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Dewurich さんのレビュー一覧 

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     2024/04/10

    ショルティのブルックナは、時代遅れな浪漫主義的想念を完全に断ち切っているので、土の香りや草の香りや森の息吹をブルックナに聴きたい人には物足りないかもしれない。しかし、ショルティの視点はそういった地上的な雑念を超えた、より巨大な宇宙的視点に立っているのである。
    古臭い19世紀的視点でクラシック音楽を捉え続ける人は、シューリヒトやクナパツブシュのブルックナにキリスト教的な「神と悪魔の戦い」を見るのかもしれない。しかしショルティのブルックナはそういった古臭い思想を超越しており、地球というちっぽけな一惑星内の一宗教であるキリスト教の「神と悪魔の戦い」とかいうせせこましいものではない。もっと超越的にブルックナの抽象的音楽思念が全宇宙的な時空の限界を駆け巡る宇宙大戦なのである。
    日本の前衛音楽の最先端であった諸井誠がこれを「究極のブルックナ」と呼ぶのは当然であろう。

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     2024/04/03

    ショルティのブルックナに全般的に言えることだが、ここでもショルティは成層圏を飛ぶ航空機のような極めて高い視点からブルックナという巨大な山脈を見下ろしたような俯瞰的な演奏を行なっており、そこに独特の透明なロマンが漂っている。

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     2024/03/29

    某評論家U氏のせいで、多くの人たちがショルティの音楽を自分の耳で聴けなくなっている。
    ブルックナーの音楽に秘められた浪漫と精神性を巨視的で透明な音響で巨大に再現しているのがショルティである。
    ショルティを褒めようとして「ロマンとか精神性とかは関係ないが」とか言ってる奴はU氏に反対しているようで実はU氏に洗脳されているのである。
    ショルティの音楽には甘さを排した蒸留酒のような辛口の濃厚なロマンがあり、巨大な伽藍を築く巨大な精神性があるのだ。
    虚心坦懐にこの録音を聴けばそれが分かる筈だ。

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     2023/12/29

    近代英国音楽の美しき秘境とも言える作曲家ジェラルド・フィンジだが、そのフィンジの精髄は歌曲をはじめとした声楽作品にあると思う。
    このCDでは、イタリア・オペラのように声を張り上げるのではなく、マーティン・ヒル、スティーヴン・ヴァーコーという優れた英国声楽家による繊細極まりない歌唱によってフィンジの歌曲の素晴らしさを堪能することができる。

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     2021/05/17

    悪い演奏ではないが、かといってこの曲のCDとしてお勧めできるものでもない。マタチッチはかつて宇野功芳氏などに絶賛されたが、2021年現在の視点から見ればブルックナー演奏としてはかなり中途半端で奇妙な立ち位置になっている。
    楽譜の選択にしても、改訂版(シャルク版)で演奏するなら全曲シャルク版で演奏すれば良いものを、このCDでは原典版を基本としつつ部分的にシャルク版が顔を出すと言う奇妙なもので、そこにマタチッチ個人の趣味以外の必然性があまり感じられない。チェコ・フィルのボヘミア的音色もまたブルックナーとは相性が悪い。
    かつてと違い、現在ではブルックナーはただ豪快で壮大に演奏すれば良いという時代ではない。
    本盤はむしろ珍版としての面白さに価値がある。

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     2021/04/02

    TOKYO MX2の「ヒーリングタイム&ヘッドラインニュース・看板猫」でこの中の数曲がBGMで流れており、思わず購入してしまった。私は普段クラシックばかり聴いていてジャズには詳しくない人間なのだけれど、これはなかなか良かった。

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     2020/06/13

    最初のレヴューから12年経ちましたが、星五つに変更します。
    第2番の第1楽章第2主題や第3楽章の甘美さは、ブルックナーからマーラーに受け継がれ、マーラ10番のフィナーレで濃縮されて示された「絶望の中から理想の世界を夢想するロマン」が、ヴェレスにおいて更に煮詰まり、しかも同時にまた出涸らしの状態で示されており、滅びゆく世界を如何にも出来ず空の上から傍観するようなこのような美しさはヴェレスにしか存在しないと思われます。マーラーも体験しなかった凄絶なユダヤ人虐殺を逃れたヴェレスでこそかけた音楽かもしれません。

