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ヴァニタス さんのレビュー一覧 

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     2012/11/25

    ヘンデルの合奏協奏曲を久しぶりに買って聴いてみた。この国際人の合奏音楽は幼い時に聴いて以来、その格調の高さと簡潔さ、そして堂々たる楽想において私を魅了してきた。洗練された都市の音楽にホグウッドは適度に躍動的なニュアンスを加えている。もっと甘美に響かせても面白いと思うところもあるが、高水準にこの曲集にまとめ上げた微少な例である点で高い価値を得ている演奏ではあるまいか。

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     2012/10/30

    女流ヴァイオリニストが初演をつとめた作品だからか、バルトークのヴァイオリン・ソナタは印象派的なきらめきと官能的な旋律美が魅力だ。テツラフは克明に細かいディテールを弾ききっている。硬質で少しウェットな響きに安定した切れ味が加わり、作品の特徴を十分に捉えている。感情移入を抑えた演奏により、バルトークの音楽観がストレートに味わえる演奏になっている。

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     2012/10/22

    BWV80は成立の経緯にいくつかの段階がある。だからフランクの詩に基づく可憐なアリアと、厳めしい合唱とではかなり手触りが違うはずなのだが、コープマンの演奏ではそれらがとても自然につながっていくので面白い。冒頭合唱のカノン・パートでは、オルガンをブーブーいわせてコラールをくっきりと浮かび上がらせるコープマン特有のチャーミングな仕上がりになっている。他のミサ曲などの演奏もそうなのだが、演奏は外向的な派手さも内向的な精神性もなく、ひたすら庶民的だ。でもしかし、その庶民性が現代の高度な技術と知性によって実現されているあたりにコープマンの深さが垣間見られる。

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     2012/10/21

    バッハの専門家は多い。それだけに「ロ短調ミサ」において別段バッハに執着していない(ように見える)ヒコックスを手に取るというのは、かなりのファンか、あるいは何かの偶然でしかないように思われる。実際私は後者だったのだが、聴いた感想は本当にすばらしいものだった。建設的な構想の中で、アンサンブルは清潔感と躍動感が保たれ、合唱はテクスチャーの肝をしっかりと押さえた透明感のある演奏になっている。全体としては勢いのある劇的な演奏と言えるのではないか。ヒコックスの洗練された音楽センスは合唱の扱いにおいて、また古楽へのアプローチの両面においてはっきりと通用している。この清々しい演奏は、バッハ周辺を専門とする指揮者にはない強力な魅力となっている。

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     2012/10/11

    野球のグローブは始め硬いが使っているうちに手に馴染み、キャッチする時にパシッといい音を出す。ここでのORRは極めてしなやかだ。練り上げられたアンサンブルは一切の雑みを排している。しかし、芯はしっかりしているため、無理のないタイトなリズムが気持ち良く鳴る。旧盤を純化したようなシンプルな佇まい。過去の名盤をまったく意識していないかのような、不思議なくらいに何気ないベートーヴェンだ。

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     2012/09/29

    バルトークの音楽は表現の幅があまりに広い。この弦楽四重奏曲における暴力と愛撫が複雑に混在する、危機的なまでに追求された表現は比類ない高みに達している。フェルメールQはそうした峻厳さからは距離をとっているようだ。透明で膨らみのある響き。音楽はよく流れ、曲の難度を感じさせない。ただ、贅沢な物言いになるが、この美しさに一抹の物足りなさを感じてしまうのも正直なところだ。

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     2012/09/25

    シューベルトのソナタは冗長であるか?失礼ながらこれはある種の真理ではないかと思う。さらに言えば、シューベルトの個人様式はソナタやロンドなどの種々の形式を、聴衆を高揚させる装置として用いていないように思える。ここに聴くルイスの演奏は古典派のマニエリスム的2つの短調ソナタを一点の曖昧さもなく捉えている。各楽想にふさわしいタッチの的確な選択と技術は本当にすばらしい。これは鮮やかかつ深遠なる冗長ではあるまいか。

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     2012/09/19

    ここに聴くシューベルトはなんとも伸びやかでくつろぎがある。フランス勢の演奏のためか、D.898の緩徐楽章などフォーレを聴いているようだ。ピアノ三重奏曲は作曲家死の前年の作品であるが、それを感じさせない溌剌として豊穣な楽想を情感豊かにこのトリオは歌い上げている。なお、本アルバムでは、シューベルト初期のD.28、中期のD.574も収録されており、室内楽を通して彼の作曲様式の変化を楽しむことができる。壮大なスケールのD.929に比べると、D.28はあまりにも屈託がなく逆に新鮮かもしれない。

