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織工 さんのレビュー一覧 

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     2016/03/31

    フランスの名門レーベルERATOの50枚組のセット。その魅力の第一は自国関連を中心に演奏家陣の充実で、主力の演目は、クリスティ(モンテヴェルディ、パーセル、ラモー、シャルパンティエ、モーツァルト)、ブーレーズ(ストラヴィンスキー、メシアン、ブーレーズ自作品)他、第一人者の指揮者で固め、オルガンのアラン(J.S.バッハ、フランク、リスト、ジャン・アラン他)、トランペットのアンドレ(バロック、トマジ, オネゲル, ミヨー, ジョリヴェ)他、ソロ、楽団の名手が揃っていることである。

    第二に、声楽陣の充実ぶりである。カンプラ『レクィエム』(モンテヴェルディ合唱団)、カントルーブ『オーヴェルニュの歌』(ドーン・アップショウ)、デュリュフレ『レクィエム』(テレサ・ベルガンサ)、グルック『アウリスのイフィゲニア』(フォン・オッター)等々のほか、スミ・ジョーやスーザン・グラハムは自信作各1枚を当てている。

    第三に、この手のボックス・セットのなかでは、録音時点が比較的新しいことで1990年代のデジタル録音も多く収録されている。角度をかえれば、まだまだ指摘すべき誇り高き成果も多い。鮮やかな緑の箱の上部にERATOの白抜きのすっきりとした装丁。この価格であれば文句のない充実した内容。

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     2016/03/31

    フランスの名門レーベルERATOの50枚組のセット。その魅力の第一は自国関連を中心に演奏家陣の充実で、主力の演目は、クリスティ(モンテヴェルディ、パーセル、ラモー、シャルパンティエ、モーツァルト)、ブーレーズ(ストラヴィンスキー、メシアン、ブーレーズ自作品)他、第一人者の指揮者で固め、オルガンのアラン(J.S.バッハ、フランク、リスト、ジャン・アラン他)、トランペットのアンドレ(バロック、トマジ, オネゲル, ミヨー, ジョリヴェ)他、ソロ、楽団の名手が揃っていることである。

    第二に、声楽陣の充実ぶりである。カンプラ『レクィエム』(モンテヴェルディ合唱団)、カントルーブ『オーヴェルニュの歌』(ドーン・アップショウ)、デュリュフレ『レクィエム』(テレサ・ベルガンサ)、グルック『アウリスのイフィゲニア』(フォン・オッター)等々のほか、スミ・ジョーやスーザン・グラハムは自信作各1枚を当てている。

    第三に、この手のボックス・セットのなかでは、録音時点が比較的新しいことで1990年代のデジタル録音も多く収録されている。角度をかえれば、まだまだ指摘すべき誇り高き成果も多い。鮮やかな緑の箱の上部にERATOの白抜きのすっきりとした装丁。この価格であれば文句のない充実した内容。

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     2015/02/18

     ワーグナーの膨大な作品群について、今日、素晴らしいBOXセットが多く出ている。録音を含めて総合的に考えれば、ショルティの全集 Wagner: The Operas が最右翼ではないかと思っている。

     特に『指輪』4作は解釈の一貫性から同一指揮者・演奏者で聴くのが好ましいと思う。バイロイトのライヴであれば、いまだベームの成果 Wagner: Der Ring des Nibelungen が金色に輝く。

     さて、そうした前提ながら、本BOXにも魅力がある。バイロイトに絞ったライヴ音源集で『さまよえるオランダ人』全曲/サヴァリッシュ(1959年、但し、サヴァリッシュにはそれ以降も複数の音源あり)、『ローエングリン』全曲/マタチッチ(1959年)、『タンホイザー』全曲/クリュイタンス(1955年)などが目玉だろう。

     他に歴史的な名演も多い。『パルジファル』全曲/クナッパーツブッシュ(1951年)、『マイスタージンガー』全曲/カラヤン(1951年)などにはいまでも根強い人気があるが、同じmembranレーベルからの「ワーグナー:オペラ全集」でも所収しており、バイロイトに拘らなければこちらも比較考量されたい。

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     2014/12/23

    チェコ・フィルという楽団は、この曲に関する限り、他の追随を許さぬ絶対の自信をもっていると感じる。本盤以前、チェコ・フィルでは、カレル・アンチェルの名盤があり、また、その後クーベリックの熱き演奏にも心は躍った。本盤が世にでた直後、アンチェル盤の盛名はなお高かったが、いまや本盤の評価は揺らがぬものとなっている。

