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mimi さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/27

    J.S.Bachの音楽に権威とか肩書きが意味を持たないことを、嫌と言うほど実感させる演奏ではないでしょうか。録音時わずか21歳のこの無伴奏Vnは、確実にモダン・ヴァイオリンによるあらゆる全集の中でトップクラスの名演奏であり、技術・表現力そして何よりもこの記念碑的傑作の、複雑極まりない音楽構造を全く正統的に見通し、その再現をただひたすらBachの音楽に奉仕することによって成し遂げる、驚異的な音楽性は、あらゆるモダン・ヴァイオリン奏者の中でも稀有なものです。J.Fischerその人については、恥ずかしながらこれまでほとんど知識がないのですが、確かに鍵盤奏者として平均律を熟知していなければ、ここまでBachの音楽構造を正統的に見通すことはできないのかも知れません。どちらかと言えば、各Partitaにおいては、表現に若い部分はみられるのかも知れませんが、Sonataの厳格で恣意性を排した、しかも情熱にも溢れた演奏は他では得難いものと想いました。もちろんPartita Nr.2/Chaconneは、この盤においても演奏のピークであり、演奏者と聴者が等しくシュピッタの「西洋がこれ以上に輝かしい音楽を産みだしたことはなかった」の言を、実感させる素晴らしい演奏で、Sonata Nr.3/Fugaの輝かしく壮大な演奏と共に、紛う事無き名演です。おそらくこれから長く続くであろう、J.Fischerのキャリアの中でも記念碑となる盤ではないかと思います。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/27

    おそらく現在Bruggenの最新盤と並んで、最も精緻で美しいロ短調ミサではないでしょうか。しかも器楽奏者であるBruggenと比較すると、合唱指揮者であるHerreweggheの、コーラス部分での美しさは際立っています。曲全体の組み立てとしても、長い長い経歴の積み重ねの上に築かれただけあって、全く粗さの無い、主観的に過ぎず冷たくも無く、「古楽」として最上のバランスを実現していると考えられます。この曲におけるOVPPがどうしてもお嫌いな方もたくさんおられるようですので、そういった方には上記Bruggen盤と共に最上のロ短調ミサとしてお薦めできるのではないでしょうか。ただ、J.S.Bachの受難曲や、Brahms, FaureのRequiem、Lassusのモテットなどで、これ以上ないくらいの名演を成し遂げたHerreweggheにとって、この曲が一番適合する曲かという点では、やや疑問が残るかも知れません。この西洋音楽史上ある意味最も客観的で、数学構造の如き巨大な音楽の本態を十分明らかにするには、Herreweggheをもってしても未だ遠いレベル、という印象を随所でもってしまいます。それこそ今から30年くらい前、Herewegghe最初期のJosquin des Prez/Motets(いい演奏ですが)を聴いた時、優しく情緒的だけれども、Josquinの精緻で複雑な多声構造の表出が生硬で曖昧、と感じたその印象を、本当に久しぶりに想いだしました。ロ短調ミサ、本当に難曲であると思います....。

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     2012/02/23

    この曲集の熱心なコレクターという程でもないので、あまり大きなことは言えないのですが、ひょっとしてモダン・フルートによる全集の中で最も美しい演奏ではないでしょうか?有田正広氏による全集は2度目、BWV1030はおそらく3度目ではないかと思うのですが、疑いなくこれまでで最も自在で深化した演奏です。ライナー・ノーツに記されたモダン楽器を使用する経緯については、聴き手なりに色々と複雑に想うところもあるのですが(ピリオド楽器によるこれを超える全集が無い訳ではない)、少なくとも有田氏の最も素晴らしい演奏と言えるのは確かですし、現今のモダン奏者による全集に較べると、さすがに氏のBach音楽の構造把握、様式感覚の確かさは比較になりません。それと声を大にして言いたいのは、ひょっとして有田正広氏以上に素晴らしい、有田千代子氏の演奏で、古のK.Richterを思い起こさせる厳しい曲構築とモダン・ピッチに合わせてながら、あまりにも美しく的確なチェンバロ・パートは、他のあらゆる盤を凌駕していると言えるのではないでしょうか。偽作の可能性が強いBWV1033やシチリアーノを入れてる割に、BWV1020,1031(シチリアーノ以外)が入ってないことや、真作のBWV1032が入れられてないことなど、全集としての選曲がやや首尾一貫しない不満はありますが(CD一枚にしたい会社の思惑か?)、内容的にモダン・フルートによる現代最高のJ.S.Bach/フルート・ソナタ全集であるのは確かと思います。同じ日本人ならずとも、是非一度耳を傾けて頂きたいです。

