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なるみとなりま さんのレビュー一覧 

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     2016/12/20

    軽みへの跳躍ー俳諧で有名な松尾芭蕉の目指した意識が「軽み」でした。つまり、時代の移り変わりを見据えつつ、歌をその時に相応しいもの(芸術)にすることです。決して時代に流されるということではありません。このCDの演奏を聴いて感じたのはまさに「軽み」でした。作曲者の意図,精神は尊重しつつも、時代の変化に合わせて過去に作曲された音楽を再現する。バッハが生きていた時代の限界に縛られる事無く今この時の音楽として生命を楽譜に吹き込む。本当に人を鼓舞する演奏家とはそのような音楽を届けてくれるのではないかと思います。五嶋みどりさんがこのCDで聞かせてくれるのは、私にとって正にこの時代のバッハでした。

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     2016/12/19

    この作品でよく聴かれるタイプの演奏ではない。かなりセンセーショナルな演奏だと思う。しかしそれは,驚かせることを狙っただけの単なるお騒がせ者では決してなく。グレン・グールドがバッハの鍵盤楽器演奏において革命的変化を与えた事例こそが,この作品におけるツェートマイアーの目指しているもののように思える。これほどの演奏が入手困難であることは嘆かわしい。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/06/13

    ベートーヴェンは自分のピアノソナタを演奏会ごとに全く違う曲のように弾いたと読んだことがある。今のクラシック音楽の世界の常識ではあり得ないことかもしれない。でもベーt−ヴェン以前のモーツァルト,バッハにおいても即興演奏が当たり前であり,音楽というか演奏行為自体が「即興」を意味していたと言ってもおかしくない。だからこそ当時の人たちはノリノリの「即興」音楽に魅せられて演奏会に足を運んだのだろう。当たり前だがベートーヴェン,モーツァルト,バッハのいずれも演奏する曲を楽譜に縛られる事無くその時の雰囲気や状況に合わせてノリノリの音楽にすることに長けていたのだ。それが彼らが活躍した時代から200年程経った現在,クラシックの音楽に「ノリ」を求めて会場に足を運ぶ人がいるだろうか。残念ながら,クラシックを嗜む(笑)のはノリを嫌い,音楽が楽譜通り奏でられ,演奏会が恙なく進行し幕を閉じるのを好む人たちばかりだ。そんな世界に嫌気のさしたグールドが録音する曲に(計算がされているとはいえ)彼なりの「ノリ」の世界を持ち込み,自ら楽しみ,聞く私たちに「このアプローチどうよ」問いかけていることを私たちはどう感じるだろうか。クラシックをクラシックとしてではなく今の音楽として楽しむ「ノリ」の良さを持っている方々にとっては素晴らしい高揚の体験を約束するものだと思う。それ以外の方はグールド「モーツァルトピアノソナタ演奏会」には足を運ばれない方が賢明だろう。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/06/12

    アラウもモーツァルトも好きで,それなりに分かっているつもりでした・・が,アラウの弾いたモーツァルトのピアノソナタで感じた驚きは予想外のものでした。モーツァルトのピアノソナタで賛否両論かしましい最右翼はグールドの演奏だと思います。私は彼のモーツァルトも好きでよく聞いています。グールドが自分はモーツァルトをそれ程評価していないという意味の言葉を残していますが,私はその言葉を真には受けていません。彼のモーツァルトから感じるのは,既成のモーツァルト演奏に対する拒絶意識とそれから解放したモーツァルトがどれほど面白いものなのかという点です。聞く私たちを試みる試金石のような演奏ですが,グールドにとってはバッハ,ベートーヴェン,シェーンヴェルクその他の作曲家で行っているアプローチと違うことを行っている意識は持っていなかったはずです。アラウのモーツァルトもアラウを評価する人たちの間でも意見が分かれるようですが,アラウはグールドよろしくモーツァルトを弾いているように思えてなりません。モーツァルトとの相性云々で簡単に判断してはいけない世界で,アラウはモーツァルトを表現しているのです。さて,聞き手の我々がアラウの本心,本音をどこまで聞き取れるか・・アラウは素晴らしい謎かけをしてくれているように感じます。

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