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レインボー さんのレビュー一覧 

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     2023/12/04

    ロバート・ウォードの管弦楽作品集です。
    全曲、ポーランド国立放送交響楽団の演奏で収録されたもの。
    指揮は3名の指揮者が振り分けています。
    まず最初に登場するのは『祝祭の頌歌』という作品。
    指揮は、ズジスワフ・ショスタク。
    この作品は11分ほどの作品で、弦楽を中心にゆったりと歌う壮大な作品です。
    指揮のショスタクは1930年生まれのポーランドの指揮者。
    永くウッチ・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督と知られ、音源はバロック音楽の録音が多い。
    この録音は1975年に収録され、珍しく同時代のアメリカの作曲家の作品を振っているが、非常に充実した響きを引き出しており、中々見事な演奏である。
    次に登場するのは『プレーリー序曲』『祈りとトッカータ』で、指揮者は、ボフダン・ヴォディツコ。
    ウォードは、コープランドにも学んでいるのですがそのコープランドのアメリカ的エッセンスの影響を多大に受けたのが、プレーリー序曲。
    ジャケットの様な我々が想像するアメリカを描いた様なわかりやすい作品で、ウォードの代表的な作品と言えるもの。
    元は吹奏楽作品だが、本CDでは管弦楽版を収録。
    祈りとトッカータはプレーリーよりかは純音楽的な作品ですが、旋律は中々美しい。
    指揮のヴォディツコは1911年生まれ、1985年に亡くなったポーランドの指揮者。
    録音はやはり多くなく、CDも数少ない。
    本CDではポーランド国立放送交響楽団から力強く、時に繊細な響き、更に裏メロもしっかりと鳴らし、ベテランらしく隅々まで手の届いた演奏が素晴らしい。
    充分な名演と言えるもの。
    次に収録されているのは『没神論者の宗教歌』という作品。
    指揮者はウィリアム・ストリックランド、ソプラノはシルヴィア・スタールマン。
    指揮のストリックランドはアメリカの指揮者で1960年代に同時代のアメリカ音楽を幾つか残している。
    本CDはポーランド国立放送交響楽団を振っての録音だが、ここでも優秀なオケに支えられて、良く鳴らした充実したサポート。
    スタールマンの歌もなかなか良い。
    次に登場するのはウォードの曲ではなく、クインシー・ポーターの作品で、『ニューイングランドのエピソード』を収録、指揮は再びヴォディツコである。
    この作品はまだ聴きやすい作品であるが、ウォードの作品に比べやや晦渋な上、演奏時間も20強と長い。
    演奏は健闘しているが一度聴けば良いというところ。
    録音は1966年(没神論者の宗教歌)1968年(ニューイングランドのエピソード)1975年(その他)で、それなりに古いがリマスタされている様で音は聴きやすい。

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     2023/12/03

    イギリスの作曲家、アルバート・ケテルビーのピアノ作品集。
    ケテルビーは『ペルシャの市場にて』の様な描写的な小品で知られています。
    作品集もそこそこありますが、それらは大体前記のような軽いライトミュージック的なオーケストラ作品を集めたCDで、ピアノ作品は今まで知られていませんでした。
    このCDには18曲のピアノ曲が収めてありますが、その殆ど曲がサロン的な聴きやすい作品で、中にはクラシックな曲調もありますがいずれにせよ、豊かなメロディはケテルビーならではと言えるでしょう。
    本CDのピアニストはローズマリー・タック。
    ナクソス系列に知られざる作品を録音しているピアニストで、これは1993年に録音されたもの。
    演奏は良くも悪くも堅実な演奏で、作品を知るには十分。
    録音もナクソス品質で特に問題なし。
    録音から発売までに妙な開きがあるが、これは元々マルコポーロで2枚出ていたものを新しく一枚に編集したため。
    残念ながら選曲から漏れた作品もあり、それらを入れた第2弾を出して欲しい。

