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ヴァニタス さんのレビュー一覧 

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     2012/06/28

    録音当時(2000年)ピアニストと指揮者は69歳と75歳。知的な重鎮だけに構えて聴きだしたのだが、浮かんできたのは老人二人の微笑ましいモーツァルトだった。無理のないテンポ運び、無駄な力も一切加えていない様子。カデンツァからオケに戻る場面でも劇的な印象を与えずに自然体を演出する。「演出する」とは少し変な言い方かもしれないが、彼らは十分にそれを意識して自然であろうとしているように思えるのだ。何気ないフレーズにも繊細にコントロールがなされ適度な歌がある。だからやっぱり知的な印象が最後には残される。よって精妙なモーツァルトを十二分に堪能できるのである。一方で、K595のような霊感に満ちた美しい世界を、はなっから求めていないような演奏でもある。

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     2012/05/21

    High Wire Artist フィリップ・プティの爪先にBavh Motetsの文字。彼の足裏の繊細なバランス感覚は、近年メンバーを一新したモンテヴェルディ合唱団のフレッシュな音楽性と共通しているかもしれない。いやしかし、驚異的な表現力である。11−6−6−6の近年の録音の中でもしっかりとした合唱人数を配して、繊細極まる弱音から、マスの推進力とみなぎる表現までを自在に変化させている。ガーディナーは以前にも増して言葉が内包するリズム、重さ、色合に反応しているようで、彼ら独特のビート感やスウィング感はそうした言葉の扱いと密接に関わっている。ガーディナーの録音の中においても傑出した出来だと思う。なお、BWV225のマドリガル詩が通常の演奏のものより2倍の長さになっている。エディションに詳しい人に意見を求めたい。

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     2012/05/06

    クリスマス・カンタータということだが、オケの編成は限られたもので、弦合奏とオーボエ、通奏低音(ファゴット、オルガン)のみの9人編成。派手さはないが、ささやかな活気に満ちている。収録されている5曲のカンタータのほとんどは1740年代のものらしい。6〜7楽章のうち、合唱、コラール、アリア、レチタティーヴォ、アッコンパニャート、デュエットがバランスよく配置されている。アリアなどは3〜4分程度の長さで長尺になることはない。終曲には必ずコラールが配置されるが、オケのリトルネッロがどのコラールにも付随しているのが特徴かもしれない。さて、グラウプナーの教会音楽を聴く機会はバロック音楽の認知が高まっている現在においてもあまり多くないため、この音盤の存在は大変ありがたい。演奏の水準も申し分ない。だが、バッハのカンタータの深い精神性と叙情を期待するわけにはいかない。バロック末期のギャラントな雰囲気は、下火になりつつあったカンタータ史の一端を示しているのかもしれない。生き生きとしたリズム感やときにユニークな表現は聴きものだが、繰り返して聴くだけの強度があるかは微妙だ。一方で、一都市の巨匠が大量生産型の作曲業を巧みにこなしていた実態を知ることのできる音盤でもある。

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     2012/05/02

    この団体、この曲を初めて聞いた。屈託のない古典的な佇まい、メンデルスゾーンのセンスと技にはほとほと感心する。他のロマン派の音楽を聴いていると、屈折したところや感情的なところが作品の中心にあるように思えるのだが、この作品は「作者の人生」を感じさせない。美しく、劇的要素にも欠けていない本作を、トリオ・ワンダラーは格好よく高度にまとめあげている。

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     2012/04/03

    類稀なセンスで独特の存在感を放つザ・リンゼイズ。どこまでも作品の本質に迫ろうとする貪欲な姿勢に心打たれることもしばしばであるが、このベートーヴェンにおいても迫真の名盤を聴かせる。屈折し、流動するこの作品を難解なものとして片付けず、見事に解釈して見せる知性と技能には敬服するほかない。時に息苦しくなる音圧と厳しい追求に、真の芸術を見る思いがする。

