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デリック・エイプリル さんのレビュー一覧 

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     2014/05/13

    とにかく徹頭徹尾、爆笑に次ぐ爆笑で、ギャグの密度が凄まじい話題の本。編纂者の高木壮太という人物は寡聞にして知らないが、一読してそのズバ抜けた教養、膨大な知識量、ユダヤ的なユーモアセンスには感服するほかない。民族音楽からテクノ、クラシックから邦楽まで、慎重に偏向を避けた編纂手法も作者の知性の賜物であろう。驚くようなトリビアも豊富にあり、図らずも没頭してしまう魅力がこの小さな本にはある。もちろん内容を堪能するには最低限のリテラシーは必須だが、知識欲ある人には音楽の入門書としての機能もある。しかしながらアーティストやそのファンを愚弄するような過激な表現の項目や、正体不明の狂気を感じさせる箇所も多く、この内容では一般の出版社からは到底出版できなかったであろうことも容易に理解できる。まさに地下出版物というにふさわしい現代の奇書だ。私が爆笑した項目をひとつだけ紹介する。

    【カレン・カーペンター】Karen Anne Carpenter (1950-1983)〔人名〕もし「1970年代」になにか別称を与えるならば「カレン・カーペンター嬢がまだごはんをモリモリ喰べていた時代」が適当であろう。

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