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金沢の堕落プログレ さんのレビュー一覧 

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/09/19

    まず最初に、これは”On the Island”とは違うということ。さらに言えば”The Endless River”とも全く異なるということ。Gilmourはそれを強く意識して、このアルバムの制作過程で初めて彼のソロ=アーティスト(ギタリストとしてではなく)としての自我を確立したのではないか。個々の曲の完成度は前作より、そしてクラプトンの平均より良い。リック=ライトの不在がそうさせたのかもしれないが自身が演奏するキーボードの比重が高く、フロイド的なギミックではなく、非常に個性的な転調で曲の個性を高め、特にハイレゾで聞くと一片の長編映画のようである。Roger Watersの”Amused to Death”とは全く方向性が異なるが、完成度の高さは勝るとも劣らない。彼が「フロイドは終わった」と宣言できるのも、この完成度の高さ、Peter Gabrielのようなソロ=アーティストとしての自信の確立(妻のPolly Samsonに頼らず、自身の手による作詞作品を何編も含むのもその表れであろう)によるものだろう。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/11/15

    フロイドに関してもう一つ。PFを70年代のプログレバンドに含めるのが一般的だけど、それは歴史的に間違っている。彼らはビートルズが「リボルバー」を発表する前からLSDを体験し、「サージェントペパーズ」の録音中に隣のスタジオでデビュー作を録音していたバンドである。ZEPやQueenの同期ではなく、JImi HendrixやCreamの同期生とするのが正しい(実際、ジミヘンの前座をやっていた)。70年代のスーパーバンドの多くがベストメンバーを目指してオーディションやメンバーチェンジを繰り返したのとは異なり、ビートルズに似て、ケンブリッジにたむろするお互い顔見知りの先進的な若者たちが、ロンドンの建築大学(アートスクールではなく!)で結成し、脱退者が出ても新参者を加えることなく、最後までたどりついた珍しいバンドなのだ。当然親たちも進歩的で、労働階級出身ではなかった。彼らは出自的にも音楽の技術より文化的斬新さに惹かれ、ポップアートの旗手達と同様に芸術に必要なのは技術よりもアイディア(の構築)であると強く確信していた(Jazzの対局にあるが、この考え方は、後のRoxy Musicなどに大きな影響を与えた)。(悪く言えば)このアマチュアリズムが災いして、「狂気」での成功までに時間がかかりすぎ、King CrimsonやZEPなどに追い越されたので、”70年代を代表するプログレバンドと認識されてしまったのだろう。時代の空気を反映したバンドは、自然発生的に無数存在していたはずだが、運良く彼らだけが音楽シーンの淘汰の圧力から生き延びたのは、全く偶然に才能のあるメンバーが複数そこに集ったからにすぎない(彼らはその恩恵と代償をとても良く自覚している)。結局、歴史に残るバンドはレノンとマッカートニーのように、時代の空気と来るべき予兆を反映した偶然の出会いからしか生まれない。だからこそ、彼らはビートルズの同世代の生き残りとして、ビートルズと他のプログレバンドとを結ぶ生き証人でありつつ独自の路線を歩み、不幸にして70年代にたどり着かなかったビートルズに代わって英国文化の変遷を体現したバンドとして愛され続けているのだ。ポール=マッカートニーがフロイドを特に好むのは、よく理解できる。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/11/14

