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クリングゾール さんのレビュー一覧 

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  • 39人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/08/01

    リリースされた6枚は全て購入してきたが、ユーザーのこと考えてるんかいな?これで全集がバジェットプライスならまだしも。演奏はなかなかだが、どういう意図でこうしたリリースになったか、全く理解できない。チクルスをコンプリートする楽しみすら奪ってまで得たいものってなんだ?アバドやテンシュテットやバーンスタインのマーラー・チクルスを集めた時のワクワク感が懐かしい。レーベルには猛省を望む。

    39人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2021/03/14

    ブルックナーは大好きだが、どうしても苦手な曲がある…わたしにとって、最高傑作と言われる第8番はまさに鬼門で、どうしても最後まで聴き通せない難曲の一つだ。
    有名なクナは論外。シューリヒトもあかん。ヨッフム、カラヤン、ヴァント、朝比奈も途中でどうしてもリタイア。意外にもショルティ&CSOが最後まで聴き通せたのは、おそらくサクサクテンポのおかげかと思われる。問題は明白。終楽章で、どうしても飽きてしまうのだ。これは演奏のせいというより、わたし個人の嗜好のせいだと思う。このティーレマン・VPOを聴く前、ヨッフム・バンベルクSOの有名なライヴ録音を聴いたが、案の定第3楽章で大満足してしまって、終楽章は力尽きてしまった。そして、この演奏を聴いたわけだが、確かに並み居る名演・超名演と比べると、これといった個性とか凄みもなく、普通に聞こえる。だが、終楽章に入ってもダレずに、しかもクライマックスで大満足を得られたのは、この演奏がほとんど初めてかもしれない。これはやはり、VPOの途方もないスタミナのなせる技による勝利かと思うが、ティーレマンのペース配分がわたし的にはドンピシャだったのだろう。もし同じような症状がある方は、一度ぜひ試してみて下さい。結果はもちろん自己責任ですが(^^;;

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/08/03

    これは素晴らしい!聴きたいと思いながら、どこかミスマッチ(ラトル&ブルックナー)な感もあったので躊躇していたのだが、バジェットプライスになったので思い切って聴いてみたところ、これは大満足!という結果になった。
    ラトルという指揮者は、デビュー当時の頃から、吸い込まれるようなピアニッシモによる表現を得意としていた。それは遥かン十年前、CBSOとの2回目の来日公演で実際に初めて体感したのだが、筆舌に尽くせぬほど幻想的で魅力的な瞬間であった。そのピアニッシモが、またここで聴けるとは!しかもオケはBPO!
    解釈としては、チェリビダッケからの影響があるとか、BPOにゲタを預けているだけだとか、いやそもそもこれはブルックナーの音楽ではないとか、等のコメントも想定しうる内容。確かに、今まで聴いた「ロマンティック」とは、どれも似ていない個性的な解釈だが、筆者は十二分に楽しむことができた。そして、これも紛れもなくブルックナーだと感じた。
    BPOといえば、この曲をカラヤン、テンシュテット、ムーティ、ヴァントと録音しているが、その全てが全く違うのも面白い。おそらく、その中で最も室内楽的なブルックナーの「4番」と言わざるを得ない(いや、別に言わなくてもちっとも構わないんだが)。
    ラトルのBPOの任期もあとわずか。できれば、「8番」をやってくれないものか?このディスクを聴いてそう感じたのは、おそらくわたくしだけではあるまい(いや、わたくしだけでもちっとも構わないんだが。でも賛同者いたら嬉しいですな)

