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西荻椿山 さんのレビュー一覧 

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     2013/02/22

    9曲からなり、第4曲までが第1部、第5曲以降が第2部です。第1部はcembがポツポツ主題を弾いた後楽器が加わっていくのがおもしろい。第2部も最初はcembだけの6声のリチェルカーレから始まりますが、これがちょっと難物な他はすらすら聴けます。この第5曲から第7曲までは弦楽合奏で演奏されることも多いそうだが、本盤では後の部分との対照をはっきりさせるため1台または2台のcembで演奏されています。リヒターがcembでも参加するのは第7曲以降です。第8曲はFlを主とするトリオソナタで、この最初のLargoを聴くためだけでも本曲の盤を入手する価値ありと思います。本曲の主題を提供し、本曲が献呈されたフリードリッヒ大王がFl好きだったので、このような美しい曲が残されたということです。その主題の変形で全曲埋め尽くされているそうだが、私ごときには聴き取れる部分はわずかです。それでも感興が十分ある、すなわち理論倒れになっていないのがバッハのすごいところでしょう。リヒターの指揮は緊張感を保ちながらも生き生きしたリズムを大切にした演奏です。この後いろいろな団体が世評の高い演奏をだしているのは承知だが、LP時代から聴き続けたこの演奏に何の不足も感じず、手をださないままとなっています。

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     2013/02/22

    バッハからマーラーに至るドイツ器楽(これらはやはりたいしたものだと思う)を中心に教育されたせいかフランスバロック音楽となると閾がなんとなく高い。フランス人にいわせるとフランスバロックではなくフランス古典音楽だそうで、中国人(こやつらは木に登った豚で論外)と同様お高くて蕃夷(?)の民としては少々ウザイ。同名のオペラクリスティ盤を見てみたが、バレに素養がなく、イタリアオペラどっぷりの身にはテーマが高尚過ぎてもてあましました。このオペラは当時大ヒットしたらしく本曲は舞台上演に接しられない人のために作曲者自身がさわりを編曲したものと考えていいのだろうか。フランス語は皆目わからないが、楽章の題名をみると、アフリカ人、トルコ、ペルー(インカ)が出てくるようです。どうやらインドとは実際のインドを含む東方(喜望峰周りを含む)の国全てを指すものらしい。というよりシタールやビーナの現実の国ではなく想像上の国々なのか。優雅なという形容がついているのでわかるように野蛮と見下している感じはありません。各楽章は終結のシャコンヌを除き長くても2分台で短いものです。概して威勢がよく活発で個人的にはバレに悩まされることがないだけ気持ちよく聴けました。

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     2013/02/21

    Vnは好きです。好きでないとクラシックなんか聴いていられません。が、無伴奏で延々と続くとなるとちょっとタンマです。cembは苦手です。独奏組曲などはPfでお願いしたい。ところが、二つ合わさると何とか聴けます。BWV1021、1023ではVcも入るが大歓迎。そしてソナタになるとPfではお断りとなるのですから、我ながらナニイッテルカワカラナイ。といっても全曲通して一番聴きやすかったのがBWV1020だったということを白状しなければなりません。これはFlバージョンが有名で、C.P.E.バッハ作とみられています。私にとって難関はJ.S.の急速な楽章です。これをザラついた音で弾かれると鋸引きの刑に処せられているようで、いくら精神性とかいわれても逃げだしたくなります。それが、グリュミオーにかかると晦渋さが美音のなかに解消されてしまうのです。緩徐楽章、例えばBWV1016の第1楽章などが絶品になるのはいうまでもありません。時の流れのなかで淘汰されて、現在大ヴァイオリニストの演奏でということで選択すると、だいたい本盤になるようです。VnのCDのなかでも最も美しいものの一つにすんなり行き着くわけですから楽ちんです。

