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　2012/03/15

素敵なアルパムである。アルバム冒頭のラモー「ガボットと6つのドゥブルス」はバロック音楽の独特な装飾あふれる変奏がトカレフの見事なテクニックによって格調高くインテンポで奏され気持ちよい。「アラベスク」はこれでもかというくらい速いテンポに対し、「夜のガスパール」はそうでもないのだが、何となくグレン・グールドがこの2曲を弾いたらこんな感じになるのではないかと思わせるような演奏である。アルパム締めくくりのフランク「前奏曲、フーガと変奏」は「コラールとフーガ」ほど演奏されないが、演奏時間も10分程度で親しみ易く、トカレフは実に美しく歌い上げている。

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　2012/02/24

とてもロマンティックな演奏。アルパムのタイトルは「若き日の軌跡」となっているが、レーガーとシューマンは1976年の録音で園田氏48歳の頃のものである。レーガーの「バッハの主題による変奏曲とフーガ」と言えばルドルフ・ゼルキンの名演が思い浮かぶが、こちらも勝るとも劣らぬ名演。シューマンの「アレグロ」もポリーニに負けていない。リストの「ダンテを読んで」は37歳の録音。迫力ある演奏が楽しめる。

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　2012/02/24

マルグリット・ロン女史に師事し、パリ留学時代にギーゼキングに感銘を受け、相当に弾き込んだというドビュッシィのエチュード(このアルバムでは第1巻のみ)のなんと素晴らしいことか。こんなに色彩感があって生き生きとした演奏は稀ではなかろうか。録音は古いものの十分に園田氏の演奏の素晴らしさを体感できる。ラヴェルのコンチェルトも同様に素晴らしい。園田氏と言えばドイツものかと思っていたら、フランスものも凄い。

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　2012/02/24

どれもこれも素晴らしい演奏。特に即興曲第3番のテンポ設定は絶妙。普段聞き慣れている多くの演奏に較べ遅めなのだが、それがこの曲の持つ美しさを巧みに引き出すことに成功していると思う。そして子守唄の音色のなんと美しいことか。幻想曲のスケールの大きな演奏にも脱帽。ジャケットも可愛らしい。

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　2012/02/23

アダム・ハラシェヴィッチの弟子という情報を知っていてこのピアニストの演奏を聴くと、師の影響を多大に受けているように思える。派手さはないが、やさしく温かい音楽が堪能できる。ハラシェヴィッチのようなポーランド訛りが無い分、師に較べるとどこか物足りなさを感じるものの、クオリティは高い。これからどのように成長していくのか楽しみである。

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　2012/02/23

ピアノの発表会に欠かせない名曲ばかり。どれも名演である。引き締まった音楽づくりは中村紘子氏ならではの魅力。大ピアニストで「乙女の祈り」「アルプスの夕映え」「銀波」といった名曲が味わえるのは本当に幸せである。確か昔のLPでは2枚組で「幻想曲さくらさくら」やレイバッハの「ノクターン」が入っていたと思うのだが・・・。ピアノ学習者にとっては必携のCD。難しい曲ばかり聴いているピアノ愛好家にとっては愛すべきピアノの名曲を再認識できるCDだと思う。

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　2012/02/22

余計な情報は一切排除して、純粋に耳をすませば、素晴らしく甘くとろけるようなピアノの音色と音楽に対する真摯な思いが十分に伝わってくるアルバムである。特に「小鳥に説教するアッシジの聖フランシス」はその情景が目に浮かぶ名演である。

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　2012/02/21

ヴァーシャリ75才の録音だが、内容はとても瑞々しい。特に「子供の情景」は素晴らしい。聞き慣れない繰り返しがあったりもする(第11曲)。「謝肉祭」や「幻想曲」は独特なテンポの揺らし方にちょっと違和感を覚えたが、好みの問題かもしれない。全体的により内省的な曲ほど心に響いた演奏であった。

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　2012/02/20

これほどまでに魅力的な「8つの小品」の演奏はあるだろうか。素晴らしいの一言。この作品76の小品集は最晩年の小品集ほど渋くなく、ほどよく若々しいロマンティクな要素が残っていると思うのだが、園田氏はまさにテンポや強弱を巧みに操りこの作品のもつ魅力を最大限引き出すことに成功している。「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」「2つのラプソディー」も立派な演奏。

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　2012/02/19

いい意味で期待を裏切られたアルバム。若いから適当に歯切れよく弾き飛ばすリストかと思いきや、びっくりするほど深い。「愛の夢」は絶頂の部分、普通ならテンポを早めてフォルテッシモで弾くところを、テンポを落としてピアノで弾いているのだが、ちゃんと説得力がある。全体的にじっくりメロディーを噛みしめる様に弾いている。今後の期待も込めて★★★★★。(裏表紙に一緒に写っている方は誰だろうか)

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　2012/02/19

正統的なアプローチによる演奏であり、テンポや装飾音など、ピアノを学ぶ者にとっては辞書みたいな必携のアルパムではないかと思う。

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　2012/02/18

「ライプチヒの音楽」とタイトルに付された2001年のライブ録音。ライプチヒのピアノメーカーであるブリュートナーを使用し、同地に縁の深いバッハ・メンデルスゾーン・シューマンの曲から成っているこだわりのアルバム。バッハとメンデルスゾーンは1916年製、シューマンは1996年製のものを使用しているが、やはり1916年製のなんとも言えない甘い響きがよい。メンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」は特に見事な演奏で迫力あるコーダは聴き応えがある。

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　2012/02/18

素晴らしい。園田氏のドビュッシーがこれほどの水準とは。マルグリット・ロン女史の教えを受けただけの事はある。相当に弾き込んである様子。最後の「花火」の迫力は特に凄まじい。1980年の録音。第一巻はKAWAIのピアノ、第二巻はスタインウェイのピアノ。第二巻はライブ録音。

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　2012/02/17

ラーンキ23才の時の演奏。初々しく、瑞々しく、美しい。この年齢でまとめてハイドンのソナタを録音しようと思うのがこのピアニストの資質をよく表していると思う。ビアノの音色も独特で一聴の価値がある。もっと評価されていいピアニストだと思うのだが、手に入るCDが少ないのが残念。

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　2012/02/17

大変興味深い演奏。神童時代とでもいうのだろうか、他社からCDを出していた10代半ばから後半の頃と較べ、この23才の録音は解釈の変化が感じ取れる。ショパン葬送の中間部やバッハ=シロティ編の前奏曲のなんと美しいことか。「楽興の時」の第4曲はこのピアニストの感性が最もよく表れているように思う。超絶技巧系の曲は言うまでもなく素晴らしい。このCDのボーナストラックの「ピアノの森」トカレフ編は嬉しいサービス。