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うーつん さんのレビュー一覧 

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/03/30

     指揮者の想いをオケが真摯にくみ取って丁寧に作られたモーツァルトだと思う。モーツァルトの交響曲は近頃、良く言えばすっきりした、悪く言うとせかせかした演奏が目立つ中で落ち着いたスピードでじっくりと音楽作りがなされていることに好感を持った。プレヴィンらしいというか、NHK響らしいというか中庸の美のような落ち着いた解釈。そして時々聴かれる、ふとした間の取りかたが自然な息遣いで嬉しくなってくる。

      ピアノ協奏曲はこの盤の白眉だろう。ピアニストとオケの絡みや落ち着きの面では2007年の演奏会の方が良い気がするが、両者の緊張感が感じられるのは当盤の方だろうか。K491はプレヴィンの一番好きな曲なのだろうか、ウィーン・フィルとPHILIPSで録音があったし、他のDVDでもこの曲を取り上げている。それらと聴き比べするのも一興だろう。
       
       フィガロ序曲やアイネ・クライネ〜も入っており、モーツァルトを紹介したい時にも手ごろな組み合わせのCDだと思う。
      

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/03/23

     収録が2011年で発売が2012年ながら、私が購入したのは2014年、アバド逝去の知らせを聞いてからしばらくのち。そのためかアバドの「テスタメント」として、またはピリスの「おくる言葉」として聴いてしまう。その影響か、全体を通して「澄みきった清らかさ」を感じてしまう。
      長年共演してきた二人ゆえ、いまさらあれこれ工夫やらは必要ないのだろう。目の前にある音を紡いでゆくだけでそれが音楽になるのだろうか。  特にK595の第2楽章。ピリスの独奏で弾かれた音が、天上はるかかなたのきれいな青空に溶け込んでいくような印象にとらわれた。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/02/22

     アリゲリッチをなだめて(?)ようやく登場したモーツァルトの協奏曲。昔、F.グルダを楽しく思い出すためのコンサートで彼女の弾くK466を生で聴いて「良くも悪くもアルゲリッチらしい」と感じたことを思い出しつつ聴いてみた。
        アルゲリッチの「剛」とアバドの「柔」の調和を愉しむCDだ。ピアニストはモーツァルトでもお構いなしに自分の流儀を貫く。とはいえ時折垣間見せる柔らかなタッチがまた魅力。カデンツァは手綱を離したとたん走ってゆく奔馬のごとし。  アバドはそんなアルゲリッチをそっと、だが的確にサポートする。K466、503の両曲ともベストのCDとは思えない。それでもアルゲリッチのピアノを聴くために、またはアバド指揮によるしなやかな演奏を愉しむためにこれからも聴き続けることだろう。こんな好演を遺したアバドに感謝。 もうすこし余裕があったらピリスといれたK466&595も買って聴き比べをしてみたいものだ。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/02/02

     オケの、特に弦楽器陣の自然な歌いまわしに好感が持てた。  なめらかにソロをひきたてることで一体感があふれでた美しい仕上がりが嬉しい。継ぎ目が無くなめらかな肌、着物のドレープが美しい大理石の彫刻のような・・・といったら褒めすぎだろうか?
        ソロの演奏は、オケの音の上になめらかに乗っかって安心して歌っているような感じに聴こえた。そのように演奏させてもらえる(と、聴こえる。)とソロ奏者が思うからこそ、アバドとの共演を望むのではないだろうか?   ソロ、オケ&指揮者が三つ巴・・・というより、ひとつにまとまって歌い上げた演奏。良い意味で「ベートーヴェンの協奏曲」という力がこもっていない。
        ベルクは美しさが先行し、ウィーン学派とかいう難解な音楽といった頭でっかちの印象を持たずに聴くことができる。今まで「ベルクは・・・」と思われてきた方に聴きやすいと思うのでおすすめしたい。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/01/29

     ソナタ全集を終えた直後の、ソナタ第32番の新録。これが前座でトリがディアベリ変奏曲。しかも2種類・・・。ソナタ第32番をつなぎにしてベートーヴェンのシリーズが続いていることをイメージしているのだろうか?
       ソナタ集を購入された方にもこの盤はおすすめできる。なにしろ全く違った響きと音楽になっているのだから。基本的な解釈には変わりないように聴こえるが、楽器のせいだろうか、楽器に寄り添った演奏を行ったのだろうか、がらっと雰囲気が変わっている。 当盤とその前の全集盤を含めて楽器の音の違いをたっぷり愉しめた。
       ディアベリ変奏曲も傑作。2枚いっぺんに聴くのは骨が折れるのが難点。(私個人の考えでは)それほど魅力的とは言い難いテーマをさまざまに工夫し、膨らませていき、惹き込んでいく作曲者の手腕と創意をそのまま音にしたような感触。ミニマムの素材をただ一台の楽器で奏でているのに、オーケストラにも匹敵する無限の表現力を持っていることを再認識した。   
       楽器の音質はさすが。ビンテージもののベヒシュタインは落ち着いた雰囲気でずしっと芯の強い音がすばらしい。1820年ころのピアノフォルテはけたたましくない音で変に賑やかでないのが気に入った。 PS バガテルも美しく儚く、この2枚のCDの〆にぴったり。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/01/03

