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風信子 さんのレビュー一覧 

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     2019/03/21

    パーヴォ・ヤルヴィはオールマイティな指揮者だが ブラームスは最も遠い地にある音楽だと思う それはベートーヴェンもマーラーもやり了えた後に残された領域だった そしてこの”第2番”が最も難しいだろうと想像していた 牧歌的である意味ブラームスの平常心が反映したニ長調交響曲はパーヴォの「ドラマツルギー」と共鳴しないのではと 果たして 自然な息遣いで草原を逍遥するような音楽が峻厳な峰々を渡りゆくかのような音楽に変わっていた ブラームスをこよなく愛する人々には受け入れ難いだろう だがこの刃もブラームスの音楽が内包していた側面なのではないか 親しく投げかけられる”歌”の底に沈められたブラームスの孤独から激しく吹き上がる愛への憧憬の焔が見えるようだ 聴く者に癒しや安らぎは寄せられないが 止めども尽きない愛の希求の声に胸震わせられずにいられない そしてドイツ・カンマーP.を選んだヤルヴィの主張がブラームスはクラシック(古典)だと言っている あなたも如何   

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     2019/03/21

    四半世紀以上前の演奏録音だが その魅力と価値が減じることはない そのソノリティは懐かしいのに新しい ”アルルの女”冒頭の弦のユニゾンから聴き惚れてしまう 燻し銀の音色が醸す柔和で凛とした佇まいに魅入られてしまう 興奮したり熱狂したりしないが 常に決然と前進する音楽は潔いほど簡潔でスピード感を失わない それでは素っ気なかろうと言う向きもあろう だがつれないものが必ずしも無情なのではない 先ず音色の美しさに傾注することから始めよう 聴き進む中に或いは聴き了えた後にそこはかとなく誘引する情趣が感じられるではないか 何か己の音楽が志向する世界観をまざまざと見せつけられているようだ ”交響曲”も溌剌とした音楽の本質を描き出して満たされるが ”アルルの女”には心捉われてしまう ”ファランドール”にタンブーランを使っていない憾みはあるが それだけに民族性を越えた普遍の美を体現していると感じる あなたも如何  

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     2019/03/19

    そうだ シフはハンガリーの人だった 元々シューベルト家もモラヴィアの殖民からウィーンへ移り住んだ フランツは三代目 冒頭の”ハンガリーの旋律”がこんなことを思い出させた 1820年ブロードマン製作のフォルテピアノの音色も手伝ってタイムスリップしてしまった 続く”第18ソナタ”に広がる律動の波にハンガリーあるいはスラヴの民族色を感じる 踏むステップに独特の癖がある Fpの軽く浅い響きが生きている それはずっと澄ました風情の”楽興の時”でも 弾ける泡のごとき儚さを感じさせる ”アレグレット”はシューベルトの”愛の挨拶”だ 慄きを覗かせながらも訴えかける音楽 その姿勢は続く”即興曲”に色濃く続き 思わず説き伏せられそうになる これが同じFpかと思うほど深い響きを奏でる この4曲の”即興曲”は続けて演奏しても一曲に感じられる調性の連なりで構成されている 饒舌で熱情滾る”即興曲”の後に最後の”第21ソナタ”が来る 枯淡の趣きの中にもおおらかな歌が広がっていく これがシューベルトだと肯いてしまう 改めてFpの音色と余韻の魅力が生きていると感じる もう現代楽器とピリオド楽器と分野を分ける時は過ぎた 自由に往き来すべき時だ このシューベルト世界の味わいを あなたも如何  

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     2019/03/15

    ”想像”と題された室内楽六題をオーリックが書いている その凡てに使われているピアノをコラールが弾いている これが素晴らしい これとDuoを組むフルートのデボスト クラリネットのデスュルモン チェロのロデオンがまた素晴らしい 名手たちが挑むオーリックの小品は難曲である イメージを喚起するような表題もなく 音符から何を想像するかは演奏者と聴衆に委ねられている ピアノ・ソロ曲もあるが ソプラノが登場する第IV曲では想像の手がかりになる”ことば”が登場するのかと思えば A(ア)の発声だけで意味を持たない 第VI曲は弦楽五重奏にピアノとこれまでに出たFl, Cl, Sop.が入って賑やかな曲になる 6曲別の曲だが 続けて聴くと不思議に流れを感じる たくさんの映画音楽を書いたオーリックだが 純音楽作品に毅然とした意思の芯が通っている 音楽の生成と展開に一部の隙も弛みもない 筋肉質の強靭さと迸る生命力を感じずにいられない 六人組の牽引車足らんとした気概の片鱗が見える あなたも如何 