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/02

    これは面白い!
    現代中国の作曲家、周龍の作品集。
    いわゆる現代音楽的な精緻な響きだが、打楽器が多用され、力強くリズミカルなのが特徴。
    交響曲「虎門1839」(2009)が特に気に入った。殊に第4楽章は、吹奏楽に編曲されたら定番曲になりそうなくらい、打楽器と金管楽器が大活躍する。
    曲想は力強く、希望に満ちているかのようだ。
    演奏は、いま私が一番好きなニュージーランド交響楽団。音が明るく、微笑んでいる。聴いていて楽しい。
    指揮はシンガポールの俊英、ダレル・アン。ブサンソンコンクールの優勝経験もある逸材ということだが、全く見事という外ない。
    (そういえば、過日観たSPAC「三代目 りちゃあど」の演出家オン・ケンセンも、確かシンガポールの方だったような)
    このアルバムは、先のグラミー賞クラシック音楽部門でノミネートされた。惜しくも受賞は逸したようだが、それに相応しい内容だと思う。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/06/28

    これは素晴らしく楽しいディスクに出会いました!

    プロコフィエフ、そして彼の「ロメオとジュリエット」の音楽を愛するわたくしにとって、このヴァージョンは興味津々、そして期待以上に楽しませて戴きました。

    多くの場合、オーケストラ曲をピアノ曲や室内楽曲にアレンジすると、物足りなさを感じるのが常なのですが、この版に関しては、全くそれが感じられませんでした。

    もとよりプロコフィエフが優れたピアニストでもあったので、この編曲が巧く運ぶ可能性への予感はあったのですが、これほど自然とは!
    期待以上でした。

    原曲のオーケストラ版の持つ、カラフルな色彩感や輝きの代わりに、より自由な動きと親密さ、そして何よりもヴィオラの音色の持つノスタルジアがたまりません。

    編曲も見事ですが、演奏も大変素晴らしい!
    プロコの「ロミジュリ」、そしてヴィオラが大好きな方々には、二重マルでおススメしたいディスクですね(^^)!

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/21

    7月20日の公演を聴いて感激したので、リリースを楽しみにしていたディスク。
    あらためて素晴らしい演奏を堪能しました。ライヴでも痛感したのですが、都響のべらぼうな巧さ!それも単に技巧的に優れているだけでなく、こちらに訴えかけてくるような熱さがある。そして、日本のオーケストラの持つある種の無国籍的側面が、ここではプラスに働いて、いい意味でコスモポリタンな演奏になっていると思います。それにしても、この訴える力の強さは、指揮者インバルによってインスパイアされていることは明らか。もしかしたら、祖国が国際政治的にのっぴきならない状況に置かれていることと無関係ではないのかもしれない、と思いました。そして、録音の見事さも特筆すべきものです。単にクリアでというだけでなく、コンサートの雰囲気を見事に再現している。「日本のオーケストラはアカン」とか、「国内盤はアカン」とか、「クック版はアカン」と言って憚らない方々がおりますが、そんな方々にこそ、是非聴いてもらいたい演奏ですね。ホント凄いマーラーです。
    (※但し「インバルのうなり声はアカン」という方々には、あまりお薦め出来ません、悪しからず(^^;)

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 15人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/10/22

