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風信子 さんのレビュー一覧 

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     2019/01/19

    1977年だからこその演奏なのだ プレヴィンはLSOで10年目を迎え 前年からピッツバーグSOとの仕事が始まり 2年後にLSOとの契約が切れることが決まっていただろう 新たな旅立ちがもう始まっていたと言える時 シカゴSOと立て続けにショスタコーヴィチを録音している 一昨年にショスタコーヴィチが没することでこの作曲家への再評価が世界に巻き起こっていたからこその選曲だったと思う 前月の5番に続けて この第4番が取り上げられたのは意味がある 身の危険から四半世紀待って初演されたこともあり 演奏回数も少なく世に評価が定着していない一曲だったから プレヴィンの譜読み力を見せる絶好の作品でもあった 演奏は極めて意欲に富んで克明に交響曲のディテールを彫刻している マーラーのスコアを脇に置いて書いたと本人が告白しているが ショスタコーヴィチのモダニズムが結晶した傑作は世上の人気を得られていない それだけにこの演奏も 次の録音を牽引する力にならなかった シカゴSOの最上の演奏であり もしまだであれば あなたも如何 

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     2019/01/18

    初めと終わり と言うことばが脳裏に浮き出た 作品18の6曲の弦楽四重奏曲は上梓するために一旦手を離れた後 ベートーヴェンによって返却を求められている 現在残っているのは書き直されたものだ 初稿が如何なるものだったか知る術はない そして直ぐに改訂を思い立った訳は謎のままだ 孰れにしてもベートーヴェン弦楽四重奏曲の初めはこの6曲であり 書かれた順番は最初でないものの第1番ヘ長調は極めて象徴的な一曲だ そして第14番嬰ハ短調は最後から二番目の作品だが 全7楽章が切れ目なく繋がったベートーヴェン最大の作品だ 最後の第16番はエピローグの感が深い クレモナQuar.は殊の外エッジを効かせた演奏で幕を開ける 第1番がこれ程立体的且つ躍動感を持って弾かれた記憶がない 青春の生命が迸る 比して第14番はそぞろ歩き自然を感じ 対話し時の流れを回想し 今在るがままを受け入れた壮年だが 熱く強い思いもある より単純にしかし深い洞察を伴う遊びを忘れない 透徹した意思が浮き立ってくる音楽にクレモナQuar.は果敢に挑んでいる 聴いて爽やかだった あなたも如何

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     2019/01/17

    美しい フランス語の意味は分からないけれど差し障りはない それは分かった方いいに決まっているが ドビュッシーの音楽を味わう上では詞も音楽になる カルトホイザーのソプラノは澄んで伸びやかだ たおやかな佇まいを崩すことがないのに情感は深い そうだ歌は軽やかでなければいけない それは男性においても求めたい ドゥグーのバリトンは奥に光を湛えている やはり澄んで伸びやかだ 二枚のDiscをこの歌嫌いが愉しんだ 二人のピアニストも美しい演奏で寄り添い 大いに愉しませてくれた ドビュッシーの音楽の根底には歌があった それはマーラーと同じ発想で音楽が生成していたことを示す そして自然の趣きが変転する様を敏感に捉える感性が汪溢していたことを伝えている 一日の変化 季節の変化に敏感であり 情緒は自然の移り変わりと同調していた人なのだと知れる わたしたちの感覚と似通ったものを感じられて慕わしい いつまでも聞いていられる歌を あなたも如何  

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     2019/01/17

    表現主義のドビュッシー ムラロの特質が反映したドビュッシーとも言える 是非を問う以前に愉しく聴いた 前奏曲集に比べるべくも無く難曲”練習曲集”を聴く機会は少ない 実際演奏会で聴く機会も手に入るDiscも限られている 世上の人気もない 一番は演奏に高度な技巧が必要と言うことが起因しているのだろうけれど 聴けばその音楽の価値は明らかだ ショパンに捧げられたと伝えられるが リストの超絶技巧練習曲に比肩すると思う ムラロの技術は難なく ”ドビュッシー”を弾きこなしている 12曲の性格も明確に表出され惹きつけられる これで十分だと思うが この練習曲集への関心を高めることになるだろうか 難曲を面白く聞かせた功は高く評価するも 演奏者が音楽を自分に引き寄せすぎた感がする 対話は常に客観性を磁場に持たせなければならない 音楽は対話の場であると思うわたしはドビュッシーではなくムラロと対話したような気になってしまった それでも あなたも如何  