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     2013/02/21

    曲目の詳細はバッハの二重協奏曲BWV1060とヘンデルの協奏曲全3曲ここまではメニューインのVnと指揮でバース・フェスティバルO、モーツァルトは協奏曲K314(デイヴィス指揮)と四重奏曲K370(レナーSQ)です。K370だけはモノラルです。購入の動機はヘンデルの協奏曲全部をObの名手といわれている方で1枚で聴ける盤がこれだけだったからです(他の曲はこれで聴くという盤は決まっていました)。3曲とも緩ー急ー緩ー急の4楽章で、10分に満たない短いものです。第1番より偽作の疑いがあるという第2、第3番のほうが性格的で聴けます。グーセンスのObですが低音に深い響きがあるというわけでもなく高音に華があるというわけでもない。何とも灰色な印象で、ノリも悪くいっこうに楽しくありません。LPのラルドロ(Ob)が恋しい。他の曲も本盤を第一にお薦めするわけにはいきません。

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     2013/02/20

    第1番から第8番クリスマス協奏曲までは緩急をくりかえすタイプ、その他はPreludioの後に舞曲が続くタイプです。全64楽章のうち3分台のものは6、4分台のものは2の計8でこれらが比較的長いのですが、それらでさえうち5まで2部以上の構成です。つまりめまぐるしく気分が入れ替わるにもかかわらず、すっかり退屈してしまいました(どちらかといえば第9番以降の舞曲タイプのほうがマシ)。1楽章が同じ音型のくりかえしに聴こえ、緩徐楽章で旋律が伸びない。ひとかたまりの楽章を1曲の合奏協奏曲と認識するには、聴きこむ必要があるが、その意欲はおこりませんでした。ピノックのCembの弾きぶりによる古楽器使用の演奏で、受賞もしているようです。上記のような感想だし、他盤を聴いているわけでもないので、本盤の特性については鈴木昭裕氏の見解を引用させていただきます。「過剰を嫌うピノックはコレッリのきりっとした抒情性の表現にぴったりである。一糸みだれぬアンサンブルが軽快に刻んでいく和音の響きがじつに美しい。爽快、喉ごしならぬ耳ごしがいいとでもいうべき演奏」

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     2013/02/19

    バッハにこの種目はないが、ヘンデルが作曲してくれたことに感謝したい。バッハのOrg音楽は教会用でとっつきにくいものが多くCD1枚聴きながすのは難しい。に対しこれらはヘンデルが自作のオペラの幕間に余興で演奏するためのものだそうで、世俗的なたたずまいは、峻厳で近寄りがたいというものではありません。といって、本盤はad libitumで、教会的な音楽も採用してありその聖なる雰囲気がほどよい薬味になっています。Op.4の第6番はハープで演奏してあり、昔ランパル(Fl)とラスキーヌ(H)のモーツァルトの協奏曲のLPに併録されていたのを思い出しました。Op.4ではこの他では比較的長い第1番と第4番が充実しているようです。Op.7他になると選択はできません。急速な楽章は明朗で堂々とした恰幅のいい音楽で、こういう音楽が似合う男になってみたいものです(今生はダメダメで終わりそうだが)。プレストンはOrgの名手で、ピノックも自分でharps.協奏曲のソリストを務める方だけにサポートもつぼを心得ていて安心して聴けます。全曲いれてあるのもコレクションされる方にはメリットでしょう。

