トップ > My ページ > soziologe さんのレビュー一覧

soziologe さんのレビュー一覧 

検索結果:13件中1件から13件まで表示

%%header%%

%%message%%

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/04/15

    とても典雅で優雅なモーツアルトだ。

    現代ピアノの音色の変化を存分に活用しながらも,ピリオド楽器のように音と音を切って演奏している。そのためとても歯切れのよいフレージングになっている。また,楽想群の合間にテンポにためをつくるのも特徴的だ。そのため,変化に満ちた音楽に聴こえる。装飾のセンスもよい。

    全体として即興性の豊かな演奏になっている。楽譜に書かれたものが単に演奏されているというだけでなく,次から次へと楽想が限りなく展開され,モーツアルトのインスピレーションをほとばしりを感じさせる。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/02/25

    この曲は意外にも名盤がひしめいている。ブーレーズ、シノーポリ、ラトルの他、ロバート・クラフトやデイヴィッド・アサートンといった現代音楽のスペシャリストが録音している。最近はヴァイオリニストのカパチンスカヤがカパチンスカヤがこの曲で歌って(演じて)いる録音が注目を集めた。しかし私には、この曲の歌はどうしてもドイツ語のネイティブに歌ってほしい。ネイティブでないとドイツ語の発音の「パンチ」が十分に効かないのである。ところが、ドイツ語ネイティブの録音はそれほど多くなく、ブーレーズ版のシェーファーとこのシュミットフーゼンくらいではないか。シェーファーはベルクの『ルル』のタイトルロールが素晴らしかったので期待して聴いたのだが、期待外れだった。「ソプラノ」の型から抜けきらず、語りも不自然だった。その点、このシュミットフーゼンの録音は素晴らしい。きちんと「ソプラノ」としてん声は駆使しながら、見事に「シュプレヒシュンメ」を演じている。この歌手の名前を、私はこの版で初めて知ったが、調べてみると、鈴木雅明のバッハの宗教曲に参加するなど、バロックの宗教曲でソプラノを歌った録音が多いようだ(決して数は多くないが)。そのような歌手が、この曲のソリストとして録音するというのも面白い。私にとっては、この曲のベストの録音で、安心して音楽に身を委ねることができる。ドイツ語の発音・発声も理想的。マイナーなレーベルのせいか、あまり知られていないが、この曲が好きな人には是非おすすめしたい。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2022/08/22

    レバノン,フランスの二つの国籍をもつピアニスト。ドイツ系の歴史あるベヒシュタイン社のピアノを弾くピアニスト(ベヒシュタインのプロモーションでこのピアノを絶賛している)。知名度はそれほど高くないが,素晴らしいピアニストだ。apple musicでたまたま彼のベートーヴェンのピアノソナタ全集を耳にしたことから,このピアニストに注意が向いた。その彼の最新録音がこれ。

    勢いで弾き切ったり,ロマンチシズムに浸ったりすることなく,すべての音を丹念に響かせ,音が濁ることがない。ベヒシュタインの地味で素朴だが透明感のある音色がよくマッチしている。全体にインテンポで,あまり「盛り上げる」ことなく,淡々と進む。ショパンというよりバッハか何かのような印象さえ受ける。例えば,24の前奏曲の最終曲。これはショパンの書いた音楽の中で最もドラマティックなものの一つだと思うが,ここでもエルバシャは情熱に身を任せることなく淡々と引いている。そして最後の三つのD音がとても澄んでいて,感動的。

    24の前奏曲の後につけられた3曲も魅力的。甘さを抑え,内省的で枠組みのしっかりした演奏だ。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/12/15

    これはとても面白い。1937年の式次第をもとのイギリス王室の戴冠式を再現し,1902年,1911年,1937年,1953年の4回の戴冠式で用いられた音楽のなかから「最高’(very best)」な曲を集め,ポール・マクリーシュが大オーケストラとオルガン,合唱,カンタベリー大司教朗読で録音したもの。3時間半かかるという戴冠式が,2時間半ほどでまとめられている。
    エルガーの「戴冠行進曲」ではじまり,オーケストラ曲,合唱(アカペラ),大司教の朗読があり,最後はウォルトンの「戴冠行進曲」で終わる。その前には,同じくウォルトンの「戴冠テデウム」,そして現代作曲家デヴィッド・マシューズの英国国歌編曲版あり,どちらも面白い。また,作者不詳の賛美歌,ヘンデル,ヴォーン=ウィリアムスの合唱曲も美しいが,特質すべきは合唱と大司教の掛け合いで進む「聖餐式」だろう。戴冠式の厳かな雰囲気が体感できる。
    最初の方(キングとクイーンが登場する前)にエルガーの有名な「威風堂々」1番が来る。これが意外におとなしめ。合唱もつかない。プロムスで目にするような熱狂の場ではない。
    マクリーシュの指揮はキビキビしつつ,いつもの彼らしく合唱の「歌心」を大切にした良い演奏だ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/03/01