    マゼールのマーラーはいい!今から約四半世紀ほど前、FMで聴いたVPOとの7番を聴いて以来、マゼールのマーラーにはずっと魅かれていたのだが、正直言ってその理由が今まで良く分からなかった。この度改めて聴き直してみて、その素晴らしさにすっかり魅了されてしまった。多くの方が述べておられるように、このセットの最大の「売り」は、全曲がVPOである点にあるのは間違いないのだが、他の指揮者では聴くことの出来ないVPOの魅力を引き出しているのが、マゼール最大の功績と言えるのではないか。思うに、技術・才能といった点以上に、マゼールの資質はマーラーと本質的なところで似通っているのではないか?マゼールのアプローチは努めて純音楽的なものだが、そこからいろいろなものが聴こえて来るあたり、この指揮者の圧倒的とも言える情報力というか、様々なスタイルに通じている「カメレオン」的資質を表しているように思われる。マーラーは自らの書法を「バッハ的」と言っていたが、その言葉がまさにぴったりくるのが、このセットなのだ。この全集の演奏を聴くと、マーラーの特異なパーソナリティーは、もちろん表現されているのだが、それ以上に、伝統を継承した「ドイツ音楽」という印象を持つのは、わたしだけだろうか。それほど「普通に」聴こえる理由として、この演奏はなにより、マーラーのスコアにある室内楽的書法に焦点を当てているように思われる。激しいパトスの表出や、絢爛たるオーケストレーションの開陳の代わりに、複雑な線的動きの明確な表現、ソロ奏者の名人芸など、主に弱音部に魅力のある演奏になっている。そして、時折感じられる物足りなさの最大の要因は、デュナーミクの変化による感情表現が避けられているところにあるのではないか、と思われる。つまり、聴き手を興奮させるようなクレッシェンドや、意表を突く刺激的なフォルテシモは徹底的に避けられており、その代わりとして、様々な手練手管を駆使したテンポ設定やアゴーギグがつねに用意されていて、それがこの演奏を、クールだがしなやかで柔らかい、また情熱を底に秘めた、大変ユニークなものにしているのではないか。どの曲の演奏も大変美しく、BGMとしても聴けるマーラーだが、やはりそれではちょっともったいないと思う。個人的には、録音年代が後になるほど面白く聞ける。特に7・8・9番は、マゼールにとっても、なかなかいつもこうはいかないのでは、という出来だと思う。マゼールはこのVPOとの全集録音の後も、バイエルン放送響、NYP、フィルハーモニアとそれぞれツィクルスを行っていて、近日フィルハーモニアとのライヴ録音がリリースされるという。こちらも大変楽しみだ。

    15人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/07/26

    セルの音楽を聴くとき、いつも思い出すのが三ツ星ホテルのおもてなし。インテリアやエクステリア、スタッフの応対やタイミング、どれもパーフェクト。それでいてさりげないユーモアもあって、型どおりに留まらない最高のサーヴィスを提供してくれる。常にクールな表情、その向こうには常に理想を追い求める者だけが持つ、熱い情熱の炎が透けて見えるのだ。それ故に、聴き手も十分なマナーを持ち合わせなければならないが、なに、素直にかつ謙虚に心を開いて、無心に聴けばそれで良いのだ。セット中の白眉は、なんと言ってもハイドンとモーツァルトだろう。ベートーヴェン、ドヴォルザークも格別。それに意外に良いのがワーグナー。個人的には、ブルックナー、マーラーは共に折り目正し過ぎるような気もするが、決してスタイルが崩れないのは却って清々しいとも言える。ともあれ、本来「カオス」に陥りやすい大編成のモダンオーケストラに、これほどの精度と透明感を達成したのは、間違いなく偉業と称えられよう。それにしても、殆ど狂信的とも言えるシェフを信じてついていったクリーヴランド管弦楽団の面々には、ホントにアタマが下がります。タイヘンだったろうなぁ。オーケストラを愛する全ての音楽ファンに、このセットをお薦めします!