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     2013/02/19

    旧世代の本曲の舞台映像は本盤と80年レヴァイン/メトロポリタン歌劇場盤です。後者はパッケージを見ただけで中身を拝見したことはないのですが、映像としてはこちらのほうがいいのではと思います。それはタイトルロール(10代の乙女)を演じる歌手の容姿によります。鬼も18、番茶も出花という句がありますが、じゃがいもちゃんも加齢してはちと見るにはつらいものがあります(しかし、歌唱は一日の長があるかもしれません)。Tはどちらもドミンゴで本盤の方が後ですが、男性は老けるのがゆっくりだし、題名からして従でしょう。指揮はシノーポリで出てきたときからうけてます。このもじゃもじゃで銀縁眼鏡をちょこんとかけた風貌、見るからに何かおもろいことやってくれそうです。オペラには悠揚迫らない方よりこういう方のほうが似合います。そしてイラチな棒振りが刺激的でプッチーニにぴったりな感じです。さて、第1幕は若者の好色爺に対する恋の勝利です。学生エドモンドをやってる方がいい。名前も知らないのだが同じコヴェントガーデンのホフマン物語にも出ていました。座付のTなんているのでしょうか。オペラには伝令とか案内とかチョイ役のTがでてくることがあります。こういう主役をはれないTてどのような心境なのでしょう。それを気振りもみせないで気持ちよく青春の雰囲気を盛り上げてくれています。青春とは我らの名前、踊り、乾杯、バカ騒ぎなのだ。主役のT、愛、そりゃ悲劇かい喜劇かいで奥手です。声がよく出ていて若々しさをだすのに成功しています。それが、SのManon Lescaut mi ciamoの一言だけで恋におちいります。Sのほうも憎からず思う。つまり二人は一目惚れなのだが、ティーンエージャーではない歌手二人が眼の輝きでそれをうまく表現しています。好きなものを見るときは目が煌めくものなのだ。誰だってふりかえって一番人を純粋に好きだったと考えるのは初恋ではないでしょうか。その気持ちを沸き立つような青春の息吹とともに思い出させてくれるのがこのオペラの取り柄です。二人はエドモンドの機転で、好色爺の裏をかき手に手をとってパリへ逃げていきましたとさ、めでたし、めでたし。金髪や黒髪の娘さんよのメロディーが楽しく耳に残ります、おしまい。え、第2幕、第3幕・・・は?この爺さん、先は観ないんですね。相思相愛、経済や親族などもこの上なく恵まれた状態でも、結ばれた二人が残念な結末をむかえることがあります。ましてやこれは貧乏な二人でイタリアオペラですから。実人生でさんざん見聞した後では恋に夢中のほんわかした気分で幕引きしたいのです。