    重厚で,堂々としていて,風格があってとてもよい。同じような「ロマン主義」路線を追求しているとされるティーレマンよりも音楽に覇気と流れがあって,こちらの方が素晴らしい。今,もっとも「ベートーヴェンらしい」演奏として最もしっくりくる録音である。
    それにしても,日本ではバレンボイムの評価が低すぎるきがする気がする。ピアノ,指揮,オペラとマルチな活躍,そしてレコーディングの速さなどから「仕上げの雑」な演奏家とみられているのではないか。しかしバレンボイムには,細かいところにはこだわらず,音楽を大づかみに掴む特別な才能がある。また,その才能を彼自身がうまく生かしているように思う。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/11/03

    SFS自主作製のアルバムということかから,破格に高い値段が付いていたセットが少し安くなった(とはいえ,おそらくマーラー全集としては最も根が張るセットだろう)。すでにアマゾン・プライムでは無料で全曲聴けるのでだいぶ躊躇したが,やはりオーディオ(しかもSACD)で聴きたくて,今回思い切って購入した。

    MTTのマーラーは,大変に「歌心」のある演奏である。「歌心」といっても,後期ロマン派的な濃厚でアイロニーに満ちた歌ではない。スマートでメリハリの効いたポップな歌心である。テンポは大きく動くが,決して重苦しくはならない。一緒に口ずさむことのできる長いメロディーラインがわかりやすく聞き取れ,とても心地よい。

    このような演奏は,ロマン主義音楽が生まれた欧州大陸から遠く離れた,アメリカの西海岸でこそ可能になったものなのかもしれない。これはこれで,1つのロマンティックな演奏なのだと思う。しかも面白いことに,このセットで最も成功しているのは,おそらく最も「後期ロマン派」的な9番と10番である。この二曲を私はこれまで数多くの演奏で聴いてきたが,非常に美しく,またおそらく最も親しみやすく感じられる演奏である。

    ただ,この全集で最初にレコーディングされた6番(あの「9/11」の翌日の演奏会だったというが)は,特にその1楽章がリズムがもたつきがちで,肝心の「歌」がなかなかスムーズに続かない。ただ,楽章を追うにしがたって調子を戻し,最終楽章は素晴らしい演奏になっている。

    MTTのようなポップなロマンティシズムをあまり好まない向きもあるかもしれないが(あまり激情的にのめりこむことがないので),数あるマーラー全集の中で非常にユニークなものになっていると思う。私自身は,この演奏をとても気に入っている。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/06

    歌手の歌唱と演技,演出の美しさ,どれをとっても私の見たトスカのなかで最高の公演。このオペラの登場人物の中では,トスカでもカバラドッシでもなく,スカルピアの「悪党」ぶりが私にとっては魅力的なのだが,ヴラトーニャの演技は素晴らしい。しかし何よりも素晴らしく,このディスクを最高のものにしているのは,オーケストラ・ピットに入っているベルリンフィルとラトル。改めてベルリンフィルの実力を思い知った。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/07/24

    1890年製エラールのピアノによる典雅な音と、どことなく哀愁を帯びた詩的な表情に魅了される。チッコリーニからタローにいたる男性ヨーロッパ人のピアノによる演奏が瞑想的・内向的な方向性を追求していたのに対し、小川典子のサティはもっと突き抜けた、明るい、凛とした音楽になっている。とても感銘を受けたとともに、繰り返し聞きたくなるCDである。

    小川典子はBISレーベルを中心に実に幅の広いユニークな音楽活動を行っている。ドビュッシーやチェレプニンの全集から、武満徹や日本の現代音楽まで多様な録音。またイギリスに拠点にしながら日本での演奏活動も欠かさない(このCDも東京音楽大学のスタジオで行われている)。その他にも自閉症患者や東日本大震災支援の人道的活動、そしてイギリスのメディアにも登場し、とてもBritishな英語で話しをしている。

    日本の音楽家として、これからの活躍が楽しみである。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/09/20