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     2023/12/02

    本CDはイギリスの作曲家、フィリップ・レーンの管弦楽作品集。
    ギャヴィン・サザーランド指揮、ロイヤル・バレエ・シンフォニアの演奏です。
    レーンは作曲家としての活躍の他に編曲家としても活躍、特に映画音楽のスコアの復元で知られ、レーンが復刻したスコアはシャンドスの映画音楽シリーズ等でも使われており、そちらの活動の方が有名かもしれません。
    レーンの作品集は現在これだけの様ですが、どの作品も親しみやすいメロディと確かなオーケストレーションが施された作品ばかり。
    ブリティッシュ・ライト・ミュージックシリーズの作曲家だけあり、現代の作曲家ながら難解さや晦渋さはありません。
    指揮のサザーランドはバレエ畑の指揮者ですが、映画音楽から協奏曲まで録音のレパートリーは幅広く、どれも水準以上の仕上がりですが、本CDもそうです。
    2001年録音なので、音質も問題ありません。

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     2023/12/01

    アメリカの作曲家、モートン・グールドが、ロンドン交響楽団を振って録音した自作自演集です。
    『行進曲による交響曲からクイックステップ』『コティヨン(フォールリヴァー伝説より)』『フィルハーモニー・ワルツ集』『ラテン・アメリカン・シンフォネット』『祝祭の音楽』『自由のファンファーレ』『ウィンドジャマー』が収録、更にアルベルト・ヒナステラのバレエ組曲『エスタンシア』も収録している。
    このCDの聴きどころは、ラテン・アメリカン・シンフォネットで、グールドはRCAに第2、第3楽章の抜粋ではあるが、自作自演を残しているが、全曲の演奏はこの録音ぐらい。
    シンフォニックかつラテン的なこの演奏は同曲の名演の一つ。
    またその他の曲も、グールドとロンドン交響楽団の演奏は、オケが上手いというのもあるのだが、クラシカルな表現からスウィング感豊かな巧みな演奏を披露している。
    また鳴りの良いサウンドはいかにもロンドン交響楽団といえ、特に録音当時はプレヴィン時代という事もあってか輝いたサウンドをしている。
    要約すると、楽しく聴けるディスクとしておすすめ。
    録音は1978年9月17日から22日。
    年代の割に音質は良く聴きやすい。
    尚、近い時期にグールドはロンドン交響楽団と映画音楽集を制作しており、そちらにもウィンドジャマーが収録されているが、同一の音源の様だ。

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     2023/11/30

    このCDはアメリカの作曲家、ロバート・ウォードの管弦楽作品を集めたCDです。
    本CDは1999年発売のアルバムを今年に再リリースされたものです。
    収録曲で最初に登場するのは、ウィリアム・ストリックランド指揮、日本フィルハーモニー管弦楽団によって録音された『交響曲第2番』です。
    これは1960年に録音され、米CRIレコードに日本フィルが録音した音源の1つだそうです。
    指揮者ストリックランドは、当時日本に頻繁に来日し、アメリカの同時代の音楽を紹介したほか、CRIに日本フィルとアメリカの作品の吹き込みや、EMIには芥川の作品をインペリアル・フィルハーモニーと録音するなど活躍していました。
    この交響曲第2番は中々に良い演奏をしており、当時の日フィルの演奏能力の高さと、ストリックランドのオケのコントロール能力、更に作曲者への共感が感じられる。
    次に登場するのはアラン・バルター指揮、チェコ・フィルハーモニー室内管弦楽団で、『思い出の道を通って』『5×5(5部の主題による4つの変奏)』が収録されています。
    この音源は新しく録音された物で1998年4月にチェコで録音されたもの。
    オケは言わずとも知れたチェコ・フィルのメンバーによるもので、指揮のバルターはアメリカの指揮者。
    録音も他に数えるぐらいしかなく、アメリカを中心に活躍したため日本では知られていないが、意外な所で日本と繋がりがあり1976年の民音コンクールで1位をとっているようだ。
    本録音の4ヶ月後、1998年8月に亡くなっており、本録音は最晩年の恐らく最後の録音であると思われる。
    両曲とも世界初録音との事であるが、オケの合奏力は高く整えられた演奏であり、作品を知るには十分。
    特に弦楽の美しさが聴きどころ。
    次に登場するのは、1曲目に登場したウィリアム・ストリックランドの指揮、シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏で録音された『ピアノ協奏曲』で、ソリストはマージョリー・ミッチェル。
    1968年録音で元は米CRIに録音された音源。
    ミッチェルはCRIに入れた録音ではストリックランドと組んだ録音が多く、本録音でもストリックランドとシュトゥットガルト放送交響楽団のしっかりと支えた伴奏に、クリアなピアノを聴かせてくれます。
    音質は1998年にデジタル録音されたものは良いのはわかりますが、他の1960年代のモノラル音源も時期を考えると良い方だと思います。