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/26

    わたしがクラシックを聴き始めた1970年代の後半、ベームはまさにヒーローだった。初めて買ったLPはBPOとのベートーヴェン#5とモーツァルト「アイネ・クライネ」をカップリングしたヘリオドール盤、二枚目がこのセットにも収録されているモーツァルト#40・41だった。当時はカラヤン、ショルティといったレーベルの看板指揮者を差し置いて、芸術面では最も高く評価されていたと記憶する。このセットで、改めて往年の名演たちを聴き進むに及んで、その理由が自分なりに分かったような気がする。ベームは間違いなく、20世紀を代表する巨匠だと思うが、一言でその個性を説明するのは大変難しい。20世紀前半の巨匠たちの多くが、19世紀的な室内楽の延長ともいうべき手作りのアンサンブルをベースにオーケストラを鳴らしていたと思われるが、トスカニーニを嚆矢とする巨匠たちは、より機能的にオーケストラを鳴らす技法の確立に汲々としていた。親密な雰囲気がもたらす表現の豊かさを高めるべきか、それともアンサンブルやピッチの精確さを優先するか。今日では既に、後者を優先することが自明の理のように思えてならないが、ベームはこの点において、精確さに拘りつつも、どこか折衷的なポジションを取っていたような気がする。音楽造りは大型室内楽とでもいうべき緻密なものであり、ピッチ・テンポ・バランスに関しては厳格と言っていい程の精度がありながら、なぜか機械的にはならない。そしてこれはVPOとの演奏に顕著であるが、爽やかな抒情性や拡がりにも事欠かない。こうして書くと、まさにいい事ずくめ、理想の指揮者のように思われるが、逆に言えば個性がはっきりしない、強烈なアピールに欠けると言えなくも無い。このことが、晩年の日本における熱狂と、その後の急速な冷却を表しているように思われる。つまり、ある一面においては、ベームもやはり時代を体現する寵児だったのだ。しかし、そうした要素はひとまず忘れ、虚心に音楽に耳を傾けてみると、そこに大きな喜びを発見するのはとても容易だ。ここに納められたセットの演奏は、確かに時代を感じさせることはあるものの、すべて凄腕の職人たちの手になるものであり、安心して楽しむことの出来るものばかりである。特にブラームスの全集は、VPOとベームの演奏スタイルとも相俟って、極上のものに仕上がっていると思う。自分的には、これからも永く付き合っていきたい素晴らしいセットだ。

    11人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/01

    わたしがこの曲に魅かれる最大の理由は、とてつもなく重く深刻なテーマをもとにしながら、明快で迫力があり、壮大なスケールを持った音のドラマ=交響曲を聴く醍醐味を十二分に堪能させてくれるところにある。どなたかも述べておられたが、マーラー、ブルックナー、ショスタコーヴィチを連想するような「ごった煮」感があるのは、わたしはむしろ長所だと思う。新しい語法や響きへの追求の結果が、いわゆる今日の「現代音楽」であり、作曲者・佐村河内がこれに背を向けた最大の理由が、古今の大作曲家、彼らが創った交響曲への敬意から来ているように思われるからだ。もちろん、この交響曲が伝統的な交響曲に無い点もある。それはスケルツォ楽章を欠いていることだ。第二楽章にそれに類する部分もあるが、そこにはユーモアや諧謔性は感じられない。それほどシリアスなテーマでありながら、それを補うかのように、色彩溢れるオーケストレーション、華麗なソロ、重厚で壮大なハーモニー、親しみ易いメロディなど、耳へのご馳走はふんだんに用意されている。エンディングの弦楽によるカンティレーナ(確かにマーラー#3・#10のフィナーレを連想させる)の美しさは筆舌に尽くし難い。この曲はいわば、純文学性とエンターテイメント性を併せ持った作品であり、作曲者の途方もないエネルギーと高い技術、創作意欲を感じないわけにはいかない。そしてなにより、ぐいぐいと前へ進む「生きる力」に、励まされないわけにはいかない。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/25

    以前38CDでリリースされた「シンフォニー・エディション」が、演奏内容はともかく、装丁がかなり素っ気無いものだったので、このオリジナル・ジャケットは大歓迎!
    とは言うものの、大半の音源はすでに入手済み、手元に無いのはオルフとかバッハ「マタイ」などごく僅か、さて、どうしたものか・・・。
    ともあれ、先行の「KARAJAN 60」がすばらしい内容だったので、このセットも十二分に楽しめることは間違いなし!特筆すべきは、新ウィーン楽派とマーラーでしょうか?共に新境地を開いた画期的な演奏、齢60を過ぎてもなお新たなレパートリーを開拓した巨匠には、脱帽の一言。あとは、もうちょっと価格がこなれてくれば、検討の余地もあるんだがなあ・・・(^^;

