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検索結果:464件中1件から15件まで表示
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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/06/13
ボールトのエルガー2番といえばLPOを振ったステレオ初期のパイ盤と最晩年のEMI盤がステレオセッションとしては全てだと思っていたのでこの録音の登場は驚きだ。スコティッシュ・ナショナルを振っているのも珍しいしレーベル名も聞いたことがない。CFPから再発売されたことがあるということはEMI系なんだろうか。演奏は75年のLPOと比べ活力が勝り第1楽章は痛快、第2楽章の深い憂いも味わいがありこれはこれで充分聴きごたえがある名演。「南国にて」は44年録音だが予想以上に音がよくこれも楽しめる。CD2のパートソング集も珍しい。無伴奏の合唱曲をこんなにたくさん書いてたんだ。コレクター向きだと思うがエルガー好きは購入して損はないと思う。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/05/09
アンゲルブレシュトは1965年まで存命で晩年まで元気だったそうだ。にもかかわらずアンゲルブレシュトのステレオ・セッション録音が存在しないというのはフランスレコード産業界の怠慢のそしりを免れまい。ステレオ化が遅れたフランスでも58年にはスタートしていたのに。しかしそうは言ってもこのBOXの50年代モノ録音を聴いてさほど不満を感じないのはアンドレ・シャルランが大半のエンジニアを務めモノとしては最上といってよい音質で録音されているからだ。デュクレテ・トムソンとコロンビアに録音された50年代のアンゲルブレシュトの演奏はフランス音楽の金字塔と呼べるもの。親交のあったドビュッシーの録音が多いが、フォーレ、ラヴェル、ラロも実に美しい。声楽曲が多いが有名な歌手がいない一方、その後消えてしまったスタイルも味わえる。そう、オケも含めドイツ、イギリスとは響きが全く違うのだ。残念なのはフランス音楽以外がほとんどないこと。「ペール・ギュント」組曲が収録されているが(HMVの紹介では第1組曲となっているが、第2組曲も歌入りで入っている)優れた演奏であり、アンゲルブレシュトはドイツ音楽やロシア音楽でも見事な演奏を残したのではないかと想像できるのだ。INAに残っていないだろうか。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/04/29
ドラティはLSOのポストについたわけではないが、50年代後半から60年代初めにかけてこのオーケストラを支えた指揮者のひとりである。ちょうどクリップスとモントゥーの間の期間、実力低下を噂されていたオケを鍛え直したと言われている。実際録音の多いLSOのなかでもドラティはトップかもしれない。ドラティも時期によって演奏スタイルは結構変わった人でデトロイト時代とLSO時代とではかなり違う。LSO時代はバッキバキの筋肉質の音楽であり、色気、甘味はない。曲によってはもう少し柔軟な表情を求めたくなるものもあるが、一方でアンサンブルは引き締まり推進力のある音楽は痛快そのもの。ロシア音楽との相性がとてもいい。コンチェルトも大変うまい。シェリングとのブラームス、シュタルケルとのドヴォルザークはドラティの指揮の力も大きく圧倒的な感動を生む。マーキュリーの録音は素晴らしいとしかいいようがない。シルヴェストリがマーキュリーだったらと思ってしまう。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/04/10
プレートルといえばパリ・オペラ座管弦楽団と来日した時の演奏に非常に驚いた覚えがある。ライヴで燃えるだけでなくテンペラメントに充ちた指揮者だと知ったのだ。今回のSWRセットはプレートルのライヴの魅力をたっぷり味わえる。テンポを大きく動かし盛り上げるところは超スピード。やりたい放題なのだ。正直ブルックナーは居心地よくない。しかし、その他は面白い演奏がたくさん。最高の演奏は「ラ・ヴァルス」。変化に富み、最後は興奮のるつぼ。レスピーギの2曲も素晴らしい。トレビの泉で遅いテンポから一気にスピードアップする痛快さ。アッピア街道の松でのグランカッサ強打かっこいい!観客が興奮で悲鳴みたいな声を出している。「新世界」はパリ管弦楽団とのEMI盤も優れた演奏だったが、このSWR盤は燃焼度が段違い。同曲ベストのひとつに挙げたい。ブラームスのハンガリー舞曲も楽しいなあ。リヒャルト・シュトラウスも名演だが、そういえばプレートルはシュトラウスのオペラをよく振っていたんだった。録音が大変よいのもありがたい。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/04/06