    高校生以来30年以上フロイドと付き合ってきたが、このアルバムを正当に評価するのは本当に難しい。アンビエントなアルバムであるという事実、過去のセッションの残りを再利用している事実だけで、既に過去の名作との比較とか、5つ星の可能性はありえないのだから。その一方、Ummagummaのような前衛でないから、アンビエントだからと言ってバカにされる理由もない。彼らはイーノ以前からそういう指向性の高いバンドだった。Youthがプロデューサーで入っている割には、むしろ抑え気味だろう。”Louder than words”には素直に胸が熱くなった。「これでお終いです、お別れです」との宣言でもあるこの曲には実感がこもり、二度と会うことのない友人との最後の邂逅に思える。この曲と、Rick Wrightの最後のソロに入っていたボーカル入りの2曲がもしDivision Bellに入っていたら、「炎」以来の大名盤と言われたことだろう。結局のところ、フロイドの緩さや気怠げな情緒はRoger以外の3人に由来し、だからこそDivision Bellの完成に20年を要してしまったとも言える。Rogerにあって残りの3人に欠けていたのは、楽曲作りの才能ではなく、他を犠牲にしても高い集中力で作品を完成させるゴリ押し的なリーダーシップだったことも、改めて実感させられた。結局、黄金期のフロイドは才能のバランスのとれた本当に素晴らしいバンドだった訳で、その絶妙なバランスはDSOMの完成後少しずつ、そしてWallを最後に完全に失われた。以来フロイドのメンバーもそのファンも、喪われた誰かに恋い焦がれ続けたままである。

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     2013/10/19

    あふれるメロディを期待すると、ちょっと違うかもしれない。これはRamやBand on the Run、あるいは”Chaos-”ではないと思う。でも、ロックしているし、古臭くないし、なにより彼の弱点である「甘過ぎ」の面が出ていない。印象は”Back to the Egg”のソロ版、と言った感じかな?サウンドのバラエティは幅広く、アレンジもこれまでになく冒険的で、聞き飽きない。確かに顔は老けたけど、70すぎてこれほどのアルバムを作れるって、「どんだけぇ〜?」って感じ。コステロも馬鹿にしないと思うよ。「音楽の才能は数学と同じで年齢とともに枯れて行く」と言ったのはランディ=ニューマンだったけど、ポールは衰えた同世代をすっかり後に置き去りにして、まだとんでもないものがつくれてしまうような気がします。絶倫なのね!でも最近のライブでちょっと気に入らないのは、ベースよりギターやピアノを担当する曲が多いこと。ベースだけでメロディをリードできる曲があれば、ファンは100点あげるよね!ヘフナーより重たいかもしれないけど、またリッケンバッカーを手にして欲しいと思うのは、後期ビートルズからウイングスが彼のベストだと思う私だけですか??

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     2013/10/06

    コステロは時に技に(知に?)溺れるところがあるが、これは会心の冒険作で近年の最高傑作。リズムとメロディを簡潔でキッチュな(しかし印象深い)ループにしつつも、ボーカルの表現力で最大の効果を生み出している。Beckとかにも通じるところがあるけど、それとはまた違った計算された洗練が感じられる。不思議だけど、バート=バカラックとか、ポール=マッカートニーとか、他人とコラボしたときが、コステロの真骨頂が最大限に発揮される気がする。引き出し広いし、新しいものへの好奇心も全く衰えないねえ。こういう作品が一番マッカートニーあたりを刺激するんじゃないかな?

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/04

    これまでも”Wall”のデモ集は幾つか耳にしていたが、今回の音源で、各曲がどうやって完成していったのか、その過程がかなり理解できた。初めて聴いたものもあり、結構びっくりしたものもあった(まだここでも明らかにされていない音源もあるが)。つくづく感じたのは、このアルバムが芸術家ロジャーと、音楽家ギルモア+エズリンの対立(あるいは協調)の産物としてここまでの完成度に達したということ。ロジャー主導の初期の音源はある意味独りよがりだったり、偏執的すぎたりするが、それをよりコマーシャルな形に翻訳していこうとする後者二人の貢献度の高さが容易に伺える。一方、ロジャーには歌手としての技量はないのだが、作家性が高いためnarrativeな歌い方は他に追随を許さず、ギルモアさえ、時に平凡に聞こえてしまう。内容的には、以前松浦理英子が指摘したように、「オタク的な青臭さ」が充満しているのは否めない。でも、ロックって、所詮は妄想的白昼夢と不安の間で悶々とした10代のための音楽なんだから、それで十分だと思うわけで。現実に打ちひしがれてうつ病になりかけた40〜50代のための優れたロックなんて、殆どお目にかかれないし。彼女はその時Princeの”Purple Rain”と比較して批評していたのだけど、今となってはそっちの方がよっぽど気恥ずかしかったりする。音楽としての”Wall”は今でも聴くに堪える質と力強さを持っています(ちなみにギルモアはあるライブでとても良い”Purple Rain”のカバーをやってました)。