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     2023/11/29

    東芝EMIが1990年代に国内外の吹奏楽を起用し録音した音源から、スペインの作曲家、アルベニスとファリャの作品を収録したものです。
    この新・吹奏楽名曲コレクション・ウィンド・スタンダーズシリーズは、観賞用以外に吹奏楽を演奏する演奏者側への模範的音源の意味合いもあり、現在入手出来るかはともかく、出版された譜面を使い、ライナーには使用譜と楽譜の番号まで書かれているというなかなか手の入った作り。
    最初の収録曲はファリャのバレエ組曲『恋は魔術師』で、星出尚志編曲によるEMI音楽出版版での演奏。
    これは国分誠指揮、東京佼成ウインド・オーケストラによる演奏。
    この団体らしい癖のない演奏で、聴きやすくはあるが、ちょっと物足りない。
    ファリャ『三角帽子』アルベニス『スペイン組曲からセヴィーリャ』『組曲スペインからタンゴ』『スペインの歌よりコルドバ』『イベリアよりセヴィーリャの聖体祭』は林紀人指揮、シエナ・ウィンド・オーケストラによる演奏。
    シエナがまだ結成して一年とちょっとの時期の1991年の録音。
    今の威勢と元気の良さが売りのシエナの演奏を想像すると中々びっくり結構丁寧に演奏している。
    セヴィーリャの聖体祭等は音楽の盛り上げ方も良い。
    使用楽譜はオランダのモレナールを筆頭に、サム・フォックス、J &Wチェスター等、海外譜が使われている。
    録音はデジタル時代なので綺麗だが、特筆するような音質ではないだろう。

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     2023/11/28

    サー・エドワード・ダウンズ指揮、BBCフィルハーモニックの演奏で収録されたレインゴルト・グリエールの交響曲全集の一枚。
    最初に登場するのは『交響曲第1番』で、数少ない同曲の録音。
    初期の作品らしくロマン派風の作品で、チャイコフスキーやグラズノフに影響を受けたかの様な作品。
    ナクソスのガンゼンハウザー盤ぐらいしか他に録音は見かけないが、このダウンズ盤はオケが充実している事もあり、現在出ている録音の決定盤と言えます。
    併せて収録されているのはバレエ『赤いけしの花』より組曲。
    ロシア水兵の踊りは有名ですが、バレエ本体やそれから編まれた組曲の録音はあまり多くありません。
    このダウンズの演奏は、丁寧に安定した出来であり安心して聴けると思います。
    録音も良好。

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     2023/11/27

    ポルトガルの作曲家、ジョセ・ヴィアンナ・ダ・モッタの管弦楽作品集です。
    代表的な管弦楽作品を集めた現在唯一の盤です。
    メイン・プログラムの交響曲『祖国』は、ポルトガルのナショナリズムを取り入れた作品を書いたというこの作曲家にしてはどこまでもドイツ的な作品。
    豊かなメロディはどことなくチャイコフスキー的な部分がありますが、卓越したオーケストレーション、構成はそれこそリストやワーグナー的な師の血筋を感じさせる、非常に丁寧に作られた作品。
    隠れたロマン派交響曲の知られざる名作だと思う。
    この路線は続く序曲『ドネス・イネス・デ・カストロ』もそうで、これもロマン派時代の知られざるドイツの作曲家が書いた曲だよと言われたら信じそうなぐらいドイツ的な作品。
    一方で、後半の小品はいかにもなポルトガル的な作風の曲が続き、国民学派が好きな方にはたまらないメロディが出てくる。
    演奏はアルヴァロ・カッスート指揮、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団。
    指揮のカッスートはポルトガルの作曲家&指揮者。
    自作を含む知られざるポルトガルの作曲家の作品を紹介している事で知られており、ナクソスにもそこそこある。
    ここではイギリスのオケと組んでいるが、全体的に見ればどれも作品の魅力を知るには十分なレベル。
    交響曲は中々の熱演であり、ファーストチョイスにもピッタリ。
    ビートOp11等はクラシック・オケだがらややノリが悪い所もあるが。
    2015年4月7日から8日にかけて録音されたもので、音質は良好である。