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     2012/02/12

    かつてのTrevor Pinnock/The English Concertの名フルーティスト、Lisa BeznosiukがコンビであるP.Nicholson、夫君のTunnicliffと組んだJ.S.Bachのフルート全集で、近年の全集には珍しく偽作の3曲も含めています。Beznosiukは自分等には、The English Concertの数々の名演、とりわけ2回目の管弦楽組曲(BWV1067)の自在な演奏が印象的でしたが、その実力が現在でも端的に明らかなのが、無伴奏によるBWV1013で、控えめで自由な装飾を交えながらしかし気品のある美しい演奏を聴かせます。ただ他の奏者が入った演奏は必ずしもクリアな印象がなく、これは特にチェンバロの力量の責任が大きいのではないかと思いました。自分がもう30年近く前に印象づけられたNicolet/Richterの、あまりにも厳格な構築性・多声性に裏付けられたBachに較べると、どうしても(BWV1030,1035といった傑作であるほど)音楽の構造把握が曖昧で、曲の真価がまだまだ表現されていない不満が拭えません。ただ逆に、偽作であっても魅力的な音楽には違いないBWV1020,1033などは、非常に誠実で愛らしい演奏で、昨今のピリオド楽器による新全集盤でこれらが除外される場合が多いことを考えると、意外と貴重な盤であるかも知れません。Bachのフルート・ソナタがお好きな方には、購入を考えていただく価値があるのではと思います。

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     2012/02/09

    非常にクリーンで輝かしく、また誠実な素晴らしい演奏と思います。J.S.Bachのヴァイオリンとチェンバロのための6つのソナタは、無伴奏Vlnのための6曲と並んで、一つ一つが宝石のような作品集ですが、歴史上無伴奏作品に比較すると名演奏に恵まれにくい。Vn一本で勝負する、ある意味抽象的な性格の無伴奏作品と異なり、明らかな社交性を持った機会音楽としての室内楽であるヴァイオリンとチェンバロのためのソナタは、演奏技術・楽器の音色・チェンバロ奏者など様々な制約があり、その全てを満たす名盤は数えるほどもない、というのが個人的な実感です。不勉強にしてF.Deuterが昔から慣れ親しんだMusica Antiqua Kolnのリーダーであったことは知らなかったのですが、一点の曇りもない高い演奏技術、ヴィブラートを全くつけないバロック演奏ながら、音楽が痩せる印象は微塵もなく、膨らみのある素晴らしい音色に聴き惚れてしまいます。何よりもその演奏はBachの音楽構造を厳格に再現する以外の余計な要素を排除し、バロック音楽としての装飾は結構豊かに使用しても、音楽の骨格を阻害しない極めて控えめで上質なもので、さすがに長年に亘って幅広い時代と地域の音楽を演奏してきただけあると感心させられました。共演のチェンバロはまだ非常に若いですが、しっかりした技術と音楽性を持った信頼できる演奏ぶりです。6つのソナタ以外に、Bachの真作であることが確定している通奏低音付きのソナタ2曲を収録しているのも、高い見識を感じます。欲を言えば、BWV1019の美しい旧楽章も収録して欲しかったですが....。ともあれ、現在得られる数少ない、正統的で美しい、J.S.Bach/ヴァイオリン・ソナタ集と言えるのではないでしょうか。

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     2012/02/08

    ヨハネ受難曲第2稿もかなり普及してきましたが、折衷でない純然たる第2稿の盤はやはりまだそう多くなく、本演奏はその貴重な一つと思われます。F.Bruggen/18th century O.の初期にTenor, Evangelistを多く勤めたNico van der Meelが、指揮とEvangelistを受け持ち、オランダの中堅古楽団体・合唱団が演奏、合唱使用の(OVPPでない)スタイルです。全体のまとまりとしては、さすがBach受難曲の演奏経験が長い指揮者だけあって、どこをとっても破綻する事のない極めて美しい仕上がり。輸入盤解説書の記されたVan der Meelのヨハネ受難曲に対する文章を読むと、彼のヨハネに対する深い理解と学識が感じられ、Bruggenの一回目の録音の奇跡的名演奏は、彼の力に負うところが多かったことを伺わせます。ただ、演奏そのものは何らかの強いポリシーを持った性格のものではなく、あくまでそつないまとめが第一で、この傑作の崇高さ・厳しさ・感動を明らかにするレベルにはとても至っておらず、同じオランダの指揮者でもBruggen、Herrewegheらとの差は大きそうです。個人的には、以外に細部でテンポをかなり動かすのが気になりました。まとまりのよい、美しい第2稿のヨハネとして、それなりの存在価値はあると思いますが....。