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     2012/03/16

    この団体の演奏ははじめて聴く。とても穏健な表現なのは好感が持てるし、くつろいで聴くには美しい演奏だと思う。第2番などは晴れやかな様子がいかにも心地よい。しかし、陰影に富んだ本作品の魅力を伝えきれているかと言えば少々不満も残る。強弱の高低差が小さく、フレーズが最高に緊張するところにおいても、プロ・アマテの面々はあまりそれ意識することなく、作品は持つ内的エネルギーが行き場を失い、弛緩したところがあるように聞こえてしまった。深い精神性や精妙なやり取りを期待するといったタイプの演奏ではないようである。

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     2012/02/14

    これほどドイツレクイエムが瑞々しく聴こえことはない。ガーディナーはとかく埋没ぎみになる細部のニュアンスを可能な限り耳に届くかたちに彫琢していく。合唱はルネサンス的ともいえる透明なグラデーションを帯びているが、それが古典的なフォルムを突き抜けて、耽美的な世界と隣り合わせになっている点にロマン派の音楽に取り組む彼らの解釈が合間見られる。それでいて、推進力にもかけていないのだから、この声の凄みは名状しがたいくらいである。オーケストラの色彩感も実に鮮やかである。

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     2012/02/08

    これ以上望むものはない。ここまで血の通った演奏は滅多に聴けないだろう。バルトークはどこまでもヒューマンな作曲家であると思う。一つ一つの音が、戦う精神のドキュメンタリーのようなものだ。この演奏はドキュメントそのものである。金管が高らかに吹奏するとき、私はディオニソス的な精神の乱舞の彼方に、アポロンの出現を垣間見たような思いをめぐらせる。

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     2012/02/08

    ニュートラルな響きを基調とし、くつろぎある世界へと誘ってくれる一枚。しっとりとした質感により、多声的なテクスチャーを強調するようなことはしないが、コンクリートに染み渡るような現代性を備えている。エマールの新しさは質感、手触りだと私は感じる。俯瞰的な視点からのアプローチにより、「聴き手」の「バッハ」に対する距離感は、いつになく丁度よく感じられる。

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     2012/01/31

    モノを買う喜びを実感できる一枚である。とは言え、海外のいくつかのレーベルにあるような豪華な装丁というわけではない。むしろ、一見すると地味くらいなのだが、限られたスペースに作曲者の簡単な生涯と楽曲の説明、歌詞と対訳、歌詞集のタイトルページやファクシミリの印刷といった情報が実にうまく掲載されている。私はこのアーリーミュージックカンパニーというレーベルをはじめて手にしたのだが、本当にすばらしい仕事をしているなと、ほとほと感心させられた(値段も1500円と安い)。肝心の音楽はというと、もしかするとこの手の音楽ファンにとっては選曲が物足りない部分もあるかもしれない。しかし、私のようなダウランド初心者には十分に味わえる内容だった。タイトルにメランコリーとあるように、哀愁漂うリュートの音色を耳をそばだてながら聴く現実離れした時間。そんな繊細な時をこの音楽は提供してくれる。

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     2012/01/23

     昨年はこのブランデンブルクをよく聴いた。「楽器を持たない指揮者」であるという点においてはアバドもそうなのが、アプローチの方法がまるで違う。アバドのそれは実に民主的に聴こえる。カラフルで歌があり、奏者の笑みが見えてきそうな演奏。一方、ガーディナー盤からは彼の鋭い眼光が注がれている様子を想像してしまう。解説にもあるように、彼は1、2番しか振っていないわけだが、この曲が演奏されたケーテン・バッハ音楽祭の写真からは、最前列に腰掛けた名匠が、まるで眼差しで指揮をしているかのように私には見える。
     結果的にその音楽からは、スコアのからくりに挑む知的な要素が多分に感じとれる。しかし、頭でっかちになることがないのが、長年バッハを演奏してきた団体の最大の魅力となっている。圧倒的な推進力を生んでいるベースラインを軸として、リズムの出し入れを楽しみ、時に聴き手の肉体をも刺激する傑出した演奏となっている。緩除楽章などではもう少し歌と潤いが欲しいところだが、名盤であることに異論はない。
     

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