    9番は前のレヴューでも書いた通りブルックナとマーラの9番を無調化してより簡潔で短い三楽章制に集約させたような作品で、作曲された1970年代と言う時代を考えれば、新ヴィーン楽派の自由な無調期のような作風は55年ほど時代遅れとだはいえますが、マーラ9番冒頭の長2度下降を短2度下降に変容させブルックナ9番のようにピッチカートを伴って静かに終結させる様は一聴の価値ありです。
    1~4番までの世紀末的終末趣味ロマンを乗り越えて、5番以降で決然とした無調世界に乗り出したヴェレスの最後の悟りの境地といえるかもしれません。

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     2020/06/13

    3番は1951年完成の作品ですが作風としてはブルックナーとマーラーを近代化し亡命地イギリスのヴォーン・ウィリアムズ風味も加えコンパクトにまとめたもので、巧みなオーケストレーションと美しい旋律と和声は第1級の才能を感じさせます。
    決然とした力強さに満ちた第1楽章、不安な響きの中からやがて絶望的に甘美なロマンが零れ落ちる第2楽章、才気弾けるスケルツォの第3楽章、凄絶な行進で締めくくるフィナーレは圧倒的です。
    1956年完成の5番は調性感は希薄で前衛現代音楽登場直前の終戦直後型近代音楽の一種の典型ですが、全曲を貫く格調高い緊張感はヴェレスの優れた才能を十分に示しているといえましょう。

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     2019/03/26

    期待に違わぬ素晴らしい曲だった。全編、マルクスらしい夢のような美しい響きに満たされた交響曲の桃源郷である(無論、秋に桃は咲かないが、そこは比喩である)。

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     2019/02/08

    メロディヤのオリジナル復刻風ジャケットが実に良いです。共産趣味を刺激され購入しました。
    音質も良好。なんだかんだ言っても赤軍がナチから奪ったオリジナルテープの経年劣化が一番少ない状態での音なのではないでしょうか。
    演奏の素晴らしさは各方面から大絶賛されていますからあえて言うまでもないのですが、個人的にはこれはブルックナの音楽ではなくフルトヴェングラの音楽だなという印象であります。

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     2018/11/30

    ある意味、まさに美の極致です。以前他のレーベルで出ていた音源ですがナクソクに移ってだいぶお安くなったようですから皆様宜しければお試し下さい。
    マルクスは歌曲などが細々と演奏されてきましたが、彼の本領はやはり管弦楽にあるように思います。私も最初聴いた時はマーラーやツェムリンスキーなどと比べてなんともフニャフニャと軟弱、安逸な音楽で締まりが無い印象を受けましたが、多分にアドルノによるマルクス酷評に影響されていたのかも知れません。確かに時代を変えるような進歩的音楽では全くありませんが、そういうことは気にせず素直に耳を傾けていくうちに、やがてその美しさから深い癒しを得るようになりました。今ではマルクスは西洋音楽における至上の宝の一つであるように感じています。

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     2018/01/08

    個人的には2番、3番あたりが最も聴きごたえがありました。特に演奏時間最長の3番はスクリャービンやエルガーを思わせます(個人の感想です)。
    残念ながら5番以降には創作力の衰えを感じました(個人の感想です)。

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     2016/11/19

    交響曲は例の「HIROSHIMA」と同傾向の曲だが、よりコンパクトにまとまっている印象。素直にいい曲だと思う。ピアノ協奏曲も悪くはないが、どこかで聴いたような印象の楽想もあって個人的にはやや今一。「流るる〜」はディーリアスを思わせる良曲だと思う。個人的には購入して損はなかった。

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     2016/08/23

    美しいロマンに溢れる4番は20世紀に書かれた交響曲の最高傑作の一つだと個人的には思っている。祖国エストニアがソ連とナチスドイツの争いに巻き込まれた第二次大戦中の1943年にこのような曲を書くことが出来たのは何故なのかわからない。演奏はフィナーレで多少のアンサンブルの乱れがあるものの曲の美しさは見事に表現していると思う。9番は晩年の渋いスタイルの曲だが悪くない。

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     2016/06/03

    往年の名歌手たちによる歌唱でマルクスの歌曲が聴ける一枚ですが、特に前半は作曲者マルクス自身によるピアノ伴奏が聴ける点が素晴らしい。マルクス主義者(笑)必聴のCDです。

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