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     2013/02/18

    見ておもしろい指揮者ですからDVDをチェックする値打ちがあります。本商品は現在入手可能な5コンサート映像を一括ボックスセットにしたものです。結論から述べますと分売される状態が続くのなら、特別なファンでない限りセットで購入することは不要と思います。どなたでも楽しめるものとして89年ニューイヤーコンサート、交響曲好きなら83年コンセルトヘボウand/or91年VPOを加えるで可でしょう。これらが、彼の舞が比較的音楽にあっている映像と思うからです。かしいことをいう奴だ、本人が指揮しているのだから合う合わないもなかろうとおっしゃるかもしれないが、そうでもないように感じるんですね。収録時若い順で分説します。83年コンセルトヘボウ★★★★です。C.クライバーの強奏時の身振りが満喫できます。ベートーヴェンの第4番、第1楽章から僕ちゃん、カイカーンです。そうそうあなたのその音楽の申し子みたいな天真爛漫な笑顔、それがワシらのようなひねこびた爺いさえ幸せな気分にしてくれるのだ。第3番と第5番にはさまれてCDではかけようとも思わないこの曲が名曲に聴こえます。少なくともブラームスより後味がよくすぐ耳につく節もないだけ飽きもこなさそう。第7番に至るともっと激しく髪ふりみだして指揮は格闘技だです。駄々っ子のかんしゃくの炸裂のような腕のふりおろし、馬上の騎手かボクシング選手か、三塁コーチの本塁突入指示、斎藤一の牙突、消音にしてみたまえ、狂乱のリア王です。ただそういう発想がおきるところが、第4番よりややカラ回り気味なんでしょう。まあ、この曲はいろいろ巨匠たちの名演になじんできたためもあると思うが感動はしません。89年ニューイヤーコンサート★★★★★です。有名曲が揃っていて妙な楽器を使う曲も多く楽しめます。指揮者は第1曲から両腕を大きく使ってスロットル全開です。第2曲フィルハーモニカー全員で歌って演奏しますが、歌ヘタやなー(せやから楽器やるんやでしょうけど。苦笑いしているメンバーもいます)。第5曲上方をむいてお祈り、手がきつねのピツィカート、第9曲ポルカはスパッと終結、第10曲両腕広げて音楽浴などカルロス汗だくの熱演です。コンマスのキュッヒル氏の顔がかなりでます(眼鏡のタコ坊主がウリになるかは疑問だが)。91年VPO★★★★です。こちらはこの指揮者の情感をこめてというときの身振りやたおやかな舞いが素敵という方にお薦めです。リンツもなかなかだが、ブラームスの第2番はさらによいとみえます。幸せな気分なのはよいが、湖面がモヤでぼやけている夏の湖畔の散歩道のようではっきりしない印象のこの作品が、彼の動きのおかげで退屈せず終わりまで聴けます。第2楽章虚空から音をたぐりよせるような仕草など愛おしい。92年ニューイヤーコンサート★★★です。第6曲指揮者がラッパを吹くサプライズがありますが、うけません。選曲が渋めです。美しく青きドナウとラデツキーマーチで終わるのはお約束でしょうが、89年と聴き比べるような曲でもありません。一般には89年があれば十分でしょう。最後指揮者の去った指揮台をしばらく写しています。公演記録をあたったことはないのだが、ムジークフェラインザールに彼は2度と戻ってくることはなかったと語っているようでつらいものがあります。96年ミュンヘン★★★です。前はげなのは同じだが萎んでいるのは壮年期の父上と違うのに父親にそっくりにみえます。これは男が年取った徴です。ブラームスの第4番はそういう年令の一流指揮者にふさわしい曲だと思います。ところが、どこにも巨匠らしい深さは聴こえてこないし、第1楽章終わりの盛り上げや第4楽章の壮大さの構築にも失敗しています。わずかに第3楽章に力の片鱗が見えますが、彼の適性を示していると思われます。彼の身体全体を使った指揮法は体力が衰えては十全に行えず、楽員にも意思がはっきり伝わらないということなのでしょう。別に聴衆に見せたいと思って指揮しているわけではないが、キレが悪くては見てもさっぱりおもしろくありません。笑顔もありません。ここにあるのはかつて偉大だったカルロスの影なのです。彼に老成という語はにあわない。若い頃のノリノリの指揮が見れるオテロやボエームなどの状態のいいDVDの発売を切望する次第です。

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     2013/02/16

    一人のクラシックオールドファン氏のレビューをチェックしていて発見。氏が好むのは交響楽のようで嗜好が違うのだが、たまにこういうのも混じります。この曲集は大の苦手なのだが、こういう手があったかと気づかせていただきました。そういえばBWV1004のシャコンヌをギター編曲で昔聴いたことがあったのだ。この聴き手がいかにこの曲集を把握していなかったかについては、CD1を聴きはじめたときプレリュードって擦弦と撥弦でこんなに違うんだと思ったことで明らかです。その後聴いたことがあるかもしれないと思う節が途切れ途切れ現れ、第7トラックに至ってそのプレリュードが出てきました。ケースをみると第3番から入れてあるのでした。そんなていたらくですが、どのトラック(楽章)もメロディーが明確に追えるのです。こんなにメロディーに富んだ調子のいい曲集だったのか。Vcも好きなほうの楽器なのだが、この曲集に関しては拷問のようだったのに。やはりGの歯切れの良さがいいのでしょう。北ドイツの冬の灰色の空からスペインの夏の青空の下へ抜け出したような気分がします。この曲集についてはヘッセがおちこんでいるのを見てフルニエがなかから1曲弾いてきかせてやると元気を取り戻したという話を読んだことがあります。さすが天才は違う、俺ならもっと鬱になると思っていました。が、これは極上の音楽です。これを本来のVcで聴いてスフィンクスの謎のように感じている方にはぜひ一聴をお薦めします。まあ個人的にはバッハの素晴らしい無伴奏ギター組曲として記憶されることになるわけですが。これだからCDあさりちゃんはやめられまへん。雑木林に囲まれた別荘で聴く2枚はこれで決定といえようーーーです。