2023年バイロイト・ライヴ。NHKBSで放映されたもの。毎度の読み替え演出だが、レアアース争奪戦がテーマになり最後パルジファルはレアアースで作られたと思われる聖杯を投げ捨て木っ端みじんにする。一同唖然とする中、幕。こんなものがあるから平和にならないんだという主張かもしれないが一番感動的な場面であれをやられてはたまったものではない。カーテンコールで当然演出陣に盛大なブーイングが浴びせられたが彼らは嬉しそうだった。ブーイングも勲章ということか。演出家は観客を感動させる気などないのだ。ところが、演奏は十分に感動的、いや近年最高の出来だったのだ。バイロイトの「パルジファル」としてはブーレーズ、レヴァインよりはるかに優れた、そうクナッパーツブッシュ以来の素晴らしいもの。まず、エラス=カサドの指揮するオケが見事。非常に透明でありながら深みのある音、まさに「パルジファル」に望まれる音を出している。ここぞというところでエラス=カサドはテンポを落とし圧倒的なクライマックスを作る。歌手陣もみな優秀でオペラでやや退屈する第2幕がガランチャによって大変な聴き映え。映像で懲りないでCDで聴いてほしい。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/02/28
ベテランから新人の録音まで雑多な構成に見えるが、どうやらエロクエンスは忘れられたDG音源から復刻する価値のあるものを選んでライブラリーとしたようだ。実際私が知っている音源はエルフェのブーレーズとシドンのアイヴズだけ。あとは初めて聴く録音ばかりだし、初めて聞く名前のピアニストも多い。大体DGのデビューシリーズとかコンクールシリーズとか国内盤で出たんだろうか。肝心の演奏は、つまらないものは一つもない。むしろこれほどのピアニストがなぜ無名に終わったのかと信じられない思いがする。飛びぬけているのはディノ・チアーニのドビュッシー。エゴロフの「謝肉祭」も凄いがこの二人早世してしまっている。びっくりするのがシャウリスの「ゴルトベルク変奏曲」。こんなに楽しいバッハあるだろうか。この人はコンサート活動より家庭を重視した結果国際的には忘れられ、もう亡くなっている。カーロイのショパンも立派な出来だがメロクラシックくらいしか知られていないのでは。解説を読みながら聴いていくと、ピアニストそれぞれの事情もわかり、著名ピアニストとの実力差は大してなく、運としかいいようがないように思われるところがこの世界の厳しさを再認識させられる。ともかく音楽的には聴きもの揃いであり、またまたエロクエンス、GJと言いたい。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/02/22
シルヴェストリ晩年の録音。仰天するような解釈で度肝を抜くこともあるシルヴェストリだが、ここでの演奏はそういったところはなく爆演を期待すると肩透かしとなる。しかしシルヴェストリによってアンサンブルの向上したボーンマス交響楽団の演奏は十分聴きごたえがある。シルヴェストリによる「三角帽子」が聴けるのは嬉しい。ただ、プライヴェート録音による音質は60年代後半としては水準以下。拍手がないところをみると観客なしの放送用録音かもしれないのだが、それならばもう少し精度の高いものが欲しかった。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/02/18
昨年日本で行われたオーケストラ・コンサートで多くの人がベストにあげたのがラトル/バイエルン放送響のマーラー7番。私もそう思う。そして東京公演がテレビで放映され、ラトルのインタビューもあった。ラトルによるとベルリン・フィルとバイエルン放送響で同じドイツのオケでここまで違うのかと本当に驚いたそうだ。実際リハーサルを見てもたしかに違う。ベルリン・フィルの団員は都度ラトルの解釈を吟味し聞き流す。バイエルンはラトルに対して「サイモン、もう一度やりたいんだけど」と気軽に問いかける。マエストロとは呼ばない。ラトルも嬉しそうだ。インタビューでのラトルの解説も、思わず、そう、そういう曲なんだと声を出しそうになった。そのアイデアは演奏に存分に生かされている。ラトルはコラージュ的に分裂する楽想を面白くて仕方がない様子で振りオケもそれに乗る。このCD録音は日本公演直前のものなので解釈はほぼ一致しており、録音も優秀。ただ、ラトルの指揮を見れたほうが面白いのも事実。それでもこれは7番のベストを争う名演であると思うし、現ベルリン・フィルのシェフ、ペトレンコが州立劇場オケを振った7番よりはるかに読みは深く納得させられる。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/01/09