    テンポを動かさず、音楽全体の音響構造をじっくりと、冷静に聞かせるクレンペラーのブルックナーは独特な魅力をもっている。木管楽器を固い音色で全面に浮き立たせることで、木管、金管、弦の音色の対象がはっきりとし、全体の透明感が増す。このような音響構造の設計も、クレンペラー独特である。(録音技術をうまく利用したものでもあるのだろう。)ブルックナーの音楽がとても「知的」なものであることを発見させられる。

    1960年代の録音だが、このようなクレンペラーの音響構造の設計がみごとに捉えられている。この時代のEMIの技術の高さに驚かされる。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/09/20

    交響曲は1956〜57年の録音。やはり音色の色彩感に書け、モノトーン。これだとクレンペラー独特の立体的で奥行きのある音響構造が聞こえてこない。そのため、スケール感は大きいがやや退屈という感は否めない。

    ドイツ・レクイエムは1961年の録音。こちらはオケの色彩感がよく聞き取れる。ただ、合唱の方は録音のキャパを越えてしまっているのか、やや苦しい。音が歪んで聞こえるところがある。しかし私が持っていた日本でリマスターされた同じ録音に比べると断然良い(日本でのリマスター版は、ほとんど聞くに耐えないほど歪みが大きく、音が割れて聞こえる)。演奏はすばらしい。若いフィシャー=ディスカウの太い声と、生真面目に一語一語を大げさなほどにきちんと発音する歌いっぷりはなかなか。しかし、シュヴァルツコップフの柔らかく、艶かしくさえる節回しでの歌唱はそれを上回る。

    それにしても、この時代の録音技術が日に日に進歩していっている様が、このセットからよくわかる。

    評価は、交響曲は星三つ。ドイツ・レクイエムは星5つということで、計星4つ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/29

    「近頃、甘口のベートーヴェンが多いとお嘆きの貴兄に、辛口のベートーヴェンを・・・」などという、昔の日本酒のCMを思い出す。ロマンチックで滋味深いベートーヴェン、ユーモラスなベートーヴェンの姿はここにはない。激しい打鍵、人を驚かすようなアクセント、畳み掛けるようなテンポのアレグロとゆったりと遅めのテンポの緩徐楽章のコントラスト。「革命児」ベートーヴェンを彷彿とさせる、実に戦闘的な演奏である。

    テクニックも凄い。楽譜に書いてある音符が全て鮮明に聞き取れる。ペダリングのコントロールも見事である。(ペダルを抑制し、ノンレガートで音を連ねていく演奏は、ピリオド楽器を思わせる)。ロマンティシズムを排した「客観的」な演奏は若き日のポリーニを思わせるが、ポリーニになくコルスティックにあるのは、実に多彩なピアノの音色である。音ごとにピアノの音色が引き分けられている。そして鮮やかな表情の変化。そのため音楽は決して単調にならない。曲ごとの性格の違い(ベートーヴェンは、「どれも同じような曲」を書かなかった、音楽史上最初の作曲家だろう)も明瞭になる。

    おそらく好みのわかれる演奏だろう。ドイツやイギリスでも「暴力的」「野蛮」という批評を時に見かける。確かにそういう印象もうなづける。ヘッドフォンで長時間効き続けると「疲れる」演奏ではある。しかしその分、退屈はしない。私にはとても刺激的な演奏に思えた。最近では、ポール・ルイスの全集が評判だが、ルイスのよい意味でも、悪い意味でも「成熟」した表現は、私には少々退屈だった。

    好むと好まざるとに関わらず、一度は聴いておくべきベートーヴェンなのではないか。おそらく、一度聞くと、他のピアニストの演奏も違って聞こえるのではないだろうか。

    一つ残念だったのは、1998年録音の30、31、32番のソナタが再録されなかったこと。この演奏だけ、録音年が少し古い。この演奏も、特に31、32番の2つは、後年の演奏の激しさがおさえ気味で、少々おとなしい気がする。いずれ再録音してほしいものである。

    SACDでなくCDでの発売だが、音質はよい。硬質のコルスティックの音色が鮮やかに聞き取れる。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/04

    とてもアットホームな感じのするアンダーソンです。大変に気に入っています。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/27

    実に透明感がある美しいチェロだ。天使のチェロだ。決して重たくならず、しかもロマンに満ちている。エルガーのコンチェルトのよさを再認識した。
    カップリングされているSospriや愛の挨拶、La capricieuseもセンスがよく、美しい。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

    このレビューに共感する

検索結果:13件中1件から13件まで表示