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あきらくん さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/06/13

    ラザレフ&日本フィルのグラズノフ交響曲の第1弾である4番と5番が発表された。どちらの交響曲も叙情的な演奏とは全く一線を画した、ラザレフしか表現出来ない、早いテンポに活気のある大演奏になった。どちらも最終楽章は誰にも止められない程の前進性はムラヴィンスキー&レニングラードフィル以上である。
    第4番のスケルツォのテンポは恐らく当盤が最速であると思うが、管楽器の上手さは特筆ものである。
    第5番は第1楽章の導入部の低弦の響きから尋常でなく、曲が終わるまでこの緊張感が持続する。軽やかなスケルツォ、物静かなアンダンテを経て、白眉である第4楽章に突入するとトロンボーンを主体とした金管群が見事に炸裂する。
    当盤はSACDで発売されたが、弦楽器と管楽器の細かい合奏の妙が明確に聴き取れ、グラズノフのオーケストレーションの色彩の豊かさ、素晴らしさが実感できた。
    それにしてもラザレフ&日本フィルのロシア音楽にはほとほと脱帽である。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/05/25

    今回のラザレフ&日本フィルのショスタコーヴィッチは交響曲12番と15番の組み合わせ。どちらも超のつく名演である。ラザレフのショスタコーヴィッチは基本的に早いインテンポのきっちりとした構成に、マエストロ独特の聞こえるか聞こえないかのピアニッシモと慟哭に似た痛切な表現が加わるものであったが今回も同じ。
    12番では第1楽章の主部は猛烈なスピードとド迫力で一分の隙のない表現、第2楽章はほの暗い音色で統一したアダージョ、最終楽章ではティンパニの皮が破れんばかりの3連打の後にもの凄くテンポを落とした第1楽章の主題がピアニッシモで歌われた後、無慈悲に似たぶっきら棒な強音、強打のコーダで終る。”人類の夜明け”とはかけ離れた恐怖や不安に満ちた終わり方である。
    マエストロが交響曲第5番のコーダで表現した得体のしれない何かに怒りをぶつけた解釈と同一性が感じられた。
    15番は各楽章に打楽器が効果的に使われるが、第1楽章では打楽器が効果的にメリハリを付けている。第2楽章は重々しい金管のコラールの後のチェロ独奏がすすり泣くような音色で、慟哭の極み。トロンボーンの音色も重く、悲しみに満ちている。最終楽章のコーダでは思いがけない金管の鋭いアタックと各種打楽器群の対比が凄まじく、その緊張感、緊迫感は只者ではない。ショスタコーヴィッチ最後の交響曲の究極の終わり方に相応しいと思う。
    それにしてもラザレフ&日本フィルのショスタコーヴィッチはもしかしたら現存では世界一かも。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/04/20

    マエストロ、ラザレフのショスタコーヴィッチ交響曲第5番は激しい怒りの音楽であった。第1楽章冒頭の低弦のアタックの後の繊細なピアニッシモは切ない悲しみに溢れたもの。これの答えが終楽章のコーダ。何に怒りをぶつけていいのか解らないようなインテンポのまま凄い音圧でぶっきら棒に終わる。聴いた後、放心するしか為す術を知らない凄まじいコーダで、苦悩から歓喜へとは全く無縁の解釈。
    ラザレフ&日本フィルの演奏に唯々頭を垂れた。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/07

    ラザレフのショスタコーヴィッチ交響曲シリーズも5作目に入り、今までの4番、7番、8番、11番の超重量級の作品から、今回は中量級の6番と軽量級とみられている9番の組合せのCDがリリースされた。9番は従来から皮肉に満ちた軽い交響曲のイメージがあったが、ラザレフの9番は第1楽章からトロンボーンの最強奏に代表されるような重厚な足取りで開始される。圧巻は第4楽章のラルゴで、金管群の威圧的な咆哮後に、ファゴットの滑稽さと悲しさが交錯するモノローグがこの演奏の白眉であり、ショスタコーヴィッチの音楽による精一杯の抵抗であるような気がする。9番では管楽器が各楽章で活躍するが、前述のファゴットを筆頭に、クラリネット、フルート、オーボエなどが表情豊かに吹奏している。各自が猛練習をしたのか、ラザレフからしごかれたかのかは解らないが、金管楽器も含めて日本フィルの各奏者にブラボーの拍手を送りたい。CD裏面に各奏者の名前がクレジットされているのも嬉しい。
    6番はラザレフが全ソビエト指揮者コンクールで演奏し、第1位を獲得した得意曲で、聴こえない位のピアニッシモからホールを揺るがす程のフォルテッシモまで極めてスケールの大きな演奏を繰り広げている。第2、第3楽章のテンポはむしろ遅めで、地を踏みしめるような強固なリズムが重厚かつ刺激的な音で迫ってくる。これも9番と同様で重量級の作品に仕上がっている。ラザレフ&日本フィルのショスタコーヴィッチは世界に誇れるCDと断言できる。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/07/13