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     2019/03/14

    ショスタコーヴィチからベートーヴェンへ立て続けに交響曲を聞きたいとは思わない またこんなプログラムのコンサートも聞いた記憶が無い 大きな意味でロマンチック・シンフォニーの初めと了りだという認識があるようだ 6番×6番の意味は何かと考えてしまう 9曲x15曲の違いはショスタコーヴィチ側に6曲が残ってしまう どうするのだろうと余計なことを考える ”田園”から聴く 感情を抑えているのではなく端的な物言いで語り出したような演奏だ 淡淡と綴られた思い出を読んでいるようだとも言える 客観の視点を感じる 演奏は進むに連れ熱を帯びてくる 嵐が過ぎ去った後のフィナーレは感謝と愛の歌を越えて歓喜を帯びてくる サラッとした演奏だがベートーヴェンの魂に点る灯火を受け継ぎ掲げているのが嬉しい 次にショスタコーヴィチを聴く 牧歌的なヘ長調の後のロ短調はその悲劇性が一層の悲壮感を以って迫ってくる シューベルトの”未完成”と同じ調性だ ファシズムと戦争の影が伸びて広がっていく環境の中で歌われた悲歌は孤独な光を放つ ミヒャエルには切迫性と現実感があるようで 知情意のバランスが取れた説得力が前面に出てくる もしまだなら あなたも如何  

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     2019/03/14

    世間にショパン好きピアノ愛好家は多いと認識するが 15年を経ても誰一人この演奏に触れないのが不思議だ それほどに音楽の世界は分断され 皆が閉塞した檻の中に閉じこもっているのだろうか ピリオド演奏ということが壁になっているなら哀しい 偏見と差別が目や耳を塞いでいる 人とは斯くも臆病なのだ 一つの美を愛したら信じ込んで新たな美に心を開こうとしない 音楽はそうした人の心情にある弱さを支え繋いでくれるものだと思ってきた 美しい声が呼びかているのに振り向かないほど病んでいるのか 耳傾けてみようではないか オーケストラの呟きから人に語りかけずにいられないショパンの思いが伝わってくる ピリオド奏法には作曲者の心奥にある熱情を直截伝える力があると感じる プレイエル・ピアノの弾け散るような煌めく音色も情緒の芯を突いてくる これをショパン好きの人が愛せないはずはない もしまだなら是非 あなたも如何 

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     2019/03/12

    ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーの最初期の録音の一つ 結局ハイドンのシンフォニーは六曲を二枚のディスクに記録しただけだろうか ベートーヴェンの交響曲に取り組んでいる現在から振り返ってみるのも一興かと聴いてみた 高い評判の風が吹いた記憶もないので 30年前の演奏は未熟かと思いきやとんでもない ハイドンの音楽の時代と風情が感じられる典雅と愉悦が伝わってきた 弦と管と打のバランスが整っているソノリティは心地よい 同時に これが評判を呼ばなかった訳も察せられた 現代の多くの人が欲しがる刺激物がないのだ 本然のピリオド楽器による演奏で 騒音に塗れて狂乱する現代音楽から受ける打撃やショックを期待する方に無理がある しかし 他の多くのピリオド演奏をする楽団が何らかの刺激物を加えている現実の前では ハーゼルベックの音楽は物足りないのかもしれない だが この”驚愕””狩””ハレルヤ”交響曲を味わい愉しい一時を過ごしたわたしは喝采を送りたい あなたも如何  

