンオン盤を聴いてきた。しかし、このマイヤー兄妹の演奏は現代的で一音もゆるがせにしないカルミナ・クアルテットを共演者に得て、プリンツ盤とは対極的な透徹した美しさを発揮している。その長所は、兄がソロをとったブラームスの方で顕著である。録音も優秀。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/17

    「白鳥の湖」をバレーを見ないで全曲を聴く気にはならなかったが、この演奏であればそれも良いかな、と思わせる演奏だった。ブラスの威力もさることながら、大変軽やかで繊細さに秀でた弦や木管の表情が事の外美しい。ベートーベンでは面白くはあっても若干の恣意性を感じさせたプレトニョフが、ここでは本当にバランスのとれた演奏を繰り広げ、「?」だったゲルギエフ盤を大きく凌ぐ演奏だ。第二幕のオデットと王子のパ・ダクシオンなどは、至福の時を与える演奏である。本盤のもうひとつの大きな魅力は、録音の素晴らしさで、「これぞマイヤール!」と手を打ちたくなるほど、柔らかく軽やかな弦とパワー全開時にも濁らないブラスや打楽器の録り方は、演奏の良さと相俟って、本番をディジタル時代の決定盤に押し上げるだろう。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/11

    アンゲリッシュのピアノは弱音の粒立ちが美しく、強奏では芯のある強靭な音を出すが、決して重くはならない。旋律の歌わせ方も扇情的にならない節度を持ちながらロマンティックである。私はブラームスの本質はナイーヴさだと思っていて、重厚すぎるブラームス、マッチョな切れの悪いブラームスは願い下げなので、アンゲリッシュのようなピアノを好ましく感じる。パーヴォ・ヤルヴィ指揮のフランクフルト放送響も録音を重ねるごとにレベル向上していて、もともとインバル時代から透明度の高い音を出していたが、ヤルヴィの下で強靭なリズム感と凝縮感を身につけた。アンゲリッシュとの相性は良く、強靭だが軽快な身のこなしの、カンタービレに満ちたブラームス演奏になった。最新録音だけあって音も良い。パーヴォ・ヤルヴィとフランクフルト放送響の交響曲録音が待ち望まれる。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/26

    LP時代に愛聴していた演奏だが、このリマスター盤は驚くほどクリアな音になっている。そのようなクリアになった音で聴くと、寄せ集めのコロンビア交響楽団が上手くないことは直ぐにわかってしまうが、それでも素晴らしい演奏だと思えるのは何故だろう?この楽団を指揮するときにワルターは「きっちり弾け」とは言っても「歌え」とは言わなかった、と伝えられているが、その逸話が納得できるほどオケ・メンバーは楷書体の演奏をしようと努力している。にもかかわらず、耳に届く演奏は実に詩情に溢れ優美な表情を見せるのである。他の方も指摘されているように、第三楽章のトリオの優美さは、もうこれ以上の演奏は考えられないくらい。他のどんな名指揮者が一流オケを振った演奏よりもこの曲の美しさが浮かび上がってくる様は、ワルターの至芸という他はない。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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