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mimi さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/04

    後年のGramophone盤より入ったので、Milsteinの第1回目の無伴奏は初めてです。技術的には後年の録音に優るとも劣らぬ冴えであり、ハイフェッツに匹敵すると思います。言うまでもなく、極限まで磨き上げられた2回目の録音に較べると、演奏の彫琢・音楽の構築ではまだ未完成な部分も多いのでしょうが、これは2回目を既に知ってしまってるから言えるのであって、これを最初に聴かされたら最高!と思っても不思議はないか、と言うくらいのレベルの高い無伴奏です。一部、特にPartitaの舞曲において、やや現代らしからぬロマン的な表現が目につきますが、これは50年代前半という時代を考えると控えめと言っていいでしょう。基本的には自我を厳しく抑制して、音楽構造を直截に表現する、極めて客観的な演奏で、同時代のシェリングの1回目の演奏と並ぶ歴史的演奏であると思います。実は技術的に高く突き詰めても、どこまで行っても音楽の核心に入って行けない印象は、後年の盤とすでに共通する所かも知れませんが....。

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     2012/09/23

    非常に誠実で、生真面目な演奏です。フランス風序曲や、ホ短調トッカータ、3声・6声のリチェルカーレなど、どちらかと言えば外面的な効果を狙い難い難曲揃いの選曲ですが、技術的には無論何の不安もなく、いわく付きの名器の美しい音色とあいまって、曲の本来の姿を鑑賞するにはもってこいの演奏と言えると思います。問題はこれらの技術的のみならず、曲の内容を掴む意味での難曲の場合、それだけでは不足に思う演奏がほとんどで、師のLeonhardtでさえ、晩年にさしかかるまでは達し得なかった部分が多いことを考えると、この盤の演奏にわずかに不満を感じるのは無いものねだり過ぎるのかも知れません。世界的な水準を充分遥かに超えた良演奏です。演奏内容とは関係ないでしょうが、今年ひそやかに世を去ったLeonhardtの、晩年および死に際しての貴重なエピソードが、師を心から敬愛する弟子でなければ決して書けない、哀悼に満ちた文章で切々と綴られており、このライナーノーツに関しては絶対に必読ものです!

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     2012/07/07

    圧倒的な名演と言えるのではないでしょうか。Paul Hillier/ The Hilliard EnsembleのOckeghem/Requiemは、古のPCAと並んで、オケゲムのこの傑作の古典的名盤であり、未だに超えるものの無い決定盤と言ってもよいものでした。Paul Hillierにとって2度目のOckeghem/Requiemは、男性のみで少人数による線の完璧な明晰さを実現したHilliard Ensembleのものと対照的に、女声がかなりの比重を占め、やや多人数によっています。当然、各声部の明晰さではHilliard Ensembleには及びませんが、それでも声部の独立性が完璧に保たれしかもそのバランスの理想的で明晰なことは、さすがです。しかしながら、最も重要なことは、Ockeghemの音楽の細部に至るまで、その旋律とリズムの意味付けを考え抜き、明らかにした結果、西洋音楽史上おそらく最も複雑で難解とされているOckeghemの音楽から、魂の底から揺さぶられる人間的感動を引き出していることで、やはりPaul Hillierという、歴史に残る古楽指揮者でなければなし得ないことと思いました。Introitusの終結部や、Offertoriumなど、あまりの感動に恍惚となってしまいます。Hilliard Ensembleの旧盤と事なり、グレゴリオ聖歌でなく、現代作曲家の聖歌と組み合わせていますが、実験的色合いは感じるものの、決して違和感はなく、Ockeghemの傑作の演奏法としては十分成立し得るものと思いました。長らく出会ってなかった、Ockeghem/Requiemの名演として、お薦めしたいと思います。

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     2012/07/03

    J.S.Bachとの絡みで高名なマルシャンをまとめて聴くのは、恥ずかしながら初めてで、他の演奏との比較は全くできないのですが、後半のラモー初期の組曲含めて、おそらくこれ以上望み難い好演ではないでしょうか。一頃の才気煥発さは、全く目立たなくなったルセですが、ただ当たり前に装飾も控えめに奏でられるチェンバロは、年々軽みと深みを増し、その味わい深さは尋常ではありません。ちょっと聴いただけでは、何気ない演奏のように思えても、聞き込む程に、ルセがどれだけの時代、地域を音の一つ一つに内在させているかが実感されてきます。不満があるとすれば、あまりにも素晴らしいためにあっという間に終わってしまって、もっと聴きたくなることくらいでしょうか....。全く目立たない地味な内容ながら、疑いなく現在世界最高のチェンバロ演奏の一つとして、お薦めできます。ルセの今後の新譜がますます楽しみです。