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     2019/01/16

    バーンスタイン音楽はアメリカを象徴する音楽になった ジャズの香りを漂わせているものの純音楽の気風を貫く姿勢を崩さない オールソップとサンパウロ響の演奏はバーンスタインの多面性を溌剌と表現しながらも その温かい気質に共感して音像の隅々に血を通わせる 実にしなやかな歌い口で細やかな表情を見せる 先ず”ファンシー・フリー組曲”が好い 美しく愉しい演奏になっている 冒頭と掉尾の2つの序曲は言うに及ばない名作だ そして何より注目すべきは ”オーケストラのための記念日”と題された接続曲だ それこそ沢山の何かの記念日にバーンスタインが書いたミニチュア作品から11曲を選んで繋げたものだ バーンスタインの仕事ではなくサンダーランドと言う人が管弦楽編曲している これが存外面白い 元はピアノ曲なのだろうが それも極めて単純なものだったのだろう 単旋律と思しきものも多々あり バーンスタインの原資が伺える 一聴の価値あり あなたも如何 

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     2019/01/15

    20年前の演奏 まさに栴檀は双葉より芳しの感深し 明晰なコントラプンクトを清涼感ある美しいクラヴィコードで聴く カフェ・ツィマーマンの通奏低音奏者フリッシュのソロに夢中だ チェンバロの音と響きは苦手だ 聴いていて煩く疲れる バロックの鍵盤曲を聴くときはできるだけクラヴィコードで聴く だがフリッシュは疲れない ”フランス組曲第5番”を堪能した 音色を含めて組曲を立体的に聴き愉しかった ”トッカータ”はとんでもなく広いフィールドに連れて行かれ一緒に歩いた その野原は否空間へはまた行きたいと思わせてくれた ”イギリス組曲第3番”は最も抒情的だ フリッシュは己の思いの丈を載せて歌い踊った 喜びが心中から湧き出て来た そして気づいた バッハの諸作品から任意に抜粋してきた楽曲たちが 調性の連関の糸で繋がれていたことに C→G→a→D→gと属調 平行調 同名調を渡っていく時 Discは一個の作品としてバッハを象徴する展示へと結晶していく あなたも如何   

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     2019/01/15

    歌うベートーヴェンに嵌っている  バランスの好い四つの弦が奏でる清朗な響きはそうそう叶えられるものではない 使用楽器の状態の良さや録音技師の優秀さを度外視できないが 奏者の耳の良さが無ければ実現できない そしてよく聴き合う意志と実践があって獲得できる精度だ ベートーヴェンが書いたスコアを克明に実音化している 当たり前のようでたやすくは成し得ない演奏をクレモナQuar.は聴かせる ここに聴く三曲はベートーヴェンの前中後期それぞれから提示され ハ短調 変ロ長調 ヘ長調 ♭3→♭2→♭1と見事に組み立てた構成になっている 三曲9楽章中緩徐楽章は第7番の第3楽章だけだ はじめに”歌う”と言ったが 疾走感の中で歌う演奏なのだ この清涼感は特筆すべきもの 幾度となく聴いてしまう 兎に角多くの演奏では長いと感じてしまう”ラズモフスキー”に飽きないのだから あなたも如何 

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     2019/01/13

    オルガンとハープシコードの協奏曲という変り種を愛聴している 種々様々なDiscで聴いたが どうしてもここに還って来てしまう アランのオルガン ヴェイロン=ラクロワのハープシコードを擁したマルティノン盤の味わいはいつまでも薄れない 若い指揮者や奏者が現代の優秀録音でこれに挑戦してほしいものだ ここにはプーランクの音楽性の最良の部分が結晶している これをスコアから曳き出し展望させ これまで見えなかった景色の細部を見て味わいたいものだ プーランクを異能の作曲家像に閉じ込めているのは音にして聴かせる演奏家が現れないに過ぎない 20世紀前半を代表する数多の作品を書き残しているが だがこの二曲を含めてコンサートで聴く機会は極めて少なく 演奏されても限定された楽曲に偏っている 全ての曲種に優れて個性ある作品がある フランス音楽の一隅を照らす灯火程度の評価は間違っている 時間や空間を超えて愛される音楽と信じる あなたも如何 