    1974年6月28日東京(都民劇場)で、この組み合わせによって、「モルダウ」、「タラス・ブリーバ」そして本曲を聴いた。陶酔の時間といってよい見事な演奏だった。
    ノイマンの指揮の「先生」は、同じヴァツラフの名をもつターリッヒであり、ノイマンはチェコ・フィルでヴィオラ奏者になる一方、結成直後のスメタナ弦楽四重奏団にも加わった。しかも、その3年後、クーベリック急病で指揮を代演。その成功によってチェコ・フィルの首席指揮者に抜擢される。弱冠28才であった。その20年後の1968年に再び、同団の首席指揮者に就任するが、それ以前はコンビチュニーの後任としてゲヴァントハウスの楽長を務めていたのだから、その力量は同時代でも群を抜いていたことがわかる。

    ノイマンの特質は、全体に安定したテンポのもと、弱音部の弦楽器の清澄な美しさにあり、かつ木管楽器との得も言われぬ融合感にある。過度なダイナミズムを抑制しつつ、柔軟でシルキーな音色は形容しがたい深い美音である。この特質は、マーラーの交響曲全集でも、出色のブルックナー交響曲1番でも共通する。
    ノイマンは、同団出身の名ヴィオラ奏者であり、同団の良さを熟知している。本曲に関する「最強」の組み合わせであり、同団の美点をあますところなく表出している。30年前の録音ながら、いまだ第一等の「新世界」である。

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     2014/12/23

    1974年6月28日東京(都民劇場)で、この組み合わせによって、「新世界から」、「タラス・ブリーバ」そして「モルダウ」を聴いた。陶酔の時間といってよい見事な演奏だった。
    ノイマンの指揮の「先生」は、同じヴァツラフの名をもつターリッヒであり、ノイマンはチェコ・フィルでヴィオラ奏者になる一方、結成直後のスメタナ弦楽四重奏団にも加わった。しかも、その3年後、クーベリック急病で指揮を代演。その成功によってチェコ・フィルの首席指揮者に抜擢される。弱冠28才であった。その20年後の1968年に再び、同団の首席指揮者に就任するが、それ以前はコンビチュニーの後任としてゲヴァントハウスの楽長を務めていたのだから、その力量は同時代でも群を抜いていたことがわかる。

    ノイマンの特質は、全体に安定したテンポのもと、弱音部の弦楽器の清澄な美しさにあり、かつ木管楽器との得も言われぬ融合感にある。過度なダイナミズムを抑制しつつ、柔軟でシルキーな音色は形容しがたい深い美音である。この特質は、マーラーの交響曲全集でも、出色のブルックナー交響曲1番でも共通する。
    ノイマンは、同団出身の名ヴィオラ奏者であり、同団の良さを熟知している。本曲に関する「最強」の組み合わせであり、同団の美点をあますところなく表出している。過度に感傷的でもなく、強音で迫力を誇示するでもなく、故国のプライドを背筋を伸ばして表現するような屹立感、いまだ本曲の最右翼盤である。

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     2014/10/05

    ブルックナー没後100年記念として1996年9月、ザンクト・フローリアン教会でのウィーン・フィルとのライヴ録音。ハース版による演奏。それまでブーレーズがブルックナーを振った音源が一般に知られておらず、この記念すべきコンサートにブーレーズが起用されたこと自体、その話題性は十分だった。

    ブーレーズは周到に準備をしたと思う。驚くべき解析力であり、さすがにスコアを読み尽くし音楽を再構成するという、自身も現代音楽の代表的な作曲家であるブーレーズならではアプローチの演奏である。

    残響効果も巧みに計算に入れて全体構成を考えており、ウィーン・フィルの持ち前の木管楽器の世界最高水準の美しさは絶品。その分、金管の咆哮はかなり抑え気味で(実際の臨場感は別、こちらは録音テクニックかも知れないが)、全体のバランス感が見事に統御されている。

    アゴーギクなどは抑制されほとんど感じないレベル、いわゆる「激情型」とは無縁の理知的な運行ながら、しかしクールな計算だけでない、音楽へのブーレーズ流の渾身の「入れ込み」は確実に伝わってくる。特に、テンポの微妙な変化、フレーズの絶妙な融合、両者のシンクロナイズ化によって、長い楽章も休止や転調を区切りとする「局所変化」が多様でまったく飽きさせない。好悪はあろうが、ブルックナーでもこうした「知的」演奏スタイルは実に有効といった見本のような演奏。

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     2014/09/28

    マーラーの交響曲全集は多い。これを世に問うのは、いまや力量ある指揮者の「証」といった感すらある。さらに、各番別には、指揮者もオケも鎬を削る主戦場でもあり百花繚乱の状況である。