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     2023/11/25

    20世紀アメリカの作曲家が書いたピアノ協奏曲を集めたもので、LP時代にアメリカCRIに録音された音源から復刻したCDです。
    まず最初に登場するのはジョン・A・カーペンターの『ピアノ小協奏曲』で、ウィリアム・ストリックランド指揮、エーテボリ交響楽団の演奏、ピアノをマージョリー・ミッチェルが弾いています。
    カーペンターの作品は数少ない録音を聴く限りは非常にロマンティックな分かりやすい作風ですがこの協奏曲も同様です。
    ここで演奏しているストリックランドはアメリカの指揮者、エーテボリ交響楽団はスウェーデンを代表するオケの一つ。
    演奏は熱が入っており、共感豊かな演奏であるためなかなか良いと思います。
    またピアノのミッチェルは初めて聴いた名前ですがなかなか上手い。
    数少ない同曲の名演奏でしょう。
    次に登場するのは、リー・ホイビー『ピアノ協奏曲第1番』です。
    ホイビーはメノッティに師事した作曲家でオペラの分野で活躍したそうですが、このピアノ協奏曲も代表作の一つだそうです。
    この作品は1958年の作品だそうですが、当時の前衛音楽全盛期にも関わらずとことん美しい旋律が出てくるロマン派な曲。
    ホイビーはピアノも上手かったらしくピアノパートは鮮やかです。
    演奏はヤン・クレンツ指揮、ポーランド国立放送交響楽団、ピアノはジョン・アトキンス。
    東西冷戦期のポーランドでの録音ながら演奏はなかなか充実している。
    こちらも録音は少なく初めて聴くには十分な水準。
    次に登場するのはジョン・ラ・モンテーヌの『ピアノ小協奏曲』です。
    演奏はガイ・フランサー・ハリソン指揮、オクラハマ市交響楽団、ピアノはカレン・キーズ。
    収録曲の中では最も現代的で前2人程旋律美さはありませんが、聴きにくいと言う事はありません。
    オケ、指揮者は珍しいですが無難と言った演奏ですが、ピアノはなかなかに頑張っています。
    録音はカーペンターが1963年、ホイビーが1966年、モンテーヌが1962年で結構古い録音であるが十分聴ける音質です。

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     2023/11/24

    チャールズ・ゲルハルト指揮、ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団のコンビによって録音されたハリウッドの映画音楽集である。
    ゲルハルト&ナショナル・フィルは黄金時代のハリウッド映画音楽をRCAに録音した事で有名であり、ウィルキンソンの優秀な録音も手伝いそれらは現在も音源が出回っているが、本CD音源はそれとは別で、レコーディングエンジニアはウィルキンソンであるが、プロデューサーはジョージ・コルンゴルトではなく、ゲルハルト自身による物だし、録音場所もキングズウェイ・ホールではなく、ウォルサムトウ・アッセンブリー・ホールで録音されているほか、録音年も1968年とかなり古い(一部は1971年、1974年)
    また収録曲もRCAのシリーズにない曲が多く、日本からは早坂文雄の『羅生門』が取り上げられている。
    また『風と共に去りぬ』『嵐の青春』は前記RCAにも録音があるがこちらは組曲版である。
    演奏は流石ゲルハルト、ツボを心得た演奏であり、十分に楽しい演奏と言える。
    またナショナル・フィルハーモニー管弦楽団の高い技術力はここでも存分に発揮されており、収録曲に興味があれば買いだろう。
    録音は前記の様に古いが、これも年代を考えるとなかなかの音質だと思います。