    7月9日、マエストロラザレフ最後の定期演奏会会場で先行発売されていたCDを購入。同日演奏されたショスタコーヴィッチ交響曲第15番は奏者も聴衆も感涙した、超ド級の名演奏であった。1日でも早いCD化が待たれる。
    2014年3月に演奏された、この7番の交響曲は会場でも感じられたのだが、明るい、暖かみのある音色で、粘着性のあるおどろおどろした音ではなかった。CDでも冒頭から透明感のある清澄な合奏が聴き取れる。
    第一楽章は早めのテンポのアレグレットで、徒に凡長さを感じさせず、インテンポで刻むリズムが壮絶な迫力で迫ったくる。第3楽章の美しさ、素晴らしさはヤンソンス&コンセルヘボウ管に匹敵し、第4楽章は徐々に音楽が高潮していき、終結部では日本フィルの金管群が強力かつ絶大な音量で興奮させられる。コーダの終わり方は師であるムラヴィンスキーに酷似している。
    この7番は数多きCDの中でも最高ランクに位置する名演である。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/26

     ラザレフ&日本フィルのCDとしては、本CDが同コンビの最高傑作であろう。期発売の第11番も素晴らしかったが、第8番はさらに悲劇性の強い傑作で、ラザレフのスコアの読みは尋常でなく、一音、一音を繊細に、しなやかに、時には大胆に表現し、戦争悲劇の悲惨さと亡くなった者への哀惜の音楽を奏でていく。一言で言えば、かのムラヴィンスキー盤の神々しいまでの表現より、血の滴るような、濃厚な人間味に溢れた演奏と言える。
     第1楽章、第3楽章、第5楽章に現れる暴力的なクライマックスの音量、音圧には本当に驚愕した。現存のロシアのオーケストラより凄まじい音がしている。
    日本フィルの金管、打楽器群が強奏、強打しても全く音が濁っていないのも脅威的である。
     第1楽章のイングリッシュホルンの長いモノローグではムラヴィンスキー盤にも劣らない悲劇性の強い感動的な演奏を行っているし、トランペットの音色はショスタコーヴィッチに相応しい。全楽章を通じて、打楽器群の奮闘は当盤がピカイチだろう。
     最後の悲劇的なコーダの最後に僅かに差し込む光に涙が止まらなかった。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/26

     ラザレフ&日本フィルのCDとしては、本CDが同コンビの最高傑作であろう。期発売の第11番も素晴らしかったが、第8番はさらに悲劇性の強い傑作で、ラザレフのスコアの読みは尋常でなく、一音、一音を繊細に、しなやかに、時には大胆に表現し、戦争悲劇の悲惨さと亡くなった者への哀惜の音楽を奏でていく。一言で言えば、かのムラヴィンスキー盤の神々しいまでの表現より、血の滴るような、濃厚な人間味に溢れた演奏と言える。
     第1楽章、第3楽章、第5楽章に現れる暴力的なクライマックスの音量、音圧には本当に驚愕した。現存のロシアのオーケストラより凄まじい音がしている。
    日本フィルの金管、打楽器群が強奏、強打しても全く音が濁っていないのも脅威的である。
     第1楽章のイングリッシュホルンの長いモノローグではムラヴィンスキー盤にも劣らない悲劇性の強い感動的な演奏を行っているし、トランペットの音色はショスタコーヴィッチに相応しい。全楽章を通じて、打楽器群の奮闘は当盤がピカイチだろう。
     最後の悲劇的なコーダの最後に僅かに差し込む光に涙が止まらなかった。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/09/25

    もの凄い演奏がCDとして現れたというのが率直な感想。先ず、日本フィルの演奏力の高さに舌を巻いた。第1楽章冒頭の弦からして只者ではない響きがしている。第2楽章の”血の日曜日”を描写した部分では、テンポを落として、打楽器群の凄まじい強打と相まって、その凄惨さは圧倒的。第3楽章の”同志は倒れぬ”のビオラは聴こえない位のピアニッシモで、すすり泣くような音色と緊張感は今まで聞いたことのない。第4楽章になっても日本フィルの弦楽器群の強靭さは冴えわたり、クライマックス後のイングリッシュホルンの哀歌の吹奏には涙を禁じえない。最後の鐘の乱打、強打は人類の戦争悲劇の警鐘そのものである。それにしてもラザレフ&日本フィルは何処まで上り詰めるのか。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/06/01

     ラザレフ&日本フィルのコンビによる初めてのショスタコーヴィチの交響曲録音である、この第4番はダイナミックレンジの極めて大きいスケール豊かな演奏である。個々の管楽器のみならず、弦楽器もメカニカルな演奏ではなく、血の通った、切れば血が滴るような、生々しい表情を持って演奏している。トロンボーン、ファゴット、クラリネット、オーボエ、フルートなどが人間の弱弱しさ、温かさ、傲慢さ、悲しさ、怒り、喜びなどを至る所で奏でている。
     最後の長いコーダでは金管群の絶叫と大太鼓の一撃、一撃が絶望の淵へと誘うが、最後はラザレフの真骨頂である、聴こえるか聴こえないかのピアニッシモで清澄な弦の調べにチェレスタが浮き沈みし、最後のレ音で魂が浄化される。超名演です。bravo!!