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     2012/09/17

    第1番が始まった途端、遊園地に遊びに来たような思いがした。さまざまな楽器が入れ替わり立ち代り出てきてはリズミックに弾き鳴らし、吹き鳴らし、叩き鳴らす楽しい世界。私は第2番でのチェロの無窮動的な動きが気に入ってしまった。第4番の第3楽章などの深い叙情を感じさせる楽曲も随所にあり、これまたいい。全体的に対位法の網が張られていて、私のようなバッハ好きには面白く聴けた。このようなワイマール文化漂うモダンなドイツ音楽を、現代の誇る鉄壁のアンサンブルで聴けるとはこの上ない喜びだ。

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     2012/08/18

    ヘルビッヒはハイドンの後期の大作をディヴェルティメントを演奏しているように軽快に仕上げていく。弦楽は豊かな響きを持ち、繊細なアクセントひとつひとつに高い音楽性を感じられる。木管は弦とのバランスがすばらしく細部まで鳴りがよい。金管はやわらかく全体の落ち着いた色調を決めている。ヘルビッヒのハイドンは聴いていて気持ちがいい。導入の一つ目の音からバシッと決まっている。軸に乗るのがとてもうまい。決定盤にはなりにくい演奏かもしれないが、聴き続けるに耐えうる味のあるハイドンだ。

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     2012/08/10

    ある音楽を聴くとき、その作曲家や演奏家に思いを馳せながら聴くことはあっても、その音楽の選者に思いを寄せて聴くことは滅多にないことかもしれない。「吉田さんはウルゴスキの《エリーゼのために》に反応したのか」「バルトリをさぞ面白がって聴いたんだろうな」等々。普段、歌曲を聴かない私にとって『永遠の故郷』は子供が絵本を開くときのそれに似た、目くるめく世界への扉となっている。プーランクの歌曲など、このセットがなかったら一生聴かなかったと思うが、そのユーモアと洒落た語りにたまらない魅力があることを知った。私にとっての歌の教科書だ。『永遠の故郷』は吉田さんの約一世紀に渡る音楽体験の個人史であるとともに、唯一無二の氏の「センス」が示されている。思わず触れたくなる装丁、CDの均整の取れた音質など細部に渡る仕事が感じられる美しい「作品」だ。

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     2012/07/22

    このハイドンは禁欲的だ。ところどころの和やかな雰囲気は結局のところ禁欲的な表現の一部として機能しているように思える。緊張と隣合わせの温か味。古典的造形美を極めようとするセルの芸術には十分すぎるくらいの聴き応えがある。徹底した設計によるハイドンには隙がなく、あるはずもない。ただ、私は純粋に「面白い」と思えなかった。すべての曲がというわけではないが、どうしても頭で聴いてしまい、息が詰まる。そして、他の盤に手が出てしまう。そう易々とセルの心の音楽は聴こえてこなかったと言うわけだ。だから、この盤の一般受けの良さには少々驚いている。

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     2012/07/19

    安心して聴いていられない、ハイドンの果敢な書法に見事に応えた演奏である。響きの純度と声部の独立性を高めながら、抜群の機動力と連帯により音の波を小刻みにつけていく。あっという間に目の前の景色が変わってしまう展開の早さには、鑑賞者を音楽へと引き込む強烈な引力がある。しかも、高い集中の中においても、ローカルな温かみとゆとりが保たれているのだから、音楽はより度量が大きいものに感じられる。

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     2012/07/14

    ムローヴァのバッハ演奏は今や完全にピリオド寄りだが、このアルバムが録音されていた当時(1995年)の彼女の演奏スタイルは折衷的な色合いが濃い。にもかかわらず、チーム一丸となった念入りな音楽作りと、凛とした清新な響きにより、むしろ普遍的な演奏へと近づいている。繰り返し聴いていても鮮度を失わない稀な演奏ではなかろうか。

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     2012/07/11

    ある音楽家のエッセイを聴いた気がする。力みのない自然な語り口。安定した重心はアーノンクール一派の蓄積した経験の重みを感じさせる。声と楽器は芳醇な音色を漂わせ、フレージングには心地よい”訛り”があるのが好ましい。一方で、宗教的な厳粛さや緊張感はなく、現代のコンサート・ホールに相応しい音楽作りをしてるようも思われる。バッハの温かさと深みを気張らずに聴ける一枚だ。

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