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ヴァニタス さんのレビュー一覧 

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     2014/04/28

    手元あった作曲家自身の指揮による『アポロ』と、作曲家ゆかりのクラフト指揮による『アポロ』を少し聴いてからこのCDをかけてみました。幾分ゆったりとしているように聴こえます。ガーディナーはとても落ち着いています。ひんやりをして静謐な響きが作品の美感を引き出しています。メインの『オイディプス』では神話の高貴な香りを漂わせながら、台詞の語る悲劇を音化していきます。タイトな響きにして噛み応えのある演奏ではないでしょうか。

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     2014/04/27

    まずこのアルバムは選曲が見事です。ブルーンスの出だしは夭折の音楽がいかに才能豊かな才人だったかを示すに十分な魅力があります。ラドゥレスクは電子音楽みたいでオルガンの多彩な魅力を伝えています。そして、磐石のバッハ。福本さんの演奏はとても温かみがあり、実に丁寧な仕上がりです。歴史的なオルガンでの演奏も録音してもらいたいですね。

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     2013/05/16

    バッハという作曲家がイタリアの協奏曲を鍵盤独奏用に編曲していたということは知られたことだが、私自身集中して聴いたのはこれが初めてだった。BWV974第2楽章での霊感に満ちた出だしと色彩的な変化にはうっとりする。そしてバッハ特有の律動が速い楽章には確認できる。バッハ音楽の源の多くがイタリアの協奏曲からきていることがはっきりとわかる曲集だ。そして、イェーツの颯爽とした手さばきは実に気持ちがいい。十二分に間も使って低音の厚みもしっかりと出している。そして節度を持った激しさがいい。

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     2013/05/15

    トリオ・ワンダラーのフォーレは感覚的な美しさという点では歴史的な名盤に対して分が悪い。ピアノ演奏も卓越しているが特別な印象はない。しかしクッキリとしたラインを基調に大変に綿密に仕上げられたフォーレは、現代の演奏としてとても立派な成果を出していると思われる。特に第2番で本領が発揮されている。劇的な表情と時に鋭い音色で第1番との差異を克明に打ち出している。

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     2013/04/29

    ユルゲンスの真摯で素朴な演奏はバッハの音楽にとても合っている。BWV198の冒頭のリトルネッロは硬い付点リズムが特徴だが、ユルゲンスは温かく滑らかに開始する。鋭さや重厚さは皆無だ。合唱も独唱も言葉を慈しむように歌う。いつまでも愛され続ける演奏かもしれない。 

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     2013/03/19

    CDを聴いてオルガンの真価をどれだけわかるのだろうか。どうもオルガン音楽を批評するのは難しい。ただ何となくわかるのはオルガン奏者なるものはとんでもない創造性と技術力と総合力をもっていそうだということだ。私はアランが弾くバッハに人間業のある種の極点を感じる。明確なリズム感と音色の鮮やかさは皆が指摘することだが、歴史的銘記を使用した第3回目のバッハオルガン作品全集においても、その不自由な操作をもろともせず彼女の特性は遺憾なく発揮されている。そしてアランの演奏を聴くとバッハの身体感覚の素晴らしさがストレートに伝わってくるのだ。それが私をうれしくさせてる。

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     2013/02/16

    演奏の良し悪しにかかわらずこのようなライブ音源を集めた企画はすこぶる楽しい。ウィーン・フィルとハイドンの組合せはローカルな響きが最高に味わい深い。かといって一筋縄にはいかないようで技術的には何の問題もなさそうな初期の交響曲を指揮するウェルザー=メストは低音のゴツゴツしたリズムとやわらかくしなる旋律とがうまく噛み合っていないように思える。室内楽できていないようだ。ところが、シンフォニックな第98番を指揮するメストはとっても調子がいいから不思議だ。メータは果敢に突き進むので崩れそうになるがうまく立て直す、まさにライブのノリ。音楽する難しさと妙技が隣り合わせに楽しめるセットだ。

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     2013/02/03

    シューベルトの初期の交響曲に見られる古典的な形式感と青年ならではの溌剌としたリズムがこれほど魅力的に伝わってくる演奏は滅多にない。第4番の謎めいた序奏から、ハムスターが車輪の中でクルクル回るような忙しいアレグロ・ヴィヴァ−チェへの一連の流れをどこまでも細やかに彫琢していくインマゼールの棒さばきは圧巻だ。ゆったりした楽章においても変奏主題などを実に叙情的に歌わせている。このセンスは唯一無二。