「わが祖国」が圧倒的名演であったビシュコフ/チェコ・フィル。ドヴォルザークも名演間違いなしと思っていたが、優れた演奏には違いないのだがもうひとつ演奏にのれず。どういうことだろうと思っていたのだが、ドホナーニ/クリーヴランドBOXでこの3曲を聴きそういうことかと合点がいった。結論から言えばドホナーニのほうがはるかにいい演奏である。ドヴォルザークの丈に合った演奏といえばいいだろうか。ビシュコフは遅めのテンポでスケールの大きなドヴォルザークを描くが、これが「わが祖国」ほどうまくいっておらず、どこか大味な印象が残るのだ。ジュリーニ/コンセルトヘボウのドヴォルザークに通じる。ドヴォルザークはむしろ小味な魅力にあふれた音楽なんだろう。ビシュコフは現代の最も優秀な指揮者だと思っているし、ワーグナー、Rシュトラウス、マーラーでは第一人者なのだが、弱点もあるということだろうか。序曲3部作の出来は出色、過去最高ではないか。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。 2025/01/03
MTT生誕80年記念としてソニーとエロクエンスよりBOXが出た。重要度はソニーのほうだし、さらに言えばサンフランシスコ響自主製作も入れないとこの指揮者の全容には迫れない。それでもエロクエンスBOXのレビューを書くのは全く個人的な感情からである。60年代末米国のメジャーRCA、コロンビアは経営不振に苦しんでいた。そこで長年専属だったビッグファイブとの契約を打ち切り、それに乗じて欧州のレコード会社が進出、デッカがシカゴ、EMIがクリーヴランド、DGがボストンと契約を結んだ。DGは70年にスタインバーグ、アバド、ティルソン=トーマスで一斉に録音開始。米国市場を考慮にいれてジャケットも斬新なものに変えた。中学生だった私はこれらが欲しくてレコード店でよくジャケットを眺めていたのだが結局購入しなかった。理由は当時の日本の評論家が誰も褒めなかったからで金銭的余裕のない中学生はルソーのジャケットが魅力的な「映像」もモントゥーの廉価盤を優先せざるをえなかったのだ。今回エロクエンスはオリジナルジャケット、オリジナルカップリングで70〜72年のティルソン=トーマス/ボストンを出してくれた。初めて聴く音源もあったがどれも実に素晴らしい。演奏も最高だしギュンター・ヘルマンスによるボストン響のサウンドもいいのだ。もうこれで十分なのだが、その後の録音についてはニューワールド響を振ったものが面白かった。エロクエンス、本当にありがとう。そして闘病しながら活動中のMTT、どうぞ少しでも長く演奏活動してください。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/12/30
アリーヌ・ヴァン・バレンツェン、オランダ人のような名だが、オランダ系ではないらしい。米国人で神童としてならし、欧州、北米、南米で演奏、39年からはフランスを拠点とし、後にパリ音楽院の教授となり、教え子にはカツァリス、ジャン=フィリップ・コラールがいる。商業録音は極めて少なくステレオのセッション録音もあるが聴いたことはない。このエディションは彼女の60〜70代の放送録音(一部ライヴ)が収録されている。演奏家としては晩年のものといえるが、技巧的な衰えはなく粒立ちのしっかりした音でスタイルの古さも全くない。最初のベートーヴェンの協奏曲から聞きものである。3番、4番ではベートーヴェン作ではない長大なカデンツァを弾いており(もしかして自作か)実に堂々たる演奏だ。若きフレモーの爆発的な指揮もスリリング。他のコンチェルトもスタイルを見事に描き分けている。ソロ曲もどれもすばらしい。ドビュッシーのこれほど優れた演奏はめったに聴けないしモーツァルトの軽やかなタッチも素敵。ベートーヴェン、ブラームスは厳しくダイナミック、シューマンはファンタジック、「ウィーンの謝肉祭の道化」はベストのひとつだろう。ラヴェル、フォーレからヴィラ=ロボス(作曲家自身バレンツェンを高く評価していた)まで聴いていて楽しくてしかたがない。どうして彼女が忘れられたのか不思議としかいいようがないがメロクラシックが9枚もまとめて出すだけのことはあるし(解説も充実)本当に感謝したい。音質も良好。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/11/21