    そのなかで全集としてどれを選ぶか。私はバーンスタインとテンシュテットを好む。各番別のベスト盤では種々の見解はあろうが、マーラーという世紀末に生き個人的にも深い懊悩をかかえた稀代の作曲家がなにを目指していたのかについて、明解に、かつ追体験的に迫るアプローチとしてこの2セットは共通する。


    テンシュテットは交響曲の「完成」と同時に「崩壊」の過程、双方をマーラーにみて、その均衡と相克を各番に通底して全力で表現せんとしているように感じる。異様な迫力の部分、ゆくりなくも奏でられる美弱音の表情ともに緊迫し奥深い。彼自身、重篤な病気を圧しての足掛け16年の軌跡・・・といったセンティメントよりも、むしろ執念ともいうべき一貫した表現力への挑戦の記録に価値がある。傾聴すべき遺産と思う。

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     2012/01/29

     ブルックナーはベルリン・フィルにとって言うまでもなく主力の演奏分野。しかし、(単発ではなく)主要な交響曲をカヴァーした全集・選集はカラヤン以降では、約20年後のヴァントとの共演がもっとも重要な記録。本場ドイツでもヴァントのブルックナー演奏はいまも根強い人気で、ケルン響、北ドイツ響を振った旧盤とともに本集は発売と同時に高い注目を集めている(2012年1月29日現在、ドイツAmazon:ブルックナー全集・選集の上位ランキングは、カラヤン、ヴァント新・旧盤、ヨッフム新盤の順で上位を独占)。

     見方をかえれば、超技能者集団ベルリン・フィルをもってしても、歴史に残るブルックナー音源をとどめることは難しく、最晩年のヴァントとの希少な演奏に賭ける同団の気概がいかに充実していたかの証だろう。シューリヒトや朝比奈隆同様、このヴァントの演奏には随所に「神々しさ」としか言いようのない清冽で気高い感興がある。

     チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル選集とともに本集は、ながらく<プレミアム盤>だった。それがこの価格で市場にでること自体、オールド・ファンにとっては戸惑いと驚きがある。しかし、新たなリスナーには実に大きな朗報、是非、じっくりと耳を傾けていただきたい。

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     2012/01/22

    ポリーニ70歳記念盤で1960〜2009年の録音。伝説の1960年ショパン国際コンクール優勝時のショパン/ピアノ協奏曲第1番も所収。自選集ということで、ポリーニの半世紀の活動の核心にふれることができる。演奏は現代ピアニズムの一つの頂点を極める高品位、最上等である。
    装丁も立派。過去のディスコグラフィもジャケット写真付で年代別に見ることができとても便利。

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     2012/01/22

     クレンペラー、ヨーロッパ復帰後、最盛期のモノラル録音集。多くはその後、フィルハーモニーとのステレオ再録があるので<超廉価盤扱い>である。しかし、内容の充実は別だ。本集は、ベートーヴェン、ブルックナー、ブラームスの主要作品についての1954〜60年の録音で、ライヴが多く楽しめる。この時期のクレンペラーは晩年の遅いテンポ設定ではなく、音楽の構えが大きく、全般に快速で切れ味のよいシャープ&クリアな解釈に特色がある。ケルン放送交響楽団はこの巨匠によく追随しており乱れが少ないプロ好みの楽団である。

     ブルックナーの3曲入手が目的で購入したが、内燃的で感情のべとつかないベートーヴェンもすっきりと均整がとれていて実に見事な演奏。録音もクリアで聴きやすい。一切の解説書なしのぶっきらぼうな10枚の簡素なボックスセットも、ある意味、クレンペラーらしくて良いのでは・・・。

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     2009/07/19

     先のソロアルバムに続き、アルゲリッチ34年間(1967〜2004年)の協奏曲集を7枚に収めた廉価版セット。
     ベートーヴェン2番、チャイコフスキー1番、ラヴェルの3曲は複数演奏だが、いずれも再録(ラヴェルは初録、再録とも)の指揮者はアバドである。
     また、それ以外のハイドンからショスタコーヴィチまでの10曲中、4曲がアバド指揮であり、いかに彼との相性が良いかがわかる。その他、シノーポリ、デュトワ、ロストロポーヴィチなど個性的な大物との共演が聴けるのも本アルバムの魅力だろう。
     ソロアルバム同様、購入予定だが上記のとおり、同一曲の複数演奏があることに加えて、曲目、録音時点に偏りがあることから、初心者のコレクション向けというよりは、アルゲリッチ・ファンの聴き比べ用か。好みはあろうが、ショパン、シューマン、ラヴェルなどは秀演であり、いままで何度も聴いてきた。この価格であれば文句なしに推奨できよう。

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