     パヴァロッティのこのCDを聴いてみて、最近こんな晴れ晴れとした声と明るい歌唱をする歌手がいないなぁとため息。オペラ歌手・イタリア民謡歌手といった枠を超えた「歌」そのものの人だったんだなぁ、と懐かしくなった。歌は文句なく愉しめるし、自然と心が浮き立つようなワクワク感を持たせてくれる。歌の楽しさを満喫したい方にお薦め。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/01/02

     去年末、最後の買い物はこのディスク。聴いたら、というより観たら・・・凄い・・・。歌手の人選もすばらしい。私は特にM.パドモアのドラマと歌唱に惹き込まれた。また、合唱の素晴しさや演技は特筆に値する。 これは蝶ネクタイしめたオケと歌手が仰々しく歌うマタイではない。マタイ受難曲を聴くという体験から、マタイによって伝えられた受難のドラマに参加しているような気になる。おそらく、会場にいた聴衆皆がそういう思いになったのでは。
        CDで聴くだけだと(当たり前のことだが)ただ音とか音楽に集中する。音楽は演奏されてはじめてその存在を認識することができるものだ。しかし当盤の様な上演形式だと音楽は付属の飾りであり、もっと大事なことは別にあるんだと思うことができた。歌い手が楽譜を持たずに歌うことで「今、まさにドラマが進行している」と考えることができる。この公演においてオケ(演奏)は、「おまけ」であろう。登場人物の心情を音で表現し、ドラマに彩りを添えるわき役に過ぎない。
       キリスト教サイドの教えとして考えなくとも、人間として対峙する人間性への教えが「儀式」の参加者の動作、手の動き、目の動きによって表されていく。  このようなアイディアで上演を考え、決めたラトル、ベルリン・フィル、セラーズの傑作として、バッハの作品演奏の多様性の証明として今後も注目されると思う。何度も見直す深さがあり、常に新しい何かを見出すことができることだろう。   
     マタイの名盤数あれど、これをファースト・チョイスにしてマタイの世界(とバッハの音楽)に「参加」することをお薦めしたい。それからCDを選んでじっくり聴いていくこともできるだろう。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/31

     この年の瀬にふと、久しぶりに、この盤を聴きたくなり引っ張り出してみた。美音で綴られたバッハの鍵盤楽器による歌の連なりが心に染みいる。グールドのものは刺激的で思索的だが、ほっと息をつけたい時に聴きやすい演奏とは言いづらい。そんな気持ちになりたい時はシフの新盤(ECM)かこのペライア盤につきるだろう。シフの盤も大好きでよく聴いている。ペライアの当盤はシフ盤と敢えて比較するなら歌心溢れた演奏と響き、装飾音が美しい。シフ盤と合わせて持って聴かれることを薦めてみたい。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/29

     細川俊夫氏は、私にとってなかなか聴くチャンスが無く残念な作曲家。コンサートという場面はもちろんとして、CDやi-Podなどでも周りの音が無い場所で静かに集中して聴きたいがそのチャンスがあまりないのだ。    この盤もそんな場所や機会を見つけて少しずつ聴いている。4つの楽器だけで演奏しているはずなのに出てくる音の多彩さや表現の表し方はオーケストラの合奏を凌駕するといってもいいかもしれない。内容は厳しく、(音の多彩さや表現の表し方が多いのに)不要なものはそぎ落とされている。    しかし聴いていて一番大事な要素は音や表現の多彩さなのではなく、沈黙や音のない状態が最も重要な表現であり主題であるような気がする。書が、文字を書くことによって白の部分の重要性を発見できるようにこの四重奏曲も音を出すのは沈黙を見つけるための手段であるように思った。   四重奏曲が好きな方はもちろんのこと、沈黙が好きな方(または興味のある方?)に、または沈黙の意味を考えたい方にお薦めしたい。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/29