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/04/02

    ラフマニノフの交響曲全集としては最高ランクのCDである。初出の第1番は若いラフマニノフの傍若無人とも言える荒々しい音楽をリズムを崩すことなく見事に描いている。特に最終楽章のコーダの打楽器群は聴きものである。第2番、第3番と演奏の質が向上していき、最後の交響的舞曲が最高の演奏に仕上がっている。豪壮な音とロマンに満ちた音が交差し、最後はドラの最強音が心に響く。ラザレフ&日本フィルのラフマニノフの音楽はできればSACDで出して欲しかった。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/01/08

    2001年の新日本フィルを振った旧盤より格段のスケールアップした名演に仕上がっている。オーケストラの技術的差もあるかも知れないが、神々しいまでの演奏である。サン・サーンスの交響曲は実演にも接しているが、第一楽章第二部の子供を失った悲しみの中で作られた音楽がゆっくりと平穏に流れると、大きな悲しみが滲んでくるような演奏で、会場でも周りから嗚咽が聴こえてきた程であり、その場を彷彿させてくれる録音に仕上がっている。
    このCDでの一番の聴きものは意外にもエネスコのルーマニア狂詩曲で、かのC.クライバーのウインナワルツにも匹敵するような粋で、闊達で、上品な演奏になっている。マエストロフルネの別の意味での凄さを痛感した。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/05/24

    前回の弟2番を上回るのではと言う程の大演奏である。弦楽と管楽器のアンサンブルは完璧、弦楽器の美しさは落涙もの、金管の鋭さは本場のロシアのオーケストラを彷彿させる。最終楽章に向けて、熱く、燃えるように白熱する演奏で、第3楽章後半は阿修羅の様相。今、ラザレフ&日本フィルに目が離せない。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/29

    全ての楽器一音一音を非常に大事に、丁寧に愛情を込めて演奏した今までに類例をみない『新世界交響曲』である。ぬくもりのある響きは今までの5〜7番の交響曲と同様であるが、マエストロ・エリシュカは新世界交響曲に更なる愛情があるのではないかと思われる。各楽章に伴奏として現れる音型を強調する場面が多々あり、今まで聞いたことのない旋律、音型が必然のように聴こえる様は驚きである。特にコーダのコントラバスの激しさは聴いたことがない。札響のメンバーがマエストロ・エリシュカの棒に信頼と愛を持って答えているのも感動的である。東フィル、N響の実演も聴いているが、共感の差であると思われるが、このような大演奏にはなっていなかった。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/23

    ラフマニノフ交響曲第2番の最高位にランクされてしかるべき名盤の誕生を喜びたい。第1楽章は低弦のPPで柔らかく始まり、管の動機和音をfで強調し、続くヴァイオリンの瑞々しい美しさで耳をそばたてる。とんでもない名演が予感される素晴らしい導入である。第1楽章のみならず、全楽章に亘り、弦合奏の瑞々しさ、美しさ、雄弁なことは比類がない。日本フィルがライブとは思えない高い演奏能力を備えていることにも驚きを禁じ得ない。
    ボリショイ管との旧盤との比較では2楽章以下が早いテンポ設定になっているが、新盤の方がより激しく、より濃密なロマンティズムに溢れている。マエストロラザレフの優しさに裏打ちされた豪快さも新盤の方に顕著に聴きとれる。ヴァイオリンソロもクラリネットソロも見事である。終楽章ではコーダに向けて楽員も燃えているのが手に取るように分かり、凄まじい終結を迎える。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/07/14

    プロコフィエフの5番はラザレフの自信満々の棒によるスケールの大きな演奏になっている。難解な第2楽章も楽しく聴けたし、第3楽章のAdagioがこんなにも悲劇的に響いた演奏があったかしら? ラザレフの棒にしっかり共感をもって演奏している日フィルのメンバーも凄い。特に、クラリネット、オーボエ、フルート、トランペットは素晴らしいと思った。
    バレエ音楽<ロメオとジュリエット>は2日目の演奏を実際に聴いているが、観客は4割程度で、サントリーホールがいつもより響き、残響が豊かであった。第1曲のモンタギュー家とキャピュレット家から凄まじい音圧で、サントリーホールの天井が落ちるのではないかと思うくらいの響きであった。
    前日に東日本大震災があり、冒頭に日フィルの理事長さんから音楽家は真剣でひたむきに音楽をすることで震災に遭われた皆様と対峙していく旨の挨拶があったが、正にその通り演奏で激しい所はどこまでも激しく、悲しい所の弱音は儚く、美しい所は夢見るように演奏された。終演後の拍手喝采は少ない観客とは思えないほど温かく、激しいものだった。録音も当日の雰囲気を彷彿させるレヴェルである。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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