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     2013/02/16

    Pf協奏曲は、第1楽章はモーツァルトの10番台の曲に比べて遜色ありません。が、第2、第3と進むにつれ聴き劣りします。これがこの作曲家のPf協奏曲の到達点とすれば、遡って他曲を聴く気にはなりません。まあモーツァルトに27曲もあれば、古典派は満腹でしょう。マガロフに不足はありませんが、もっとビッグネームをお望みならモノラルだったと思いますがミケランジェリ盤があります。お目当てはこの曲ではなくOb協奏曲です。古典派はモーツァルトに1曲しかなくPf協奏曲と違い飢えています。本曲はほぼ偽作とされていますが、3楽章とも快活な旋律に富みF.J.ハイドンを名乗るに恥じない作品だと思います。数少ない全集録音にも収録されなかったりしますが、むしろ第一に聴いていただきたいくらいです。LP時代知ったのは、ヘンデルのOb協奏曲3曲を聴いてみたくて買ったラルドロ(Ob)プロハスカ/ウィーン国立歌劇場室内管弦楽団盤に入っていたからですが、出だしの調子のよさからして魅せられました。1枚にできるだけ多くつめこもうとした盤で本盤より1分30秒近く短く吹き抜けています。それで聴きなれているものだから本盤はややのんびりして聴こえましたが、各楽章の旋律をなつかしく思い出しました。シェレンベルガーは当代の名手で問題はないでしょう。交響曲は、モーツァルトの第41番並みの規模には達していません。が、モーツァルトの第34番より前の交響曲とどちらかを聴かなければならないとしたら、こちらを選びます。こっちのほうが聴きやすいのです。古典派の交響曲はモーツァルトの第41番か第38番をたまに聴ければたくさんだという人間の感想で、個人的にはこの曲もおまけです。