     うまい、すごい、きれいの3拍子揃ったCDだ。モーツァルトを聴き始めた人にも「こんなに凄いモーツァルトもあるよ」と薦めやすいし、モーツァルトを多く聴いてきた人にも「ここまで窮めたモーツァルトもあるよ」と薦め甲斐がある。4人の息がぴったり合いすぎて音もびしっと決まっているため、返って「4人の対話感」が薄く聴こえてしまう位に凄い。
       四重奏曲もクラリネット五重奏曲も縦横・高低・強弱の変化が絶妙で息つく暇もない。前述で薦めやすいといったみたけど、ホッとしたい為にモーツァルトを聴きたい人には少しお薦めしかねてしまう。バルトークやラヴェル・ディティユー・ドビュッシーのCDでは長所に聴こえた完全な一体感がモーツァルトでは少し窮屈に感じてしまう。私が鈍いのか、聴きこみが浅いのか。凄いし、お薦めしたいが、聴くとなぜか疲れてしまうのだ。褒めているのかどうかよくわからない感想ですみません。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/29

     モーツァルト、シューベルトによる(4手、2台のための)ピアノ連弾の最良の組み合わせで聴けるのが嬉しい。しかもルプーとペライアという組み合わせだから結果は言わずもがな。   しゃかりきに息をそろえて演奏する雰囲気はなく、手から手に音符を静かに受け渡ししているような自然で細やかな息遣いが良い。 私の好きな曲、シューベルトの幻想曲D940が目的で買ったようなものだが、思っていたよりも更に素晴しい演奏。哀しく切ない詩が静かに語られる、2人の間で対話し、慰めあうかのように弾き継がれていく。  モーツァルトのソナタK448なども2人のピアニストの外向きな効果重視の演奏は全くない。「演奏」というより「対話」と表現してもいいような内向きな雰囲気がたまらない。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/27

     ベルグルンド&ヘルシンキ響、コリン・デイヴィス&ロンドン響でずっと聴いていたがカラヤンのシベリウスに興味が湧いて買ってみた。ベルグルンドが人の気配を感じさせない雄大なフィンランドの自然を連想させ、デイヴィスがあたたかな人の営みや踊りのイメージが湧くのに比べると「カラヤンのシベリウス!」という印象が真っ先にした。まず響きが豪華。弦の低音が地鳴りのように立派で高音は透き通るというより光輝くような響き。管楽器も打楽器もさすがにベルリン・フィルと唸るようなゴージャスさ。かといって、けばけばしい感じはしない。とても色彩感豊かな荘厳なシベリウスだ。こんな演奏もあるのかと感心してしまった。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/27

     実に良質なロマン派のシンフォニー集だ。これだけいい演奏と曲目が詰まったCDも良心的で好感が持てる。ブラームスもドヴォルザークもメンデルスゾーンのどの交響曲も楽団や指揮者の主張が無い。これは悪い意味でなく、作品そのものが表現されていると感じた。指揮者のリードや解釈がきちんと主張しているCDは当然良い。けれど「○○指揮の交響曲」でなく「◇◇が作曲した交響曲」としてきちんと愉しめるのも良い。この盤は後者の愉しみを満喫できる。これがプレヴィンの「らしさ」だと思った。個性や音に特長が無いなどとい揶揄されることもあるN響だが、プレヴィンとの共同作業によってその悪口を長所に変えているように思った。
      メンデルスゾーンの伸びやかな南国への憧れの歌、ドヴォルザークの豊かな音で彩られた民族色豊かなメロディーと郷愁、ブラームスではことさら諦観をあらわにせず穏やかな晩年の歌が溢れている。発売され、私が購入したのが12月(2013年)だが、年末に穏やかな気持ちで聴くことができるCDだ。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/22

     一年の終わりに行われるジルベスター・コンサートにふさわしいメンバーと曲目。冒頭のドン・ファンは重厚というよりは颯爽とした演奏、安永徹氏のソロがきりっとしていて小気味いい。2曲目のブルレスケ、アルゲリッチのソロでギアが上がる。3曲目はティル。かしこまった鈍重な演奏でないためティルの悪戯が楽しく浮かび上がってくる。最後の「ばらの騎士」のフィナーレで最高のしめになった。これを生で聴いて年の瀬を越え、新年を迎えられた方はほんとに幸せな気分なんだろうな・・・とうらやましくなる一枚だ。 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/12/20

     数あるショパンの協奏曲CDの中でも上位に入ること間違いないと思っている。実に自然な息遣いのピアノだ。想いをぶつけすぎるようにたたきつけるようなところはなく、情に溺れすぎることもない。でもふとした間の取りかたやアクセント、弱音の扱いにため息が出るような美しさが潜む。日本人的に言うと「こぶしが効いた」歌いまわしがうまいと感じてしまう。第2楽章の夢見るようなきらめきも他ではなかなか得難い。第3楽章のオケとの対話もはずんで聴き応えたっぷり。   一緒に収められた独奏曲もおまけといったら失礼な位に美しい。夢の中に泳ぐような美しさ、儚さが込められたショパンだ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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