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     2011/12/18

    ”Echoes”に関して、昔のRolling Stone Record Review(新しい版じゃないよ)は「うっ血した情熱」という表現を使ってました。「うっ血」って、滅多にRockの表現で使われる言葉じゃないけど、要するに、節操なしの情動大開放なハードロック的なアプローチの対局にありながら、そこに秘められたエネルギーの大きさ(あるいは抑圧の大きさを)表現できる、数少ない言葉の一つだと思います。フロイドは別に草食性のバンドではないのですが、のべつまくなしのエネルギー大暴発の代わりに、緊張感をギリギリまで、ある意味ストイックに限界まで高めてゆき、そこで一気に(しかしコントロールしながら)開放させることで、長尺な楽曲でもだれることなくドラマ性を獲得できる術を会得していた数少ないバンドの一つでしょう。村上龍が「アニマルズ」のライナーで書いていた「破局点」とはそのことではないかと思うのです。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/10/19

    今回のremasteringはスゴイ!このアルバムは20年以上、何回聴いたかわからないのに、今まで気がつかなかったフレーズが聞こえてきます。分離が悪くて埋もれていたシンセやギターのカッティングが鮮やかに浮き上がり、特にベースとドラムは、新録じゃないかと思える程音の粒建ちが良く、エコーのかけ方を変えてあるところなども散見されます。「ロジャーって結構ベースうまいじゃん!」と思える程!(錯覚ですが)。演奏のダイナミズムがぐっと良くなり、ダークなフロイドの疾走感がいや増した感じです。「アニマルズ」はフロイドが最もハードにロックしたアルバムとして(同時期に発表されたZepの”Presence”と対をなすアルバムをして)再評価されるべきではないでしょうか?T君、N君、そしてメタルファンの皆さん、必聴ですぞ!

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/01

    90年代のポールって、「衰えちゃったかな」と思わせられるものがあったけど、”Chaos and ...”以降は、「どうしちゃったの?」と思いたくなる回春ぶり!!しかも、作品発表のペースが早い!ポールの好調さは、多作時により発揮されるので(だいたいHiな時のcreatorはみんなそうだけど)、やっぱり、リンダの体調が思わしくない時は、彼もそれどころではなかったんだろうと、今となっては思う次第。この作品がPM名義より、ずっとロック的なのは驚くべきことだけど、これは”Ram”以来の傑作です(プロデュースのつめの甘さも、いかにも彼らしい。基本的にoverproduceが好きじゃないんだね)。Stevie Wonderでさえ衰えた今となっては、もはやポールかクリント=イーストウッドかというくらいの絶倫ぶりです。後は、もう一回リッケンバッカーのベースを手に取って欲しいくらい(重いのかね...)。

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     2010/02/01

    PGの音楽性は、リズム隊に大きく依存するが、何でもこなす器用なベーシスト、Tony Levinが常に固定されているのに対し、ドラマーの選択が、その時期のPGの音楽の指向性を大きく反映する。Jerry MarottaからManu Kacheへの交代時が、よりしなやかなリズムへの変換点であったのに対し、”Up”以降のManuから今のドラマー(あまり好みでないが)への交代は、よりロック的な「硬い」ビートへの回帰である。その証拠に、ここ2ー3年のライブでは、しばらく取り上げられなかった1st, 2ndアルバムからの選曲がより増している。

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