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/14

    LPの時代から今まで、何度もリイシュー&リマスターされてきたワルターの一連のレコーディング。いわゆる「名演」と呼ばれる「田園」「ブラ4」やマーラー等は聴いてきましたが、なかなかそれ以外の演奏に触れる機会が持てなかったので、今回のBOXのリリースは自分的にはまさに好機、なんのためらいもなく予約しました。
    待ち望んだBOXが届き、早速「グレート」を聴いてみましたが・・・。
    以前LPで聴いた一連の演奏と、かなり音の印象が違う・・・。
    リマスターは殆どヒスノイズがなく、細部までクリアに聴こえ、しかも空間性まである。
    おなじみの「ブラ4」を聴いてみましたが、やっぱり違う。
    凄い!と感じながらもの、正直戸惑いました。
    しかし、聴き進むにつれ、この指揮者の演奏でしか味わえない、あの温かみ、歌、心地よい揺れに、じわじわと魅了されていきました。
    そして、こう思いました。
    「生演奏で聴けば、同じ演奏家でも、ホールが異なれば、印象は変わる。同じホールでも、席が違えば、さらに変わる。でも、本質はきっと変わらないんだ」と。
    リイシューCDの場合、リマスターのコンディションが大変気になるのは正直なところですが、こればかりは聴いてみなければわからない。
    それは、音楽のどんな局面でも同じこと。
    だったら、楽しんでしまえばいいのです。
    ちなみに、この”Made by Korea”のホール、とても入念にチューニングされていて、私は好きです。
    それは何より、オリジナルの演奏&レコーディングの素晴らしさがあればこそ。
    その素晴らしさが十二分に伝わるクオリティだと思います。
    それにしても、19世紀ドイツ・ロマン派黄金時代の、最後期の巨匠の直弟子であり、自身も大指揮者時代の巨匠であった人の演奏の、これほど鮮明な録音が残されていることに、感嘆と感謝の念が禁じ得ません。
    ちょっと感激しすぎでしょうか?
    ともあれ、これらの録音が、この機会にとどまらず、30年後、50年後、はたまた100年後も聴き継がれることを切に願うものであります。
    追記;CDは紙ジャケ&中袋の梱包です。
    追記2;リマスター音源のいくつかは既出のものと、今回新たになされたものとがあるようです(ジャケット裏面データからの推測です)。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/07/30

    まさに満を持してのショルティ・BOX。どんな形でリリースされるのか?と思ったら、生誕百年の今年、嚆矢としてユニヴァーサル・KOREAから、70年代の録音をまとめた形での発売。このところ好企画が続くKOREA・BOXだが、これは先んじた「KARAJAN60」に並ぶ、というか、それをも凌ぐセットではなかろうか、と現在感じているところだ。
    まず、音がいい。ショルティというと、パワフルでダイナミックな芸風がまず第一印象として残るが、実際には、それと同時にとてもデリカシー溢れる指揮者であるように思う。今までのディスクのいくつかは、そのことが十分に伝え切れていないうらみがあったのではないだろうか。例えば、CSOとの初録音である、マーラーの交響曲第5番。筆者はこの演奏を、国内盤の16枚組の全集から聴き続けているが、今回のリマスターで、初めて納得がいった気がする。
    細部が明瞭で、陰影があり、この演奏のよさが十全に表されているような気がするのだ。マーラーに限らず、これら一連の演奏を聴くと、70年代のショルティ&デッカのチームが、アナログ録音末期の成熟期において、最高レヴェルのディスクを量産していたことが理解されるが、それが強く実感できるのは、むしろ細やかなピアノ&ピアニシモにおいてであり、感情に溺れ過ぎない透明な抒情性もまた、この指揮者の個性の一面であることを、このセットは気付かせてくれるように思う。実際のところ、いくつかの盤をLPとCDで所有していたので、購入には若干躊躇する気持ちもあったのだが、音のクオリティは期待以上だし、オリジナル・ジャケットの装丁、付録のDVDと、これは本当に購入して良かった!と思う。正直言って「?」と感じる演奏も無いわけではないが(ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第1番。アシュケナージは優しいのに、ショルティ&CSOがあまりにもゴツい(^^;)いつでも真剣勝負で、これほど音楽のエネルギーを感じさせてくれるセットも滅多にない、と断言出来よう。ショルティ&オーケストラs、デッカのチーム、そして企画したユニヴァーサル・KOREA(と販売店のHMVさん)には、惜しみない拍手を贈りたい。まだ全部聴き終わってないけれど、いいですよ、コレ!