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     2023/11/23

    20世紀アメリカの作曲家による管弦楽作品を集めたもの。
    収録音源は米CRIに録音されたLP時代の音源をCD化したもので、新規録音ではない。
    収録されたのは4人の作曲家でまず最初はデイヴィッド・ダイヤモンドの『ロメオとジュリエットのための音楽』です。
    数多の作曲家が同作をテーマに音楽を書いていますが、ダイヤモンドは保守的な作風で知られている様に作曲年代の割には保守的で旋律が非常に美しく聴きやすい作品です。
    演奏はヤン・クレンツ指揮、ポーランド国立放送交響楽団。
    1966年と冷戦期の録音なのですが、流石は旧東側のオーケストラ、非常に演奏は上手い。
    オーケストラはよく鳴っていてそれでいてわかりやすい音楽は同曲の名演の一つでしょう。
    次に登場するのはダグラス・ムーアの交響詩『イン・メモリアル』です。
    この作品は第二次世界大戦の戦死者追悼のために書かれた作品で1944年初頭にハワード・ハンソンが初演した曲との事。
    題名通りの暗い作品。
    演奏はウィリアム・ストリックランド指揮、日本フィルハーモニー管弦楽団で1960年録音。
    旧日本フィル時代の日フィルと当時頻繁に来日していたというアメリカの指揮者、ストリックランドの組み合わせで、オケは結構荒れがあるものの、終わりに向けて音楽は盛り上がり、なかなかに熱い演奏を繰り広げている。
    これも作品を知るには十分な好演奏だろう。
    次に登場するのはセルゲイ・クーセヴィツキーの『コントラバス協奏曲』で、指揮者としては有名でも作曲家としてはあまり語られない作者の1番知られている作品です。
    厳密な事を言うとこれはロシア時代の作品なのでアメリカの作品とは言えないかもしれませんが、CD中最もロマン派的で分かりやすいメロディを持った作品です。
    演奏はゲイリー・カーがソリスト、伴奏はアルフレード・アントニーニ指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団です。
    1969年録音とあり、初CD化とあります。
    カーのコントラバスはチェロの様に歌い濃密なソロで、アントニーニ率いる、オスロ・フィルもバックをしっかりと支えつつ、盛り上げており、同曲の良い演奏の一つ。
    最後はクインシー・ポーターの『ハープシコード協奏曲』で、冒頭と同じクレンツ指揮、ポーランド国立放送交響楽団と、ヴァージニア・プレザントのソロで収録されたもの。
    CDの中では最も現代的な作風をしており、とっつきにくさもあるが、プレザントのソロも良く、ここでもオケは上手いのであっという間に24分経ってしまう。
    いずれも1960年代の古い録音ながら音質は年代を考慮すれば充分に聴ける水準だと思います。
    アメリカ・クラシック好きは注目の一枚でしょう。

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     2023/11/22

    サー・エドワード・ダウンズ指揮、BBCフィルハーモニックでシャンドス・レーベルに録音された、グリエールの録音の一つ。
    バレエ組曲『青銅の騎士』と『ホルン協奏曲』を収録しています。
    青銅の騎士はこんにち、吹奏楽界で非常に有名な作品となっています。
    グリエールのバレエ作品でも赤いケシの花と並ぶ代表作ながら、オーケストラによる録音は現在ダウンズ盤しかありません(過去に遡ってもCDでリス盤、LPでジュライチス盤ぐらいしかないようです)
    偉大な都市への讃歌もオケ版だとまた違った印象を受け、吹奏楽より音に厚みがある分に感動的な作りになっています。
    ホルン協奏曲は元フィルハーモニア管弦楽団の主席を務めたリチャード・ワトキンスをソリストに迎えたもの。
    ホルン協奏曲の録音はいくつかありその中でもバウマンがソロをとった音源が有名かと思われますがこのワトキンスのソロもなかなか良いです。
    ダウンズとBBCフィルの演奏は、非常に丁寧な端正な仕上がりとなっており、ロシア的な力強さは薄いものの、なかなかの出来だと思います。
    録音、音質良好。

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     2023/11/21

    レオー・ヴェイネルの管弦楽作品集の第3弾です。
    ヴァレリア・チャーニ指揮、MAVブダペスト交響楽団の演奏で収録されたもの。
    ナクソスは現在3枚のヴェイネルの作品集を出しています。
    このCDに収録された曲のほとんどは弦楽オーケストラのための作品でありますが、ハンガリーの民族色とロマン派を組み合わせたヴェイネルの特徴が良く出た作品ばかりであり、ヴェイネルを初めて聴くと言う人にもおすすめ。
    作品としては2つのディヴェルティメントがハンガリー色満載でおすすめですが、チェロとハープが活躍する、ロマン派的な冒頭のロマンスもなかなか良い作品だと思います。
    チャーニとMAVブダペスト交響楽団はナクソスに既に幾つか録音を残しており、ヴェイネルのアルバムもすでに2枚リリースしています。
    本CDでも作曲家への豊かな共感と情熱を感じる演奏を披露しており、またMAVブダペスト交響楽団の弦楽セクションの美しさを存分に堪能出来ると思います。
    録音は2018年という事もあり、優秀な音質です。