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     2012/02/06

    まず、Gershwin songbookより後は、standardsによる純然たるJazz piano soloアルバムなので、Gershwinとはあまり関係なく、一緒にするのはやや無理があります。しかしながら、それを気にしなければ前半、後半いずれも非常に質の高い音楽なので、全体としても十分推薦に価すると思います。前半のGershwinでは、もともと自分はRhapsody in blueは、original jazz ver.が好きなのですが、フルオーケストラver.よりPianoの比重が高く、そこで若かりし頃のJoanna MacGregorが、まさに天馬空を翔る演奏を聴かせます。日頃聴き古されたRhapsody in blueとは、一味も二味も違う名演です。ピアノ協奏曲は非常にまとめ方が難しい難曲で、正直これに関しては指揮者・オーケストラに不満を抱かざるを得ません。MacGregorの独奏も現在に較べると未だ若いのでしょうが、通常これを弾く当たり前のクラシックピアニストに較べると、やはり一つ一つのフレーズに込める叙情の深さが違い、Jazz,Black musicにどっぷり浸かった演奏家でなければ出せない表現が随所にみられます。Foggy day~Gershwin songbookの数曲はソロですが、同様にGershwinの心を掴み取った、通常のクラシック演奏家ではこうはいかないだろう、と思わせる名演奏と思います。後半のStandards集は、Jazz piano soloとしては強烈な個性に染め上げられた、という程ではないにせよ、黒人音楽と西欧音楽の伝統の両方に根ざした、非常に質の高い音楽で、Gershwinと切り離しても十分愛聴盤になると思いました。CD2枚全体でまとまりはありませんが、ありきたりのGershwinアルバムと違う好演盤ではないでしょうか。

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     2012/02/04

    3年前の年末(発売前)に家族から「トイレの神様」を教えられ、同郷であることもあり、応援してきました。FullCDを購入するのは初めてですが、大変丁寧に作り込まれた素晴らしいアルバムと思います。決して傑作ばかりと言う訳ではありませんが、粒ぞろいであり、質が高い曲が非常に多く、何度も繰り返し聴く気になります。自分的には最新曲「メッセージ」がmy favoriteかな。もちろんキャリア的にはもうベテランの彼女なのでしょうけど、「トイレの神様」のブレイクを越え、いま、さらに輝きと安定感を増しつつあると思います。「トイレの神様」を好きになられた方には、是非お薦めしたいですね。地味で目立たないかも知れないけれど、きっと買ってよかったと思いますよ!

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/31

    J.S.Bachの諸作品の中で、無伴奏チェロ組曲ほど同曲異演盤が多い曲集は無いのではないでしょうか。しかも同じ演奏者が2回、3回と録音することも珍しくなく、本盤のO.Gaillardにしてもまだ(おそらく)40にもならないのにすでに2回目の録音です。それだけ、チェリストにとって近寄りやすく、また曲集の性質として様々な演奏が広く受け入れられる。しかしながら、かえってそれだけにこの傑作集の真の名演奏に出合うことは、簡単ではないように思います。O.Gaillardの最初の録音は、まだ(たぶん)20代ながらバロック・チェロの演奏中では正確無比の驚異的な技術と高い表現意欲、何よりもBachの曲の本質を全く正統的に見通す能力で際立った存在感を有していました。2回目の録音である本盤は、楽器が変わり、演奏技術・表現力の点で1回目よりも明らかな成熟がみられ、1回目にまだ若いかな、と思わせた諸部分でそのような印象を受けなくなっています。とにかくバロック・チェロによる無伴奏で、ここまで美しい演奏ができるのは他にWispelweyくらいしか思いつかず、その意味で充分過ぎる程の存在意義を有する盤と思います。ただその反面、今回は特に諸組曲の緩徐部分中心にテンポと強弱の恣意的な揺れが非常に気になり、前回自分たちに感銘を与えた、あくまでBachの音楽のみに厳格に奉仕しようとする客観的な演奏姿勢は、やや後退しているようです。多くの再録音するチェリストが、「自由」という便利な言葉に隠れて抑えきれない「我」が、Gaillardのこの演奏にも諸所で表れているように思います。第6番Allemandeの、あらゆる音楽中でも稀有と言える程の完璧な旋律を、たとえ歴史的にチェリストの裁量が許されていたとは言え、崩してしまうのは自分には理解できません。技術的・音楽的に最上の演奏になり得たと思うと残念です。無伴奏チェロ組曲を何度も録音することの難しさを感じました。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/22