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     2012/07/02

    ピエール・ド・ラ・リューのRequiemは、自分も御他聞に漏れずシャルル・ラヴィエのLPで知り、それ以降にこれと言った演奏に出会わぬままでした。皆川達夫氏が絶賛されたラヴィエの演奏は、自分にとってはやや器楽に頼り過ぎて、曲本来の姿が見え難い面を感じ、美しさは認めても感動・愛着までには至りませんでした。それだけに、自分もCappella Pratensisの演奏に接してようやく、ラ・リューのこの高名な曲の真価に触れた思いがします。何と言っても、超低音域が売りの難曲を、よくここまで器楽無しで安定して歌い上げたと感心しますし、こうやって声楽のみで聞き通せて初めて、ラ・リューの、同時代のJosquinに較べると多声構造の充実度は一歩譲るけれども、情感が溢れんばかりの魅力が理解できます。名のみ有名なこのRequiemの現在お薦め出来る数少ない盤の一つではないでしょうか。惜しむらくはカップリングの、オケゲムのRequiem。この現存する最古のRequiemは、ラ・リューと反対にPCA,Hilliard始め古くから複数の名演に恵まれており、そういった過去の名盤のレベルにはとても達しない演奏です。公平にみれば、両曲平均した評価にすべきでしょうが、ラ・リューの好演は貴重なので、お薦めとさせて頂きます。

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  • 16人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/06/20

    数あるTrevor Pinnock/The English Concertの名盤中で、Pinnockの天才を最も端的に示しているのは、ひょっとしたらこのVivaldi協奏曲集かも知れません。曲の質は良く言われる通り、ある意味玉石で様々ですが、どの曲も最初の一音が鳴った瞬間にPinnockの音楽と判る明らかな個性が刻み込まれています。ともすれば陽気と裏合わせの、騒々しさに簡単に陥りがちなこれらの曲集で、Pinnockの演奏はどこまで行っても高貴で透明、全く品の無さが感じられず、すっきりとした佇まい、それでいて他のどんな指揮者・団体のVivaldiよりも、活き活きとした疾走感に溢れており、自分の知る限り現代のVivaldi演奏の理想的な姿の一つではないかと思います。「四季」にしても、先入観を捨ててじっくり聴くと、他のどの演奏とも異なる静謐な個性がたまりません。「アラ・ルスティカ」「恋人」など有名曲も、これ以上は考えられない位の演奏。Pinnockの、古楽演奏家という枠組みを超えた、天性の高貴な音楽性が最も自然な形で現れた名盤と思います。ソロイストの数々の名演も聴きもの。Vivaldiファンでなくとも、持っておかれて決して損は無いと思います。