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     2013/02/02

    聴き始めは少し素っ気ない表現かなと思っていたが、曲が進むにつれて弦の美しくもデリケートな響きに何かシューベルトの心の中を見るように思えてきた。民族的な響きと変則的なリズムが魅力の第3、4楽章は彼らの音楽性により合っているようで壮大な前半に負けることのない内容がある。弾力のある洒脱な感じがとてもいい。最晩年の作品を若々しく晴れやかな弾き切った名演だと思う。

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     2013/01/27

    このギヨーの演奏を聴いて思ったこと、それはチェンバロ独奏による「フーガの技法」が作品の抽象性や数学的思考を具現化するもっとも適切な演奏方法ではないかということだった。ギヨーは芯のある軽やかな響きに加え、巧みな情報処理により主題の節回しはどの場面においても美しく堅牢なフーガも必要以上に厳めしくならない。しかもフーガが煮詰まってくるところでの密度の高い響きもすばらしく全曲を集中して聴き通すことができた。私はこれ以上の「フーガの技法」を今のところ望まない。

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     2013/01/19

    カントゥス・ケルンはマドリガルを演奏するように、声と楽器の調子を合わせながらロ短調ミサを奏する。小編成の利点である緊密なアンサンブルや細部の繊細さがあまり感じ取れなかったのは少々意外だった。ソリストの表現は淡白だが、美しいのでなかなか魅力的である。印象としては古風な響きが紡ぎ出されておりその点では楽しめたが、大曲に相応しい解釈の徹底がなされているかといえば少々物足りない、私には悩ましい演奏だった。

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     2012/12/30

    生前のバッハへの評価は圧倒的な鍵盤の名手というものだった。きっと運動性に満ちたスピード感のある弾きぶりだったのだろう。しかし、エガーらの演奏は期待される名人芸的な派手さは一切ない。推進力を抑えたゆったりとたゆたう少し地味な仕上がりとなっている。各パート1人の編成により色調も抑え目で音響や速度による対比的な効果もほぼ皆無だ。でも、聴きつづけたいと思わせる魅力が隠れている。最も優れた点は響きに対する繊細な感覚だ。BWV1044のように点描的な響きがある作品に対しては、驚くべき美しさを引き出している。派手さはないが、高い音楽性が保たれている誠実なバッハ演奏だ。

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     2012/12/14

    テレマン、最高に多作な作曲家。彼の作品をひとつひとつ聴き分けていくのは私のような未熟な愛好家にはなかなか骨が折れる作業である。いや、往々にしてバロック音楽全体にそういう傾向がある。だがそこはテレマン。ここに収められた13曲はそれぞれ楽章数(5〜9)や編成(tp3&timp&str、fl2&ob2&str、hrn2&str、ob3&fg&strなど)、調性など重複が避けられている。楽章に付けられた表題もさまざまでドイツ・バロック音楽文化の有様が読める。演奏はモダン楽器による安心できる真摯な演奏である。序曲の全貌を明らかにした点で貴重だが、欲を言えばもっと踏み込んでリズムを強調したり、強弱のメリハリがあってもいいと思う。

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     2012/12/04

    息が合っているとか、息が揃っているというのはどんなアンサンブルにも大切なことである。でももっと高次になっていくと音楽は対話し始める。バロックの室内楽は奏者間の間合いの取り方が直截に音楽の出来に結びついている芸術である。家族的連帯を持つオランダ周辺の名手たちの競演は室内楽することにかけては驚くべきバランス感を発揮している。心の通った対話がそこかしこから聴こえてくる。ハーツェルツェルトとベルナルディーニのトリオは至高の朗らかさを湛えて美しさを充満させる。妙技にして粋。

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     2012/11/29

    カヴァーを見て気づかされた。ヴィヴァルディとカナレットは同時代のヴェネツィアの芸術家であると。カナレットの清潔で整然とした、それでいて細かいディテールにおいて活気に満ちた都市景観図は、ヴィヴァルディの音楽性と共通するところがある。もちろんグァルディの情感を感じさせるヴィヴァルディも説得力があるが、ここでのターフェルムジークの演奏はカナレット的な表現であり、美しく洗練されている。ビルスマの闊達な動きは入り組んだベニスの運河をスイスイ進むゴンドラのように熟達している。

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