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     2023/11/19

    ワルター・ムナチャカノフ指揮、ロシア国立映画交響楽団によって録音されたアラム・ハチャトゥリアンの作品集。
    ハチャトゥリアンも生きた時代が時代だけに政府向きの、即ち共産主義を讃える作品を書いており、本CDはそれら政府御用達社会主義リアリズム路線の作品と、管弦楽伴奏の歌曲を収録したもの。
    『レーニン追悼のための頌歌』『スターリンに寄せる詩』『3つの演奏会用アリア』を収録している。
    指揮のムナチャカノフは1990年代にショスタコーヴィチやカバレフスキーの珍しい作品を録音した指揮者だが、2000年代に入るとパタっと録音が途絶え、このCDを購入にあたり検索してみると2020年に85歳で亡くなったようだ。
    このハチャトゥリアンは出回ってる音源では最後の方に録音されたものの様だ。
    オケのロシア国立映画交響楽団は、永年セルゲイ・スクリプカが指揮者を務め、題名通り映画音楽を得意とするが録音は幅広く、交響曲も録音しているなどクラシック・オケとしても実績は十分ある。
    冒頭のレーニン追悼のための頌歌は、映画音楽から編まれた作品で、意外にもしんみりとした曲調もあってか録音は多い。
    オケはやや荒い所があるが、ロシアらしい分厚いブラスが聴け、あっという間に曲が終わる。
    スターリンに寄せる詩は題名通りスターリン讃歌と言った内容で、そのあからさまな内容から録音はもとより演奏自体も稀な秘曲中の秘曲。
    実際デジタル録音では世界初録音との記載がある。
    曲はやや仄暗いソヴィエト的メロディとハチャトゥリアンらしい旋律が20分ぐらい続き、突然合唱がエキゾチックなメロディでスターリンを称え出す。
    ここではベラルーシ国立合唱団が起用されており、何故かロシアの団体ではないがこれはムナチャカノフがベラルーシの指揮者だからだろうか。
    恐らく今後も録音は簡単に増えないだろうから、この演奏は作品を知るには十分といえる。
    ここでもブラスは良く鳴っているが、合唱にもう少し高揚感の様なものがあれば良かったと思うが。
    3つの演奏会用アリアも前曲と同じくデジタルでの世界初録音との事。
    こちらの曲は政府御用達作品ではない純粋な純音楽。
    あまり強く訴える内容ではないが、ボイコによるソプラノも悪くないし、十分な演奏に仕上がっていると思う。
    1996年にモスフィルム・スタジオで録音されたものであり、音質などは良好。
    長らく廃盤となっており、これが廃盤になると次はいつ復刻されるか不明なので気になるなら早めの入手をおすすめします。

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     2023/11/18

    シャンドス・レーベルが録音した、レインゴルト・グリエールの録音をBOX化したものである。
    交響曲全集と2つのバレエ組曲に、ホルン協奏曲、そしてオーケストラ曲を収録したもので、このBOXを買うととりあえずグリエールの代表的な管弦楽作品は揃う様になっている。
    これらは過去に単品で発売されたものだが、今回BOX化されたもの。
    演奏は全て、BBCフィルハーモニック、指揮は1枚目から4枚目が、サー・エドワード・ダウンズ、5枚目がワシリー・シナイスキーである。
    ダウンズの演奏は、この指揮者の代表的な音源の1つと言われるもの。
    その評価通り、どれもが丁寧に端正な仕上がりに仕上がっており、ロシア的な力強さは欠けるものの、手堅い演奏で作品を知るには十分。
    シナイスキーは知られざる管弦楽作品を振っており、殆どが社会主義リアリズム路線転向後の作品で、いかにもな民族的旋律が出てきたりと曲自体も楽しいが、シナイスキーの骨太な音楽が1番の聴きどころと言えます。
    録音、音質も問題ありません。
    ただ、元のCD単品を全て持っている人にはおすすめできません。
    内容自体はそれぞれ単品で出ていたのと同じであり、特に目新しいものはないからです。

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