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     2019/01/11

    ピエルネは印象派の中で最も繊細なソノリティを生み出した人だ どの曲にも風が通っている 音をぎゅうぎゅうに詰め込んだりしない 音を重ね過ぎて重くしない 間の大切さを知っていた 余韻に語らせる数少ない音楽家だ しかしこれは演奏するとなると至難の業だ マルティノンとフランスNROには安心して耳傾けられる ピエルネのエスプリを十全に汲んでいる この3つの作品は曲種の違い以上にピエルネの音楽を俯瞰するに相応しい ハープCon.は30代の ”シダリーズと牧羊神”は円熟期の50代の そして”ディヴェルティスマン”は60代末というより楽曲が残せた最後の年1932年の作品と生涯に亘っている 印象派の時代ほぼ全時間に存在できたピエルネにこそその音楽の特徴と変転の過程を見ることができる この軽妙洒脱を表出し得たマルティノンの器量を今更ながら羨望したい もしまだなら これがある内にあなたも如何   

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     2019/01/11

    これはもうロックだ クレモナQuar.のベートーヴェンはよく歌うが綿々と歌わんがために周囲を犠牲にしたりしない テンポを落としてメロディーに惑溺したりしない メロディーを浮き立たせるために他が控えめに流したりもしない 総じてテンポは速めに設定され四つのパートが等分に鳴り響き豊かなソノリティを得ている だから聴いていて凭れたり飽きたりしない ”ラズモフスキー”は三曲あるが わたしが好んで聴くのは第3番(第9番)だ それは演奏時間が一番短いからだ しかしこの第2番(第8番)は長さを感じない しかしその分味わいに乏しいと判ずる向きもあるだろう 例えば第3楽章アウフタクトではないが 主旋律の頭に八分休符が入りそれが繰り返される まるでため息をついているような旋律線は何か大切なもの或いは人を失って 尚消えない未練を吐露するような印象を与える Allegrettoの指定なのだがクレモナQuar.は速めのAllegroで歌い飛ばす 本来Scherzoになるべき楽章であれば英断なのだ これでこそTrioに当たるMaggiore(田園風)が生きてくる 大変面白く聴いた 名器を颯爽と弾き切って美しい あなたも如何  

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     2019/01/11

    半世紀を経てもその生命力は失われていない マルティノンのルーセルといえば”バッカスとアリアーヌ”だ バーバリズムと称された荒々しいサウンドはフランス音楽に風穴を開けた 印象派全盛期にワーグナー紛いの分厚い響きとザクザク刻むリズムの新鮮な感興は忘れがたい 少年時からラヴェルの信奉者だったわたしは度肝を抜かれた それ以来ルーセルの音楽は事あるごとに聴きたくなる そのエネルギッシュな曲想とトリッキーな展開に魅せられていたのだが 変転する色彩感も魅力の一方を担っていた マルティノン盤にいつも帰ってくるのはその生きの良さとキレのあるドライヴ感が堪らないからだ こうして今もカタログに載っているのは幸甚 ラヴェルやドビュッシーだけでなくルーセルが老若男女に届く機会を残しているのは素晴らしい 後半の”蜘蛛の饗宴”はより繊細な趣を持っている この軽みもマルティノンの資質である もしお聞きで無ければ これがあるうちに あなたも如何