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     2013/02/16

    旧世代の本曲の舞台映像としては、本盤か87年レヴァイン/メトロポリタン歌劇場盤のどちらかです。スペクタクルとしてはメトだろうと思うのに実際は本盤のほうが上です。まずミカエラ(S)です。歌はあるいはメトのほうが上かもしれないが、白人であるので自然に感情移入できます。アップではやや年齢がみえるが、お胸など顔をうずめたくなるほどで、ホセ(T)ジプシー女だって?やっちまったなと十分思わせてくれます。さて、このオペラを観た後、だれもが口ずさむのは主役2人の歌(いい歌がいっぱいあるにもかかわらず)ではありません。そう、エスカミーリョ(Br)の闘牛士の歌です。性格もさっぱりして男らしく、恋愛の本質もわかっていて、刃物の扱いだけでなく全てにおいてTに優っています。カルメン(Ms)が心変わりするのも当然なのです。それを舞台で納得させられるかですが、声はメトのほうが上でしょう、しかし容姿はどちらも猿じみているのですが、やや本盤のほうがマシです。次にTです。よく歌えているのは本盤のほうです。が、マザコン気味に育ち、莫連女にいいようにあしらわれる役にはメトのカレーラスのほうが似合っています。いよいよタイトルロールですが、平均以上で気立てもよいSをふりきってふるいつきたくなるような魔性の女には残念ながらどちらもみえません。額のしわの方が嫌(メト)か首の太さのほうが気になる(本盤)かで選ぶほかありません。声や演技は本盤のスラヴ的鈍重さがメトより不利です。タイトルロールの歌手が容姿も素晴らしく踊りも上手なんてめったにあることではありません。だから、まわりには美女を配し、ダンサーをからませる必要があります。それでもごまかしきれないときは人海戦術です。しかし、活人画中で主要人物が紛れてしまってはいけない。そういうところをゼッフィレッリという方はよく心得ています。ピットのむこうに幕が開いたときオオッと思うのはこちらのほうです。第4幕では本物の馬に人を乗せ何頭も出してメト顔負けです。そして、本盤の最高の視覚の快楽は舞台にはなくなんと指揮者なのです。かの巨匠ミルヒ・シュトレーゼマンが来日時京都のお茶屋でインタビューに応じ「指揮者、見た目たいせつでーす。」と語ったのは誰一人知らぬ人とてありません。弟子のカラヤンが忠実に教えを守ったことは、ジャケ写などにうかがわれます。ただ、彼の場合意識的だったのが、天才C.クライバーに及ばないところで、音楽にまでわざとらしいだのやろうとしていることがみえすいているだのという非難を招いてしまいました。この公演で一番楽しんでいたのは間違いなくC.クライバーです。盛り上がると(声は出していないだろうが、)一緒に歌っていますよ。そして、ここは感情をこめてというときの両腕と上半身の動き、弱音のときの左手のヒラヒラ、逆に終結、余韻をたちきるかのような振り下ろし、強烈なタクトの下からの突き上げなどなど本曲で独自のバレーを編み出し踊っているみたいです。それが天然、自然で動きがしなやかなので目がはなせないのです。見る指揮者の究極です。正直、舞台は右片隅に小さくして終始彼の姿を映している映像が売り出されれば即決ゲットしますね。その反面、彼の12CDボックスはなかに名演の誉れ高いものもあるにかかわらず私は2度とかけたことはありません。姿なしでは無二の演奏とは感じないのです。最後に78年当時のウィーン国立歌劇場の観衆にもふれないわけにはいきません。皆様今日こそは一大イベントときばって着飾ってきていて大盛り上がりです。会場、観衆が所帯じみていては本当のオペラにはならないことを教えてくれます。舞台観衆一体となった祝祭を大昔の階上個室の貴族みたいに珍味佳肴を並べ、美女と一緒に、ワインを傾けながら観ることもやろうと思えばできるのだから有難いことです。

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     2013/02/15

    本曲はLPではシュナイト盤で聴いていました。レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊の声の清浄感が並々でなく、Sancta Mariaやマニフィカートの入りや終結、今も耳に残っています。そして、ファルセット起用で女っ気なしなのも聖なる歌にふさわしくエコーを伴い歌うところなど天上を思わせます。(それでこの作曲家のたくさんあるマドリガーレにも手を出してみたが、こちらには全く反応できませんでした。)CDでは出されていないので、コルボやアレッサンドリーニで聴いてみたが、かけらも満足できませんでした。本盤もまったく平均的な仕上がりで感動はありません。音だけならせいぜい三ツ星どまりでしょう。普通のコンサートホールでならDVDに手が伸びるわけもありません。が、本盤はヴェネツィアのサン・マルコ寺院で収録されているのです。ここは入口はいつも行列で、現地の小学生の校外学習など重なった日には入場しても落ち着いて黄金のガラスモザイクをいちいちみるどころではありません。この演奏は主として内外陣を区切る聖像壁の前(パッケージご参照)で行われますが、いろいろ歌手は移動するので様々な場所を様々なアングルから見れます(説教壇で歌うところなど、音響的にはともかく当時あったのかというような是非はあろうが)。随所にアップ(ビザンツ様式の人物の表情には正直ギョッとするものあります。大理石の床モザイクを含む)もあり、パラ・ドーロ(黄金の衝立)のカットもあります。サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会のティツィアーノ作聖母被昇天の聖母が引用されているのはご愛嬌。つまり本DVDは(バロック初期音楽のBGM付)観光映像として価値があるのです。また、様々な古楽器がここでは処を得ている感じです。全楽器古式にこだわるのなら指揮者や楽器奏者の衣装も17世紀風にしたらもっと徹底して良かったと思います。最後に聴衆の画像がでてきてあれいたんだと思いますが、イタリア人も教会のなかでは静かなものだったことを思い出します。