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     2019/03/11

    80年に及ぶ大阪市後援の吹奏楽団として存続が危ぶまれていた時期に その掉尾を飾るが如く製作された吹奏楽シンフォニーの傑作集 現在もオオサカ・シオン・ウィンド・オーケストラとして精力的な演奏活動を続けている同楽団は人気も然ることながら近畿の音楽シーンを支えてきた功績は高く評価される 秋山和慶は長年にわたりその育成と芸術性の向上に寄与してきた デ・メイの”指輪物語” バーンズの”第3交響曲共に管楽器オーケストラの美点を刻んだ傑作であり 秋山=シオンが痛快に鳴らし切った名演だ 吹奏楽のためのシンフォニーはストラヴィンスキーもヒンデミットも書いている 弦楽器のないオーケストラは歪で特殊なものという風評はまだあるのだろうか 馬鹿げている 十分に芸術として鑑賞に耐える内容を持った作品がたくさん生まれている 今は演奏と鑑賞の場が日常の生活の中に定着することが求められる 遅ればせながら あなたも如何 

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     2019/03/11

    豪快雄渾に鳴らし切った”レニングラード” これまで持っていた楽曲の印象がガラリと変わってしまった 驚きと一緒に新鮮な感興の波に洗われた 主旋律が独り浮き出るような部分は皆無だ 全てのパートが主体的に鳴り人格を持ったようだ ”第7番”にはモチーフの繰り返しが執拗に感じられる演奏が多く 実は辟易とすること屡だった 当然無駄に長さを感じるのだった だが 井上道義&大フィルの演奏には倦怠も退屈も感じない レニングラード包囲戦の最中に書かれた事実から 抵抗と勝利へのシュプレヒコールのように言いなされてきた因縁から解き放たれている 全曲がこれ程有機的に繋がって聞こえた演奏を知らない 深い共感と感銘を湛えながら静かに水の輪が広がっていく湖水の波のように身に沁みてきた 井上道義の人柄と人生の軌跡が刻まれた演奏と言ったら言い過ぎだろうか 美しいレニングラード交響曲である あなたも如何  

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     2019/03/11

    厳密にはシェーンベルクらが設立した「私的演奏協会」で演奏された室内楽版第4交響曲とは楽器編成は異なる エルヴィン・シュタインの編曲した”第4”にはFag, Hrn,Trp, Hrpは無く カステレッティ版の”第10”にはHarmがない そして何よりも弦の人数が違う ”第4”が弦楽五重奏に対して”第10”は全パート複数で総勢13名による合奏だから 最小ではあるがオーケストラとしての響きを奏でている 指揮はシベリウスやニールセンの交響曲全集で強い印象を残したストゥールゴールズだ この”第10”からマーラーに入る例はなくは無いが極めて興味深い しかも室内楽版編曲からとは面白い これからどのようにマーラーと対峙していくのか愉しみだ 演奏は旧来のイメージを払拭している 死の影など皆無だ 溢れる生命力と新たな感情が横溢する爽快なものになっている そうなのだ マーラー自身これが最後の交響曲になるとも 命の灯が消えるとも予感などなかったことは伝記研究から分かっている 後の人が作った運命物語など信じまいとストゥールゴールズもおそらく思っている 雨が上がって日が差してきた あなたも如何 

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     2019/03/10

    関西フィルが躍動している シベリウス音楽の立体感が手に取るように分かる 全てのパートがよく鳴りバランスが取れているから 音楽が軽みを持ち新鮮な躍動感に満たされている 響きは柔らかいが音像はシャープだ 非常に風の通りがいい空間性を感じさせて心地よい 藤岡の指揮は若々しく歯切れがいいのは昔から変わらない 特にこの”第5交響曲”と”カレリア組曲”に適性があるように思う 陽性のシベリウスは春を告げる音楽のように胸弾み心踊るものだ 西の三都の音楽シーンは実に興味深い どうしても首都エリアに偏りがちになる視線を 近畿にそして全国に向けよう 指導者たちの姿勢から保守的ではあるが日本楽壇で諸々活動する楽団の演奏に耳傾けよう 青少年を鑑賞機会に導く努力を音楽家とディレッタントはしなければいけない 狭い世界に閉じこもらないで 音楽の友の輪を広げる歓びを忘れたくないものだ この藤岡&関西poのシベリウスは美しい 多くの人に聞いてもらいたい あなたも如何  