モーツァルト、シューマン、ブルックナー、マーラーいずれも素晴らしい出来。ブルックナー、マーラーは米国のオケによるものでは最高、ショルティ/シカゴよりはるかにいい。クリーヴランドはアンサンブルの精度が高いので響きが透明であり声部が細部まで聴きとれる。ドホナーニの指揮はどこまでも誠実だが迫力に欠けることはなく音楽の推進力も充分。このセットは買いだ。残念なのは「リング」中断とともにブルッックナー、マーラーが全曲録音にならなかったこと。マーラーは3番、7番録音してほしかった。またドヴォルザークの7〜9番がダブルデッカのジャケット仕様になっていて音もダブルデッカの透明度の低いものであること。どうしてデジタル録音なのにダブルデッカはあんなに音が悪いんだろう。演奏はピカイチなのにもったいない。ドホナーニは現在95歳で現役のはず。97歳のブロムシュテットは大いに話題になるが、ドホナーニもこのBOXをきっかけに話題と尊敬を集めてほしいと切に思う。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/11/13
フランクは全曲47分、かなりテンポの遅い演奏である。これがクレンペラーなら遅いテンポから曲の構造が浮びあがるのだが、バレンボイムはそういうことはなく、ただ遅い重厚な演奏になっている。そのためフランクのフランス音楽的側面は後退しドイツ後期ロマン派として鳴り響く。私はこの曲のテンポの遅い演奏を苦手とするので正直聴き通すのに気力が必要だったが、だからといってこの演奏をダメというつもりはない。考えてみるともともとバレンボイムは若い頃から重厚でうねるような音楽をやりたがっていた。しかしバレンボイムがパリ管弦楽団と録音したころはカルロス・クライバーが大人気で、切れ味鋭くノリのいい音楽が好まれていた。バレンボイム自身クライバーの影響を強く受け、指揮スタイルが大きく変わったためなんとなく中途半端な音楽を聴かせる指揮者という印象になってしまっていたと思う。バレンボイムも80歳を超え彼が一番やりたい音楽をそのテンポでも耐えれるベルリン・フィルを得て成し遂げたのがこのフランクなのだろう。フォーレはパユをはじめとする名人芸により聴きごたえがある。バレンボイムへの敬意で満点。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/11/06
アーベントロートとの出会いは半世紀近く前LPで聴いた「未完成」。高音がキンキンする決して良好とはいえない録音なのに私は激しく心を打たれ涙が止まらなかった。以来リマスターが出ると買っているのだが、音はバランスが良くなったにもかかわらず、あの感動の再現はない。リマスターに問題があるのか、かつての私の精神状態が関係するのかLPを処分してしまったので確認の仕様がないのだが、それでもこの「未完成」は非常な名演であることは間違いないと思う。ここにはのっぴきならない切実なものがある。第1楽章展開部はただ事ではない。やはり私にとってのアーベントロートは「未完成」だ。「グレート」はずっとロマンティックであり、テンポの動かし方の激しさではフルトヴェングラーの42年盤と双璧。シューマンのコンチェルトははるかに音は良好で演奏も大変よい。若きトルトゥリエもほぼ無名のヴューラーも優れた演奏をしているし、アーベントロートの指揮も情感に溢れている。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2024/09/30
21世紀最高のカルテットとしてフランスのエベーヌと並ぶ存在だったドイツのアルテミス・カルテット。残念ながら解散してしまったが(第1ヴァイオリンのサレンカがベルリン・フィル初の女性コンマスになったものの退団したので再結成の可能性はゼロではないが)ここにほぼ全ての録音がまとめられた。私はカルテットは新しい団体になればなるほど優れていると勝手に思っている。というのも第2ヴァイオリン、ヴィオラのレベルがどんどん上がり非常に緊迫し、かつ伸びやかな音楽が形成されるようになったと考えるからだ。アルテミスも第1と第2ヴァイオリンが入れ替わることもあるように技術的に見劣りはなく丁々発止の演奏が繰り広げられる。チェロのルンゲ以外全員メンバーが順次代わっているのも演奏レベルを高く維持した要因だろう。ベートーヴェン全集もシューベルトもブラームスもどれも白熱的で個人的にはこれがベスト演奏。ヤナーチェク、リゲティもいい。シェーンベルクやバルトーク全集にも取り組んでほしかったな。
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