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     2013/02/14

    本曲はもはやCDで音だけで鑑賞したいと思いません。「女心の唄」がさすがに鼻についたのでしょう。ゴッビ(Br)、ディ ステファーノ(T)、カラス(S)、セラフィン/スカラ座盤とともに本盤もラックで埃を被っています。本盤はバスティアニーニ(Br)のリゴレットということで入手したのです(ただし、BrのみならずT、SからMsまで一流が揃っていて立派に歌っています)。が、やはり彼を聴くためだけでもかけません。なぜかということでかなりの無理してひさしぶりにかけてみました。イタリア語、わ、かり、ませーんで聴いていると第1幕「二人は同じ」のくだりはBrが何か国政の運営について怒っているように、Brが目隠しされて娘の誘拐の手助けをさせられる段は部下に命じて政敵を襲撃しているように聴こえます。第2幕La ra,la ra,以下のくだりは襲撃に失敗してヨレヨレだが気を取り直し皆様もう一度機会をくれ、支援を乞うというように、幕切れは恋人が危ないことはよしてと頼んでいるのに今度こそ首とったるでーというように聴こえます。第3幕幕切れは何かの手違いで恋人を政争に巻き込み失って涙です。リゴレットは公爵の腰巾着で、人々を愚弄しているからとても高潔な人物とはいえないでしょう。姿も醜い。そして、復讐の原因は娘を弄ばれたことです。ところが、姿が見えずバスティアニーニの声だけだと凛々しい大貴族が国事をめぐり争っているように思えるのです。どうやらこれは美質それ自体にも限界があるということでしょう。彼の声の気高さがこの役にはあっていないのです。そこでディスコグラフィーをみるとヴェルディの他のBr役では複数が録音されているのに本役についてはこの録音だけなのです。そして、彼自身もこのことはわかっていたのではないでしょうか。彼はカラヤンからオテロのイャーゴ役を委嘱されたが、期日までにマスターしてこず降ろされたという話があります。歌えなかったわけではないのはその後1回だけ舞台で演じているので明らかです。が、それも1回だけ。自分でいったい何がしたいのかもわからない、ただ破壊衝動だけのような男、この大義のない役が自分にはあわないと知っていたのでしょう。個人的には彼のイャーゴが聴けなくて残念とは思いません。彼の声を聴きたいときは本盤ではなく例えばドン・カルロをかける次第です。なお、手元にあるのはRICORDI盤です。