    16人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/05/30

    おそらくJ.S.Bachのフルート・ソナタ全集中で、現在最も個性的な盤ではないかと思われます。2枚CDに真作フルート・ソナタ集と音楽の捧げ物BWV1079が詰め込まれており、まず後半のBWV1079全曲ですが、これ程生命力に溢れた演奏は稀ではないでしょうか。ここでは、明らかにハープシコードのMichael Borgstedeがリーダーシップを執っており、Jed Wentzが全面的に関わるのはトリオ・ソナタ以降です。そのMichael Borgstedeが演奏する3声と6声のリチェルカーレ、特に6声が非常に素晴らしい演奏で、このおそらくBach鍵盤曲中の随一の難曲を、非常に高度な技術と生命感、そして音楽構造に対する深い理解で弾き切っており、こんなに素晴らしいリチェルカーレ演奏はそう滅多に聴けません。そしてやはりBorgstedeが中心と思われる前半のカノン群は、曲毎に編成を変えていますが、どのカノンもまるで現代Jazzの即興演奏かと見紛う程に生き生きとした素晴らしい演奏です。トリオ・ソナタ以降はWentzと他の演奏者のこれまたライブさながらの、即興的な対決演奏が熱気に溢れており、この傑作のとてつもなく厳格な対位法構造が、彼らのやや気侭なテンポの揺れ動きによって、弱められてる部分はあるにせよ、こんなに生命力に溢れた演奏はやはり稀で、確実に「音楽の捧げ物」の名演の一つと言えると思います。フルート・ソナタ全集はもちろん、Jed Wentzが完全に主導している訳ですが、これも非常に高い技術と、一瞬たりとも古くささを感じない情熱に溢れた現代的な演奏。テンポと強弱をこれだけ楽想に沿って動かし、自由に曲を作り上げていくのは、自分はピリオド楽器演奏では聴いたことがありませんし、全くスタンダードな演奏とは言えないでしょうが、解説書を読むとWentzの確固たる信念と、彼独自の古楽とその時代の芸術の連関に裏打ちされたスタイルであることが理解できます。決して己の自我のみによって作り上げた演奏でないためでしょうが、これだけ外見は一見ロマン派的に気侭に見えても、J.S.Bachのこの史上稀に見る傑作群に対する、この上ない敬意と奉仕の精神が感じられない瞬間はありません。演奏スタイルに対してはおそらく論議の多いところでしょうし、BWV1079のトリオ・ソナタの一部同様、BWV1030など構造的に厳格な曲においては、あまりに動きの多い演奏で曲の構築が曖昧になる面がないわけではないですが、反面隠れた傑作BWV1039などはすばらしく躍動的であり、他の演奏に替え難い魅力も一杯に詰まっています。個性的だが素晴らしい「フルート・ソナタ全集」「音楽の捧げ物」として、多くのBachファンに聴いてみて頂きたと思います。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/05/22

    過去自分が聴き得たどの「ヨハネ受難曲」とも次元を異にする演奏で、現在S.Kuijkenがどれ程高いレベルのBach演奏家となっているか、を如実に示す盤ではないでしょうか。自分にとってS.Kuijkenの新盤を聴いて真っ先に浮かぶのは、Kuijkenの旧盤でなく、彼がヴァイオリニストとして参加していたGustav Leonhardtの「マタイ受難曲」。世俗に背を向け、ひたすら過去の音楽をそれが鳴り響いた瞬間に還すことを唯一の目標とし、一切の妥協を拒みつつ生涯を歩み、今年1月にひっそり世を去ったLeonhardtの姿が、このKuijkenの「ヨハネ」新盤には明らかに透けて見えます。昨今特に個性的な演奏に事欠かない「ヨハネ」ですが、Kuijkenの演奏はどこまでも透明で、一切の誇張がありません。特に劇性を強調することもなく、さりとてあくまで宗教的に信仰心を前面に押し出す訳でもない。ただBachの音楽のあるがままに姿を、ひたすら歴史的に忠実に鳴り響かせる以外の意図は一切感じられません。それが顕著に判るのはコラールの演奏で、どんな演奏であっても演奏者が何らかの想いのたけを込めずにはいられないのに、このKuijkenの演奏はまるでつい先程集まってきた群衆が何の打ち合わせもなく歌い始めたかのように、そっけなくまたどこをとっても強調や作為がない、ただ合唱人数もほとんど補強せず限りなく簡素に歌われるからこそ、このコラールには長い年月にドイツの民衆の中で培われてきた想いが、素のままで提示されており、終結合唱の何の人為的作業も経ない簡潔な美しさは例えようがありません。このような演奏者の一切の作為から離れた、ただBachの音楽のありのままの姿にのみ奉仕するBachの受難曲演奏は、それこそLeonhardtのマタイ以外に思い当たりません。そしてそのLeonhardtの晩年の演奏でおそらく歴史上初めて実現した、Bach演奏における完全に至適なテンポとリズム、および声楽と器楽の理想的なバランスが、Kuijkenの演奏においても感じられつつあり、それが前のどこまでも美しかった「マタイ」およびこの「ヨハネ」新盤を限りなく客観的で美しくする基盤になっています。歌手・演奏者一人一人は、おそらくメンバー交代もあり、若手が入り決して全てが名手という訳でないのにも関わらず、この演奏の透明さ、全く夾雑物の欠片もない美しさは驚異的です。S.Kuijkenが現在このような高みにあり、元気で活動しているということは、我々Bach愛好家にとって、またBach演奏史にとって、どれ程幸福なことでしょうか。前の「マタイ」ほど目立たないかも知れませんが、おそらく過去のあらゆる「ヨハネ」と比較しても別次元の、Bachにどこまでも真正であろうとする演奏として、歴史に残る価値のある演奏と思います。