    モダン・ヴァイオリニストに詳しい訳でもなく、またこの2曲の聴経験が他人より豊富な訳でもないのですが、2曲とも名演と言えるのではないでしょうか。I.Faustは不勉強にして初めてですが、決して華やかで豊満な音色ではなく、ヴィブラートを極端に抑えた、まるで精髄だけ取り出そうとでも言うような求心的な演奏ながら、一瞬たりとも痩せた印象はなく、余分な装飾のない純粋な音楽が鋼のような太さと強さを持って迫ってきます。もちろん、名器(眠りの森の美女!?)の役割も大きいのでしょうが、それ以上に奏者の驚異的な技術と高い芸術性に圧倒されます。A.Bergの千変万化するリズムと楽想に、何の逡巡もなく確信的で、しかも安らぎに満ちた音楽を築いて行く様は圧巻です。これはC.Abbado/Orch.Mozartの伴奏にも全く言えることですが、これだけ透徹した、細部も全体も構造的にクリアで、かつ膨らみにあふれたBergを聴くのは、自分には初めてかも知れません。Beethovenは、I.Faust, Abbado, O.Mozartいずれも、何の重々しさも無い、Beethoven中期傑作とは思えない天上的な軽みを持ちながら、やはり隅々まで意志の張りつめた引き締まった演奏。Faustのヴァイオリンは、Bergよりも余裕を持ち、しかしどんな細部にも表現に手を抜かない最上級の音楽で、Abbadoの伴奏も含めてどちらかと言えばゆったりしたテンポにも関わらず、(演奏によっては、この曲に時折感じる)長々しさを全く感じさせません。すっきりして非常に見通しの良い演奏なのですが、クールであっても冷めた印象は微塵もなく、絞りに絞った音楽がこれだけ熱く膨らみを持って迫ってくるのは驚異です。3楽章の最初からフィナーレに向けて、火の玉が次第に燃えさかっていくかのような演奏は、Abbadoがライブでのみ昔から時折見せる最上の姿を彷彿させます。昨年のBPOとの「大地の歌」にも思いましたが、Abbadoは今生涯で一番自由な境地にいるのではないでしょうか。伝統的な昔ながらのBeethovenとは言えないでしょうが、この上なく美しいBergを含めて、垣根を越えた音楽を愛する多くの方々にお薦めしたいと思います。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/16

    ブクステフーデのカンタータは20年以上前に、エアチェックで数曲集めて聴いて以来で、まとまったCDとして購入したのは初めてですが、地味ながら非常に質の高い演奏です。Cantus Collnとしては初期の録音に属するかも知れませんが、個々の歌手の力量が高く、独唱、少人数の重唱から合唱に至るまで、歌唱は常にクリアで安定しています。どちらかと言えば小規模なコンチェルト形式のカンタータばかりなのですが、演奏の構成、テンポも申し分なく、やはりこのルネサンスから前・中期バロックにかかるこの時代の作品に関しては、Cantus Collnは非常に素晴らしいことが再認識させられます。目立たない録音ですが、多くのひとにお薦めできる名盤の一つかと思います。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/05

    ベルリン・フィルを始めとする現代オケ以外でのEmmanuel Pahudのディスクは、J.S.Bachのフルート・ソナタ全集しか知らず、その演奏は美音ながら、Bachのソナタのあまりにもシンプルかつ重層的な曲構造を全く構築できていない印象がありました。この盤でもBWV1079のトリオ・ソナタは、曲構造の把握と厳格な構築性がまだまだと思いますが、それ以外の曲においては見違えるような素晴らしい演奏を繰り広げており、やはりJ.S.Bach以降の疾風怒涛期にさしかかるこの時期の音楽に、Pahudの音楽性はより適合するのではと思われました。不勉強にして、ここに収録されてる作曲家に十分詳しくはないのですが、やはり比較するとC.P.E.Bachの存在感は圧倒的で、最後のHamburger Sonataは自分が数種類聴いた中でも最上の演奏ではないかと思いました。Carl Philippの無伴奏は、有田正広の名演が耳についていますが、様式感は劣るもののPahudの美しさも格別です。1枚目を担当するKammerakademie Potsdamは、節度と生命感を兼ね備えた充分な名演奏、そして何よりもTrevor Pinnock/Jonathan Mansonの世界最高の通奏低音コンビが、この演奏の価値を数段高めています。昨今ほとんど新譜を耳にしないPinnockですが、これを聴くとそのチェンバロ演奏はますます軽みと美しさ、そして味わいを増しているようで、1980年以降のLeonhardtの域に近づきつつあるのではと思います。正直、アルバム全体としては、繰り返し聴きたい曲ばかりではないですが、演奏者の名演については十分に推薦に値する好盤ではないでしょうか。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/26