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     2019/01/10

    3つの時代からそれぞれ曲が選ばれた面白さがわたしを惹きつける 初期のOp.18からは第6番 これはFinaleに”憂鬱”と表情記号があり 楽章の前半は唸るような緩徐部が長く続く ようやく走り出しても幾度となく”憂鬱”に引き戻される変り種だ 中期からは第11番 第3楽章に楽曲の呼び名となっている”セリオーソ”の表情記号がある 厳格にとか真面目にと訳される FinaleにLarghettoの序奏がつくだけでこの曲には緩徐楽章がない とベートーヴェンのクァルテットは個性揃いだ 後期からは最後の第16番 これもFinaleに謎の言葉が(スコアに)書き込まれている チェロの問いかけに上声が答える ”そうであらねばならないのか””そうであらねばならぬ”とGraveで問答された後主部Allegroとなる 大変面白く求めても尽きない謎と魅力に覆われたベートーヴェンをクレモナ・クァルテットは颯爽と美しく奏でる 作曲順にとはいえ変ロ長からへ短調へそしてへ長調 ♭2→♭4→♭1と見事な流れを描いてまとめるプログラミングの妙に感心する 歴史的並びに現代の名器を曲毎に持ち替えて演奏している贅沢さにクレモナの名も肯けようというものだ あなたも如何    

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     2019/01/10

    ”英雄〜”はアイロニカルな音楽だと解釈している 真に楽天的な性質だったのだなあとシュトラウスを思う プレヴィンも憧れを失わない性情であればシュトラウスは身近に感じられる音楽だった だからプレヴィンはマーラーに触らない 常に彼岸を見ているような人と音楽は苦手なのだ シュトラウス最後の交響詩が何程のものかと言う思いもあるが ドン・キホーテの幻想の旅あるいはドイツ版キージェ中尉と言う思いで聴くことにしている 途中手洗いに立てるのはありがたい それに引き換え生涯の最後に書き残した”4つの歌”は耳を離せない オジェーも熱唱だが オーケストラも表情が深い プレヴィンの傾注振りが伝わってくる 4つの歌で一日のようであり一年のようであり生涯のようでもある 人生の黄昏に過ぎてきた日々を振り返っているのではない 今を生きるからこその抒情である 長い時間に重きを置かず 生きているこの瞬間に熟れた眼と耳が書かせた歌を愛でている あなたも如何   

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     2019/01/10

    ウィーンの管楽器を前面に押し出した一枚 VPOは弦から管打楽器に至るまで伝統の楽器を用いるオーケストラとして名高い その魅力と演奏能力に憧れさえ抱く人は多い プレヴィンが指揮した管楽協奏曲集への期待も高まろうと言うものだ 野太い音がするオーボエから始まった 雄弁で説得力がある演奏だ 第1ホルン協奏曲のストランスキーは完璧な音程感と均一なウィンナ・ホルンの音色を聴かせる ここまで聴いてきてふと立ち止まる 野放図 無表情 と言った言葉が脳裏に現れた 音楽への愛情がないと言うのが失礼なら わたしとは音楽との向き合い方が違うのだと感じた この音楽が好きならこうは歌わないだろうと そんな気がした 第2ホルン協奏曲のヤネツィクの演奏にはシンパシーを感じた 技巧をたくませた”第2”は好みではないのに愉しんだ クラリネットとファゴットの二重協奏曲が音楽としては一番面白い シュミードルとヴェルバの至芸が聴ける 総じてVPOを味わえた幸福は間違いない あなたも如何  

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     2019/01/10

    どちらかと言うとわたしはマーラー・ファンだから R.シュトラウスに触れるのに奥手だった その音楽は上手だけれど抒情が見えず 嘘とは言わないが作りものめいて見えた だから理性を持った年端から向き合い聴くようになった なるほどマーラーのフィールドでも見受けたが スペクタクルを演出しようとする演奏が多いことに気づいた 例えば”ツァラトゥストラ〜”で冒頭の信号部が終わると途端に死んだように何も語らなくなる演奏の多いこと あの弱奏部にこそ聴くべき”ことば”が在るのに さて この2つのオーケストラを掛け合わせたディスクは面白い ウィーンでも録音がある”アルプス〜”は気合が入っていると言ったら変だが フィラデルフィアの演奏意欲が音楽の表情に出ている それだけに臨場感がある 山歩きが実感されるから”終結”部の味わいが格別で心地良い そのまま鑑賞を続けるとVPOの交響詩へ入る 途端に趣が変わる 音楽が熟成されたと言うか腰が座る ソノリティの違いは格段であり 青年と老年の趣の差がある どちらもプレヴィンの指揮の下で繰り広げられた演奏なのだ その後プレヴィンがどちらと縁を深めたかはご存知の通り わたしはアルプスを友と歩いた日を懐かしむ あなたは如何    

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