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     2012/05/21

    現在、J.S.Bachの声楽大曲の演奏において、オランダほどレベルの高い地域はなく、それを十分実感させる録音ではあります。ピリオド楽器・小〜中編成合唱により、Bach鍵盤作品の演奏で知られるP.Dirksen校訂の第1稿のヨハネ受難曲ですが、決して国際的に著明な歌手・演奏者が多い訳では無いのに、個々の声楽・器楽の潜在能力が高いのはうかがい知れます。ただ、それをまとめてさらに高いレベルの演奏に総合して行く指揮者の能力は、必ずしも十分とは言えず、演奏者の実力が充分に発揮されているとは言えないと思いますが....。フェルトホーフェンの演奏は、じっくりとしたテンポで押しつけがましい所は一見なく、外見上ソフトで好感を持てますが、その演奏の本態は劇的・バロック的と言うより、劇的・ロマン的であり、テンポの相当に恣意的な動かし方、強弱の(控えめですが)個性的な付け方など、己の解釈を相当に入れ込んでいます。そういった個々の個性的な解釈を納得させるだけの力が、この演奏に十分あるとは、自分には思えないところですが。悪い演奏ではありませんが、正直、最上級のヨハネにはまだ遠いと感じられました。

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     2012/05/13

    多分年齢的にはまだ30代そこそこの若手なのでしょうが、彼女の完璧な技術と安定性、そして何より歴史的に積み重ねられ、研磨されてきた現代のBach解釈をほぼ完璧に自分のものとして、それを確実に音にする様には、現代のBach演奏がここまで来たか、とある種感慨すら覚えさせます。バロック・ヴァイオリンによる女流奏者の無伴奏では、10年程前のレイチェル・ポッジャーのものが有名と思いますが、ベイエの演奏は技術的にもポッジャーに全くひけをとらず、その音楽の造形の厳しさ、妥協の無い強烈さではむしろポッジャーを完全に凌駕しています。ヴィヴラートを全く使用せず自我を厳しく抑制し、ひたすらBachの音楽構造に奉仕し、Bach音楽の本質に迫って行こうとする姿勢は、特に前半3曲(Sonata1,2, Partita1)において、感動的ですらあります。Partita2, Sonata3という最大規模の2曲においては、さすがにまだ音楽構造を完全に自分の物とし切れていないためか、いまひとつ食い足りない瞬間が散見されますが、それでも全体としてこのレベル以上の無伴奏は滅多になく、特に現在入手できるバロック・ヴァイオリンによる全集としては、別格のクイケン盤を除いては、確実にトップクラスといってよいのではないでしょうか。無伴奏がお好きで、バロック・ヴァイオリンがお嫌いでない方には、ぜひ一聴をお薦めしたいと思います。

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     2012/05/08

    Miles DavisとGil Evansを最も尊敬する自分ですが、こんな宝物がまだ眠っていたことに信じられない想いです。Laurent Cugnyの詳細なGil Evans伝に、「録音は残っていない」と記されていた、1976/10/30Dortmundでのコンサートですが、一部にわずか傷があるものの、大部分はこの時代のライブとしても極めて音質は良好です。Gilのライブはその日によって、嘘のように出来が変わるのは有名な話しですが、この日のバンドはR.Kirkのゲスト出演による刺激もあってか、出だしから極めて緊張感溢れており、Faddis,Soloff, Adams他のソロも内容の濃い充実したものですが、特筆すべきはリズムセクション。Gil Evans Orchestraの最も好調の時の千変万化し、まるでそれ自体が生き物のように呼吸し流動するポリリズムが、Gil唯一の録音となったJimi Hendrix”Freedom”を始めとして、最高に体験できます。この時期の定番である”Priestess”も、まとまりは翌年の演奏(アルバム「Priestess」)が上かも知れませんが、自分には活き活きとした自由なフォルムを持つこのDortmundのライブも甲乙つけ難い演奏と思いました。Gil Evansの遺された録音は、その全てが歴史的音楽的にかけがえのない価値を有するのは言うまでもありませんが、このライブは、確実に特に優れた音源の一つと言えるのではないでしょうか。Jazzが到達した最も高い位置を記録する、貴重な演奏と思います。