    S.Kuijken/La Petit Bandeのイタリア・バロックは、MonteverdiのVesproなどもそうでしたが、愉悦・軽妙洒脱といったイメージとは違い、静謐である意味堅く生真面目、人によってはかなり好みが分れるかも知れません。しかしながら、そこにB.Kuijkenのソロが大きくクローズアップされると趣きがだいぶ変わってきます。個人的にB.Kuijkenは、現存する世界最高のフルート奏者と考えていますが、その演奏は一瞬たりとも木と人肌の感覚を失う事がなく、それでいて水晶のように高貴で美しい音色は、以前よりますます磨きがかかっているように思います。このフルートが加わる事で、本来どちらかと言えば気楽に楽しむ作品10が、暖かくしかし格調高い芸術作品に変貌しています。Vivaldiならではの、愛想の良い活き活きとしたバロックを期待するとずれるかも知れませんが、非常に上質の演奏であることは確かで、近年のLa Petit Bandeの中では目立たないがお薦めの盤と思います。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/25

    2010年春に輸入盤が発売されてすぐ購入し、幾度か聴いてきました。Hassモデルのダイナミズムと美しい音色を生かした、A.Staierの演奏はある意味技術的にこれ以上無いと言える位で、その第一印象は圧巻の一言でした。ただ、反復して接するにつれ、この演奏に対する疑問も出てきます。あまりにも単純化した言い方で申し訳ないのですが、非常に「重い」のです。もちろん、現在なおGoldberg Var.の作曲・成立事情については、判らないことが多く、この曲が全曲通して演奏されることを意図されていない、とはっきり断言する研究者もいるのですから、このような重厚な演奏を全曲通してつき合うのは、鑑賞方法として正しくない可能性もあります。しかしながら一方でGoldbergの全体としての曲構造を、明確に打ち出して全曲を全く時間の経過を感じさせずに聞き通させてしまう力を持った名演も存在するのも事実です(Gouldの晩年盤がまさに代表でしょうが)。A.Staierのこの演奏が全曲通して聴くに重い印象を与える原因は、おそらく各曲が非常に鮮やかに輝かしく演奏されていても、実はその細部における細かなフレーズ・多声処理が意外と雑に通り過ぎていくからではないでしょうか。Goldbergという曲は、ヨーロッパ音楽数百年の歴史がいっぱいに詰まって、その細部は掘り起こせば掘り起こすほど、何層にも歴史的・音楽的意義が現れてくる傑作と思うのですが(これは使用楽器云々とは別問題で、モダンピアノでももそうした時間的・空間的意味を感じさせる演奏は存在します)、A.Staierの細部から全体の意味を問うよりも、表層の演奏効果が重視された演奏では、そうした一瞬一瞬に遥かな想いをはせる余地がなく、結果として長く重々しい印象になってしまのではないでしょうか。演奏技術的な面では最高でしょうし、佳演ですが、Goldberg var.という西洋音楽史上に類を見ない傑作の価値を十分に明らかにするレベルには至っていないように思います。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/24

    実は恥ずかしながら、ヤーコプスやシュタイアーの相棒としてでない、オーケストラ単独としてのフライブルク・バロック・オーケストラを聴くのは初めてですが、非常に個々の技量が高く、また特に指揮者を置いてないにも関わらず、だれたところの全く無い演奏団体と感じました。類似の団体ではベルリン古楽アカデミーが、しばしば縦の線の揃わない甘い演奏になりがちなのに比して、この団体の演奏の引き締まった様はある意味驚異的で、コンサートマスターを中心とした演奏者間の意思疎通が並でないことを伺わせます。ただ演奏の質の高さに比較して、管弦楽組曲全曲の演奏としては、かなり癖の強いものでもあります。基礎にはまぎれなくドイツ・バッハ演奏の伝統が強く感じられ、その意味では安定感はかなりなものですが、特に各曲の舞曲において、テンポの恣意的な動かし方は相当気になりますし、第二番のフルート・パートは、ほとんど原旋律が現れない位に即興的に崩していくので、原旋律のあまりにも完璧な美しさを愛する者には、ほとんど編曲のレベルに感じられます。また、第三番airをはじめとして、所々で今一つBachの最深奥に届かないもどかしさを感じ、心から感動できない不満が拭えません。最もこれを感じない演奏などごく稀なので、この点で演奏者を減点するのは酷なのでしょうが、演奏レベルが高いだけに惜しく思ってしまいます。せめてもっと素直に演奏されていれば....。技術的には疑いなく現代最高の団体の一つですし、佳演ですので、管弦楽組曲を集めておられる方には、持っておられる価値があるかと思います。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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