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     2019/03/09

    1910年(明治44年)当時のフランス・オーケストラのソノリテイを求めた探検の成果だ ストラヴィンスキーは時間を戻るための乗り物に過ぎない もっと分厚い音響のカオスに包まれたい人には触れず触らずやり過ごされている演奏である 人は慣れたものを愛し 愛するためには美しいと認識しないまでも 居心地の良い場所・もの・人と感じる 聴き慣れた愛聴曲を百年前の一国の一つの音響環境で再現されても 違和感が先に立ってしまうのだろう ロトの目的も”火の鳥”の初演再現に主眼はない それはフランス20世紀初頭のオーケストラが奏でる”音の風景”を描き見ようとするものだ だから 同じ時代の五人の小品が併録されている ここからもこのピリオド・オーケストラの魅力が横溢する それをわたしは美しいと感じる 何故なのだろう 答えは意外と簡単だ それは音楽に何を求めているかということだ 音楽は常に生まれる 音楽はいつも新しい 聴くことは発見であり驚きであり想像を膨らませ さらには創造力を刺激してくれるもの とわたしは期待している だからこれは素晴らしくエキサイティングな一枚なのだ あなたは如何

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/03/09

    これは素晴らしい スークの”アスラエル交響曲”は日本ではポピュラリティがない 一時間を要し高度な技巧を求められる印象の薄い難曲を好んで演奏する人はまずいない ここに適任者たちが出会った チェコの希望フルシャと日本の誇り都響でなければ決してプログラムに上らなかっただろう 想像を超えた名演となった 何より新鮮な感興の波が次々に押し寄せてきて愉しかった しかしこれがレクイエムだったと知って一層味わいが深まった ドヴォルジャーク父娘(師と妻)の死を悼む心がこの大きなシンフォニーになったとは 創造の天使は何処にいるか分からないものだ 楽曲は様々な表情を見せるが一貫して牧歌的風情を失わない 演奏は都響の技能が十全に生かされて 全てのフレーズが生きた言葉になった フルシャは実力をまざまざと見せる 彼が日本を去ってヨーロッパに還ってしまったことを今更ながら惜しむ 稀有な名曲その稀に見る快演を あなたも如何
         

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     2019/03/07

    他の分野でポピュラリティのある人が指揮をすると 得てして眉に唾つけて目を眇めて見られがちだ プレヴィンもブーレーズもバーンスタインだってそう見られていたのではないか 映画音楽で名を成した久石譲が古い純音楽のオーケストラを指揮するとは何の道楽をはじめたのやらとわたしも思った だが 聴いて驚いた このベートーヴェンは先進性があり見事な演奏なのだ 第7番の第3と第4楽章に一部繰り返しの省略はあるものの ベートーヴェンのスコアの指示を遵守したピリオド奏法の精神が貫かれている プロの指揮者たちがするような自己の解釈をひけらかす余分な細工など欠片も見当たらない 自ずとベートーヴェンの音楽のエネルギーが放出され陶酔の域にまで達している そして素晴らしい付録が付いている 第5交響曲を素材とした久石(藤沢守)のオリジナル曲が聴ける 大変面白い すでにベートーヴェンの中に20世紀のミニマムミュージックの萌芽があることを見抜いた秀作だ この優れた一枚を あなたも如何  

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     2019/03/07

    メンデルスゾーンは未来を指向している それがピリオド演奏であろうとなかろうと変わらない アメリカの”平和の”と名乗るクァルテットがメンデルスゾーンの全四重奏曲を演奏している 最も早く書かれた”変ホ長調”は14歳で作曲された 次は18歳の時”イ短調第2番”と”フーガ”を書いた ”第1番変ホ長調”が書かれたのが20歳 これが最初に出版された 作品44の3曲”第3〜5番”が書かれた時には20代が終わろうとしていた 30代に入って”カプリッチョ” そして38歳になった最後の年に”第6番へ短調”加えて”アンダンテとスケルツォ”が書き残された パシフィカQは屈託がないほどあっけらかんと弾き進める 耽溺も思い入れも見せない 前へ前へ歩き続ける これがメンデルスゾーンの本質なのだと言わんばかりに わたしは微笑み共感の肯きを二度三度とする 状況や風潮に況してや自己に拘泥するようなロマンチシズムはお門違いだ これを薄情だという人がいるならエトランゼの心情は分かるまい メンデルスゾーンは永遠の旅人 わたしは堪らなく哀しいし愛しい あなたは如何

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