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/11/13

    確か吉田秀和氏の文章だったと思うが、「トスカニーニは聴く度に忘れた事を思い出させてくれる。フルトヴェングラーは聴く度に新しい発見がある」。フルトヴェングラーに傾倒していたテンシュテットの演奏はまさに後者で、聴く度に新しい発見がある。というのも、この全集の初出の「1番」から30余年間聴き続けているが、未だに聴く度に違った印象を受けることが多いからだ。それから5番・10番・9番と、テンシュテットは少しずつ変貌していく。指揮者・オケ・録音スタッフにとって過渡期と思われる2番は、やや他の曲に比べると説得力が弱い気がする。そして、凄演の6番を経て、スタジオ録音最後の「8番」に至っては、スタート時とはかなり違う、自信と輝きに充ちた演奏が繰り広げられるのだ。それでも、当初から根本にあった、端整で叙情的なスタイルはそのままなのが、この指揮者の凄いところ。「大地の歌」は、様式上で指揮者の葛藤が垣間見られる演奏。それはおそらく、作曲者が抱いた葛藤でもあるのだろう、演奏は大変個性的だ。ライヴの3曲はどれも素晴らしいが、5番は第3楽章にティンパニの大きなミスががあるし、7番は録音がもうひとつ。6番が抜群の出来だと思う。EMIの録音は、テンシュテットに限らず、概して評判があまりよろしくないようだが、きちんと再生すれば、期待以上の結果が得られるのではないか、と考えている。先にも述べたとおり、初出から30余年、筆者の再生装置も変わり、「こんな演奏だったのか!」と目からウロコのケースに一番多く出くわすのが、このテンシュテットのマーラーなのだ。アナログLPは(8番と大地の歌を除き)揃えたし、12枚組の全集、ライヴの初出盤も手元にある。さて、今回この価格。リマスターはどうなっているのか?ディスクのクォリティが高ければ、買い直したい気もするんですが・・・。どなたか教えて頂けませんか?

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/07/04

    ここ最近、「買ってよかった!」と最も感じたのがこのセットだ。ヴァントのブルックナーといえば、晩年のNDRSOやBPOなどの名演が広く知られるところだが、その原型とも言うべき解釈を、このセットから伺い知ることが出来る。後年のスケールの大きさや、壮麗な響きの代わりに、贅肉をそぎ落としたクリアで簡潔な表現が、とても強い説得力を以ってこちらに迫って来る。喩えるなら、普段は寡黙な人物が、自らの所信を表明する機会を得て、雄弁に、しかし必要最小限の言葉で発言している、そんな印象を与えられた。全曲の統一感、ブレの無さは驚異的と言ってもいいほどで、この指揮者が、いかにこの作曲家に敬愛の念を抱いているかがひしひしと伝わってくる。その想いに、オーケストラや録音スタッフも感化されたようで、厳しいながらもどこか温かみを感じさせる、そんな演奏・録音に仕上がっている。これぞプロ中のプロの仕事、と高く評価したい。スケールはやや小さいながらも、曲の構造が克明にわかり、雰囲気に決しておもねることないスタイルは、まさにブルックナーにぴったりだと思う。派手さや故意にチャームする部分は皆無なので、一般的には人気の出る演奏ではないかもしれないが、その分、噛めば噛むほど味が出る、そんなセットと言えよう。個人的には間違いなく最高のブルックナー交響曲全集だ。リマスターも良好。これほどの演奏を、非常に入手しやすい形でリリースしてくれたSONYさん、HMVさんには、深く感謝の意を表したい。そして、頑固一徹の仕事ぶりを示してくれたマエストロとスタッフには、改めて敬意を表したい。どうもありがとう!

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