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     2013/02/14

    この協奏曲を聴くならまずはD.オイストラフです。ヌヴー、デ・ヴィトー、モリーニなど女流はどうしても力強さの点で劣ります。女子プロサッカーは男子高校生チームより見応えあるが、プレミアリーグの試合を見るとやはりこのスポーツ男性のものだと思うのと同様です。男性はというと、この協奏曲難曲ですからハイフェッツでしょうか。ブラームスは生い立ちからいっても、ハンガリー舞曲を作曲したことからもジプシー音楽に親炙していたことは確かで本曲にも影響はあるでしょう。しかし、それが諸に前面に出てきてしまうような演奏になってはアウトです。かといってメニューインのような知的アプローチでは本曲のブスブス内燃する情熱には届きません。優等生の委員長には手におえない世界です。グリュミオーの清潔な美音も第3楽章、貴族の令嬢がホイリゲに現れたような場違い感です。ロマン派への傾斜といったらミルスタインはどうか。いい線いっていますが、このぶ厚い管弦楽に立ち向かうには音の大きさ、響きの点でD.オイストラフに席を譲ることになると思います。第1楽章で朗々とVnを響かせ、第2楽章でどこまでも続くかのようなカンティレーナをたっぷり聴かせ、第3楽章で豪壮で男性的な舞踏を行うことができるのは、この方をもって第1人者とするのです。残るはどの盤を選択するかです。この方にこの曲の録音いったい何通りあるのでしょう、とても聴ききれません。LP時代は69年セル/クリーヴランド盤で聴いていました。CDに買い替えるにあたり本演奏にし、セルは買わないままになっています。セル盤のゆったりとした運びがこの曲の構造をみるにはいいかもしれないが、いささかマーラー風の倦怠感を持ちこんでいるように感じるのです。と書いて念のため、タイムを確認するとほぼ同じで第1・2楽章はわずかにセル盤のほうが速い!?なのにどうして先のように感じたのか考えると、本盤のほうが高音が鋭く、アーティキュレーションがはっきりしているためのようです。頑健でもさすがに還暦過ぎては歌うのはしんどくなってきているということか。実は最もよく聴いているのは本盤でもありません。55年コンヴィチュニー/SKB盤(ライヴ)です。本盤よりさらに活きがよくオケが無理しなくても自然にブラームスの響きを出せ、出しているのが素晴らしい。この伝でいくと51年コンドラシン/モスクワ放送響のほうがもっと溌剌としているのかもしれないが、老齢そこまで追求する根気がありません。これらに限らずベスト盤はこれだとご教示いただければありがたい。

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     2013/02/13

    個人的に室内楽に第一に求めるものは弦の美しさというか甘さです。だからアマデウスSQは決して無視できません。しかし、フィルハーモニカー系の団体の盤(以下VPO盤と記します。)があればそっちを優先したい。この立場で本セット中の作品をチェックしてみましょう。弦楽四重奏曲3曲、Op.51の2曲にはヴェラーSQがあるが、Op.67にはVPO盤はありません。しかし、ブラームスの弦楽四重奏曲偉大さでベートーヴェンを越えられなかったかもしれないが、晦渋さでは優っているとみます。若者で聴いてとても楽しいという方がいたら、末恐るべし、尊敬申し上げます。Pf5重奏曲、ブラームスの室内楽のなかでは親しみやすい方だと思えるのにVPO盤はありません。でもピアニストに着目して他盤を選ぶという手もあります。2曲の弦楽五重奏曲、ウィーン・フィルハーモニア弦楽五重奏団の盤が97年に出ました。が、私がブラームスの全楽章のなかでも一番好きといってもいいOp.111の第1楽章からしていけません。指定のbrioがなく一体感がありません。いくらVPO教信者でもこれではいただけません。この点、五重奏でいつも共演するアロノヴィッツ(va)を加えた本盤はアマデウス弦楽五重奏団といってもいいレベルで、素晴らしい昂揚感が味わえます。Cl三重奏曲とCl五重奏曲、本盤も悪かろうはずはありませんが、フィルハーモニカー歴代のお家芸です。プリンツ(Cl)ウィーン室内合奏団盤優先でしょう。弦楽六重奏曲2曲、Op.18の第1楽章、映画音楽に使われるほどの甘さで、ウィーン八重奏団など最適と思われるのにありません。「アマデウス弦楽五重奏団」+第2vcの本盤が一番まとまりがあるのではないでしょうか。なお、個性優先のソナタやトリオにアマデウスSQメンバーの録音がない(曲自体Cl三重奏曲以外本セットに含まれていません。)のは当然ですが、Pf四重奏曲3曲もありません。この3曲にはモノラルながらデムス(Pf)バリリSQがあります。こうなるとほしいのは5CD中2枚で金額的に微妙です。ただ、この団体とっくの昔に活動終了しており、単発盤が出ていません。どころか室内楽ファンの層の薄さを考慮すると本セット自体販売終了も十分考えられます。ポチッときますかね。

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