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     2012/04/22

    以前から断片的にしか知らなかった、この有名な盤を遅ればせながらやっと購入しました。高橋悠治氏の本業はもちろん作曲家なのですが、演奏家として疑いなく最も多く手がけてこられたJ.S.Bachと氏の関係は、自分のような音楽の素人が(失礼にも)想像するに、なかなか微妙な所が有り、Goldberg, Partitaなどの演奏にはそれが多かれ少なかれ、影を落としているように思われました。このシンセサイザーによる「フーガの技法」は、そういった中で、氏が最も拘り無く自由にBachの向き合えた演奏ではないでしょうか。もちろんフーガの技法の演奏として、これが最上と言えるような演奏ではないでしょうが、それでも電子楽器によるこの自由な演奏は、「フーガの技法」の音楽構造をなんら損ねることなく、それを聴く悦びを直截に伝えてくれます。異色ながら、Bach演奏史にとって、決して忘れられない、印象的な盤の一つではないでしょうか。

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     2012/04/21

    自分が音楽を聴き始めた頃に、唯一日本人で国際的に知られていたチェンバリストであった(と思う)小林道夫さん、もう80歳になられるんですね....。類似のCDは非常に多い、J.S.Bach「小前奏曲集」ですが、本盤は中でも最も滋味溢れるものではないでしょうか?長い長いキャリアのもとに生み出されたチェンバロの音色は、あくまで繊細で軽やか、覇気とか熱は感じられなくても、技術的に衰えは全く無く、ひたすら美しい響きが堪能できます。決して傑作ばかりとは言えない、この手の曲集ですが、これほど安心して聴ける盤は稀かも知れません。地味ですが置いておきたい好盤と思います。

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     2012/04/08

    数年前から気になっていたので、全集としてまとまった機会に購入しました。Cafe Zinmmermannは、晩年のLeonhardtのパートナーとして接したのみで、そのカンタータ集ではあまりこれといった印象がなかったのですが、伴奏としてでない演奏を聴くと、如何に技術的に高水準の団体であるか、がよく判ります。決して隅々まで完璧な演奏というわけでなく、それなりに粗さも散見されるのですが、それでもここまで破綻なく引き締まった演奏が実現するのをみると、この30年で古楽演奏の世界的水準がどれだけ飛躍的に上昇したかをまざまざと見せつけられます。さらにこの演奏集で特筆すべきは企画の秀逸さ。こういったブランデンブルグ、管弦楽組曲、その他協奏曲などが、ランダムに配置され、しかも主要作品がほとんど入っている演奏は有りそうで実はなかったもので、こういった形で接すると、J.S.Bachが器楽合奏の分野でも、如何に人類の至宝としか言いようの無い傑作を多くうみだしているか、が如実に顕れてきます。もちろん、並の演奏でそう言った事を実感させるのは無理なので、これはCafe Zinmmermannの演奏がBachの傑作の本質を全く誤り無く、過不足なく正統的に表出できているからに他なりません。ブランデンブルグNr.5,3といった傑作の演奏を聴くと、それはどなたにも実感して頂けるはずです。もちろん、いくつかのチェンバロ協奏曲、管弦楽組曲を含め、全てが最高という訳でなく、首を傾げざるを得ない演奏も時にありますが、こうしてまとまってみると、全体の演奏水準・解釈水準の高さは疑いようがありません。企画・演奏両面の質の高さを実感していただくためにも、できるだけBox setの購入をお薦めしたいと思います。間違いなく、現代最高水準のBach器楽合奏の一つであることを保証します。

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     2012/04/07

    非常に質の高いアルバムと思います。売り物の12,13は、正直曲自体がドラマに合わせただけのつまらない作品ですが、これに反して冒頭の自作1,そして2-3は極めて上質のR&Bナンバーで、のっけから魅力十分の出だし。Night in Tunisiaは例によって、彼女の日本人離れした歌唱力を証明する圧倒的名唱。バラード・タイプの曲も、アップテンポの曲も、誠実にじっくり歌い込まれています。ボーナスCDの2枚目LIVE集も、素晴らしい名唱ぞろいで、Jupiter, Joyful joyful, Love storyなど、自分の様な長年のクラシック愛好家からみても、原曲の魅力の本質をはずさない、的確な編曲と演奏(歌唱)は感心します。決して万人にもてはやされるような、平易な音楽ではないかもしれませんが、極めて上質で繰り返し聴くにつれ良さが解ってきます。ちょっと日本では他に得難い、本格的なヴォーカルアルバムとして、多くの方にお薦めしたいですね。

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